社長室・経営企画の長期インターンを採る|経営の近くで任せる仕事
「社長の隣で働ける」「経営に近い仕事」。社長室や経営企画の長期インターンは、こうした言葉で学生を惹きつけやすい募集です。一方で、受け入れる会社にとっては、経営の情報に学生がどこまで触れてよいか、社長の時間をどれだけ割けるかという、他の職種にはない難しさがあります。結論から言うと、社長室・経営企画の長期インターンは、「社長の近く」という魅力を保ちつつ、学生が日々向き合う仕事を社長以外の社員とも回せる形に切り出しておくことが、続く受け入れの条件です。 社長だけが学生を見ている状態では、社長が忙しい時期に学生の仕事が止まります。この記事では、学生向けの長期インターン求人サイトInfraで社長室・経営企画を募集する会社に向けて、仕事の切り出し方と情報の扱いを整理します。
学生が社長室に期待していること
社長室や経営企画の長期インターンに応募してくる学生は、次のような期待を持っていることが多いものです。
- 経営者がどう考え、どう決めるかを近くで見たい
- 会社全体を見渡す仕事がしたい
- 起業を考えていて、その前に経営の実際を知りたい
- 特定の職種に絞らず、幅広い仕事を経験したい
三つ目の起業を考えている学生は、社長室の長期インターンでよく見かける層です。経営者の判断の仕方を学びたいという意欲は強く、その意欲は仕事への取り組みにも表れます。ただし、学生の期待が「社長と毎日話せる」になっていると、実際の仕事との差が大きくなります。
任せられる仕事の切り出し方
社長室・経営企画の仕事は範囲が広く、何を学生に任せるかを決めないと、雑務の寄せ集めになりがちです。次のように分けて考えると整理しやすくなります。
経営の判断を支える調べ物
- 新しい事業や市場の調査
- 競合の動向の整理
- 経営会議の資料の下準備
社内の数字のまとめ
- 部署ごとの数字の集計と、月次の推移の整理
- 経営の指標を一覧にする資料の更新
社長の仕事の補助
- 社外の会議の日程調整と準備
- 講演や登壇の資料づくり
- 社長の発信(ブログやSNS)の下書き
社内のプロジェクトの推進
- 部署をまたぐ取り組みの進み具合の確認
- 社内の制度の改善の調査
どの仕事も、社長の判断の材料として使われるときに価値が出ます。逆に言えば、作った資料が社長に読まれたかどうかが学生に伝わらないと、学生は手応えを得られません。
この中から、学生が週の中で継続して取り組める仕事を一つ、軸として決めておきます。軸の仕事があると、社長からの急な依頼が少ない週でも、学生は手を止めずに済みます。
エージェントベストの見解
社長室の長期インターンを始めた会社でよく起きるのは、社長が学生の指導役を一人で引き受け、数か月後に社長が忙しくなって学生が放置される、という流れです。社長は学生と話す時間を楽しみにしていても、経営の仕事が立て込むと、その時間は真っ先に削られます。当社が受け入れの準備で勧めるのは、社長とは別に「日々の仕事を見る社員」を一人決めておくことです。経営企画の担当者や、社長に近い管理部門の社員がその役に向いています。社長は週に一度か月に数回、学生と話す時間を持ち、日々の仕事の質問や進み具合の確認は担当の社員が受ける。この二人体制にしておくと、社長の忙しさに学生の仕事が左右されにくくなります。原稿にも、社長と担当社員の両方の名前や役割を書いておくと、学生は入社後の働き方を正しく想像できます。
経営情報への触れ方を決める
社長室や経営企画の仕事では、未公開の経営情報に触れる場面が多くあります。受け入れ前に、触れてよい範囲を決めておきます。
- 触れてよい情報:社内に公開されている数字、公開情報、学生が作業する資料に必要な範囲
- 段階的に触れる情報:部署ごとの詳しい数字、経営会議の資料
- 触れない情報:役員や社員の人事、給与、未発表の提携や資金の調達、株主に関わる情報
