Wantedlyのスカウトの書き出しの工夫|開かれる書き出しの型
スカウトは、届いた時点で全文が読まれるわけではありません。公式ヘルプでは、メールの通知にはメッセージの全文が表示されるとされていますが、相手は最初の一文で、読み進めるかどうかを決めがちです。「株式会社〇〇です。スカウトのご連絡です」で始まる文面は、その一文で「会社からの営業」と受け取られ、読み進められません。結論から言うと、Wantedlyのスカウトの書き出しには、会社名や挨拶ではなく、「相手のプロフィールの何を読んだか」を置きます。最初の一文が、相手にしか書けない内容であれば、読み進められます。煽り、限定、特別、褒め言葉は、開かれても信用されず、返信につながりません。 この記事では、書き出しの役割、やりがちな失敗、開かれる型、避ける言葉、本文とのつなげ方、一覧での見え方、試し方、台帳の使い方、分担を整理します。本文の書き方はスカウト文面の書き方で書きました。この記事は、その最初の一文に絞った話です。メール以外の一覧でどこまでが見えるかは公式ヘルプでは確認できないので、実際の画面で確かめてください。
この作業の目的|開いてもらう
書き出しの役割は、「開いてもらう」ことだけです。会社を説明することでも、募集を伝えることでもありません。開かれなければ、本文がどれだけ良くても読まれません。
相手は、複数の会社からスカウトを受け取り、最初の一文を見て、読み進めるものを選びます。ここで「会社からの営業」に見えたものは開かれず、「自分に向けて書かれている」と見えたものが開かれます。
考え方は、OfferBoxの件名にあたる部分と同じです。OfferBoxの件名の書き方で書いたのと同じ原則を、Wantedlyの書き出しに当てはめます。
やりがちな失敗
| 書き出し | なぜ開かれないか |
|---|---|
| 「株式会社〇〇の△△です」 | 会社の話。営業に見える |
| 「はじめまして」「お世話になります」 | 挨拶で、内容が無い。最初の一文を挨拶に使ってしまう |
| 「スカウトのご連絡です」「募集のご案内」 | 分類の名前。何の話か分からない |
| 「〇〇様へ」 | 名前は差し替えで入れられる。読んだ証拠にならない |
| 「素晴らしいご経歴を拝見し」 | 読んでいなくても書ける |
| 「限定」「特別に」「厳選」 | 煽り。開かれても信用されない |
| 「【急募】」「【高待遇】」 | 求人広告に見える |
| 「〇〇(職種名)の方を探しています」 | 検索の条件を書いただけ |
最も多いのは、最初の「会社名から始める」です。手紙の作法として自然ですが、最初の一文としては、最も読み進められない形です。会社名は、署名に入れます。
開かれる型
| 型 | 例(型) |
|---|---|
| プロフィールの具体的な箇所 | 「〇〇のプロジェクトで△△を担当された点を読んで、連絡しました」 |
| 相手の言葉をそのまま | 「『□□を続けてきた』と書かれていたのを読んで」 |
| 相手の興味 | 「〇〇に興味があると書かれていたので、うちの△△の話をしたくて」 |
| 重なる点を先に | 「〇〇の経験が、いまうちで探している△△の仕事とそのまま重なると思い」 |
| 誰が話すかを先に | 「〇〇(職種)の△△です。あなたの□□の経験について、話を聞かせてもらえませんか」 |
共通するのは、「相手のプロフィールの中身」が最初の一文に入っていることです。会社の話は、一文目には入れません。
「誰が話すかを先に」は、その職種の人が送る場合に使えます。人事ではなく、同じ職種の人からの連絡は、それだけで開かれやすくなります。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「書き出しは丁寧な挨拶と自己紹介にすべきで、いきなり本題は失礼だ」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとしてWantedlyのスカウトの運用を見ていますが、丁寧な挨拶から始まる文面は、最初の一文が挨拶になり、読み進められません。相手は失礼だと感じる前に、開かないだけです。逆に、「〇〇の経験を読んで連絡しました」から始まる文面は、挨拶が無くても失礼とは受け取られず、「自分を読んでいる」と受け取られます。当社が書き出しを整えるとき、最初にやるのは、会社名と挨拶を一文目から外し、署名に移すことです。丁寧さは、挨拶の言葉ではなく、相手を読んだことで伝わります。
避ける言葉
書き出しは短いので、一語が効きます。避ける言葉を決めておきます。
- 煽り:限定、特別、厳選、急募、必見
- 褒め言葉:素晴らしい、ご活躍、感銘、輝かしい
- 分類の名前:スカウト、ご案内、ご連絡、お知らせ
- 会社の自己紹介:弊社は、〇〇業界で、△△な企業
- 記号の多用:【】、★、!の連続。広告に見える
- 相手の名前だけ:「〇〇様へ」で始めて、そのあとが会社の話
煽りは、開かれることはあっても、開いた瞬間に「煽りだった」と分かり、返信につながりません。書き出しで開かれ、本文で信用を失う、という形になります。
書き出しと本文をつなげる
書き出しで挙げた箇所を、本文の1段目と2段目でそのまま使います。
- 書き出し:「〇〇の経験を読んで連絡しました」
- 本文1段目:その経験の、どこを読んだか。もう少し具体的に
- 本文2段目:その経験が、この募集のどこと重なるか
- 本文3段目:話す場の案内
- 署名:名前、職種、会社名
