長期インターンの求人原稿作成を外に出すとき
長期インターンの求人原稿は、書く人の手間がかかるわりに、社内で誰の仕事なのかが曖昧になりがちです。人事は受け入れる仕事の中身を知らず、現場は原稿を書く時間がない。その結果、原稿づくりを外部に任せる会社が増えています。原稿の作成を外に出すときに大切なのは、書く作業は任せても、「何を書くか」の材料と「これで出してよいか」の判断は社内に残すことです。 この2つを社内で持たずに丸ごと任せると、どの会社にも当てはまるような原稿ができてしまいます。この記事では、学生向けの長期インターン求人サイトInfraなどの原稿を外部に任せるときの段取りを整理します。
外に出せる作業、社内に残す作業
原稿づくりの作業を分けると、次のようになります。
| 作業 | 外に出せるか | 理由 |
|---|---|---|
| 任せる仕事を決める | 社内に残す | 受け入れの体制と業務の判断が関わる |
| 仕事の中身を聞き取る | 外に出せる | 聞き方の型があれば、外部のほうが効率よく引き出せることがある |
| 原稿の文章にする | 外に出せる | 学生に伝わる言葉への置き換えは、慣れた人のほうが速い |
| 原稿を確認する | 社内に残す | 事実と違わないか、約束できないことが書かれていないかを判断する |
| 出した後の見直し | 分担する | 応募の状況の分析は外部、受け入れの実感は社内 |
「任せる仕事を決める」ことと「原稿を確認する」ことは、外に出せません。この2つを社内で持っていれば、書く作業は安心して任せられます。
聞き取りに用意する材料
外部に原稿を任せるとき、最初に聞き取りの場があります。その場で次の材料を用意しておくと、原稿の質が上がります。
仕事の中身
- 最初の数週間に任せる仕事
- 慣れてきたら任せたい仕事
- その仕事が、会社の事業のどこにつながっているか
時間と条件
- 週に何日、何時間を求めるか
- 在宅でできる作業があるか
- 試験期間などの休みの扱い
受け入れの様子
- 誰が指示を出し、誰に質問できるか
- 今いるインターン生の様子(学年、担当している仕事など)
- 職場の雰囲気
採用の目的
- 業務の担い手として受け入れるのか、新卒採用の入口として使うのか
聞き取りには、人事だけでなく、実際に学生を受け入れる部署の社員にも参加してもらいます。仕事の中身を一番よく知っているのは現場だからです。
原稿を確認するときの観点
外部が書いた原稿を確認するときは、文章のうまさより、次の観点で見ます。
- 事実と違うことがないか:仕事の中身、時間の条件、受け入れの体制が、実態と合っているか
- 約束できないことが書かれていないか:「誰でも身につく」「すぐに裁量を持てる」など、受け入れの状況によっては守れないことが書かれていないか
- 地味な仕事が隠れていないか:魅力的な仕事だけが書かれ、最初の数週間の仕事が抜けていないか
- 新卒採用との関係が意図どおりか:本選考との関係を、社内で決めた方針どおりに書いているか
- 他社の原稿と区別がつくか:自社の名前を消しても、自社の原稿だと分かるか
5番目は、外部に任せた原稿で起きやすい問題を見つける観点です。どの会社にも当てはまる言葉ばかりで書かれていると、学生はその会社を選ぶ理由を見つけられません。
エージェントベストの見解
当社はInfraの代理店として、長期インターンの求人原稿の作成から支援しています。原稿づくりを任されるとき、当社が最も時間をかけるのは、書く作業そのものより、聞き取りの場です。とくに「最初の数週間に任せる仕事」を具体的に聞くことに時間を使います。多くの会社は、魅力的な仕事を話したがりますが、学生が入ってすぐに直面するのは、もっと地味な仕事です。そこを正直に書いた原稿は、入ってからの失望を減らし、結果として定着につながります。外部に原稿を任せる会社には、聞き取りの場で「うちの仕事の地味な部分」を話す覚悟を持ってきてほしいと伝えています。外部の書き手は、聞いたことしか書けません。何を話すかで、原稿の質の大半が決まります。
出した後の見直しの分担
原稿は、出した後に見直すことで良くなっていきます。見直しは、外部と社内で分担します。
