Greenの書類選考を速くする|判断基準を先に決める
「応募は来ているのに、書類選考で止まっている」。Greenの運用で、もっとも多く聞く悩みの一つです。人事は応募に気づいていても、現場の面接官が判断してくれない。催促すると「この人、どうなんだろう」と迷っている。書類選考が遅い原因は、多くの場合、忙しさではなく判断基準が決まっていないことにあります。 この記事では、Green(株式会社アトラエが運営する、IT・Web業界を中心とした中途採用の求人サイト)経由の応募について、書類選考の判断基準を先に決めて速くする手順を整理します。
書類選考が止まる本当の理由
書類選考が止まっているとき、面接官の頭の中ではおおむね次のことが起きています。
- 経歴は悪くないが、決め手があるかどうか分からない
- 求人票に書いた条件のうち、一部しか当てはまらない
- 他にもっとよい応募が来るかもしれないので、待ちたい
いずれも、「何があれば会うのか」が決まっていないために、一人ずつ迷っている状態です。基準があれば、迷う時間はほとんどかかりません。会うかどうかの判断は、書類の段階では「会って確かめる価値があるか」だけでよく、採用するかどうかまで決める必要はないからです。
判断基準を先に決める手順
求人を公開する前、遅くとも最初の応募が来る前に、次の手順で基準を決めます。
- 面接で確かめたいことを3つ書き出す:「設計の経験」「チームでのレビュー経験」「自社サービスへの関心」など、面接官が実際に聞いていること
- そのうち書類で判断できるものを分ける:経歴に書かれていれば判断できるもの(経験の有無)と、会わないと分からないもの(考え方、関心の深さ)に分ける
- 書類で見る項目を2つに絞る:書類で判断できるもののうち、「これがなければ面接しても難しい」ものを2つ選ぶ
- 判断のルールを一文にする:「2つのうち2つ当てはまれば面接、1つなら人事が面談、0なら見送り」のように決める
- 迷ったときの扱いを決める:「判断に迷ったら会う」を原則にするかどうかを、先に決めておく
5つ目は大事です。迷ったら会うと決めておけば、面接官は迷った時点で判断を終えられます。会う数が増えるのが心配なら、迷った人は人事が短い面談で確かめる、という段を挟む方法もあります。
判断シートを作る
基準が決まったら、応募ごとに使う判断シートを作ります。表計算ソフトの一行で十分です。
- 応募日
- 求人名
- 基準1:当てはまる/当てはまらない/書類からは不明
- 基準2:当てはまる/当てはまらない/書類からは不明
- 判断:面接/人事面談/見送り
- 判断日
ポイントは「書類からは不明」という選択肢を用意しておくことです。職務経歴の書き方は人によって差があり、経験があっても書かれていないことがあります。不明の場合をどう扱うか(人事面談に回す、など)を決めておくと、迷う時間が減ります。
人事が一次的にこのシートを埋め、面接官は判断の列だけを確認する、という分担にすると、面接官の負担は小さくなります。
エージェントベストの見解
書類選考を速くしたい会社から相談を受けると、当社はまず過去に見送った応募を数件見せてもらいます。そこで見えてくるのは、見送りの理由が面接官ごとに違うことです。ある面接官は経験年数で、別の面接官は前職の業界で、さらに別の面接官は転職回数で見送っている。基準が揃っていないので、同じ経歴でも誰が見るかで結果が変わります。そして基準が揃っていない会社ほど、一人ひとりの判断に時間がかかっています。当社は人材紹介も行っていて、紹介の場合は企業から「この条件なら会う」という基準を最初にいただき、その基準で推薦しています。媒体でも同じことを社内でやれば、判断は速くなります。速さの問題は、多くの場合、基準が揃っているかどうかの問題です。
判断シートは、たまってきたら見直しにも使えます。月に一度、見送った応募と面接に進んだ応募を並べ、基準が実態に合っているかを確かめます。見送った人の中に、別の求人なら合いそうな人が多ければ、求人の切り方を見直す材料になります。面接に進んだ人の多くが面接で落ちているなら、書類で見ている2つの項目が、面接で確かめていることとずれている可能性があります。
