SES企業のGreen活用|働き方と案件の選び方を正直に書く
SES企業の求人を読む候補者は、仕事の中身と同じくらい、働き方と案件の決まり方を気にしています。どこの現場で、どんな案件に、どう決まって関わるのか。自分の希望はどこまで通るのか。案件の合間はどう過ごすのか。これらが曖昧な求人票は、SESの働き方を知っている候補者ほど警戒します。逆に、ここを正直に具体的に書くSES企業は、同じ業界の中で信頼を得やすくなります。この記事では、SES企業がGreenを活用するときに、働き方と案件の選び方をどう書き、運用をどう設計するかを整理します。Greenは、株式会社アトラエが運営する、IT・Web業界を中心とした中途採用の求人サイトで、SES企業の求人も掲載されています。
SES企業の採用の構造
SES企業の採用には、次のような特徴があります。
- 案件の需要に合わせて採る:取引先からの依頼に応えるために、特定の技術や経験を持つ人を探す
- 経験の幅が広い候補者を対象にする:経験の長い人から、経験の浅い人、未経験から学びたい人まで
- 働き方の比較が厳しい:自社開発や受託開発の会社と比べられるだけでなく、SES企業どうしでも働き方の違いを比べられる
候補者の中には、SESの働き方をよく知ったうえで、より良い条件や環境を探している人が少なくありません。そうした人は、求人票の言葉の端々から、会社の姿勢を読み取ろうとします。
働き方を正直に書く
SES企業の求人票では、次の点を具体的に書きます。
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 働く場所 | 「取引先の事務所での勤務が中心。一部の案件はリモートでの勤務が可能」 |
| 案件の期間 | 「一つの案件に関わる期間は案件によって異なり、短いものから長いものまである」 |
| 一つの現場の人数 | 「自社の社員が複数名で同じ現場に入る案件が多い」 |
| 自社との接点 | 「月に一度、自社での面談と勉強会がある」 |
特に、一つの現場に自社の社員が何人いるかは、候補者が気にする点です。一人で客先に入ることへの不安を持つ人は多いため、チームで入る案件が多いならそれを書き、一人で入る場合の支え方(定期的な面談、相談窓口など)も書きます。
エージェントベストの見解
SES企業の採用相談でよく聞くのは、「働き方を正直に書くと応募が減るのではないか」という心配です。確かに、客先での勤務が中心であることを明記すると、それを望まない人は応募しません。けれども、そうした人がSESの働き方を知らずに入社しても、早い段階で離れることが多く、採用にかけた時間が無駄になります。むしろ、働き方を正直に書くと、それを理解したうえで応募してくる人が増え、面接でも働き方の説明に時間を取られなくなります。当社が求人票を作るときは、SES企業が自社の強みだと考えている点(案件の選び方、研修、評価の透明さなど)と、働き方の実情を、同じ重さで書くことを勧めています。強みだけを並べた求人票より、実情と強みを並べた求人票のほうが、SESを知る候補者に信頼されます。
案件の選び方を書く
SES企業の候補者が最も知りたいことの一つが、案件がどう決まるかです。
- 希望の聞き方:使いたい技術、関わりたい工程、通勤の範囲などの希望を、いつ、どう聞くか
- 決め方:営業担当が案件を探し、本人の同意を得てから決めるのか。本人が複数の案件から選べるのか
- 断れるかどうか:希望と合わない案件を、断る余地があるか
- 案件の合間:次の案件が決まるまでの期間をどう過ごすか(自社での学習、社内の開発など)
この四つを書くと、候補者は入社後の自分の扱われ方を想像できます。案件の選び方は、SES企業ごとの違いがはっきり出る点なので、自社の仕組みに自信があるなら、それを求人票の中心に置きます。