外部が担えること
- 応募の数と、応募してきた学生の傾向の確認
- 原稿のどの部分が読まれているかの推測と、書き直しの提案
- 募集の時期や条件の見直しの提案
社内が担うこと
- 面談した学生の印象と、原稿の内容とのずれの確認
- 受け入れた学生が続いているかどうかの確認
- 任せる仕事の変化を、外部に伝えること
3つ目はとくに大切です。受け入れ部署で任せる仕事が変わったのに、原稿が古いままだと、学生は入ってから「聞いていた話と違う」と感じます。仕事が変わったら外部に伝える、という流れを社内で決めておきます。
外に出すときにありがちな行き違い
原稿づくりを外に出すとき、次のような行き違いが起きやすくなります。事前に知っておくと防げます。
- 聞き取りに人事だけが出る:仕事の中身が伝わらず、抽象的な原稿になる。受け入れ部署の社員の参加を最初から予定に入れておく
- 確認の担当者が決まっていない:原稿ができても、誰が確認するかで止まる。確認する人と、確認の期限を先に決めておく
- 確認で文章の好みばかり直す:言い回しの好みより、事実と約束の観点を優先して見る
- 出した後に任せきりにする:受け入れの実感を伝えないと、外部は応募の数しか見られない
どれも、外に出すときの段取りを社内で決めていないことから起きます。原稿の質の問題に見えて、実は社内の段取りの問題であることが多いのです。
外部に任せるかどうかの判断
原稿の作成を外部に任せるかどうかは、次のような点で判断します。
- 社内に、学生に伝わる原稿を書ける人がいるか
- その人に、原稿づくりに使える時間があるか
- 複数の職種で原稿が必要か
- 原稿を出した後の見直しを、誰が担うか
社内に書ける人がいて時間もあるなら、社内で書くほうが、会社の言葉で書けるという利点があります。書ける人がいない、あるいは時間がないなら、外部に任せて、社内は材料の用意と確認に集中するほうが効率的です。
エージェントベストの見解
原稿の作成を外部に任せることを、「楽をするための手段」と考える会社があります。しかし当社の見方では、外部に任せることの一番の利点は、社内では当たり前になっていることを、学生の目線で言葉にし直せることです。社内の人が書くと、業界の言葉や社内の言い回しがそのまま原稿に入り、学生には伝わりにくくなります。外部の書き手は、聞き取りの場で「それはどういう意味ですか」と聞き返すことで、学生が分からない言葉を見つけ出します。当社は新卒・中途の媒体も扱い、人材紹介も行っていますが、どの入口の原稿でも、社内の言葉を外の言葉に置き換える作業が、原稿の伝わりやすさを大きく左右します。外部に任せるなら、その置き換えの力を使うつもりで任せると、得るものが大きくなります。代理店の支援の範囲はInfraを代理店経由で申し込む理由でも整理しています。
まとめ
- 書く作業は任せても、「何を書くか」の材料と「出してよいか」の判断は社内に残す
- 聞き取りには、仕事の中身、時間と条件、受け入れの様子、採用の目的を用意し、現場の社員にも参加してもらう
- 原稿は、事実との違い、約束できないこと、地味な仕事の抜け、他社との区別の観点で確認する
- 出した後の見直しは、応募の分析を外部、受け入れの実感を社内で分担する
- 外部に任せる利点は、社内の言葉を学生に伝わる言葉に置き換えられること
よくある質問
原稿の作成を任せると、どれくらいの期間でできますか
聞き取りの日程や、社内の確認にかかる時間によって変わります。聞き取りの材料を事前に用意しておくと、全体の期間は短くなります。
複数の職種の原稿をまとめて任せてもよいですか
まとめて任せることは可能です。ただし、職種ごとに仕事の中身が違うので、聞き取りは職種ごとに行い、それぞれの受け入れ部署の社員に参加してもらうことを勧めます。
外部が書いた原稿を、社内で書き直してもよいですか
書き直すこと自体は問題ありません。ただ、書き直した理由を外部に伝えておくと、次に原稿を任せるときに、会社の意図がより反映されやすくなります。
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