長期インターンの雇用契約と労働時間|受け入れ前に確認すること
長期インターン生を受け入れるとき、仕事の中身や募集の書き方には時間をかけても、雇用契約や労働時間の確認は後回しになりがちです。結論として、長期インターンの労務は「雇用にあたるか」「契約で何を決めるか」「時間をどう記録し、どこで止めるか」の3点を受け入れ前に確かめておくと、後からの問題を防ぎやすくなります。 学生であっても、働き方の実態によっては社員と同じように労務の規定が関わります。この記事では一般論として確認の枠組みを整理し、個別の判断は社会保険労務士などの専門家に確認することを前提にします。
症状を確認する|労務で起きやすい問題
長期インターンの受け入れで、労務の面から起きやすい問題には次のようなものがあります。
- 契約の内容が曖昧:勤務日数や時間、給与、業務内容が書面で決まっていない
- 勤務時間が記録されていない:何時間働いたかが分からず、給与の計算や上限の管理ができない
- 勤務時間の外の仕事:チャットでの連絡や、自宅での作業が勤務時間として扱われていない
- 学業との境目が曖昧:大学の単位認定と結びついたインターンなのか、雇用なのかがはっきりしない
これらの問題は、受け入れている間は表に出ないこともありますが、トラブルになってから気づくと対応が難しくなります。
確認する順番
1. 雇用にあたるかを確かめる
最初に確かめるのは、受け入れる長期インターンが雇用にあたるかどうかです。一般的には、会社の指示のもとで仕事をし、その対価として報酬を受け取る形であれば、雇用にあたると考えられます。
- 会社が仕事の内容や進め方を指示しているか
- 勤務の日時や場所が決められているか
- 仕事の成果が会社の事業に使われているか
雇用にあたる場合は、学生であっても最低賃金や労働時間の規定を守る必要があります。見学や体験が中心で、会社の事業に直接関わる仕事をしない形であれば扱いが変わることもありますが、判断は個別の状況によって異なります。迷う場合は、社会保険労務士などの専門家に確認してください。
2. 契約で決めておく項目
雇用契約を結ぶ場合は、次の項目を書面で決めておきます。
- 契約の期間:いつからいつまでか。更新するかどうか
- 勤務の日数と時間:週に何日、一日に何時間。下限と上限
- 勤務の場所:出社か、リモートか、その組み合わせか
- 業務の内容:どんな仕事を任せるか
- 給与:金額、計算の方法、支払いの時期
- 交通費やその他の手当:支給するかどうか、その条件
- 情報の取り扱い:守秘の約束と、扱ってよい情報の範囲
書面で決めておくことで、学生も会社も同じ前提で働けます。
エージェントベストの見解
長期インターンの受け入れについて相談を受けたとき、当社がよく見るのは、募集の条件と契約の内容がずれている例です。募集では「週に数日から、リモート可」と書いていたのに、契約では出社が前提になっている。募集では「時給制」と書いていたのに、実際は月ごとの固定の金額で、勤務時間を記録していない。こうしたずれは、学生の不信につながるだけでなく、労務の面でも問題になりえます。当社が勧めるのは、募集の原稿を作る段階で、契約の書面と同じ項目を並べて確認することです。勤務の日数と時間、場所、給与の計算方法。この三つが募集と契約で一致していれば、受け入れ後の行き違いの多くは防げます。
3. 勤務時間の記録と上限
勤務時間は、給与の計算の基になるだけでなく、学業との両立や健康を守るうえでも大切です。
- 記録の方法:出社の場合は勤怠の記録、リモートの場合は始業と終業の連絡で記録する
- 上限の管理:週の勤務時間の上限を決め、超えないように見る
- 勤務時間の外の連絡:仕事の連絡を勤務時間の外にしないか、した場合の扱いを決める
- 休憩の扱い:勤務の時間に応じて、休憩をどう取るか
リモートの勤務では、授業の合間に少しずつ働くこともあり、合計の時間が見えにくくなります。日ごとの合計を記録しておくと、上限の管理がしやすくなります。
学業との関係で注意すること
長期インターンは学業と並行して行われるため、次の点にも注意します。
- 学業を優先できる取り決め:試験期間や授業の都合で勤務を減らせるようにしておく
- 深夜や早朝の勤務:授業や生活に影響する時間帯の勤務は避ける
- 単位認定との関係:大学の単位認定と結びついたインターンの場合は、大学側の取り決めも確認する
