SaaS企業のGreen活用|プロダクトと事業フェーズを伝える
SaaS企業の採用は、エンジニア、プロダクトマネージャー、デザイナー、営業、インサイドセールス、カスタマーサクセス、マーケターと、職種が多岐にわたります。どの職種の候補者も、求人票を読むときに共通して確かめていることがあります。どんなプロダクトで、事業がいまどの段階にあるのかです。同じSaaSでも、最初の顧客を探している段階と、顧客が増えて組織を広げている段階では、入社後の仕事がまったく違うからです。この記事では、SaaS企業がGreenを活用するときに、プロダクトと事業フェーズをどう伝え、運用をどう設計するかを整理します。Greenは株式会社アトラエが運営する、IT・Web業界の中途採用を中心とした求人サイトで、SaaS企業の求人も多く並びます。
SaaS企業の採用の構造とGreenの位置づけ
SaaS企業の採用には、いくつかの特徴があります。
- 職種の種類が多い:開発の職種と、営業・カスタマーサクセスなどの事業の職種を並行して採る
- 事業の段階で必要な人が変わる:立ち上げ期は少人数で幅広く担う人、拡大期は分業の中で専門性を発揮する人
- 候補者もSaaSの仕組みを知っている:継続課金や解約の考え方を前提に、事業の健全さを見ようとする
Greenは、IT・Web業界を中心とした中途採用の求人サイトなので、SaaS企業の開発職と事業職の両方の求人を出せます。企業と候補者が互いに「気になる」を送れる機能や、企業からスカウトを送る機能もあるため、求人を出して待つだけでなく、合いそうな人に声をかけることもできます。開発職と事業職の両方を一つの媒体で運用できる点は、職種の多いSaaS企業にとって管理の手間を減らす効果があります。
プロダクトの伝え方
SaaSのプロダクトは、使ったことのない人には中身が想像しにくいものです。求人票では、次の三点で伝えます。
- 誰の、どんな困りごとを解決するか:「中小企業の経理担当者が、月末の請求書の処理に追われる時間を減らす」
- 使う人の一日の中で、どの場面で使われるか:「朝の業務の始まりに、前日の入金の状況を確かめる場面」
- 今の課題は何か:「導入は進んでいるが、使いこなせずに解約する顧客がいる」
SaaSのプロダクトは画面の見た目だけでは中身が伝わりにくいので、可能なら、プロダクトの紹介ページや操作の様子が分かる資料の場所を求人票に添えます。候補者が応募の前に触れられる情報が多いほど、面接での会話が具体的になります。
三つ目の課題は、職種ごとに書き分けると効果的です。エンジニアには技術的な課題、カスタマーサクセスには定着の課題、営業には新しい顧客層の開拓の課題、というように、それぞれの職種が自分ごととして読める課題を書きます。
エージェントベストの見解
SaaS企業の採用相談で多い誤解は、「SaaSというだけで、候補者は事業の将来に期待してくれる」というものです。実際には、SaaSの仕組みを知っている候補者ほど、事業の健全さを冷静に見ます。顧客が増えているか、解約は抑えられているか、次の資金の見通しはあるか。もちろん、具体的な数字を求人票に書く必要はありませんし、書けないことも多いでしょう。ただ、何も書かれていないと、候補者は不安を感じます。当社が求人票を作るときは、数字の代わりに「事業がいまどの段階にあり、次の一年で何を達成しようとしているか」を言葉で書くことを勧めています。「最初の顧客層での定着を確かめ、次の顧客層への展開を始める段階」と書くだけで、候補者は会社の現在地を理解できます。
事業フェーズの伝え方
SaaS企業の事業フェーズは、おおまかに次のように分けられます。
| フェーズ | 事業の状態 | 求める人の傾向 |
|---|---|---|
| 立ち上げ期 | 最初の顧客を見つけ、プロダクトが受け入れられるかを確かめている | 少人数で幅広く担い、決まっていないことを楽しめる人 |
