人事・採用アシスタントの長期インターンを採る|候補者情報の扱いと任せ方
採用の仕事が増えてきた会社では、人事の手を補うために長期インターンの学生を迎えることがあります。日程調整、説明会の準備、スカウトの下書きなど、学生に任せられる仕事は少なくありません。結論から言うと、人事・採用アシスタントの長期インターンは「候補者の個人情報にどこまで触れさせるか」と「合否に関わる判断は社員が持つ」の二つを先に決めておくと、任せられる仕事の幅が広がります。 学生は候補者と年齢が近いぶん、候補者の気持ちに寄り添える強みがあります。その強みを生かすためにも、線引きが先です。この記事では、学生向けの長期インターン求人サイトInfraで人事・採用アシスタントを募集する会社に向けて、任せ方と原稿の書き方を整理します。
人事の長期インターンを志望する学生の像
人事・採用アシスタントの長期インターンに応募してくる学生には、いくつかの傾向があります。
- 自分の就職活動を見据えている:企業がどう採用を考えているのかを内側から知りたい
- 人と関わる仕事が好き:説明会の運営や学生との面談に関心がある
- 組織づくりに関心がある:将来、人事や組織開発の仕事に就きたい
- 事務作業が得意:表計算や日程調整を手際よくこなせる
一つ目の動機は、受け入れる側が注意しておきたい点です。学生にとって、採用の内側を見ることは自分の就職活動にも役立つ経験です。その経験を応援しつつ、知り得た情報を自分の就職活動や友人との会話に持ち出さないことは、最初に約束しておく必要があります。
任せやすい仕事と、社員が持つ仕事
採用業務を学生に任せるときは、仕事を三つに分けて考えると整理しやすくなります。
学生に任せやすい仕事
- 面接や面談の日程調整の連絡
- 説明会やイベントの準備、会場の手配、当日の運営補助
- 求人原稿やスカウト文面の下書き
- 採用媒体のデータの集計と、週次の数字のまとめ
- 採用ページやSNSに載せる記事の下書き
社員と一緒に進める仕事
- 学生向けの座談会での進行
- 候補者からの質問への一次回答(社員が確認してから送る)
社員が持つ仕事
- 書類選考や面接の合否の判断
- 評価や面接の記録の閲覧と管理
- 内定の通知、条件の提示
- 辞退や不合格の連絡のうち、個別の配慮が要るもの
合否に関わる判断を社員が持つのは、責任の所在を明確にするためでもあり、学生を守るためでもあります。同世代の候補者の合否に関わることは、学生にとって負担の大きい経験です。
エージェントベストの見解
採用アシスタントの長期インターンを始めた会社でよく起きるのは、学生が採用業務に慣れるにつれて、社員が学生に判断まで頼るようになることです。最初は日程調整だけだったのが、いつの間にか「この候補者、どう思う?」と意見を聞くようになり、やがて書類選考の一次判断まで渡ってしまう。当社は人材紹介と媒体の運用代行の両方をしていますが、運用代行でも合否の判断は企業側に残す形で線を引いています。判断を外に出すと、選考の基準が少しずつずれ、あとから説明できない不合格が増えるからです。長期インターンでも同じで、学生に意見を聞くこと自体は役立ちますが、意見を聞いた後の判断と記録は社員が持つ、と最初から決めておくことです。その線が保たれていれば、学生も安心して率直な意見を言えます。
候補者情報の扱いを最初に決める
採用の仕事には、候補者の氏名、学歴、職歴、連絡先、評価などの個人情報が付いてまわります。学生に触れてもらう範囲を、受け入れ前に決めておきます。
- 見てよい情報:氏名と連絡先、日程調整に必要な範囲
- 見せない情報:面接の評価、合否の理由、社員同士のやりとり
- 扱いのルール:私物の端末に保存しない、社外で話題にしない、インターン終了後も守る
採用管理のシステムを使っている会社なら、学生のアカウントの権限を絞ることで、見せない情報に触れない状態を作れます。表計算で管理している会社は、学生用のシートを別に作るなどの工夫が必要です。
