就活の時期に長期インターン生が離れるとき
長期インターン生が学年を重ね、就職活動の時期に入ると、面接や説明会で勤務が減り、やがて辞めていくことがあります。受け入れる会社にとっては、仕事に慣れて力を発揮し始めた頃に離れていくように感じられるかもしれません。結論として、就活の時期に離れることは長期インターンの自然な流れであり、止めようとするより「離れる時期を見込んで学年の構成と引き継ぎを設計する」ほうが、受け入れが安定します。 就職活動は学生にとって避けられない予定だからです。この記事では、症状の確認、原因の切り分け、打ち手、外に任せる範囲を整理します。
症状を確認する|離れ方のパターン
就活の時期にインターン生が離れるとき、その離れ方にはいくつかのパターンがあります。
- 勤務が少しずつ減っていく:面接の予定が入るたびに休みが増える
- ある時期に一気に休む:就職活動が集中する時期に、まとめて休む
- 相談なく辞める:忙しさから連絡が途切れ、そのまま辞める
- 事前に相談して辞める:就職活動に専念したいと伝え、引き継ぎをして辞める
最後のパターンは、会社と学生の関係が保たれた離れ方です。一方、相談なく辞めるパターンは、引き継ぎもできず、関係も途切れてしまいます。どのパターンが多いかで、見直すところが変わります。
原因を切り分ける
1. 学年の構成が偏っている
インターン生が同じ学年に偏っていると、就職活動の時期に一斉に離れ、受け入れが一気に止まります。
2. 就活の時期の扱いを話していない
就職活動の時期に勤務をどうするかを、事前に話し合っていないと、学生は言い出しにくく、相談なく辞める形になりやすくなります。
3. 引き継ぎの準備がない
インターン生しか分からない仕事があると、離れたときに仕事が止まります。本人もそれを気にして、辞めることを言い出しにくくなります。
エージェントベストの見解
就活の時期の離脱について相談を受けたとき、当社が最初に確認するのは「今いるインターン生の学年の構成」です。受け入れを始めたときに同じ学年の学生をまとめて受け入れた会社は、その学年が就職活動に入る時期に、受け入れが一斉に止まります。当社が勧めるのは、募集の段階で学年をずらすことです。上の学年が就職活動に入る前に、下の学年の学生を受け入れておく。上の学年の学生に、下の学年の学生を教えてもらう期間を作る。そうすると、上の学年が離れても仕事が引き継がれ、受け入れが途切れません。学年の構成は、募集の時期と対象を少し意識するだけで変えられます。就活による離脱を問題と捉えるより、学年が入れ替わる流れとして設計することを勧めます。
打ち手|就活と両立できる形を用意する
就活の時期の扱いを事前に話す
受け入れの最初、または就職活動が近づいた時期に、次の点を話し合っておきます。
- 就活の時期の勤務:減らすのか、休むのか、辞めるのか
- 面接の予定が入ったときの連絡:いつまでに、どう伝えるか
- 辞める場合の時期:いつ頃までに伝えてもらうか
- 引き継ぎの期間:辞める前に、どれくらいの期間で引き継ぐか
会社の側から先に話題にすることで、学生は相談しやすくなります。
勤務の形を柔軟にする
就職活動と両立できるよう、勤務の形を調整します。
- 週の勤務日数を減らし、短時間でも続けられるようにする
- リモートでの勤務を選べるようにする
- 面接の予定に合わせて、勤務の日を柔軟に変えられるようにする
続けられる形があれば、就職活動の時期にも関わり続ける学生がいます。ただし、無理に続けさせることは避け、本人の判断を尊重します。
引き継ぎの準備をしておく
インターン生が離れても仕事が止まらないように、日頃から次の準備をしておきます。
- 担当している作業の手順と現状を、チームの共有フォルダに書き残してもらう
- 担当の仕事を、別のインターン生や社員も把握している状態にする
- 辞める前に、後任と一緒に仕事を進める期間を設ける
卒業後につながる関係を残す
