OfferBoxの運用方針を上司に納得してもらう資料の作り方|方針ごとの一枚
OfferBoxの運用方針を決めた。送る数を読める数に絞る、条件を募集要項に先に書く、面談に現場の人を出す、大学名で絞らない、承認に当日返す。ところが、上司に話すと、「数を送れ」「大学で絞れ」「条件は後でいい」「現場は忙しい」と返され、方針が通らない。結論から言うと、この方針は、説明なしには通りません。上司が反対するのには理由があり、その理由に答える形で、方針ごとに「なぜ・やらないと何が起きるか・小さく試した記録」を一枚にします。資料の前に小さく試して記録を持ち、上司の言葉への答えを用意し、方針は一度に全部通そうとせず、一つずつ、記録が出たら次に進みます。 この記事では、反対されやすい方針とその理由、一枚の型、小さく試すこと、上司の言葉への答え方、一つずつ通す順番、分担を整理します。導入時の説明はOfferBoxの導入を社内に説明するときの整理、経営への報告は経営層にOfferBoxの成果を説明する方法で書きました。この記事は、導入後の「方針」を通すときのものです。
この作業の目的|上司の反対の「理由」に、記録で答える
上司が方針に反対するのは、方針が間違っているからではなく、上司の側に「こうすれば採れる」という経験があり、方針がそれと違うからです。経験に、言葉だけで反論しても通りません。
目的は、上司の経験に、自社の小さな記録で答えることです。「他社では」「一般には」ではなく、「うちで先月、こうでした」で答えます。
上司が反対しやすい方針と、その理由
| 方針 | 上司の言葉 | 上司の側の理由 |
|---|---|---|
| 送る数を読める数に絞る | 「もっと送れ。数を打てば当たる」 | ナビの経験で、母集団は数で作るものだった |
| 条件を募集要項に先に書く | 「条件は会ってから。先に書くと来ない」 | 条件を後ろに回して面接で口説く経験がある |
| 面談に現場の人を出す | 「現場は忙しい。人事でやれ」 | 現場の時間を採用に使うことに慣れていない |
| 大学名で絞らない | 「〇〇大学以上で絞れ」 | 過去の内定者が特定の大学に多かった |
| 承認に当日返す | 「そんなに急がなくても」 | 応募者を待たせる感覚がない |
| 面談は「話す場」で選考にしない | 「会うなら選考にしろ」 | 会う回数を増やしたくない |
| 文面から会社説明を抜く | 「会社のことをもっと書け」 | 学生は会社を知らないから説明が要る、という感覚 |
上司の側の理由は、どれも過去の経験としては合っています。OfferBoxの送る運用で違う、というだけです。「上司が間違っている」ではなく、「経験の元が違う」として扱います。
方針ごとに、一枚にする型
- 方針:一行。「送る数を、週に読める数に絞る」
- なぜ:一行。「読まずに送った文面は、開封も承認も来ないため」
- やらないと何が起きるか:一行。「送った数だけ時間が消え、承認が来ても合わない学生で面談の時間が消える」
- 小さく試した記録:「先月、読んで送った〇通と読まずに送った△通で、承認が□と✕だった」(数字は自社の記録で)
- 上司の懸念への答え:「数が減る懸念には、承認から先の数で見る。送った数の目標は置かず、面談まで進んだ数で報告する」
- やってみて違ったら戻す条件:「〇か月で承認が増えなければ、送る数を戻す」
六つで一枚。方針ごとに一枚。「4」がない資料は、「1」から「3」が言葉だけになり、上司の経験に負けます。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「正しい方針なら、理由をきちんと説明すれば上司は分かってくれる」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、OfferBoxの運用を見ていますが、理由だけで方針を通そうとした人事は、上司の「自分の経験ではこうだった」に負けています。上司の経験は、上司にとっては事実で、人事の理由は、上司にとっては仮説です。通っている会社では、人事が方針を通す前に、小さく試して、自社の記録を持っています。「先月、読んで送った分と読まずに送った分で、承認がこう違った」。この一行は、上司にとっても事実で、経験と同じ重さで並びます。当社が方針の相談を受けるとき、最初にやるのは、資料を整えることではなく、「小さく試せる形」を作ることです。記録が一つあれば、資料は一枚で足ります。
資料の前に、小さく試して記録を持つ
- 方針を通す前に、方針の範囲で小さく試す:上司の許可が要らない範囲で。「今週の送る分のうち、半分を読んで書く」
- 試すのは一つの方針:全部を同時に試すと、どれが効いたか分からない
- 試す期間は短く:数週間。記録が一つ出れば足りる
- 記録は、段ごとの数で:「読んで送った分の承認」と「読まずに送った分の承認」
- 記録が出なかったら、方針を見直す:上司に出す前に、自分で確かめる
「小さく試す」は、上司に隠れてやることではなく、方針の範囲の中で、いまの運用の一部を変えることです。試す形はOfferBox運用の週次レビューのやり方の「変更は一つずつ」で書きました。
上司の言葉への、答え方
- 「もっと送れ」:「送った数ではなく、面談まで進んだ数で見たい。先月、読んで送った分のほうが承認が多かった(記録)。送る数の目標を置かず、承認から先の数を報告する」
- 「条件は会ってから」:「条件を後ろに回すと、面談で条件を知った学生が辞退し、面談の時間が消える(記録があれば)。先に書いて承認が減っても、面談以降の辞退が減る。両方の数を出す」
- 「現場は忙しい」:「頼むのは三つだけで、一文を一度、確認をまとめて、面談を承認が来たとき。説明会の登壇より短い。若手一人から始める」