特に、人事と資金に関わる情報は、学生の扱いに慎重さが求められます。社長の隣にいると、こうした話題が会話の中で聞こえてくることがあります。聞こえた情報を口外しないことは、受け入れの最初に具体的に伝えておきます。
上場している会社や、上場を準備している会社では、未公開の情報の扱いにより厳しい決まりがあることがあります。社内の担当部署と相談し、学生の扱いを決めておくことが必要です。秘密保持の範囲は、雇用契約や誓約書の中で書面にしておきます。
原稿の書き方と、選考で見ること
Infraの原稿では、「社長の隣で」という言葉だけに頼らず、仕事の中身を書きます。
- 軸になる仕事:経営会議の資料の準備、数字のまとめなど
- 社長と関わる頻度:週に一度の面談、月に数回の同席など
- 日々の仕事を見る社員:担当の社員の役割
- 情報の扱い:経営の情報に触れるため、守秘の約束があること
- 過去の学生の例:インターン生がどんな仕事をしたか
社長と関わる頻度を正直に書くことで、学生の期待と実際のずれが小さくなります。
選考では、意欲の高さより、地道な作業を続けられるかと、聞いたことを口外しない慎重さを見ます。面談で「聞いた話を友人に話したくなったらどうするか」と聞いてみるのも一つの方法です。率直に答えられる学生は、自分の行動を振り返る力があります。社長が最終面談に出る場合は、社長との相性だけで決めず、担当の社員の意見も合わせて判断します。
勤務の時間は、社長の予定に合わせて不規則になりやすい点にも注意が要ります。雇用として迎える場合は、労働時間の上限と最低賃金の決まりの範囲で、学生の授業の予定を優先した働き方を組みます。
エージェントベストの見解
社長室の長期インターンには、起業を考えている学生が集まりやすいと書きました。当社は長期インターンの媒体と新卒向けの媒体、人材紹介を扱っていますが、この層の学生は、新卒の就職活動をせずに起業や別の道を選ぶことも少なくありません。社長室の長期インターンを新卒採用の入口として考えている会社にとっては、この点は知っておきたい前提です。インターンで力を発揮した学生ほど、自分で事業を始める道を選ぶことがあります。それを損と考えるのではなく、社長室の長期インターンは「将来の経営の仲間や取引先との関係を作る場」と捉えておくと、期待とのずれが小さくなります。新卒採用の入口としての役割を重く見るなら、社長室だけでなく、事業部の長期インターンも並べて設けるほうが、採用の見通しは立てやすくなります。
まとめ
- 社長室・経営企画の長期インターンは、継続して取り組める軸の仕事を一つ決めておく
- 社長とは別に、日々の仕事を見る担当の社員を決めて二人体制にする
- 人事・給与・資金の調達など、触れない経営情報を事前に決める
- 原稿には社長と関わる頻度を正直に書く
- 起業志向の学生が集まりやすいため、新卒採用の入口としての期待は分けて考える
よくある質問
社長の会議に学生を同席させてもよいですか
会議の内容によります。社外の取引先との会議では、相手に学生の同席を伝えておく必要があります。社内の会議でも、人事や資金に関わる議題がある場合は同席を避ける判断をします。同席させる会議の種類を事前に決めておくと、毎回迷わずに済みます。
経営企画の経験がない学生でも任せられますか
数字のまとめや調べ物は、表計算の扱いと丁寧さがあれば始められる仕事です。経営の知識は、仕事の中で少しずつ身につけていくものです。原稿には、経験より、数字を扱うことへの抵抗がないことや、地道な作業を続けられることを求める条件として書くとよいでしょう。
学生が社長の考えに意見を言ってもよいのでしょうか
意見を言える場を作っておくことは、学生にとっても社長にとっても価値があります。ただし、意見を聞いた後の判断は社長が持つことを、最初に伝えておきます。意見が採用されなかった場合も、理由を伝えると学生の学びになります。小規模な会社での受け入れ方は社員30名以下の会社の長期インターン採用も参考になります。
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