GreenでUI/UXデザイナーを採る|ポートフォリオの見方まで決める
UI/UXデザイナーの採用で、応募が来てから困ることの一つが、ポートフォリオの評価です。人事が見ても良し悪しが分からず、現場のデザイナーに回すと人によって評価が分かれ、判断に時間がかかります。その間に候補者は他社の選考に進みます。ポートフォリオで何を見るかを、求人票を書く前に決めておくと、この問題の大半は避けられます。見る観点が決まれば、求人票の要件もおのずと具体的になるからです。この記事では、GreenでUI/UXデザイナーを採るときの、観点の決め方から選考までの流れを整理します。Greenは株式会社アトラエが運営しており、IT・Web業界を中心に中途採用の求人が掲載されるサイトです。
ポートフォリオで見る観点を3つに絞る
UI/UXデザイナーのポートフォリオには、完成した画面、制作の過程、担当した範囲、成果などが載っています。すべてを細かく評価しようとすると、評価者ごとにばらつきが出ます。自社の仕事に照らして、見る観点を三つ程度に絞ります。
| 観点の例 | 確かめたいこと | 向いている仕事 |
|---|---|---|
| 課題の捉え方 | なぜその画面をそう作ったのか、背景の説明があるか | 新しい機能の設計を任せたい |
| 情報の整理 | 複雑な情報を分かりやすく並べられているか | 業務システムや管理画面が多い |
| 見た目の質 | 余白・文字・色の扱いが丁寧か | ブランドの印象が重要なサービス |
| 検証の経験 | 利用者の反応を見て、作り直した経験があるか | 改善を繰り返すプロダクト |
| 開発との連携 | 実装を意識した設計か、エンジニアとのやり取りが書かれているか | 少人数で開発と一体で動く |
三つを決めたら、現場のデザイナーと人事で同じ観点を共有します。「この三つのうち二つが満たされていれば会う」のような目安を決めておくと、書類選考の判断がそろいます。
決めた観点を求人票に反映する
観点が決まると、求人票の「求める経験」は自然に書けます。たとえば、課題の捉え方と検証の経験を重視するなら、次のように書きます。
- 必須:Webサービスまたはアプリの画面設計を担当し、その意図を説明できる方
- 必須:利用者の声やデータをもとに、デザインを改善した経験がある方
- 歓迎:エンジニアと一緒に、実装の制約を踏まえて仕様を決めた経験がある方
さらに、求人票に「ポートフォリオでは、完成した画面だけでなく、どう考えて作ったかを見ています」と一文添えると、候補者は応募の際にその点を意識して資料を選びます。評価の観点を開示することは、応募の質を上げる手段にもなります。
あわせて、仕事の中身も具体的に書きます。担当するプロダクト、デザイナーの人数、デザインの仕組み(共通の部品や指針)があるかどうか、使っているツール。これらは、候補者が自分の経験と照らし合わせるための材料です。
エージェントベストの見解
デザイナーの採用で発注側によくある誤解は、「ポートフォリオの見た目が良い人が、自社のデザインを良くしてくれる」というものです。実際には、完成した画面がきれいでも、その画面に至るまでの判断を説明できない人は、仕様が決まっていない段階から関わる仕事で苦労することがあります。反対に、見た目は控えめでも、利用者の行動をもとに何度も作り直してきた人は、改善を繰り返すプロダクトで力を発揮します。当社が書類選考の基準を作るときは、現場のデザイナーに「いまのチームで一番足りないのは、見た目か、整理か、検証か」と聞き、その答えを観点の一つ目に置きます。チームの足りない部分から観点を決めると、採用した人の役割も明確になります。
声をかける相手の選び方
デザイナーの候補者には、Greenの「気になる」やスカウトで、企業側から先に接点を作れます。デザイナーの候補者を探すときは、決めた観点を手がかりにします。
- 担当してきたプロダクトの種類:一般の利用者向けか、業務で使うものか。自社に近いほど立ち上がりが速い
