OfferBoxで留学経験のある学生を探す方法|環境での動き方を読む
「留学経験のある学生を採りたい」という相談を受けます。理由を聞くと、「語学ができる」「海外で活躍してほしい」「視野が広い」という言葉が出てきます。結論から言うと、留学経験のある学生に送るときに読むのは、留学の内容や語学力ではなく、「なぜ行ったか」「慣れない環境でどう動いたか」「戻って何が変わったか」です。これは行動の型で、他の学生と同じ読み方です。 語学力や「海外で活躍」で文面を書くと、学生には「留学という経歴で見られている」と伝わります。この記事では、留学経験のある学生の探し方、読むところ、文面の入り方、語学を使う仕事の書き方、帰国時期と時差への配慮、やりがちな失敗、人事と現場の分担を整理します。文面の基本はオファー文面の基本で書きました。
この作業の目的|「留学」を経歴ではなく、行動の型として読む
留学は、学生のプロフィールで目立つ経歴です。目立つ分、企業側は「留学経験あり」で送るかどうかを決めがちです。ところが、留学の中身は学生ごとに違います。語学のために行った学生、専門を学びに行った学生、環境を変えたくて行った学生。行った先で何をしたかも、戻って何が変わったかも違います。
「留学経験あり」という経歴で見ると、この違いが消えます。「留学でこう動いた」という行動の型で見ると、その学生固有の話になります。文面で触れるのは、後者です。この考え方は、体育会系学生にアプローチする方法で「体育会系」を行動の型に戻したのと同じです。
手順1|自由記述から留学の経験を見つける
留学の経験は、学生の自由記述に書かれています。検索の項目で絞れるかどうかは媒体の仕様によるので、この記事では、自由記述を読んで見つける前提で書きます。読み方の基本は学生プロフィールの読み方で書いたとおりです。
- 自己PRや学生時代に力を入れたことに、留学が書かれているか:期間、場所、目的
- 留学が主題か、一部か:主題なら詳しく書かれている。一部なら一言だけ。どちらでも読む
- 留学以外の経験も見る:留学だけの学生と決めつけない。留学の前後に何をしていたか
- 語学の資格や試験の記述:あれば参考にする。ただし、資格だけで判断しない
留学の期間の長短や、場所で優先度をつけないことも大事です。短期の留学でも、行動の型が具体的に書かれていれば、触れる材料になります。
手順2|留学の内容より、動き方を読む
留学の記述で見るのは、次の3つです。
| 見るところ | 何が分かるか | 触れ方の型 |
|---|---|---|
| なぜ行ったか | 目的の立て方。語学、専門、環境を変えたい、人に会いたい | 「〇〇のために行った、と書かれていて」 |
| 慣れない環境でどう動いたか | 言葉が通じない、知り合いがいない、仕組みが違う。そこで何をしたか | 「言葉が通じない中で、こう工夫した、と書かれていて」 |
| 戻って何が変わったか | 行く前と後で、自分の考え方や行動がどう変わったか | 「戻ってから〇〇を始めた、と書かれていて」 |
「慣れない環境でどう動いたか」が、最も仕事につながる行動の型です。新しい部署、初めての顧客、知らない業界。慣れない環境で動く場面は、どの仕事にもあります。「言葉が通じない中で、身振りと単語で伝える工夫をした」という記述は、「初めての顧客に、相手の言葉で説明する」仕事の場面につながります。
語学力そのものは、行動の型ではありません。「語学ができる」ではなく、「語学ができない状態で、こう動いた」を読みます。
エージェントベストの見解
同じ「留学経験のある学生を採りたい」という相談でも、当社が最初に聞くのは「その学生に、語学を使う仕事がありますか」です。あるなら、文面で語学を使う場面を具体的に書けます。無いなら、語学の話は文面に入れず、留学で動いた型だけに触れます。当社は3媒体すべての販売パートナーとしてOfferBoxの契約後の運用を見ていますが、語学を使う仕事が無いのに「語学を活かせる」「海外で活躍」と書いた文面は、面談で「どの仕事で使うのか」と聞かれて答えられず、辞退につながります。逆に、語学を使う仕事が無くても、慣れない環境での動き方に触れた文面は承認されます。学生が留学で得たものは語学だけではなく、その学生自身もそう思っていることが多い。語学を使う仕事があるかで、文面に語学を入れるかを決める。無いなら入れない。この判断が、留学経験のある学生への文面で最初に決めることです。
