長期インターンの受け入れで社員の負担が大きいとき
長期インターン生を受け入れたあと、指導役の社員から「自分の仕事が進まない」という声が上がることがあります。放っておくと、受け入れそのものに否定的な空気が社内に広がります。結論として、社員の負担は「時間の負担」「気持ちの負担」「評価されない負担」の3つに分かれ、それぞれに効く打ち手が違うため、負担の中身を分けてから手を入れると改善しやすくなります。 時間だけを減らしても、評価されないという不満が残れば、指導役は疲れたままです。この記事では、症状の確認、原因の切り分けの順番、打ち手、外に任せる範囲を整理します。
症状を確認する|負担の中身を3つに分ける
指導役や周りの社員から負担の声が上がったら、その中身を次の3つに分けて聞きます。
- 時間の負担:質問への対応、仕事の確認、説明に時間を取られ、自分の仕事が進まない
- 気持ちの負担:何を任せればいいか考え続けることや、学生への接し方に気を使うことが重い
- 評価されない負担:指導に時間を使っても、それが自分の評価に反映されない
声を上げている社員は、この3つが混ざった状態で「負担が大きい」と表現していることが多いです。一対一で話を聞き、どれが大きいのかを確かめるところから始めます。
原因を切り分ける順番
1. 質問への対応が集中していないか
時間の負担の多くは、質問への対応から来ます。次の点を確かめます。
- 同じような質問が何度も来ていないか
- 質問が、指導役一人に集中していないか
- 質問のタイミングが、指導役の仕事の流れを頻繁に止めていないか
2. 仕事の切り出しが毎回ゼロからになっていないか
気持ちの負担の多くは、「何を任せるか」を毎回考えることから来ます。
- 任せる仕事の一覧がなく、その都度考えている
- インターン生が手持ち無沙汰になるたびに、仕事を探している
- 任せた仕事の説明を、毎回一から行っている
3. 指導役が一人に偏っていないか
評価されない負担は、指導役が特定の社員に偏り、その役割が組織として認められていないときに大きくなります。
- 指導役を、本人の希望や上司の判断なしに決めていないか
- 指導の時間が、業務の時間として扱われているか
- 指導役の働きが、上司や会社から言葉にして認められているか
エージェントベストの見解
社員の負担が大きいという相談で、当社がよく見るのは、指導役が「インターン生の上司」と「インターン生の同僚」と「インターン生の相談相手」の3つの役割を一人で抱えている形です。仕事を割り振り、隣で一緒に作業し、悩みも聞く。どれも必要な役割ですが、一人で担うと時間も気持ちも削られます。当社が勧めるのは、この3つを分けることです。仕事の割り振りと評価は指導役、作業の隣で質問を受けるのはチームの別の社員、仕事以外の悩みを聞くのは人事や年の近い社員。役割を分けると、それぞれの社員の負担は小さくなり、インターン生も相談先が増えて質問しやすくなります。指導役を一人決めることと、一人に全部を任せることは別だと考えてください。
打ち手|負担の中身ごとの見直し
時間の負担を減らす
- よくある質問と答えを、共有の場所にまとめる
- 質問の時間を決め、その時間にまとめて答える
- 質問の窓口を、指導役以外の社員にも広げる
- 作業の途中確認を、決まったタイミングに絞る
気持ちの負担を減らす
- 任せる仕事の一覧を作り、インターン生が自分で次の仕事を選べるようにする
- 仕事ごとに手順書や見本を残し、次に任せるときに使い回す
- 何を任せるかを、チームで月に一度話し合う
評価されない負担を減らす
- 指導役を決めるときに、本人の意向と上司の了承を得る
- 指導の時間を業務の時間として扱い、本人の仕事量を調整する
- 指導役の働きを、上司や会社から言葉にして認める
- 指導の経験を、本人の評価の項目に入れる
評価の見直しは、すぐにできないこともあります。それでも、上司が指導役の働きを言葉にして認めるだけで、受け止め方は変わります。
