コンサル補助の長期インターンを採る|資料作成と守秘の扱い
コンサルティングの仕事の補助を長期インターンの学生に任せる会社は少なくありません。資料の作成、リサーチ、議事録、データの集計。コンサルティング会社を志望する学生にとっても、実務を内側から見られる長期インターンは人気があります。結論から言うと、コンサル補助の長期インターンは「どのクライアントの、どの情報に触れてよいか」を案件ごとに決めておくことで、学生に任せられる資料作成の範囲が広がります。 守秘の線が曖昧なまま受け入れると、学生に渡せる仕事が社内向けの資料だけに限られ、学生も会社も得るものが少なくなります。この記事では、学生向けの長期インターン求人サイトInfraでコンサル補助を募集する会社に向けて、任せ方と守秘の扱いを整理します。業界全体での受け入れ方はコンサル業界の長期インターン採用で扱います。
学生がコンサル補助のインターンに求めるもの
コンサル補助の長期インターンに応募してくる学生の多くは、将来コンサルティング会社への就職を考えています。
- 資料作成の力を身につけたい:論理的な構成、図表の作り方
- 実際の案件に触れたい:クライアントの課題がどう解かれるかを見たい
- コンサルタントの考え方を学びたい:問いの立て方、仮説の作り方
- 就職活動で話せる経験を作りたい
学生の期待は高く、同時に「実際の案件にどこまで関われるか」を気にしています。社内向けの資料づくりだけになるのか、クライアントに出す資料の一部を作れるのか。原稿でこの点を曖昧にしておくと、入ってからの期待とのずれが大きくなります。
任せる仕事の段階
コンサル補助の仕事は、クライアントとの距離で段階を分けると整理しやすくなります。
第一段階:クライアント情報に触れない仕事
- 公開情報を使った業界や市場のリサーチ
- 社内の勉強会や提案の型の資料づくり
- 過去の公開済みの事例の整理
第二段階:クライアント情報に触れるが、社内で完結する仕事
- 社員の指示に沿った資料の図表づくり
- 集計作業、データの整理
- 社内会議の議事録
第三段階:クライアントの目に触れる仕事
- クライアントに出す資料の一部の作成(社員が確認して提出)
- クライアントとの会議への同席
第一段階から始め、守秘の約束と資料作成の基礎が身についたら第二段階へ、という流れが無理のない進め方です。第三段階は、クライアントとの契約で第三者の関与がどう扱われているかを確認してから判断します。
エージェントベストの見解
コンサル補助の長期インターンで、受け入れ後に起きやすいのは「守秘が心配で、結局学生に任せる仕事がない」という状態です。募集の段階では実際の案件に関わってもらうつもりでも、いざ受け入れると、案件ごとに社員が守秘の判断に迷い、安全側に倒して学生には社内向けの仕事しか渡さなくなる。当社が受け入れの準備を手伝うときに勧めるのは、案件ごとに「学生が触れてよい情報」を一行で書いた一覧表を作っておくことです。案件名、触れてよい範囲、確認する社員。この一覧があれば、社員は案件のたびに迷わずに済みます。一覧を作る過程で、クライアントとの契約上、第三者の関与を避けたほうがよい案件も見えてきます。迷う時間を先に済ませておくことが、学生に仕事を渡し続ける前提になります。
守秘の約束を具体的にする
コンサル補助の学生には、守秘の約束を受け入れ時に具体的な形で伝えます。抽象的に「秘密を守ってください」と言うだけでは、学生はどこまでが秘密なのか判断できません。
- クライアント名を口外しない:友人、家族、SNSでも
- 資料を持ち出さない:私物の端末やクラウドに保存しない、印刷物を持ち帰らない
- 就職活動で話さない:面接で「このクライアントの案件に関わった」と話さない
- インターン終了後も続く:期間が終わっても守秘は続く
三つ目は、学生が見落としやすい点です。コンサルティング会社を志望する学生は、就職活動の面接で長期インターンの経験を話す機会が多くあります。そのときに、関わった案件の具体的な内容を話してしまうと、守秘の違反になります。面接で話してよいのは、どんな種類の仕事をしたか、何を学んだかまで、と具体的に伝えておきます。
