長期インターン生のやる気が下がったときの関わり方
長期インターン生の様子が変わったと感じたとき、受け入れ担当がまずやりがちなのは「最近どう?」と声をかけて終わることです。やる気が下がったように見える学生の多くは、やる気そのものではなく、時間の使い方か仕事の手応えのどちらかで詰まっています。 原因が違えば打ち手も違うので、声をかける前に何が起きているかを切り分けることが先です。この記事では、学生向けの長期インターン求人サイトInfraなどで採用したインターン生が失速したときの関わり方を、症状の見方から順に整理します。
「やる気が下がった」はどんな形で見えるか
現場から上がってくる声は、たいてい次のようなものです。
- シフトの希望が減った、急な欠勤が増えた
- チャットの返信が遅い、短い
- 指示されたことはやるが、自分から提案しなくなった
- 定例のミーティングで発言が減った
どれも「やる気がない」と一言でまとめられがちですが、背景はばらばらです。シフトが減ったのは試験期間のせいかもしれませんし、提案が減ったのは前回の提案が流されたからかもしれません。見えている行動をそのまま書き出し、いつから変わったかを確認するところから始めます。
原因を切り分ける|学業→仕事内容→関係性の順に見る
切り分けは、本人に聞きやすい順、かつ会社が動かしやすい順に進めます。
- 学業と生活:試験、ゼミ、卒業研究、就職活動、アルバイトの掛け持ち。時期で説明がつくなら、会社が直すべきことは少ない
- 仕事内容:同じ作業の繰り返しになっていないか。任された範囲が入社時の説明と違っていないか
- 関係性:指示を出す社員が忙しく、相談しにくい状態になっていないか。評価やフィードバックが返っていないか
1番目で説明がつく場合は、シフトの組み方を変えれば戻ることが多いです。2番目と3番目は会社側の問題なので、本人の努力では解決しません。この区別をつけずに「頑張ろう」と声をかけると、本人は責められたと受け取ります。
面談での聞き方|評価の場にしない
原因を知るには面談が要りますが、聞き方を誤ると本音は出てきません。次の点に気をつけます。
- 評価する人と聞く人を分ける:日々の指示を出す社員ではなく、少し距離のある社員か人事が聞く
- 過去の話から入る:「最近どう?」ではなく「この1か月で一番手応えがあった仕事は何か」と具体的に聞く
- 会社側の落ち度を先に聞く:「説明が足りなかったところはないか」と聞くと、仕事内容のずれが出てきやすい
- その場で結論を出さない:聞いた内容を持ち帰り、数日以内に何を変えるかを返す
面談の最後に「続けるかどうか」を迫るのは避けます。学生は断りにくく、その場では「続けます」と答えて、しばらくしてから辞めることになりがちです。
エージェントベストの見解
長期インターンで失速する学生を見ていると、入口で聞いていた仕事と、実際に任されている仕事のずれが原因になっていることが多くあります。求人原稿に「企画に関われる」と書いてあったのに、実際はデータ入力が続いている。こうしたずれは、受け入れ後の関わり方では埋めきれません。当社はInfraの代理店として求人原稿の作成から関わりますが、原稿をつくるときに「最初の1か月で任せる仕事」と「3か月後に任せたい仕事」を分けて書くよう勧めています。最初は地味な作業が続くことを正直に書いておけば、学生は覚悟して入ってきますし、3か月後に役割が広がったときに手応えを感じやすくなります。やる気の問題に見えて、実は募集の書き方の問題だったという例は珍しくありません。
募集の書き方の考え方は、媒体は違いますがワンキャリアでインターンを掲載するときの書き方も参考になります。
打ち手|任せ方を変える3つの方法
原因が仕事内容や関係性にあると分かったら、任せ方を変えます。
成果が見える単位に切る
「営業資料の作成」ではなく「来週の商談で使う比較表を1枚」のように、終わりが見える単位で渡します。完成したら、それがどう使われたかを本人に伝えます。自分の作業が誰かの役に立ったと分かると、次の作業への向き合い方が変わります。
