Green経由の内定者とのオファー面談|条件提示の前後で話すこと
最終面接を通過し、内定を出す段階になると、多くの会社は条件をまとめた書面を送り、返事を待ちます。けれど、中途の候補者にとって内定は「選ばれた」というより「選ぶ番が来た」瞬間です。在職中の会社や他社の内定と比べ、どこに行くかを決める段階に入ります。オファー面談は、条件を伝える場であると同時に、候補者が決めるための材料をそろえる場です。 この記事では、Green(株式会社アトラエが運営する、IT・Web業界を中心とした中途採用の求人サイト)経由の内定者とのオファー面談で、条件提示の前後に何を話すかを整理します。
オファー面談の目的
オファー面談の目的は、次の2つです。
- 条件と入社後の役割を、誤解のない形で伝えること
- 候補者が迷っている点を聞き、決めるための材料をそろえること
書面だけで条件を送ると、1つ目は果たせても、2つ目は果たせません。候補者が何に迷っているかは、話してみないと分からないからです。迷いの中身が分からないまま返事を待つと、辞退の連絡が来て初めて理由を知ることになります。
事前の準備
オファー面談の前に、次のことを準備します。
- 選考で聞いた情報を整理する:転職で重視していること、他社の選考状況、入社時期の希望、面接で出た質問
- 面接官の評価をまとめる:どこを評価して内定を出したのかを、具体的な言葉で
- 入社後の役割を具体的にする:最初の3か月で担当すること、配属先のチーム、上長、評価の仕組み
- 条件の根拠を整理する:提示する年収が、どの経験やスキルを評価した結果なのかを説明できるようにする
- 面談に出る人を決める:人事に加え、配属先のリーダーが同席できると、入社後の話が具体的になる
5つ目の配属先のリーダーの同席は、とくに効果があります。候補者は「入社したら誰と働くのか」を知りたいので、その人と話せる場があることが、決める材料になります。
条件提示の前に話すこと
いきなり条件の話から入ると、候補者は金額だけに意識が向きます。条件を提示する前に、次の順で話します。
- 内定のお礼と、評価した点を伝える:面接官がどこを評価したのかを具体的に伝える
- 入社後の役割を話す:最初に担当すること、チームの状況、期待していること
- 候補者の考えを聞く:「選考を通じて、気になっている点や確かめたいことはありますか」と聞く
3つ目で出てきた疑問には、その場で答えられるものは答え、答えられないものは持ち帰って期限を決めて回答します。ここで出てくる疑問が、候補者が迷っている点の手がかりになります。
条件の伝え方
条件を提示するときは、金額だけでなく、その根拠と今後の見通しを一緒に伝えます。
- 提示額の根拠:どの経験やスキルを、どう評価した結果の金額なのか
- 評価の仕組み:入社後、どのような基準で、いつ評価されるのか
- 昇給の考え方:評価の結果、どのように給与が変わる可能性があるのか(約束できない範囲は約束しない)
- 給与以外の条件:働き方、入社時期、試用期間の有無など
根拠を伝えると、候補者は金額を「会社の評価」として受け取れます。希望より低い金額を提示する場合も、根拠と今後の見通しが伝われば、判断の材料になります。逆に根拠がないと、他社の提示額と金額だけで比べられることになります。
エージェントベストの見解
当社は人材紹介も行っていますが、紹介の現場で内定承諾に至るかどうかを左右するのは、金額の大小よりも「なぜこの金額なのか」が候補者に伝わっているかどうかだと感じています。紹介では、エージェントが企業の評価の理由を候補者に説明しますが、媒体経由の採用では、この説明をする人がいません。オファー面談は、その説明を企業自身が行う唯一の場です。条件を書面で送って終わりにしている会社は、この場を手放していることになります。提示の根拠を一言で言えるよう、最終面接の後に面接官と人事で「どこを評価して、この金額にしたか」を確認しておくことを勧めます。その一言があるかないかで、他社の提示と金額だけで比べられるかどうかが変わります。
条件提示の後の時間の使い方
条件を提示した後は、候補者が考える時間です。面談の残りの時間は、次のことに使います。
- 疑問や不安を聞く:「条件について、気になる点はありますか」と聞く。その場で答えにくそうなら、後でメッセージでも構わないと伝える
- 他社の状況を聞く:差し支えない範囲で、他社の選考や内定の状況を聞く。返事の期限を決める参考になる
- 入社までの流れを伝える:承諾した場合の手続き、入社までの連絡の取り方
- 配属先のリーダーと話す時間を取る:同席している場合は、候補者からの質問に答えてもらう
返事の期限の決め方
返事の期限は、会社の都合だけで決めず、候補者の状況を聞いて決めます。
- 他社の選考が残っている場合:その結果が出る時期を聞き、それに合わせた期限を相談する
- 家族と相談したい場合:相談に必要な時間を聞く
- 期限は日付で伝える:「1週間程度」ではなく、具体的な日付で
期限を短く設定しすぎると、候補者は十分に考えられないまま断る判断をすることがあります。一方で、長すぎると、その間に他社の選考が進みます。候補者の状況を聞いたうえで、お互いに納得できる日付を決めます。期限までのあいだに、一度だけ「気になる点はありませんか」と連絡を入れると、迷っている点を拾えることがあります。
社内の分担
- 人事:面談の設定と進行、条件の説明、返事の期限の管理、期限までの連絡
- 配属先のリーダー:入社後の役割の説明、候補者の質問への回答
- 面接官:評価した点を、人事に具体的な言葉で伝える
- 採用の責任者:提示する条件の決定と、その根拠の確認
エージェントベストの見解
オファー面談を誰が行うかについて、当社は「条件の判断は外に出さない」ことを勧めています。当社のGreen運用代行は求人票の作成から面接日程の調整までを引き受けていますが、内定の判断と条件の決定、オファー面談の実施は企業の方にお願いしています。理由は、オファー面談で候補者が知りたいのは「この会社が自分をどう評価しているか」であり、それを語れるのは、選考で実際に会った企業の人だけだからです。外の担当者が代わりに伝えると、評価が伝聞になり、候補者の受け取り方が弱くなります。外に出せるのは、面談の日程調整や、面談後の連絡の段取りまでです。そこから先の、評価と条件を伝える部分は、社内の人が自分の言葉で話してください。
内定の伝え方の全体像は内定の出し方と伝え方で整理しています。
まとめ
- オファー面談は、条件を伝える場であると同時に、候補者が決める材料をそろえる場
- 提示の前に、評価した点と入社後の役割を伝え、候補者の疑問を聞く
- 条件は金額だけでなく、根拠と評価の仕組み、今後の見通しと一緒に伝える
- 返事の期限は候補者の状況を聞いて、日付で決める
- 評価と条件を伝える部分は、選考で会った社内の人が自分の言葉で話す
よくある質問
オファー面談はオンラインでもよいですか
オンラインでも構いません。ただ、配属先のリーダーと会う機会や、職場の様子を見る機会を求める候補者もいます。希望を聞いて、対面での場を設けることも検討してください。
候補者から年収の交渉があった場合はどうすればよいですか
その場で答えず、持ち帰って検討することを伝え、回答の期限を決めます。交渉の根拠(他社の提示額や、現在の年収など)を聞いておくと、社内で検討しやすくなります。
返事の期限を過ぎても連絡がない場合はどうしますか
期限の翌日に、一度だけ状況を確認する連絡を入れます。迷っている点があれば話を聞く場を設けることを伝え、新しい期限を相談します。
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