WantedlyとLinkedInの使い分け|経歴でつながる場との分担
社員がLinkedInにプロフィールを置いている。海外在住や外国籍の候補者にも会いたい。Wantedlyも使っている。二つの違いは分かっていても、「社員のLinkedInを採用にどう使うか」「何をLinkedInに書き、何をWantedlyに書くか」「英語の記事はどちらに置くか」が決まっていないと、どちらも中途半端に回ります。結論から言うと、LinkedInは「職務経歴でつながり、本人の名義で発信する場」、Wantedlyは「会社の中身を読んで来る場」です。使い分けるなら、社員のプロフィールを会社の入口にし、日本語の記事をWantedlyで先に書いてから英語に直し、LinkedInに書くこととWantedlyに書くことの線を引き、面談の入口を一つにします。 この記事では、それぞれの役割、社員のプロフィールの使い方、日本語と英語の順番、書くことの線、面談の入口、工数と名義、やりがちな失敗、社内の分担を整理します。二つの違いそのものはWantedlyとLinkedInの違いで書きました。この記事は、両方を持ったあとの運用の使い分けを扱います。両サービスの仕様と数値は書きません。
それぞれの役割|「経歴でつながる」と「会社を読む」
| Wantedly | ||
|---|---|---|
| プロフィールの中心 | 本人の職務経歴。所属と役職と実績 | 本人の関心と、会社の「なぜ」と場面 |
| 誰の名義か | 本人。会社ページもあるが、本人のつながりが中心 | 会社。社員が会社の名義で話す |
| つながる相手 | 同業、取引先、海外の同職種。転職を考えていない人も多い | 会社を探している人、会社を読みに来た人 |
| 言語 | 相手に合わせる。英語のことが多い | 日本語が中心 |
| 向く中身 | 職務の実績、業界の話題、本人の発信 | 会社の「なぜ」、仕事の場面、最初の年、条件 |
| 応募の導線 | 本人への連絡から始まることが多い | 募集記事に「話を聞きに行きたい」がある |
LinkedInでは、候補者は会社より先に「人」を見ます。社員の経歴と発信を見て、「この人のいる会社」として会社に興味を持ちます。Wantedlyでは、会社の記事を読んで、「この会社の人」に会いに来ます。入口が逆なので、使い分けは「人から会社へ」と「会社から人へ」の二つの流れを、どちらも途切れさせない形にします。
社員のプロフィールを、会社の入口にする
- 社員のプロフィールの所属欄から、会社が分かる形にする:会社名の表記を揃える。会社ページがあるなら、社員の所属がそこに集まる
- 社員の発信に、会社の場面が含まれる形を尊重する:会社が書かせない。本人が書く業界の話題の中に、自社での場面が出てくれば、それが入口になる
- プロフィールと、Wantedlyのストーリーの本人像をずらさない:LinkedInで「実績」を書き、Wantedlyで「場面」を書く。同じ人が、違う面を書いている形
- 海外在住の候補者から本人に連絡が来たら、Wantedlyの英語の会社ページに案内する:会社を読む場所を用意しておく。英語の会社ページが置ける形は、現在の仕様で確認
- 会社ページを持つなら、社員の発信を集める場として:会社が「本音」を語る場にしない
社員のプロフィールは本人のものです。会社ができるのは、所属の表記を揃えることと、本人の発信に会社の場面が出たときに、読む先を用意しておくことまでです。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「LinkedInは外資や海外採用のためのもので、国内の採用には関係ない」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、Wantedlyと併せてLinkedInをどう扱うかの相談を受けますが、LinkedInには、いま転職を考えていない国内の人が、職務経歴を置いたままつながっています。その人たちは、会社を探していないので、Wantedlyには来ません。ただし、社員の発信を見て「この人のいる会社」に興味を持ったときに、読む場所があれば来ます。LinkedInを採用の入口にするのは、社員の発信から会社を読む場所への流れを用意することです。当社が確かめるのは、社員のLinkedInのプロフィールから会社名で探したときに、Wantedlyの会社ページで「なぜ」が読めるかです。読めなければ、LinkedInの前に会社ページから始めてもらいます。
