Greenでマーケターを採る|担当チャネルと予算の書き方
マーケターの求人票で、「デジタルマーケティング全般」「集客の戦略から実行まで」と書かれているものをよく見かけます。けれども、マーケティングの経験者は、自分が得意とするチャネルと、扱ってきた予算の規模で自分の経験を語ります。求人票にチャネルと予算が書かれていないと、候補者は自分の経験が当てはまるかどうかを判断できません。 この記事では、Greenでマーケターを採るときに、担当チャネルと予算をどう書き、声のかけ方や選考にどうつなげるかを整理します。Greenは、IT・Web業界を中心に中途採用の求人を扱うサイトで、株式会社アトラエが運営しています。
マーケターは「チャネル」で経験を語る
マーケティングの仕事は、扱うチャネルによって必要な経験が大きく違います。
| チャネルの例 | 主な仕事 | 合う経験 |
|---|---|---|
| 検索広告・SNS広告 | 配信の設定、入札の調整、効果の分析 | 広告運用の担当、広告代理店の運用者 |
| 検索からの流入(SEO)・コンテンツ | 記事の企画、サイトの改善、検索の動向の分析 | メディアの編集者、サイト運営の担当 |
| メール・顧客の育成 | 配信の設計、見込み客の段階に応じた案内 | BtoBの見込み客の育成の担当 |
| イベント・展示会・セミナー | 企画、集客、当日の運営、その後の追客 | イベントの企画運営の担当 |
| 広報・ブランド | 外部への発信、メディアとの関係づくり | 広報の担当、PR会社の出身者 |
すべてを一人で担う必要がある会社もありますが、その場合でも、中心となるチャネルを決めます。「検索広告を中心に担い、余力でSNSの運用も見てほしい」と書けば、候補者は自分の経験の重なりを測れます。
予算をどう書くか
予算は、マーケターが自分の経験の大きさを測る物差しです。ただし、具体的な金額を求人票に書くことに抵抗のある会社も多いでしょう。金額を書かずに伝える方法があります。
- 予算の規模感を言葉で書く:「少額の予算で、効果を確かめながら広げていく段階」「複数のチャネルに予算を振り分ける規模」
- 予算の決め方を書く:「四半期ごとに事業責任者と相談して決める」「月の予算の範囲内なら担当者の判断で配分を変えられる」
- 外部の会社との関わりを書く:「広告の運用は代理店と協力して行う」「内製に切り替えたい」
特に、予算の配分を誰が決めるかは、マーケターが重視する点です。自分の判断で配分を変えられるかどうかで、仕事の手応えがまったく違うからです。
エージェントベストの見解
マーケターの採用で発注側によくある思い込みは、「マーケティングの経験者なら、どのチャネルでも成果を出せる」というものです。実際には、広告運用に強い人がコンテンツの企画を任されると時間がかかり、コンテンツに強い人が広告の運用を任されると細かな調整に苦労します。チャネルごとに、必要な考え方と手の動かし方が違うのです。当社が求人票の相談を受けると、まず「この一年で一番伸ばしたい集客の経路はどれか」を聞きます。その答えが中心のチャネルになり、求める経験が決まります。答えが「全部」であれば、まだ優先順位が決まっていない状態なので、マーケターを採る前に、事業責任者と優先順位を話し合う時間を取ることを勧めています。
求人票に書くこと
チャネルと予算に加えて、次の点を書きます。
- 扱う商材と顧客:一般の消費者向けか、企業向けか。企業向けなら、営業との連携の仕方
- 追いかける数字:問い合わせの数か、商談の数か、売上か、登録の数か
- 一緒に働く人:マーケティングの担当者が何人いるか、デザイナーやエンジニアの協力を得られるか
- 使う道具:分析の道具や、顧客の情報を管理する仕組みが整っているか
一緒に働く人の項目では、制作の手段を書いておくと、候補者が仕事の速さを想像できます。広告の画像やページの修正を社内のデザイナーに頼めるのか、外部に発注するのか、自分で作るのか。施策を思いついてから形になるまでの距離は、マーケターにとって働きやすさを大きく左右します。社内に頼める人がいない場合は、外部の協力先や使える道具を書いておくと安心感につながります。