就活の時期に離れるインターン生は、会社にとって大切な関係を持った学生です。離れるときに、次のような関係を残しておきます。
- 就職活動の相談に乗る:社員が、業界のことや面接のことを話す機会を作る
- 自社の選考を案内する:本人が関心を持っていれば、選考の情報を伝える
- 卒業後も連絡が取れるようにする:就職したあとも、近況を伝え合える関係を保つ
自社の選考を案内するときは、インターン生だからといって特別扱いしすぎないよう注意します。インターンと選考は分け、本人の意思で選べる形にしておきます。インターンから本選考への流れの考え方はインターンから本選考への流れの設計で整理しています。
外に任せる範囲
外部に任せやすいこと
- 学年をずらした募集の計画と、原稿の作成
- 下の学年の学生に届く募集の書き方
自社で持つこと
- 就活の時期の扱いの話し合いと、勤務の調整
- 引き継ぎの仕組み
- 卒業後の関係づくり
エージェントベストの見解
当社は人材紹介も行っており、就職したあとの若手が転職を考える場面にも関わります。その中で、学生時代に長期インターンをしていた会社の名前が出てくることがあります。「あの会社でもう一度働けないか」「あの会社の人に話を聞いてみたい」。就活の時期に気持ちよく送り出された元インターン生は、数年後に転職を考えるとき、その会社を候補の一つに入れていることがあります。反対に、就活の時期に引き止められたり、関係が途切れたりした場合は、その会社を候補に入れません。就活の時期の離れ方は、数年後の採用の可能性にまで影響します。送り出すときの対応を、長い目で見た採用の一部と捉えることを勧めます。
就活の経験を、会社の仕事に生かしてもらう
就職活動の時期に入ったインターン生は、学生の側から採用を見ている当事者でもあります。続けて働いてくれる場合は、その視点を会社の仕事に生かしてもらう方法もあります。
- 自社の採用の情報を学生の目で見てもらう:会社紹介の資料や募集の文面が、学生にどう映るかを聞く
- 他社の説明会や面接で感じたことを共有してもらう:言える範囲で、印象に残った伝え方を聞く
- 後輩のインターン生に就職活動の話をしてもらう:先輩としての経験を、下の学年に伝える場を作る
こうした仕事は、就職活動で忙しい学生でも、短い時間で関われるものです。本人にとっても、自分の経験が会社の役に立つ実感につながります。ただし、就職活動の中で知った他社の情報を扱うときは、守秘の面で問題がないよう、聞く範囲に配慮してください。
まとめ
- 就活の時期に離れることは長期インターンの自然な流れとして設計に組み込む
- 学年の構成を偏らせず、募集の段階で学年をずらす
- 就活の時期の扱いを、会社の側から先に話題にする
- 勤務の形を柔軟にし、引き継ぎの準備を日頃からしておく
- 気持ちよく送り出し、卒業後もつながる関係を残す
よくある質問
就活の時期でも勤務を続けてほしいのですが、お願いしてもよいですか
続けられる形を提案するのは自然です。ただし、就職活動は学生にとって大切な時期であり、本人の判断を尊重することが前提です。勤務日数を減らす、リモートにするなど、選べる形を示したうえで、本人に決めてもらいます。
インターン生に自社の選考を受けてもらうにはどうすればよいですか
インターン中の働きぶりをもとに、選考の案内をすることはできます。ただし、インターンを選考の代わりにすると、学生が身構えます。インターンと選考は分け、本人が関心を持っていれば選考の情報を伝える形が自然です。
下の学年の学生が集まりません
下の学年の学生は、就職活動を意識する前の段階にいるため、「経験を積みたい」「社会を知りたい」といった動機で長期インターンを探していることが多いです。募集の書き方をその動機に合わせると、届きやすくなります。
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