手順3|文面の入り方と、決めつけないこと
冒頭は「読んだ・こう思った・だから送った」で、留学の動き方に触れます。書き方はオファー文面の構成で書きました。留学経験のある学生の場合、避けることが3つあります。
- 「海外で活躍してほしい」と書かない:学生が海外で働きたいかは、自由記述を読まないと分からない。留学した学生が全員、海外で働きたいわけではない。海外で働く仕事があるなら、それを書き、望むかは学生に判断してもらう
- 「語学力を活かして」と書かない:語学を使う仕事があるなら、その場面を具体的に。無いなら書かない。「活かせる」と書いて使わないのは、面談で崩れる
- 「視野が広い」「行動力がある」と書かない:抽象的な評価は、属性で見ていると伝わる。「言葉が通じない中でこう動いた」と、具体的な行動に触れる
留学した学生を「海外志向」「語学人」と決めつけないのは、体育会系の学生を「営業向き」と決めつけないのと同じです。自由記述に、国内で働きたい、専門を深めたい、と書かれていれば、そこに触れます。
手順4|語学を使う仕事があるなら、場面で書く
自社に語学を使う仕事があるなら、文面と募集要項で、その場面を具体的に書きます。
| 書くこと | 書き方 |
|---|---|
| どの職種で、どの場面で使うか | 「海外の取引先とのメールのやり取り」「英語の資料を読む」「海外拠点との会議」など |
| 頻度 | 毎日か、時々か。「使う機会がある」だけでは判断できない |
| 入社直後から使うか | 最初から使うのか、数年後か |
| 求める水準 | 読める、書ける、話せる、のどれか。試験の点数ではなく、場面で |
| 海外で働く機会 | あるなら、時期と形。無いなら書かない |
「グローバル」「国際的」のような言葉は、場面が無いと空回りします。場面を書けば、学生は「自分の語学で足りるか」「やりたいか」を判断できます。語学を使う仕事が無いなら、この節は文面に入れません。
手順5|帰国時期と時差への配慮
留学中の学生や、帰国したばかりの学生には、時期と時差の配慮が要ります。
- 留学中の学生には、オンラインで会う:時差を確認し、学生の現地時間で無理のない時間帯に候補を出す。進め方はオンライン面談
- 帰国時期を聞く:就職活動の本格的な開始が、帰国後になる学生がいる。帰国前に文面で名前を知ってもらい、帰国後に改めて連絡する形
- 就職活動の時期がずれることを前提にする:留学の時期によっては、他の学生と就職活動の時期が異なる。自社の選考の時期に無理に合わせず、学生の時期に合わせる。時期の考え方は送る時期と時間帯の考え方
- 返事が遅くても、追いかけを急がない:留学中は、現地の予定で返信できないことがある
- 対面の面接は、帰国後にまとめる:帰国前に対面を求めない
留学の時期と自社の選考の時期がずれる場合、選考のフローを別に動かすことになります。選考フローを短くする考え方で書いた「例外を決めておく」の一つです。
やりがちな失敗
| 失敗 | 何が起きるか | 直し方 |
|---|---|---|
| 「留学経験あり」で送るかを決める | 留学の中身の違いが消える | 動き方を読んで決める |
| 語学力で触れる | 経歴で見られていると伝わる | 慣れない環境での動き方に触れる |
| 「海外で活躍してほしい」と書く | 海外志向とは限らない | 海外で働く仕事があるなら書き、望むかは学生に |
| 語学を使う仕事が無いのに「活かせる」と書く | 面談で答えられない | 無いなら書かない |
| 「グローバル」で場面を書かない | 学生が判断できない | どの職種のどの場面で使うかを書く |
