長期インターンの応募が特定の学年に偏るとき
長期インターンの募集を出していると、「応募が3年生ばかりで、すぐ就職活動で抜けてしまう」「1年生ばかりで、任せられる仕事が少ない」といった声を聞きます。学年の偏りそのものは悪いことではありません。問題になるのは、偏った学年と、任せたい仕事や受け入れ期間が合っていないときです。 偏りを直す前に、自社が本当に欲しい学年を決めることが先です。この記事では、学生向けの長期インターン求人サイトInfraなどで募集する会社が、学年の偏りにどう向き合うかを整理します。
偏りが問題かどうかを先に判断する
まず、次の2つを確認します。
- 受け入れたい期間:最低どのくらい続けてほしいか。数か月で十分なのか、1年以上いてほしいのか
- 任せたい仕事:入ってすぐ手を動かせる仕事か、教えながら育てる仕事か
3年生が多い場合、就職活動が本格化する時期に合わせて抜けることを前提にする必要があります。期間を短く区切ったプロジェクトを任せるなら問題になりません。一方、1年以上いてほしいのに3年生ばかり集まるなら、偏りは直すべき対象です。
1・2年生が多い場合は、時間をかけて育てる前提が持てるかどうかが分かれ目です。育てる余力がある会社にとっては、むしろ長くいてくれる層です。
偏りが生まれる原因を切り分ける
偏りを直すと決めたら、原因を次の順で探ります。
- 原稿の書き方:「即戦力」「経験者歓迎」「就職活動に活きる」といった言葉が並んでいないか。こうした言葉は、就職活動を意識し始めた上の学年に響きやすい傾向があります
- 募集を出す時期:上の学年は夏や秋に動き、下の学年は年度の初めや長期休みの前に動く傾向があると言われます。出す時期が一方に寄っていないか
- 業務と条件:週に何日、何時間を求めているか。授業が多い学年には続けにくい条件になっていないか
多くの場合、1番目と3番目が絡み合っています。「経験者歓迎、週4日以上」と書けば、時間の取れる上の学年や休学中の学生に寄るのは自然なことです。
学年ごとに響く書き方は違う
同じ仕事でも、学年によって知りたいことが違います。原稿を1本で済ませず、欲しい学年に向けた言葉を選びます。
| 学年の目安 | 知りたいこと | 原稿で厚く書くこと |
|---|---|---|
| 1・2年生 | 未経験でも大丈夫か、授業と両立できるか | 最初の教え方、シフトの柔軟さ、先輩インターン生の様子 |
| 3年生 | 何ができるようになるか、就職活動にどう関わるか | 任せる仕事の具体性、成果の残り方、本選考との関係 |
| 4年生・大学院生 | 卒業までの期間で何を任せてもらえるか | 期間を区切った役割、内定先との両立 |
偏りを直すときは、欲しい学年の欄を厚く書き、それ以外の学年に向けた言葉を減らします。たとえば1・2年生を増やしたいなら、「経験者歓迎」を外し、「最初の2週間で教えること」を具体的に書きます。
エージェントベストの見解
学年の偏りの相談を受けて原稿を見せてもらうと、「誰でも歓迎」と書いてあるのに、実際の応募が一つの学年に固まっていることがよくあります。全学年に向けて書いた原稿は、結局どの学年にも強く響かず、もともと動いている層だけが応募してくる結果になりがちです。当社はInfraの代理店として求人原稿の作成から支援していますが、偏りを直したいときは、原稿を「全学年向け」から「この学年向け」に絞ることを勧めます。対象を絞ると応募の総数は減るかもしれませんが、欲しい学年の割合は上がります。また、同じ会社で複数の学年を受け入れたいなら、仕事ごとに原稿を分けて、それぞれ別の学年に向けて書くほうが、1本の原稿で全員を狙うより結果が読みやすくなります。
時期と条件を調整する
原稿だけでなく、募集を出す時期と働く条件も見直します。
募集を出す時期
下の学年を増やしたいなら、年度の初めや長期休みの前など、学生が新しいことを始めようとする時期に合わせて募集を強めます。上の学年が欲しいなら、夏休みの前後や秋口など、就職活動を意識し始める時期が合いやすい傾向があります。ただし、学生の動き方は大学や専攻によって違うため、自社の過去の応募の記録を見て判断するほうが外れにくくなります。