書き出しと本文の1段目は、同じ箇所を指します。書き出しで「〇〇の経験」と言い、本文で別の話を始めると、書き出しが釣りに見えます。書き出しは本文の要約で、本文は書き出しの続きです。
一覧での見え方を確かめる
メールの通知には全文が表示されますが、一覧で最初の何文字が見えるかは、公式ヘルプでは確認できません。実際の画面で確かめます。
- 実際の画面で、見え方を確かめる:どこで切れるか
- 切れる位置より前に、相手の中身を入れる:会社名や挨拶で文字数を使わない
- 長い一文にしない:切れたときに意味が分からなくなる
- 見え方が変わることがある:仕様は変わるので、定期的に確かめる
「切れる位置より前に、相手の中身」が原則です。最初の一文が長く、相手の中身が後半にあると、一覧では会社の話しか見えません。
書き出しを試すなら、1要素だけ
書き出しの型を比べるときは、他の要素を固定します。
- 同じ募集、同じ絞り込み、同じ本文で、書き出しの型だけを変える:「プロフィールの箇所」型と「誰が話すか」型、など
- 月ごとに1つの型を試す:週ごとに変えると、反応が出る前に次に移る
- 見るのは、開かれたかではなく、返信が来て、面談で「書き出しに反応した」と言われたか:開封の数は、煽りで増える
- 本文と同時に変えない:何が効いたか分からなくなる
試し方の考え方は、募集記事の差し替えと同じで、募集記事を差し替えて比べる方法で書きました。
台帳で、開かれた書き出しの型を見る
送った書き出しを、台帳に残します。
| 残すこと | 使い方 |
|---|---|
| 書き出しの一文 | どの型を使ったか |
| 型(プロフィールの箇所/相手の言葉/興味/重なる点/誰が話すか) | 型ごとの返信の傾向 |
| 返信の有無 | 型と返信の関係 |
| 面談で「どこに反応したか」 | 書き出しが効いたか、本文が効いたか |
面談で「最初の一文で開いた」と言われた書き出しが、その会社にとって効く型です。数字より、その言葉を集めます。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 書き出しの型を決める | 人事 |
| プロフィールを読み、書き出しを書く | 読んだ人(人事か、その職種の人) |
| 一覧での見え方を確かめる | 人事 |
| 避ける言葉のチェック | 書いた人 |
| 台帳に書き出しを残す | 送った人 |
| 面談で「どこに反応したか」を聞く | 面談に出る人 |
| 月に一度、型を1つ試す | 人事 |
運用代行や代理店が支えられるのは、開かれる型の提供、避ける言葉のチェック、見え方の確認の手順、試し方の設計、台帳の型までで、プロフィールを読むこと、書き出しを書くこと、面談で聞くことは企業が行います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
媒体を比べたり運用を見直したりするときに、スカウトの書き出しの良し悪しを開封の数で判断しようとする会社は多いのですが、開封は「一覧で選ばれた」までで、「読んで返信した」ではありません。当社がWantedlyのスカウトの書き出しを見直すときは、開封の数ではなく、面談で候補者が「最初の一文で開いた」と言った書き出しを台帳から拾い、その型を見ます。挙がるのは、例外なく「自分のプロフィールの中身が最初にあった」ものです。煽りの書き出しは開封は増えますが、面談で挙がりません。書き出しの効果は、開かれたかではなく、開いて読んで返信した人が「最初の一文」を覚えているかで測るものです。
まとめ
- 書き出しの役割は「開いてもらう」ことだけ。会社名、挨拶、「スカウトのご連絡」で始めると開かれない
- 開かれるのは、相手のプロフィールの具体的な箇所、相手の言葉、興味、重なる点、誰が話すか、が最初の一文にある形
- 煽り、褒め言葉、分類の名前、会社の自己紹介、記号の多用は避ける。会社名は署名に
- 書き出しと本文の1段目は同じ箇所を指す。一覧で切れる位置より前に、相手の中身を置く
- 試すなら月に1要素だけ。台帳に書き出しを残し、面談で「最初の一文で開いた」と言われた型を見る
よくある質問
挨拶を省くと、失礼になりませんか
最初の一文に挨拶を使うと、内容が無い一文になり、読み進められません。挨拶を省くのではなく、位置を変えます。書き出しには相手を読んだ一文を置き、本文の中で「突然の連絡で失礼します」と一言添えれば、丁寧さは保てます。
会社名を最初に出さないと、どこからの連絡か分からず不安に思われませんか
公式ヘルプでは、メッセージ画面に添付した募集のタイトルと送信アカウントが表示されるとされています。どこからの連絡かは、募集と署名で分かります。一文目は、相手を読んだ内容に使い、会社名は署名に入れます。
スカウトの書き出しの改善は、御社に相談できますか
できます。当社は、開かれる型の提供、避ける言葉のチェック、見え方の確認の手順、試し方の設計、台帳の型を支えられます。プロフィールを読むことと、書き出しを書くことは、企業が行ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、Wantedlyのスカウト運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
本記事は 2026/9/11 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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