医療・ヘルスケア企業の長期インターン採用
医療・ヘルスケアの領域で事業をしている企業から、「長期インターンを受け入れたいが、学生に任せられる仕事があるのか分からない」という声を聞きます。結論から言うと、医療・ヘルスケアの長期インターンは「資格や情報の制約がある仕事」と「制約の外にある仕事」を先に分けることで、受け入れの形が見えてきます。 制約を気にして何も任せられないままだと、学生は見学者で終わります。この記事では、医療機関向けのサービス、ヘルスケアのアプリ、介護・福祉関連の事業などを手がける企業を想定し、線引きの考え方、見せ方、受け入れの設計を整理します。
医療・ヘルスケア企業の採用構造
医療・ヘルスケアの企業は、事業の中身によって採用の構造が大きく違います。医療機関に製品やサービスを届ける会社、個人向けの健康サービスを運営する会社、介護事業者向けのシステムを作る会社。いずれも、社内には医療職の経験者と、営業・企画・エンジニアといった一般の職種が混在しています。
新卒の採用では、医療系の学部の学生だけでなく、文系・理系の幅広い学部から人を採る会社が多いでしょう。ところが、医療系以外の学生からは「医療の知識がないと働けない」と見られ、最初から選択肢に入らないことがあります。
長期インターンは、この思い込みをほどく機会になります。医療の資格がなくても、医療の現場を支える仕事があることを、学生が自分で経験できるからです。
任せられる仕事と、任せない仕事の線引き
最初に整理したいのは、学生に任せる仕事の範囲です。次のように分けると、考えやすくなります。
任せない、または慎重に扱う仕事
- 資格が必要な業務、医療行為や診断に関わる判断
- 患者や利用者の個人情報に直接触れる作業
- 医療機関との契約や、法令の解釈が必要な判断
任せやすい仕事
- 公開されている情報をもとにした市場や競合の調査
- 自社サービスの使い方の資料や、よくある質問の作成
- 営業資料や提案書の下書き、展示会の準備
- 匿名化された、または統計化されたデータの集計
- 社内向けの業務改善、ツールの整理
線引きは会社ごとに異なります。迷う仕事があれば、社内の法務や情報管理の担当者と先に相談し、「インターン生が触れてよい情報」の範囲を決めておきます。
情報の扱いを受け入れ前に決める
医療・ヘルスケアの企業では、情報管理の取り決めが他の業界より重くなります。長期インターン生を受け入れる前に、次の準備をしておきます。
- 守秘義務の取り決め:雇用契約や誓約書の中で、扱う情報の範囲と守秘の約束を明記する
- アクセス権限の設定:システムやフォルダの権限を、任せる仕事に必要な範囲に絞る
- 初日の説明:何に触れてよく、何に触れてはいけないかを、具体例で伝える
- 相談の窓口:判断に迷ったときに聞ける社員を決めておく
学生にとって、こうした取り決めは負担ではなく、「医療の仕事はこう扱うのか」を知る学びになります。最初に丁寧に説明すると、仕事への向き合い方も変わります。
エージェントベストの見解
医療・ヘルスケアの企業で長期インターンが止まる例として多いのは、情報管理を理由に仕事を絞りすぎ、学生が調べものと資料整理だけを続けることになる形です。数か月それが続くと、本人は「この会社で何をしているのか分からない」と感じ、辞めていきます。当社が勧めるのは、触れてはいけない情報を明確にしたうえで、その外側にある仕事の中に「自分で考えて提案する余地」を一つ入れることです。たとえば、自社サービスのよくある質問を、利用者の目線で書き直して提案してもらう。患者の情報には触れずに、医療の現場の困りごとを考える仕事になります。制約の中でも考える仕事は作れる、という前提で設計し直すと、受け入れが続きます。
医療系以外の学生に届く見せ方
募集の文面では、医療の専門用語を減らし、「誰の、どんな困りごとを、どう解決している会社か」を平易に書きます。
- 事業の説明:「医療機関向けのシステム」ではなく、「病院の受付や会計の手間を減らす仕組み」のように、場面で書く
- インターン生の仕事:「資格は不要」「医療の知識は入ってから学べる」と明記する
- 学べること:医療業界の構造、現場の課題の聞き方、規制のある領域での事業の進め方