この扱いは、誓約書などの書面に残しておきます。あわせて、採用イベントの前後は勤務が長くなりやすいため、雇用で受け入れる学生の労働時間と最低賃金の決まりも担当社員が見ておきます。
同世代の学生と接する場面での注意
採用アシスタントの学生は、説明会や座談会で候補者の学生と直接話す場面があります。年齢が近いぶん、候補者は社員には聞きにくいことも学生には聞いてきます。
- 答えてよいことを決めておく:自分の働き方、インターンで感じたこと
- 答えないことを決めておく:選考の基準、他の候補者の情報、給与などの条件
- 答えに迷ったら社員につなぐ:「確認して社員から連絡します」と言える状態にしておく
学生が自分の言葉で会社のことを話してくれるのは、候補者にとって大きな判断材料になります。その価値を保つためにも、話してよい範囲の線を事前に共有しておくと、学生は安心して話せます。
原稿に書くこと
Infraの原稿では、学生が想像しやすいように、仕事を一日の流れや一週間の流れで書くと伝わりやすくなります。
- 一週間の仕事の例:月曜に数字のまとめ、火曜と水曜に日程調整、木曜に説明会の準備、など
- 関わる採用:新卒か中途か、どの職種か
- 一緒に働く社員:人事の担当者が何人いるか、誰が教えるか
- 個人情報の扱い:扱う範囲が限られていることを書いておくと、学生も安心する
- 学べること:採用の企画から実行までの流れを、内側から見られること
「人事の仕事を幅広く経験できます」と書くより、「説明会の運営を一から任せる予定です」と書くほうが、学生は自分ごととして読みます。
エージェントベストの見解
採用アシスタントの長期インターンには、もう一つ見落とされやすい効果があります。学生が作ったスカウト文面や求人原稿は、同世代の目で書かれているので、候補者の学生にとって読みやすいことが多いという点です。社員が書くと、どうしても会社の言葉が多くなります。学生が下書きし、社員が事実を確認する順番にすると、読まれる文章ができやすくなります。ただし、この効果を期待するなら、学生に「会社の良いところを書いて」と頼むのではなく、「あなたが応募を迷ったときに知りたかったことを書いて」と頼むことです。前者は会社の言葉の繰り返しになりがちで、後者は候補者が本当に知りたいことに近づきます。新卒向けのスカウト文面の考え方は新卒向けスカウト文面の基本でも書いています。
まとめ
- 人事の長期インターンは、個人情報の範囲と、合否判断は社員が持つことを先に決める
- 日程調整・説明会の準備・下書き・数字のまとめは、学生に任せやすい
- 候補者と接する場面では、答えてよいこと・答えないことを事前に共有する
- 知り得た情報を自分の就職活動に持ち出さないことは、最初に約束しておく
- スカウト文面は「応募を迷ったときに知りたかったこと」を学生に書いてもらうと読まれやすい
よくある質問
採用アシスタントの学生に、面接の同席をさせてもよいですか
会社の判断によりますが、同席させる場合は評価には加わらないこと、候補者にも学生が同席する理由を伝えることを決めておくと安心です。同世代の学生が同席すると候補者が緊張することもあるため、最初は説明会や座談会での補助から始める会社が多いようです。
学生が自社の新卒選考を受けたいと言った場合はどうしますか
受けること自体を認める会社も多いですが、採用アシスタントとして知った選考の情報を使わないこと、選考は他の候補者と同じ基準で行うことを、本人とも社内とも確認しておく必要があります。必要なら、その学生の選考には関わらない担当者を立てます。
人事の経験がない学生でも任せられますか
日程調整や集計といった仕事は、経験より丁寧さが求められる仕事です。表計算やメールの扱いに慣れていれば、人事の経験がなくても始められます。原稿には「人事経験は問いません」と書き、代わりに丁寧に連絡を取れることを求める条件として書くと、合う学生に届きやすくなります。
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