働く条件
授業の多い学年に来てほしいなら、週の日数や時間の下限を下げる、在宅でできる仕事を混ぜる、試験期間の休みを最初から組み込む、といった調整が効きます。条件を緩めたぶん、教える側の負担は増えるので、受け入れ体制と合わせて考えます。
学年をまたいで受け入れる設計
学年の偏りを「直す」のではなく、「重ねる」考え方もあります。上の学年が抜ける前に下の学年を迎え、引き継ぎの期間をつくる設計です。
- 上の学年が担当していた仕事を、下の学年に教える役割を任せる
- 引き継ぎの期間を数週間から1か月ほど重ねる
- 抜けた上の学年とは、卒業後も連絡が取れる関係を残す
こうすると、毎年同じ時期に人が抜けて現場が止まる、という状態を避けやすくなります。教える側に回った上の学年にとっても、任される範囲が広がる経験になります。
応募の記録を学年別に残す
偏りを直したかどうかは、感覚ではなく記録で確かめます。最低限、次の項目を応募ごとに残しておくと、半年後に見直すときに役立ちます。
- 応募日と学年
- どの原稿(どの仕事)への応募か
- 面談に進んだか、受け入れに至ったか
- 受け入れた場合、何か月続いたか、なぜ終わったか
この記録を学年別に並べると、「応募は1年生が多いが、続くのは2年生」「3年生は面談には来るが、受け入れ後に早く抜ける」といった傾向が見えてきます。応募の数だけを見ていると、偏りを直したつもりで別の問題を生んでいることに気づけません。記録は表計算ソフトの1枚で十分です。大事なのは、原稿や時期を変えた日を同じ表に書き込んでおき、変えた前後を比べられるようにしておくことです。
エージェントベストの見解
学年の偏りは、新卒採用とのつながりを考えると見え方が変わります。当社は新卒の媒体も扱い、人材紹介も行っていますが、長期インターンを新卒採用の入口として使いたい会社にとって、3年生ばかりが集まる状態は必ずしも悪くありません。その年の本選考に近い学生と長く接点を持てるからです。逆に、新卒採用とは切り離して、業務の戦力として長くいてほしい会社にとっては、下の学年を厚くするほうが合います。偏りを直すかどうかは、長期インターンを「採用の入口」と見るか「業務の担い手」と見るかで決まります。この位置づけを決めないまま原稿を直しても、狙いがぶれて応募の質は安定しません。新卒採用との関係はインターンからの母集団形成でも触れています。
まとめ
- 学年の偏りが問題かどうかは、受け入れたい期間と任せたい仕事で判断する
- 原因は原稿の書き方→募集の時期→業務と条件の順に切り分ける
- 欲しい学年に向けて原稿を絞り、その学年が知りたいことを厚く書く
- 学年を重ねて受け入れ、引き継ぎの期間をつくる設計もある
- 長期インターンを採用の入口と見るか業務の担い手と見るかを先に決める
よくある質問
1年生を受け入れても、任せられる仕事がありません
最初の数か月は、調べもの、資料の整理、社内の手順書づくりなど、教えながら進められる仕事から始める会社が多いです。任せられる仕事がまったく思いつかない場合は、下の学年を無理に増やすより、上の学年に絞るほうが受け入れはうまくいきます。
大学院生の応募は、学年の偏りとしてどう扱えばよいですか
研究の繁忙期によって時間の取り方が大きく変わるため、学部生とは別に考えるのが現実的です。専門性を活かせる仕事があるなら、期間を区切った役割で受け入れる方法があります。
学年で応募を制限してもよいですか
募集の対象を絞ること自体は行われていますが、表現によっては誤解を招くことがあります。「この学年を歓迎」と書いて対象を示し、他の学年を一律に断らない書き方のほうが無難です。迷う場合は専門家に確認してください。
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