これらの約束は、雇用契約や誓約書の中で書面にしておきます。
資料作成の力をどう見るか
コンサル補助の選考では、資料作成の力を見たいと考える会社が多いものです。ただし、学生の資料作成の経験は、授業やゼミの発表資料が中心です。見るべき点は、見た目の美しさより次の点です。
- 一枚に一つのメッセージになっているか
- 結論が先に書かれているか
- 図表が主張を支えているか
- 根拠の出典が示されているか
選考で課題を出す場合は、公開情報だけで取り組める題材にし、所要時間の目安を伝えます。自社の実際の案件を題材にすることは避けてください。面談の中で、学生が過去に作った資料を一枚見せてもらい、「この資料で一番伝えたかったことは何か」を聞く方法もあります。
原稿の書き方
Infraの原稿では、仕事の段階と守秘の扱いを書いておくと、学生は安心して応募できます。
- 最初に任せる仕事:公開情報のリサーチ、社内資料の作成など
- 案件に関わるまでの流れ:どのくらいの期間で、どの段階の仕事に進むか
- 扱う業界や領域:差し支えない範囲で
- 教える社員:コンサルタントが何人いて、誰の下につくか
- 守秘の扱い:守秘の約束があることを正直に書く
守秘の約束を原稿に書くことで、軽い気持ちの応募は減り、真剣に取り組む学生が残ります。
勤務の条件面では、資料作成は締め切り前に作業が集中しやすい仕事です。雇用で受け入れるなら、繁忙期でも労働時間と最低賃金の決まりを外れないよう、学生の作業の割り振りを社員が調整します。
エージェントベストの見解
コンサル補助の長期インターンを、新卒採用につなげたいと考える会社も多いと思います。当社は人材紹介でコンサルティング業界の中途採用にも関わっていますが、その経験から言えるのは、長期インターンで資料作成が上手かった学生が、そのまま新卒のコンサルタントとして活躍するとは限らないということです。コンサルタントの仕事は、資料を作ることより、クライアントの前で問いを立て、議論を進めることに比重があります。長期インターンで見られるのは資料作成の力が中心で、クライアントとの議論の力は見えにくい。そこで、新卒採用につなげたいなら、インターンの後半に社内の検討会で学生に発表させ、質問に答える場を作ることを勧めます。資料を作る力と、問われて答える力の両方を見てから、新卒の選考に誘うかを判断すると、入社後の姿とのずれが小さくなります。
まとめ
- コンサル補助は、クライアントとの距離で三段階に分けて任せる
- 案件ごとに「学生が触れてよい情報」を一行で書いた一覧を作り、社員が迷わないようにする
- 守秘の約束は、口外・持ち出し・就職活動での話し方・終了後まで具体的に伝える
- 資料作成の力は、見た目より一枚一メッセージと結論の位置で見る
- 新卒採用につなげるなら、資料作成に加えて発表と質疑の場で学生を見る
よくある質問
クライアントとの会議に学生を同席させてもよいですか
クライアントとの契約で第三者の関与がどう扱われているかを確認してから判断します。同席させる場合は、クライアントに事前に伝え、学生の立場を説明しておくのが一般的です。最初は社内会議への同席から始め、慣れてから判断する会社が多いようです。
学生が作った資料を、そのままクライアントに出してもよいですか
社員が内容と表現を確認してから出すのが基本です。資料の責任は会社にあるため、学生の資料をそのまま出すことは避けます。確認の際に直した点を学生に伝えると、次の資料の質が上がります。
守秘を理由に、学生に任せる仕事が少なくなってしまいます
案件ごとに触れてよい情報を決める一覧を作ると、任せられる仕事が見えてきます。それでも少ない場合は、公開情報を使ったリサーチや、社内の提案の型の整備など、クライアント情報に触れない仕事を意図的に作ることも一つの方法です。
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