長期インターンの入社後のミスマッチを減らす
長期インターンを経て新卒で入社した社員は、会社のことをよく知っているはずです。それなのに、入社してしばらくたってから「思っていたのと違う」と感じる人がいます。長期インターン経由の入社では、会社を知らないことではなく、インターンのときの見え方と社員になってからの見え方が違うことが、ミスマッチの原因になりやすい傾向があります。 インターンで見ていたのは会社の一部で、その一部を全体だと思って入社してしまう。この記事では、学生向けの長期インターン求人サイトInfraなどで受け入れた学生を新卒で迎える会社に向けて、ミスマッチの種類と減らし方を整理します。
長期インターン経由のミスマッチは3種類ある
インターン経由で入社した社員が感じるずれは、おおむね次の3つに分けられます。
| 種類 | インターン時の見え方 | 入社後の見え方 |
|---|---|---|
| 仕事のずれ | 面白い仕事を任せてもらえた | 新人として基礎の仕事から始めることになった |
| 立場のずれ | 学生として大目に見てもらえた | 社員として成果と責任を求められる |
| 人のずれ | 一緒に働いた部署の人が好きだった | 配属先は別の部署で、雰囲気が違った |
1つ目の仕事のずれは、インターン生に魅力的な仕事を任せる会社ほど起きやすくなります。インターンのときは「お試し」として面白い部分を任されていたのに、入社後は新人研修や基礎業務から始まる。その落差に戸惑う人がいます。
3つ目の人のずれも見落とされがちです。インターン生は、受け入れた部署の人を通して会社を見ています。配属先が違えば、会社の印象も変わります。
原因はインターン中の「見せ方」にある
この3つのずれは、インターン中に会社の全体像を見せていないことから生まれます。インターンの受け入れは、どうしても特定の部署、特定の仕事に偏ります。それ自体は自然なことですが、新卒採用につなげるなら、偏っていることを本人に伝えておく必要があります。
具体的には、次の点を伝えているかどうかを確かめます。
- 新卒で入社した場合、最初の1年はどんな仕事をするのか
- 配属はどう決まるのか。インターンで働いた部署に配属されるとは限らないのか
- 社員として求められる成果や責任は、インターンとどう違うのか
これらを伝えずに内定を出すと、本人はインターンの延長で入社後を想像します。
打ち手1|インターン中に伝えておくこと
インターンの後半、本選考を意識する時期に入ったら、次のことを伝える機会をつくります。
新卒の1年目の仕事
入社1〜2年目の社員に、最初の1年でどんな仕事をしたかを話してもらいます。研修の内容、最初に任された仕事、つまずいたこと。インターンで見ていた仕事との違いが、具体的に伝わります。
配属の決まり方
配属がどう決まるのか、希望はどの程度通るのかを、正直に伝えます。インターンで働いた部署に配属されない可能性があるなら、そのことも伝えます。配属先が未定でも、「決め方」を伝えておくだけで、入社後の驚きは小さくなります。
他部署の様子
インターン生が普段接していない部署の社員と話す機会を設けます。会社の雰囲気が部署によって違うことを、入社前に知ってもらうためです。
エージェントベストの見解
長期インターン経由の入社で起きるミスマッチについて相談を受けると、会社側は「インターンで十分に見てもらったはずだ」と考えていることが多くあります。たしかに、インターン生は一般の応募者よりずっと多くの時間を会社で過ごしています。ただ、その時間のほとんどは、特定の部署で特定の仕事をしている時間です。会社を「深く」知っていても、「広く」は知らないことがある。当社は人材紹介も行っていますが、中途採用でも、前職でアルバイトから社員になった人が「社員になってから見えたことが多かった」と話すのをよく聞きます。インターン経験者を採用するときは、「よく知っている人」として扱うより、「一部をよく知っている人」として扱い、知らない部分を意識的に見せることが、ミスマッチを減らす近道だと考えています。
打ち手2|内定期間にできること
内定を出してから入社までの期間も、ずれを埋める機会になります。
- インターンを続ける場合:任せる仕事を、新卒の1年目に近いものに切り替えていく。学生扱いから社員扱いへ、少しずつ期待の水準を上げる
- インターンを終える場合:入社前に配属予定の部署の社員と話す機会を設ける。研修の内容を事前に伝える
- どちらの場合も:インターンでの経験が入社後にどう活きるか、活きないかを率直に話す
とくに、インターンを続ける場合の「期待の水準の切り替え」は大切です。いつまでも学生として大目に見ていると、入社した日に急に水準が上がり、本人は戸惑います。
内定期間の過ごし方の考え方は、早期離職を減らす内定期間の使い方でも整理しています。
打ち手3|入社直後の関わり方
入社してからの最初の数か月は、インターン経験者ならではの関わり方が要ります。
- できることを前提にしすぎない:インターンで慣れていた仕事があっても、社員としての水準で改めて確認する
- できないことを責めない:インターンで触れていなかった仕事は、他の新卒と同じように教える
- インターン時代との違いを話す場をつくる:「インターンのときと何が違うか」を、入社後1〜2か月で聞く
3つ目の場は、本人が違和感を口にできる機会になります。違和感を抱えたまま働き続けると、ある日突然、退職の相談になることがあります。
募集の段階でできること
ミスマッチは入社前後だけでなく、長期インターンの募集の段階から減らせます。求人原稿で「新卒採用を見据えたインターンであること」「インターンの仕事と新卒の仕事の関係」を書いておくと、それを理解した学生が応募してきます。
エージェントベストの見解
当社はInfraの代理店として、長期インターンの求人原稿の作成から関わっていますが、新卒採用への接続を前提にした原稿では、インターンで任せる仕事の魅力と同じくらい、「社員になったら何が変わるか」を書くことを勧めています。たとえば「インターンでは企画の一部を担当しますが、新卒入社後は、まず営業の現場で顧客を知るところから始まります」といった一文です。応募の段階でこの一文を読んだ学生は、インターンと社員の違いを最初から意識して働きます。原稿で魅力だけを伝えると、応募の数は増えやすいかもしれませんが、入社後のずれの種をまくことになります。インターンの募集、受け入れ、本選考、入社後と、段階ごとに伝えることを分けて考え、そのいちばん最初の段階で正直さの基調をつくることが、結果的にミスマッチを減らします。
まとめ
- 長期インターン経由のミスマッチは、仕事・立場・人の3種類に分けられる
- 原因は、インターンで会社の一部しか見ていないのに、それを全体だと思ってしまうこと
- インターン中に、1年目の仕事、配属の決まり方、他部署の様子を伝える
- 内定期間に期待の水準を少しずつ社員に近づけ、入社直後は違いを話す場をつくる
- 求人原稿の段階で、インターンと社員の違いを書いておく
よくある質問
インターンで働いた部署にそのまま配属すれば、ミスマッチは防げますか
人のずれは小さくなりますが、仕事のずれと立場のずれは残ります。同じ部署でも、社員としての役割と責任はインターンと違うため、その違いを伝えることが必要です。
インターン経験者は研修を省いてもよいですか
省ける部分があるかもしれませんが、社員としての基礎を他の新卒と同じように学ぶ機会は残すほうが無難です。同期との関係づくりの面でも、研修には意味があります。
ミスマッチが起きたとき、どう対応すればよいですか
まず本人の話を聞き、仕事・立場・人のどのずれなのかを確かめます。配属や任せる仕事の調整で解決できることもあります。早めに話を聞くほど、選択肢は多く残ります。
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