基準は、最初に決めたものを使い続ける必要はありません。応募の記録から分かったことを反映し、面接官と相談して少しずつ直していきます。直したときは、いつ何を変えたかをシートの横に一行残しておくと、後で判断の変化を追えます。
現場への依頼の仕方
面接官に書類を見てもらうときの依頼の仕方でも、判断までの時間は変わります。
- 「どうですか」と聞かない:漠然と聞かれると、面接官は一から経歴を読み直す。判断シートを埋めた状態で「基準の2つに当てはまっています。面接でよいですか」と聞く
- 期限を添える:「明日の正午までにご返事ください」のように、具体的な時刻で頼む
- まとめて送らない:応募が溜まってから数件まとめて送ると、面接官は後回しにしやすい。一件ずつ、届いた日に送る
- 返事がなければ原則で進める:期限までに返事がない場合は「迷ったら会う」の原則で面接を設定する、と事前に合意しておく
最後の項目は、面接官との合意が前提です。合意がないまま進めると、関係がこじれます。最初に「期限内に返事がなければ、基準に従って面接を設定します」と伝えておきます。
やりがちな失敗
- 基準を作ったが、求人票と合っていない:求人票の必須経験と、書類選考の基準がずれていると、応募者は「書いてある条件を満たしているのに落ちた」と感じる。両方を同じ言葉に揃える
- 完璧な人を待つ:よりよい応募が来るのを待って判断を保留すると、手元の応募者は他社に流れる。比べるのは面接の段階でよい
- 見送りの連絡を後回しにする:見送ると決めたら、それも速く伝える。候補者が次に進めるようにすることも、会社の印象につながる
エージェントベストの見解
判断を外に任せられないか、という相談もときどき受けます。当社の考えは、書類の合否を決めるのは企業側に残すべきだ、というものです。当社のGreen運用代行は、求人票の作成からスカウト配信、応募対応、面接日程の調整までを引き受けますが、合否の判断は企業にお願いしています。外に出せるのは、判断シートを埋める作業、面接官への確認の依頼、期限の管理、候補者への連絡です。これだけ外に出しても、面接官に残るのは「シートを見て、面接か見送りかを選ぶ」だけになり、一件あたりの判断は数分で済むようになります。基準を作る、判断する、の二つを社内に残し、それ以外の段取りを手放す。この線引きが、速さと精度の両方を保つ形です。
書類選考のあとの面接の組み方は、Green経由の選考フローで整理しています。
まとめ
- 書類選考が遅い原因の多くは、判断基準が決まっていないこと
- 面接で確かめたいことから、書類で見る項目を2つに絞り、判断のルールを一文にする
- 「迷ったら会う」など、迷ったときの扱いを先に決めておく
- 判断シートを人事が埋め、面接官には期限付きで判断だけを頼む
- 合否の判断は社内に残し、シートの作成や連絡などの段取りは外に出せる
よくある質問
書類選考は何日以内に終えるのがよいですか
会社の状況によりますが、応募から数日以内に結果を伝えられると、候補者が他社の選考に進んでしまう前に面接を設定しやすくなります。まずは現在かかっている日数を記録し、そこから縮めることを目標にしてください。
基準に当てはまらないが、気になる応募者がいる場合はどうしますか
「迷ったら会う」の原則で、人事が短い面談で確かめる方法があります。基準に当てはまらない理由と、気になった理由を判断シートに一言残しておくと、後で基準を見直すときの材料になります。
面接官が複数いる場合、基準は面接官ごとに作りますか
書類選考の基準は、求人ごとに一つに揃えてください。面接官ごとに基準が違うと、誰が見るかで結果が変わり、判断も遅くなります。面接での確認項目は、面接官ごとに分担して構いません。
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