- 関わってきた工程:画面の制作だけか、調査や設計から関わってきたか
- チームの規模:一人で担ってきたか、デザインチームの中で役割を持っていたか
迷う相手には、まず「気になる」を送って反応を見る方法もあります。デザイナーは複数の会社から声がかかりやすいため、関心を示してくれた人に絞って丁寧な文面を書くほうが、限られた時間を有効に使えます。
スカウトの文面では、候補者の経歴やポートフォリオのどこを見たかを書きます。「〇〇の画面設計で、△△の課題にどう向き合ったかに関心を持ちました」と具体的に書くと、デザイナーは自分の仕事を見てもらえたと受け取ります。一方で、どの候補者にも同じ文面を送ると、すぐに見抜かれます。
選考では「説明」を聞く
書類選考を通過した候補者には、面接でポートフォリオの一つを取り上げて、説明してもらいます。聞くのは次のような点です。
- この画面を作る前に、どんな課題があったか
- いくつかの案の中から、なぜこの形を選んだか
- 作ったあと、利用者の反応を見て変えたところはあるか
デザイン課題を出す場合は、作業の時間の目安を伝え、在職中の候補者に過度な負担がかからないようにします。課題よりも、既存のポートフォリオについて深く聞くほうが、候補者の負担が少なく、見えるものも多い場合があります。
評価の記録も残しておきます。面接のあと、決めた三つの観点ごとに、評価者がそれぞれ短く所感を書くだけで十分です。候補者ごとに同じ形式で残しておくと、複数の候補者を比べるときに印象だけで決めずに済みますし、見送った理由を後から振り返ることもできます。採用がうまくいかなかったときに、観点そのものを見直す手がかりにもなります。
面接には現場のデザイナーに加え、プロダクトマネージャーかエンジニアが入ると、連携の様子を候補者が想像できます。
エージェントベストの見解
デザイナーの求人をGreenに出したあと、最初の数週間で運用が止まりやすいのは、書類の評価を現場のデザイナーに頼んだまま返事が来ない、という状況です。現場のデザイナーは日々の制作で忙しく、ポートフォリオを見る時間を確保しにくいのです。評価が遅れると、候補者への返信が遅れ、関心が薄れていきます。当社が運用を代行するときは、最初に観点と目安を決めたうえで、明らかに観点を満たす人と満たさない人の一次判断は運用側で行い、迷う人だけを現場に回す形にしています。現場に回す件数が減ると、返事も早くなります。合否を決めるのは企業側ですが、迷う件数を減らす工夫は、外に任せられる部分です。
まとめ
- ポートフォリオで見る観点を、求人票を書く前に三つ程度に絞る
- 観点を現場と人事で共有し、「何を満たせば会うか」の目安を決める
- 観点を求人票の要件に反映し、評価の考え方も一文添える
- 声をかけるときは、ポートフォリオのどこを見たかを具体的に書く
- 選考では、完成した画面より、そこに至るまでの説明を聞く
よくある質問
UIデザイナーとUXデザイナーは分けて募集したほうがよいですか
仕事の中身が分かれているなら分けたほうが伝わります。画面の制作が中心ならUI、調査や設計が中心ならUXと書き、どちらも担ってほしいなら比重を示します。小さな組織では一人が両方を担うことが多いので、「UI/UX」とまとめて書くのが一般的です。
ポートフォリオを持っていない候補者は対象外にすべきですか
前職の守秘の都合で、仕事の成果を公開できない人もいます。その場合は、面接で口頭や手元の資料で説明してもらう形を用意しておくと、経験のある候補者を取りこぼさずに済みます。
デザイナーが社内にいない場合、ポートフォリオの評価はどうすればよいですか
観点を言葉にしておけば、デザイナーでなくても一定の判断はできます。外部のデザイナーに評価だけを依頼する方法もあります。一人目のデザイナーの採用では、プロダクトマネージャーやエンジニアが評価に加わると、連携の相性も見られます。
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