判断を1つ任せる
指示どおりに手を動かすだけの仕事は、慣れると飽きます。小さくても「どちらにするか決めてよい」範囲を渡すと、考える余地が生まれます。たとえば、資料の構成を2案出してもらい、どちらで進めるかを本人に決めてもらう、といった形です。
振り返りの場を定例にする
週に1回、15分程度でよいので、今週やったことと来週やることを話す場を設けます。指示を出す社員が忙しい会社ほど、こうした場がないとフィードバックが途切れます。
受け入れ側の負担も見直す
インターン生の失速は、受け入れる社員の疲れと連動していることがあります。指示を出す社員が自分の業務で手一杯になると、質問への返事が遅れ、作業の確認が後回しになり、学生は「放っておかれている」と感じます。
次のような状態が続いていないか、受け入れ側の様子も確かめます。
- インターン生を見ている社員が1人だけで、その社員の繁忙期と重なっている
- 作業の確認を「時間ができたら見る」としていて、何日も返していない
- インターン生の人数が増えたのに、見る側の体制が変わっていない
当てはまる場合は、学生への声かけより先に、見る側の分担を変えます。質問を受ける担当と作業を確認する担当を分ける、確認の締め切りを決める、といった小さな変更でも、学生の受け取り方は変わります。
続けない選択を尊重する
関わり方を変えても戻らないことはあります。学業の優先順位が変わった、別の経験をしたくなった、という理由なら、引き止めるより気持ちよく送り出すほうが、会社にとっても得です。
- 辞める理由を責めずに聞き、次の受け入れに活かす
- 担当していた業務の引き継ぎを一緒に整理する
- 卒業後に連絡を取れる窓口を伝えておく
インターンを途中で終えた学生が、数年後に中途の候補者として戻ってくることもあります。終わり方が丁寧だった会社は、そうした再会の可能性を残せます。
エージェントベストの見解
当社は人材紹介も行っており、中途採用の面談で「学生時代にインターンをしていた会社」の話を聞くことがあります。そのとき印象に残るのは、仕事の中身より、辞めるときの対応だという声が少なくありません。「試験期間に休みたいと言ったら快く調整してくれた」「辞めると伝えたら次の進路を応援してくれた」。こうした記憶が、数年後に応募先を選ぶときの判断材料になっています。やる気が下がった学生への関わり方は、目の前の戦力をつなぎとめる話であると同時に、会社の評判を学生の間に残す話でもあります。引き止めに力を使うより、終わり方を整えることに力を使うほうが、長い目で見た採用には効いてきます。
まとめ
- やる気の低下に見えるものは、時間の使い方か仕事の手応えのどちらかで詰まっていることが多い
- 原因は学業と生活→仕事内容→関係性の順に切り分ける
- 面談は評価の場にせず、会社側の落ち度から聞く
- 任せ方は「成果が見える単位」「判断を1つ任せる」「振り返りの定例化」で変える
- 戻らない場合は、終わり方を整えて関係を残す
よくある質問
欠勤が続く学生に、契約の見直しを伝えてもよいですか
伝えること自体は問題ありませんが、その前に原因を確認する面談を挟むことを勧めます。学業の事情であればシフトの調整で解決することもあります。契約の扱いに迷う場合は、社会保険労務士などの専門家に確認してください。
面談は誰が担当するのがよいですか
日々の指示を出す社員以外が望ましいです。人事、別部署の社員、あるいは過去にインターンを経験した若手社員などが聞くと、本音が出やすくなります。
やる気の低下を防ぐために、採用の段階でできることはありますか
求人原稿で、最初に任せる仕事と、その後に広がる仕事を分けて書くことです。入口の期待と実際の仕事のずれが小さいほど、失速は起きにくくなります。
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