受け入れの規模を見直す
打ち手を講じても負担が減らない場合は、受け入れの規模そのものを見直すことも考えます。
- インターン生の人数が、指導できる社員の数に対して多すぎないか
- 週の勤務日数が、指導役の手が空く日と合っているか
- 受け入れる部署が、繁忙期に重なっていないか
規模を小さくすることは、後退ではありません。指導役に余裕がある状態で受け入れるほうが、インターン生の経験もよくなり、結果として受け入れが長く続きます。複数名の受け入れの考え方は長期インターン生を複数名同時に受け入れるときでも整理しています。
外に任せる範囲
社員の負担のうち、外部に任せられる部分もあります。
外部に任せやすいこと
- 募集の原稿の作成と見直し
- 応募への連絡や面接の日程調整
- 受け入れ前の段階で、任せる仕事と期待を整理する相談
自社で持つこと
- 日々の仕事の割り振りと指導
- インターン生との振り返りと評価
エージェントベストの見解
当社はInfraの代理店として、募集の段階から受け入れの相談まで関わることがあります。社員の負担が大きくなりやすい会社には、募集の段階である共通点が見えます。それは、任せる仕事を決めないまま「いろいろ手伝ってほしい」と募集を出していることです。仕事が決まっていない募集で受け入れると、受け入れた後に何を任せるかを社員が考え続けることになり、気持ちの負担が大きくなります。募集の前に任せる仕事を決めておくと、受け入れた後の負担が軽くなるだけでなく、応募してくる学生の関心も仕事に合ったものになります。社員の負担を減らす打ち手は、受け入れた後よりも、募集を出す前のほうが打ちやすいのです。
受け入れの効果を社内に見せる
社員の負担の感じ方は、受け入れの効果が見えているかどうかでも変わります。手間だけが見えて、効果が見えないと、負担は実際以上に重く感じられます。
- インターン生が進めた仕事を一覧にする:後回しになっていた仕事のうち、何が進んだか
- 社内の会議で紹介する:インターン生の成果物を、部署や会社の会議で紹介する
- 指導役の働きを合わせて伝える:成果の裏に、指導役の関わりがあったことを言葉にする
- 次の受け入れに生かす点を共有する:うまくいった仕事の渡し方を、他の社員にも伝える
効果を見せることは、指導役の評価されない負担を軽くすることにもつながります。インターン生の成果が社内で認められると、指導役の働きも自然と目に入るようになります。受け入れに消極的だった社員が、成果を見て考えを変えることもあります。
まとめ
- 社員の負担は、時間・気持ち・評価されないの3つに分けて確かめる
- 原因は、質問の集中、仕事の切り出し、指導役の偏りの順に切り分ける
- 指導役の役割を、仕事の割り振り・作業の隣での質問対応・相談相手に分ける
- 指導の時間を業務として扱い、指導役の働きを言葉にして認める
- 負担が減らない場合は、受け入れの規模や時期を見直す
よくある質問
指導役を誰にすればよいか迷っています
インターン生に任せる仕事を日常的にしている社員で、週に決まった時間を割ける人が向いています。本人の意向を確かめ、上司が仕事量の調整を了承していることが前提です。経験の浅い社員が指導役になる場合は、相談できる先輩をつけておくと安心です。
インターン生からの質問が多すぎて困っています
よくある質問をまとめておき、まずそこを見てもらうようにすると、同じ質問は減ります。質問の時間を決めてまとめて答える形にすると、指導役の仕事が細かく止まることも減ります。
受け入れを続けるべきか、やめるべきか迷っています
負担の中身を分け、打ち手を講じても改善しない場合は、規模を小さくする、時期をずらすといった選択肢があります。やめるかどうかを決める前に、今の受け入れで何がうまくいき、何が負担だったのかを記録しておくと、再開するときに役立ちます。
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