| 拡大期 | 顧客が増え、営業やカスタマーサクセスの分業を整えている | 仕組みを作りながら、自分の領域で成果を出せる人 |
| 安定期 | 主力のプロダクトが定着し、新しいプロダクトや顧客層に広げている | 専門性が高く、大きな組織の中で動ける人 |
求人票では、自社がどのフェーズにあるかと、その中で入社する人に何を期待するかを書きます。フェーズの境目にいる会社も多いので、「拡大期に入ったところで、分業の仕組みを一緒に作ってほしい」のように、境目にいることを正直に書くと、候補者は仕事の中身を想像しやすくなります。
職種ごとの運用設計
職種が多いSaaS企業がGreenを運用するときは、職種ごとに力の入れ方を変えます。
- 応募が集まりやすい職種:求人票を整え、応募への返信の速さを保つことに力を入れる
- 候補者が限られる職種:「気になる」やスカウトで、合いそうな人に声をかけることに力を入れる
- 初めて採る職種:求人票を出す前に、仕事の中身と評価を社内で固めることに力を入れる
すべての職種で同じように運用しようとすると、採用担当の時間が足りなくなります。優先順位をつけ、急ぐ職種から順に力を入れます。職種ごとの書き方は、GreenでSaaSの営業を採るやGreenでカスタマーサクセスを採るでも整理しています。
職種をまたいだ一貫性も大切です。同じ会社の求人なのに、職種ごとに会社の紹介の書き方がばらばらだと、候補者は会社の姿をつかめません。会社の紹介、プロダクトの説明、事業フェーズの説明は、全職種で共通の文章を使い、職種ごとの部分だけを書き分けます。
エージェントベストの見解
SaaS企業がGreenの運用を始めて、最初の一か月で止まりやすいのは、複数の職種の求人を同時に出し、どの職種にも手が回らなくなるケースです。開発職の応募への返信が遅れ、事業職のスカウトの配信も止まり、どちらの職種でも候補者との接点が細くなります。当社が運用を代行するときは、まず急ぐ職種を二つ程度に絞り、その職種の運用の型ができてから、ほかの職種に広げます。すべての職種を同時に始めるより、順番に立ち上げるほうが、結果として早く候補者に会えることが多いと感じています。運用の手が足りない場合は、職種によって運用を外に出し、社内の採用担当は要件づくりと面接に集中する、という分け方も考えられます。
まとめ
- SaaS企業の候補者は、プロダクトと事業フェーズを組み合わせて判断している
- プロダクトは、誰のどんな困りごとを解決するか、どの場面で使われるか、今の課題は何かで伝える
- 事業フェーズは、数字の代わりに「どの段階にあり、次の一年で何を達成するか」を言葉で書く
- 職種ごとに、求人票を整えるか、声をかけるかの力の入れ方を変える
- 複数の職種を同時に始めず、急ぐ職種から順に運用を立ち上げる
よくある質問
SaaSの事業の数字は、求人票にどこまで書くべきですか
具体的な数字を書く必要はありません。書く場合は、社外に公表している範囲にとどめます。書けない場合でも、事業の段階と次の目標を言葉で示すことで、候補者は会社の現在地を理解できます。詳しくは面接で、必要に応じて伝えます。
開発職と事業職で、運用の担当者を分けたほうがよいですか
職種の数が多い場合は、分けたほうが運用は安定します。開発職は技術の話が分かる担当者、事業職は営業の組織に詳しい担当者、というように分けると、スカウトの文面や書類選考の質が上がります。
立ち上げ期のSaaS企業でも、Greenを活用できますか
立ち上げ期の会社は、知名度が低い分、求人票で事業の中身と自分たちの考えを具体的に書くことが大切です。「気になる」やスカウトで声をかける機能を使い、合いそうな人に自社から接点を作ることも考えられます。
本記事は 2026/10/16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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