あわせて、評価と給与の決まり方も書きます。案件の単価と給与の関係をどこまで開示するかは会社によって違いますが、「評価は、案件での働きぶりと、自社での取り組みの両方で決める」のように、評価の考え方を示すだけでも、候補者は会社の姿勢を読み取れます。具体的な給与の水準や仕組みを書く場合は、実際の運用と一致していることを確かめてから書きます。
帰属意識をどう支えるか
客先での勤務が中心のSES企業では、社員が自社への帰属意識を持ちにくいという課題があります。候補者もそれを知っているため、自社との接点がどれくらいあるかを見ています。
- 定期的な面談の頻度と、面談の相手(営業担当か、技術の先輩か)
- 社内の勉強会や交流の機会
- 将来の働き方の選択肢(自社の開発に移る、管理の立場に進む、など)
面談の中身も書けるとなおよいでしょう。案件の状況を確かめるだけの面談なのか、技術の相談や将来の希望まで話せる面談なのか。面談の相手が技術の分かる先輩であれば、案件の中で困ったことを相談でき、技術の成長にもつながります。こうした仕組みは、SESの働き方を経験した候補者ほど、会社を選ぶ決め手として重く見ます。
将来の選択肢は、長く働くことを考える候補者にとって重要です。SESの働き方から、ほかの働き方に移る道がある場合は、その例を書いておくと、候補者は先の見通しを持てます。
運用の設計
SES企業がGreenを運用するときは、対象の候補者を経験の段階で分けて考えます。
- 経験の長い人:案件の選び方や評価の透明さを中心に伝え、「気になる」やスカウトで声をかける
- 経験の浅い人:研修や、チームで入る案件の多さを伝え、育つ環境を示す
- 未経験から学びたい人:研修の内容と期間、最初の案件の決まり方を具体的に書く
Greenでは、企業から候補者に「気になる」を送ったり、スカウトを送ったりできるので、取引先から依頼のある技術の経験者に、自社から声をかけることもできます。スカウトの文面では、候補者の経験と、今ある案件の重なりを示しつつ、案件の選び方の仕組みにも一言触れます。
エージェントベストの見解
SES企業がGreenの運用を始めて、最初の数週間で成果が伸びにくい原因の一つは、応募への返信が遅いことです。SES企業の候補者は、複数のSES企業に同時に応募していることが多く、返信の早い会社から面談に進みます。営業担当が案件の対応で忙しく、応募への返信が翌日以降になると、候補者は先に返信をくれた会社に気持ちが向きます。当社が運用を代行するときは、応募があった当日に一次の連絡を入れ、面談の候補日を示すところまでを運用側で受け持ちます。合否の判断は企業側に残しますが、最初の連絡の速さで差がつく業界では、そこだけでも外に出す価値があると考えています。
まとめ
- SES企業の候補者は、働き方と案件の決まり方を最も気にしている
- 働く場所、案件の期間、一つの現場の人数、自社との接点を具体的に書く
- 案件の希望の聞き方・決め方・断れるかどうか・合間の過ごし方を書く
- 帰属意識を支える仕組みと、将来の働き方の選択肢を示す
- 応募への最初の返信の速さで差がつくため、当日に連絡できる体制を作る
よくある質問
客先での勤務が中心であることは、求人票のどこに書けばよいですか
仕事内容の冒頭近くに書きます。後ろのほうに小さく書くと、読み飛ばした候補者が面接で驚き、会社への信頼を損ないます。最初に書き、そのうえで自社の支え方を示すほうが、良い印象につながります。
未経験の人を採用する場合、何を書けばよいですか
研修の内容と期間、最初の案件がどう決まるか、案件に入ったあとの支え方を書きます。未経験の候補者は、入社後すぐに一人で客先に入ることを最も心配しているので、その不安に答える内容が要ります。
SESの働き方を、自社開発の会社と比べられたときにどう伝えればよいですか
自社開発の会社と同じ土俵で比べるより、SESならではの点(さまざまな現場で経験を積める、案件を選べる仕組みがある、など)を具体的に書きます。比べられることを前提に、自社の強みを言葉にしておくことが大切です。
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