日本語の記事を先に書き、英語に直す
- 会社の「なぜ」と、社員の場面は、日本語でWantedlyに先に書く:想いは母語で先に言葉にする。英語から作ると、薄くなる
- 英語に直すのは、書けた日本語の中から、候補者に要るものだけ:会社の「なぜ」、仕事の中身、最初の年、条件。全部を訳さない
- 英語の記事を置く場所は、現在の仕様で確認する:Wantedlyの会社ページに置けるか、採用サイトに置くか。置く場所を一つに決める
- LinkedInで英語の発信をする社員がいるなら、その社員の場面を日本語のストーリーにも:英語で読んだ人が、日本語のストーリーで同じ人を見つける
- 訳す人と、書く人を分けてよい:書くのは本人、訳すのは外に出せる。訳したものを本人が確認する
順番の考え方はWantedlyとLinkedInの違いの「併用するときの分担」で書きました。ここでは、その順番を運用に落とします。
LinkedInに書くことと、Wantedlyに書くことの線
| LinkedInに書く | Wantedlyに書く |
|---|---|
| 本人の職務経歴と実績 | 本人が会社で何をどう変えた場面 |
| 業界の話題への本人の考え | 会社の「なぜ」、事業、価値観の場面 |
| 転職の募集の一報(出す場合。本人の名義で) | 募集記事そのもの。条件、最初の年、誰と組むか |
| 海外の同職種とのやり取り | 日本語で会社を読みに来た人への説明 |
| 書かない:会社の制度の説明、条件の詳細、数値 | 書く:条件は募集記事に、数値は確認したものだけ |
- LinkedInに条件や制度を書かない:本人の発信に会社の条件が混ざると、本人の言葉でなくなる。条件はWantedlyの募集記事か採用サイトに
- 本音の範囲は、両方で同じ線を引く:Wantedlyで会社の素顔を出す範囲
- 取引先や候補者が特定できることは、どちらにも書かない:LinkedInは特に、相手につながっている
面談の入口を一つにする
- LinkedIn経由でも、Wantedly経由でも、最初は「話を聞く面談」から:LinkedInで本人に連絡が来た候補者を、いきなり選考に入れない
- LinkedIn経由の候補者にも、面談の前にWantedlyの記事を読んでもらう:英語の会社ページか、日本語のストーリー。「面談の前にこちらを」
- 台帳は一つ:入口の列に「LinkedIn(誰のつながり)」と「Wantedly」。段は共通
- 面談で「何を見て来たか」を聞く:社員の発信か、記事か。言葉で、どちらが効いているかが分かる
- 選考に進む意思を確認してから、選考の流れに乗せる:LinkedIn経由は転職を考えていなかった人が多いので、意思の確認を飛ばさない
台帳と段の揃え方はWantedlyを含む複数媒体の効果を並べて見る方法で書きました。
工数と名義
| 項目 | Wantedly | |
|---|---|---|
| 書く人 | 本人。会社は所属の表記と読む先だけ | 本人が話し、人事が整える |
| 時間の性格 | 本人の関心で続く。義務にすると止まる | 月に数本。人事と話す社員の時間 |
| 外に出せる部分 | 出せない | 整える部分と、英語への翻訳 |
| 費用 | 本人の時間。会社の有料の仕組みを使うなら、条件は公式で確認。この記事では書かない | プランの費用。公式ページで確認 |
- LinkedInの発信を、社員に求めない:本人が書くかは本人が決める。書く社員がいなければ、LinkedInは所属の表記だけで足りる
- Wantedlyの時間を先に固定する:LinkedInから来た人が読む先がなければ、流れが途切れる
- つながりの数や閲覧数で判断しない:見ているのは同業と知人。会社ページに来て、面談で「発信を見た」と言う人がいるかで見る
やりがちな失敗
| 失敗 | 何が起きるか | 直し方 |
|---|---|---|
| 英語の会社ページから作る | 想いが薄く、日本語の記事もない | 日本語のWantedlyから |
| 社員にLinkedInの発信を求める | 本人の言葉でなくなり、止まる | 本人が決める。会社は読む先を用意 |
| LinkedInに条件や制度を書く | 本人の発信が会社の告知になり、届かない | 条件はWantedlyか採用サイトに |
| LinkedIn経由をいきなり選考に入れる | 転職を考えていなかった人が離れる | 話を聞く面談から |