企業向けの商材の場合、マーケターが追いかける数字は、問い合わせの数で終わるのか、その先の商談や受注まで見るのかで、営業との関係が変わります。ここを書いておくと、企業向けのマーケティングに慣れた候補者が反応します。
声をかける相手の選び方
マーケターの候補者にも、Greenでは「気になる」やスカウトで、企業側から働きかけられます。マーケターの候補者を探すときは、中心のチャネルに合わせて対象を決めます。
- 事業会社でそのチャネルを担当してきた人
- 広告代理店や制作会社で、そのチャネルの運用や企画を担ってきた人
- 営業や編集など隣接する職種から、マーケティングに移りたい人
代理店出身者に声をかけるときは、事業会社で働くことの違いをスカウトの文面に書きます。「一つの商材に深く関わり、施策の結果を売上まで追いかけられる」といった点は、代理店で複数の顧客を担当してきた人にとって魅力になりやすいからです。反対に、扱う予算や商材の幅が代理店時代より小さくなることもあるので、それも正直に伝えます。
選考で確かめること
選考では、成果の大きさより、施策を考えて振り返るまでの流れを聞きます。
- 担当したチャネルで、成果が出なかったときに何を見直したか
- 予算が限られているとき、どこに配分し、どこを削ったか
- 施策の結果を、営業や経営にどう説明したか
数字の扱い方も確かめます。成果を説明するとき、どの数字を使い、何と比べて良し悪しを判断しているか。季節の変動や、他の施策の影響をどう切り分けたか。こうした問いへの答え方から、数字を自分で読み解ける人かどうかが見えてきます。
面接で、自社の集客の現状を簡単に見せ、「最初の一か月で何を確かめるか」を話してもらうと、考え方の順番が見えます。正解を求めず、何を知りたがるかを聞くことが目的です。
エージェントベストの見解
マーケターの求人をGreenに出すと、職種の人気もあって、さまざまな背景の人から応募が集まることがあります。応募が多いと順調に見えますが、当社が運用を見ていると、チャネルの経験がばらばらな応募が多く、面接で話がかみ合わないまま時間が過ぎる例が少なくありません。そのため、運用を始めて最初の数週間は、応募者を中心のチャネルの経験があるかどうかで分け、面接に進める人を絞ります。応募が多いときこそ、書類選考の基準を中心のチャネルに寄せることが大切です。もし中心のチャネルの経験者からの応募が少ないなら、求人票の書き方か、チャネルの設定そのものを見直す合図だと考えています。数の多さに安心せず、中身の内訳を確かめることを勧めています。
まとめ
- マーケターはチャネルで経験を語る。中心のチャネルを決めて書く
- 予算は金額を書かなくても、規模感・決め方・外部との関わりで伝えられる
- 配分を誰が決めるかは、マーケターが重視する点
- 代理店出身者には、事業会社で働くことの違いを正直に伝える
- 応募が多いときこそ、中心のチャネルの経験で書類選考を絞る
よくある質問
一人目のマーケターには、どんな経験を求めればよいですか
一人目は、チャネルの運用に加えて、何から取り組むかを決めることも担います。特定のチャネルの経験に加えて、限られた予算で施策を選んだ経験があるかを確かめると、立ち上げを任せられるかの判断材料になります。
マーケティングの戦略を考える人と、実行する人は分けて募集すべきですか
組織の規模によります。小さな組織では一人が両方を担うことが多く、その場合は、戦略と実行の比重を書きます。戦略だけを任せる求人は、実行を担う人や外部の協力先がいることが前提になります。
マーケターの採用で、ポートフォリオや実績の資料は求めたほうがよいですか
前職の数字は守秘の関係で出せない人も多いので、提出を必須にはしないほうが無難です。面接で、施策の考え方と振り返りを口頭で説明してもらう形にすると、候補者の負担が少なく、考え方も見えます。
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