- 留学生の場合:在留資格によって働ける時間や条件に制限があるため、事前に確認する
留学生の受け入れでは、在留資格の確認が欠かせません。条件は個別に異なるため、専門家や関係機関に確認してください。学業との両立の考え方は長期インターンと学業の両立でも整理しています。
外に任せる範囲と、専門家に確認すること
外部の採用支援に相談しやすいこと
- 募集の条件の書き方と、契約の内容との一致の確認
- 学生の目線から見た、条件の分かりやすさ
専門家に確認すること
- 雇用にあたるかどうかの判断
- 契約の書面の内容
- 勤務時間や給与の計算の方法
- 留学生の在留資格に関わる条件
採用の支援をする会社と、労務の専門家では、相談できる範囲が違います。労務の判断は、社会保険労務士などの専門家に確認することを基本としてください。
エージェントベストの見解
当社はInfraの代理店として募集の支援をしていますが、労務の判断そのものは行いません。そのうえで、受け入れが長く続いている会社を見ていて感じるのは、労務の確認を「守りのための作業」ではなく「学生に安心して働いてもらうための準備」と捉えていることです。勤務時間をきちんと記録し、上限を守り、学業を優先できる取り決めがある会社は、学生の間で「安心して働ける会社」として知られていきます。長期インターンを探す学生は、先輩や友人から働き先の評判を聞いています。労務の取り決めが整っていることは、目に見えにくいものの、次の学生の応募にもつながります。受け入れ前の確認は、手間ではなく、受け入れを続けるための土台と考えることを勧めます。
受け入れ前の確認を一覧にしておく
労務の確認は、受け入れのたびに一から考えると抜けが出ます。社内で確認の一覧を作っておくと、受け入れのたびに同じ順番で確かめられます。
- 雇用にあたるかどうかの確認と、迷った場合の専門家への相談
- 雇用契約の書面(期間、日数と時間、場所、業務、給与、手当)
- 勤務時間の記録の方法と、週の上限
- 勤務時間の外の連絡の扱い
- 情報の取り扱いの約束
- 学業の都合による勤務の調整の取り決め
- 留学生の場合の在留資格の確認
- 受け入れ終了時の手続き(アカウントの停止、貸し出し物の返却)
一覧は、受け入れの担当者が変わっても使えるよう、社内の共有の場所に置いておきます。法令や社内の規程が変わったときには、一覧も見直してください。一覧の内容に迷う点があれば、社会保険労務士などの専門家に確認してもらうと安心です。
まとめ
- 長期インターンの労務は「雇用にあたるか」「契約で何を決めるか」「時間をどう記録し止めるか」を受け入れ前に確かめる
- 雇用にあたる場合は、学生であっても最低賃金や労働時間の規定を守る
- 契約では、期間、勤務の日数と時間、場所、業務、給与、手当、情報の扱いを書面で決める
- 募集の条件と契約の内容を一致させ、受け入れ後の行き違いを防ぐ
- 労務の個別の判断は、社会保険労務士などの専門家に確認する
よくある質問
長期インターン生と雇用契約を結ばずに受け入れることはできますか
働き方の実態が雇用にあたらない形であれば、雇用契約を結ばないこともありえます。ただし、実態が雇用にあたるかどうかは個別の状況によって判断されます。雇用契約を結ばない形を考えている場合は、専門家に確認してから決めてください。
リモートで働くインターン生の勤務時間はどう記録すればよいですか
始業と終業をチャットなどで連絡してもらい、日ごとの合計を記録する形が一般的です。授業の合間に分けて働く場合も、合計の時間を記録しておきます。考え方はフルリモートの組織で長期インターンを受け入れるでも触れています。
留学生を長期インターンとして受け入れる場合、何に気をつければよいですか
在留資格によって、働ける時間や条件に制限があります。受け入れる前に在留資格の内容を確認し、条件の範囲内で勤務の計画を立てる必要があります。具体的な条件は、専門家や関係機関に確認してください。
相談無料 / 求人広告代理店エージェントベスト
長期インターンの採用と受け入れ、まとめて相談できます
- 求人原稿の作成から応募対応・面接設定まで、Infraの運用を代理店として支援します
- 継続して採るならサブスクリプション、まず1名ならデポジット(成果報酬)。採用計画から選べます
- 受け入れ体制や、新卒採用へのつなぎ方も一緒に考えます
この記事の内容に合うサービス:長期インターン採用(Infra) ↗月額5万円〜/成果報酬9万円〜