医療系の学部の学生に向けては、別の伝え方もあります。資格を取って現場に出る前に、現場を支える側の仕事を知る機会として位置づけると、将来の選択肢を広げたい学生に届きます。
受け入れの分担
医療・ヘルスケアの企業では、受け入れ担当を一人に任せきりにしないほうが安全です。
- 受け入れ担当(日々の相談先):インターン生の配属先の社員
- 情報管理の確認役:任せる仕事が取り決めの範囲内か、定期的に確認する人
- 事業の説明役:医療の背景や業界の構造を説明できる社員。月に一度でも話す場を作る
医療職の経験がある社員に、現場の話をしてもらう時間を設けると、学生にとって最も印象に残る経験になりやすいです。
エージェントベストの見解
当社は人材紹介も行っているので、医療・ヘルスケア企業が中途で営業や企画を採るとき、「医療業界の経験者」を条件にして候補者が少なくなる場面をよく見ます。経験者に絞ると、選べる相手がそもそも限られるからです。長期インターンは、その条件を新卒の側からほどく取り組みになります。在学中に医療の領域で働いた学生は、資格がなくても業界の言葉と仕組みを知った状態で就職活動に入ります。自社に入らなくても、医療の領域を選ぶ学生が増えれば、数年後の中途採用の候補者の幅にもつながります。目の前の一人を採るかどうかだけでなく、業界に入ってくる人を増やす取り組みとして捉えると、受け入れの価値を社内で説明しやすくなります。
現場に触れる機会をどう設けるか
医療・ヘルスケアの企業で働くインターン生にとって、医療や介護の現場に触れる機会は、仕事の意味をつかむうえで大きな意味を持ちます。一方で、現場には患者や利用者がいるため、見学や同行には慎重な配慮が要ります。
- 取引先の理解を得てから同行する:医療機関や介護事業者への訪問に同行する場合は、事前に先方の了承を得る
- 見学の範囲を決めておく:患者や利用者の情報が見える場所には立ち入らない、などの約束をする
- 社内の医療職の話を聞く:現場への同行が難しい場合は、医療職の経験がある社員に現場の様子を話してもらう
- 展示会や勉強会に参加する:業界の集まりに同行し、現場の担当者の話を聞く機会を作る
現場に触れる機会は、多くなくても構いません。受け入れ期間の中で一度でも、自分の仕事が現場のどこにつながっているかを見られると、その後の仕事への向き合い方が変わります。配慮の範囲は、社内の担当者と相談して決めてください。
まとめ
- 医療・ヘルスケアの長期インターンは、制約のある仕事と制約の外にある仕事を先に分ける
- 守秘の取り決め、アクセス権限、初日の説明、相談の窓口を受け入れ前に準備する
- 制約の中でも、自分で考えて提案する仕事を一つは入れる
- 医療系以外の学生には、専門用語を減らし「資格は不要」と明記して届ける
- 受け入れ担当、情報管理の確認役、事業の説明役を分ける
よくある質問
医療系の学部の学生しか応募しないのではないかと心配です
募集の書き方によって変わります。事業を場面で説明し、資格や知識が不要な仕事であることを明記すると、医療系以外の学生にも届きやすくなります。反対に、専門用語が多い募集は、医療系の学生以外には読み飛ばされやすくなります。
個人情報を扱う部署にインターン生を配属してもよいですか
配属自体は会社の判断ですが、個人情報に直接触れる作業は任せないか、慎重に扱うのが一般的です。権限の設定や誓約書の内容は、社内の法務や情報管理の担当者と相談して決めてください。判断に迷う場合は専門家への確認を勧めます。
医療の知識がない学生に、どこまで教えればよいですか
最初は、業界の構造と自社の位置づけ、任せる仕事に必要な用語だけで十分です。すべてを教えようとすると受け入れ側の負担が大きくなります。仕事を進めながら疑問を聞ける窓口を用意しておくほうが、学生も覚えやすくなります。
相談無料 / 求人広告代理店エージェントベスト
長期インターンの採用と受け入れ、まとめて相談できます
- 求人原稿の作成から応募対応・面接設定まで、Infraの運用を代理店として支援します
- 継続して採るならサブスクリプション、まず1名ならデポジット(成果報酬)。採用計画から選べます
- 受け入れ体制や、新卒採用へのつなぎ方も一緒に考えます
この記事の内容に合うサービス:長期インターン採用(Infra) ↗月額5万円〜/成果報酬9万円〜