- 「大学で絞れ」:「大学名を条件から外して、自由記述の行動で絞ると、同じくらいに絞れて、過去の内定者の行動に近い学生が残る(記録)。大学名を『見る』ことは残し、『絞る』条件から外す」
- 「急がなくても」:「承認した学生は他社の面談を先に入れる。当日に返した学生と翌日以降の学生で、面談まで進んだ数が違う(記録)」
- 「会うなら選考にしろ」:「面談を選考にすると、学生が『話を聞くだけ』で来なくなる。面談で合う学生を見てから選考に入るほうが、選考の回数が減る」
- 「会社のことをもっと書け」:「会社説明は企業ページに置き、文面は学生の一文と仕事の場面にした分のほうが承認が多かった(記録)」
「記録」がない答えは、言葉だけになります。記録がある方針から通します。
方針は、一度に全部通そうとしない
- 最初に通すのは、記録が取りやすい方針:「送る数を絞って読んで書く」は、数週間で承認の差が出る
- 通ったら、次の方針を試す:「承認に当日返す」は、承認が来ている状態で試せる
- 面談に現場を出すのは、承認が来てから:承認がない状態で頼んでも、現場に「何のために」が伝わらない
- 条件を先に書くのは、辞退の記録が出てから:「面談で条件を知って辞退した学生がいた」の記録で通る
- 大学名で絞らないのは、行動で絞った記録が出てから:「行動で絞ったら、こんな人に近い学生が来た」
順番は、記録が取りやすい順です。全部を一度に出すと、上司は「全部変える気か」と受け取り、どれも通りません。
通ったあとに、記録を戻す
- 通った方針の記録を、月に一度、上司に戻す:「送る数を絞った結果、承認と面談がこうなった」
- 記録が悪ければ、隠さず戻し、「戻す条件」に沿って戻す:戻すことも方針のうち
- 記録が良ければ、次の方針の資料に使う:「前の方針が記録で通ったので、次はこれを」
- 上司の言葉が変わったら、それを次の資料に入れる:「前に『数を送れ』と言われたが、記録で見直してもらった」とは書かない。上司の言葉を、上司の判断として尊重する
方針は、通して終わりではなく、記録を戻して初めて、次が通ります。経営への報告の型は経営層にOfferBoxの成果を説明する方法で書きました。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 通したい方針を一つ選ぶ | 人事 |
| 方針の範囲で小さく試し、記録を取る | 人事 |
| 一枚の型に埋める | 人事 |
| 上司の言葉への答えを用意する | 人事 |
| 上司に出し、判断をもらう | 人事と上司 |
| 通った方針の記録を月に戻す | 人事 |
| 戻す条件に沿って戻す判断 | 上司 |
運用代行や代理店が支えられるのは、一枚の型、小さく試す形、記録の型、上司の言葉への答えの型までで、試すこと、記録を取ること、上司に出すこと、判断は企業が行います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
これは順番の話です。当社がOfferBoxで「上司が方針に納得しない」という相談を受けたとき、資料の作り方から入ることはしません。先に、「いま、上司の許可なしに変えられる範囲で、何を小さく試せるか」を聞きます。多くの場合、「今週の送る分の半分を読んで書く」は許可なしにできて、数週間で記録が出ます。その記録があれば、資料は一枚で足り、なければ、どれだけ整えた資料でも上司の経験に負けます。逆に、資料を先に整えて、記録なしで出すと、「それは一般論だろう」で終わり、次に同じ方針を出しにくくなります。当社が勧める順番は、小さく試す、記録を取る、一枚にする、出す、通ったら記録を戻す、次の方針、です。
まとめ
- 上司の反対は、上司の経験と方針が違うから。経験に言葉で反論せず、自社の小さな記録で答える
- 方針ごとに一枚。方針・なぜ・やらないと何が起きるか・小さく試した記録・懸念への答え・戻す条件、の六つ。記録がない資料は言葉だけになる
- 資料の前に、方針の範囲で許可なしに変えられる部分を小さく試し、段ごとの数で記録を取る。一つの方針を数週間
- 上司の言葉(数を送れ・条件は後で・現場は忙しい・大学で絞れ・急がなくても)には、記録を添えて答える。記録がある方針から通す
- 一度に全部通さず、記録が取りやすい順に一つずつ。通ったら記録を月に戻し、悪ければ戻す条件に沿って戻す
よくある質問
小さく試す余地もなく、上司が「全部いまのやり方で」と言います
「今週の送る分の半分」のような、送る作業の中での変更は、上司の指示の範囲内で行えることが多いです。送る数を減らさず、読んで書く分を混ぜる。記録が出たら、それを出します。それも難しければ、承認に当日返すことは、誰の許可も要りません。当日返した学生と、それ以外の学生の面談までの進み方を記録します。どこかに、許可の要らない試す余地があります。
記録が出たのに、上司が「たまたまだ」と言います
一度の記録で通らなければ、もう一度、期間を延ばして記録を取ります。二度続けば、「たまたま」とは言いにくくなります。それでも通らないなら、上司の判断として受け、方針を戻し、記録は残します。上司が変わったとき、上司の経験が変わったときに、その記録が使えます。
上司への説明の整理は、御社に相談できますか
できます。当社は、一枚の型、小さく試す形、記録の型、上司の言葉への答えの型を支えられます。試すこと、記録を取ること、上司に出すこと、判断は、企業が行ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、OfferBoxの運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
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