| つながりの数で効果を見る | 会社ページに来たかと別の数字で判断する | 面談で「見たか」を聞く |
最も多いのは、一つ目です。海外の候補者を採りたいという目的から、英語の会社ページを先に作り、日本語の「なぜ」がないまま、英語の文章だけが残ります。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 所属の表記を揃える | 人事と、社員 |
| 日本語の会社ページと、社員のストーリーを書く | 人事と、話す社員 |
| 英語に直す部分を決め、訳す(社内か、外か) | 人事、または翻訳者。本人が確認 |
| LinkedInに書くことの線を決める | 人事と責任者 |
| LinkedIn経由の候補者を、面談と台帳に入れる | 連絡を受けた社員と、人事 |
| 面談で「何を見て来たか」を聞く | 面談に出る人 |
| 有料の仕組みを使うかの判断 | 責任者 |
運用代行や代理店が支えられるのは、役割の整理、書くことの線の型、英語に直す部分の選び方、台帳の型、翻訳の手配までで、本人が書くかの判断、話す中身、線の決定、面談は企業と本人が行います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
LinkedInのつながりの数や、投稿の閲覧数は、「本人の経歴と発信に関心のある人がどれだけいるか」を示す数字で、「この会社で働きたい人がどれだけいるか」の数字ではありません。当社はWantedlyの運用を申込のあとまで見ていますが、LinkedInでつながりの多い社員がいる会社ほど、「これだけ見られているのに、採用につながらない」という相談になります。見ている人の多くは、同業の同職種と取引先で、その人たちは転職の入口として社員を見ていません。当社が見るのは、面談に来た人のうち、「〇〇さんの発信を見て、会社を調べた」と言う人がいるかです。いれば、その社員の発信は入口として効いていて、Wantedlyに読む場所があれば来ます。いなければ、発信を増やすのではなく、会社ページの「なぜ」が読める状態かを先に見ます。数字は本人のもので、採用の判断には面談の言葉を使います。
まとめ
- LinkedInは「職務経歴でつながり、本人の名義で発信する場」、Wantedlyは「会社の中身を読んで来る場」。「人から会社へ」と「会社から人へ」の二つの流れを途切れさせない
- 社員のプロフィールは本人のもの。会社は所属の表記を揃え、本人の発信に会社の場面が出たときに読む先(会社ページの「なぜ」)を用意する
- 日本語の記事をWantedlyで先に書き、候補者に要るものだけ英語に直す。英語から作らない
- LinkedInに条件や制度を書かない。本音の範囲は同じ線。面談の入口は一つにし、LinkedIn経由は意思の確認を飛ばさない
- つながりの数で判断しない。面談で「何を見て来たか」を聞き、台帳で見る
よくある質問
社員のLinkedInを、会社の採用に使ってよいですか
本人のものなので、「使う」のではなく、「本人の発信から会社を読む先を用意する」形にします。所属の表記を揃えること、会社ページの「なぜ」が読めること、本人が望めばその社員のストーリーをWantedlyに出すこと。この三つまでが会社の側の仕事で、何を発信するかは本人が決めます。
英語の募集は、LinkedInとWantedlyのどちらに出しますか
置ける場所と形は、両方の現在の仕様で確認してください。どちらに置くにしても、募集の元になる「なぜ」と「最初の年」と「条件」を、日本語でWantedlyに先に書いてから訳します。募集を出す場所より、読む場所があるかが先です。
WantedlyとLinkedInの使い分けは、御社に相談できますか
できます。当社は、役割の整理、書くことの線の型、英語に直す部分の選び方、台帳の型、翻訳の手配を支えられます。本人が書くかの判断、話す中身、線の決定、面談は、企業と本人が行ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、Wantedlyの運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
本記事は 2026/9/20 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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