| 留学中の学生に、企業の時間で候補を出す | 深夜になり参加できない | 時差を確認し、学生の現地時間で |
| 帰国前に対面を求める | 来られない | 帰国後にまとめる |
| 留学の期間や場所で優先度をつける | 短期でも具体的な動き方がある学生を見逃す | 動き方の具体性で見る |
最も多いのは、「語学力で触れる」です。留学の記述を見ると語学に目が行きますが、学生が伝えたいのは語学ではないことが多いです。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 語学を使う仕事があるかを確認する | 人事(現場に確認) |
| 語学を使う場面を書く | 現場(使っている人) |
| 自由記述から留学の動き方を拾う | 読む人(人事、現場の若手、または運用代行) |
| 冒頭で動き方と仕事の場面をつなぐ | 読んだ人 |
| 時差と帰国時期を確認する | 人事 |
| オンライン面談の時間帯を調整する | 人事 |
| 名義と面談 | 仕事を語れる現場の社員(語学を使う仕事なら、使っている人) |
語学を使う仕事があるなら、その仕事をしている人が名義になると、面談で場面を具体的に話せます。運用代行に出す場合、動き方を拾って冒頭を書く作業と、時差を考慮した連絡は代行が行えます。語学を使う仕事の有無と場面は社内です。代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
申し込んだあと、留学経験のある学生への文面で起きやすいのは、「語学を活かせる」と書いたのに、社内に語学を使う仕事が無く、面談で学生に「どの仕事で使いますか」と聞かれて、名義の人が答えられないことです。名義の人は自分の仕事で語学を使っていないので、文面に書かれた「活かせる」を説明できません。学生は「文面は人事が書いたのか」と感じ、面談のあとで辞退します。当社がOfferBoxの運用代行で留学経験のある学生への文面を書くとき、語学の話を入れるかどうかは、名義の人が自分の言葉で説明できるかで決めます。説明できないなら入れず、留学の動き方だけに触れます。文面に書いたことは、面談で名義の人が説明できる。この条件は、留学に限らず全部の文面に共通しますが、留学経験のある学生への文面で最も崩れやすい部分です。
まとめ
- 留学は経歴ではなく、行動の型として読む。なぜ行ったか、慣れない環境でどう動いたか、戻って何が変わったか
- 語学力、「海外で活躍」、「視野が広い」で触れない。具体的な動き方に触れる
- 語学を使う仕事があるなら、職種と場面と頻度を具体的に書く。無いなら書かない
- 留学中の学生には時差を確認してオンラインで会い、帰国時期に合わせて選考の時期をずらす
- 文面に書いたことは、面談で名義の人が説明できることだけにする
よくある質問
語学を使う仕事が無い会社が、留学経験のある学生に送る意味はありますか
あります。留学で得た「慣れない環境での動き方」は、どの仕事にもある場面につながります。語学の話を文面に入れず、動き方に触れて、自社の仕事の場面とつなぎます。「語学を活かせる」と書かないことが条件です。
留学中の学生に送って、承認されたら、どう会えばよいですか
時差を確認し、学生の現地時間で無理のない時間帯にオンラインで会います。帰国時期を聞き、対面の面接は帰国後にまとめます。就職活動の時期が他の学生とずれる場合は、自社の選考の時期に無理に合わせず、学生の時期に合わせます。
留学経験のある学生へのアプローチは、御社に相談できますか
できます。当社がOfferBoxの運用の相談を受けるときは、語学を使う仕事があるかの確認、留学を行動の型で読むペルソナの作業、時差と帰国時期を考慮した連絡の設計を一緒に行います。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
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