ライター・編集の長期インターンを採る|書く力の見極め方
ライターや編集の長期インターンは、文章を書くことが好きな学生、将来メディアや広報の仕事に関心がある学生が応募してくる職種です。会社にとっては、自社メディアの記事、採用の記事、取材記事などを書く力が増えるので、期待をかけやすい職種でもあります。ただ、書く力は面接で話を聞くだけでは分かりにくく、入ってから「思っていたより書けない」「指示どおりにしか書けない」とずれを感じることがあります。結論から言うと、ライター・編集の長期インターンの書く力は、「文章のうまさ」ではなく、「読み手を決めて書けるか」と「直しを受けて書き直せるか」の2つで見極めると、入ってからの伸びと合いやすくなります。 この記事では、学生が見ているところ、原稿、見極め方、育て方を整理します。
書く仕事を志望する学生が見ているところ
ライター・編集の求人を開いた学生が確かめていることは、主に次のとおりです。
- 何を書くのか:解説記事、取材記事、インタビュー、SNSの文章、広告の文章
- 誰に向けて書くのか:一般の読者、専門家、学生、取引先
- 自分の名前が出るか:署名記事か、会社の名義か
- 編集者がいるか:書いたものを誰かが見て、直してくれるか
- 取材に行けるか:書くだけでなく、話を聞きに行く機会があるか
特に「編集者がいるか」は、書く力を伸ばしたい学生にとって大きな判断材料です。書いたものを誰も見てくれない環境では、自分の書く力が上がっているのか分かりません。
原稿に書くこと
ライター・編集の原稿では、次の点を具体的に書きます。
- 書くものの種類と例:どんな記事を書くか。公開されている記事があれば、どの記事のような仕事かを示す
- 書く量の目安:週に何本程度か。1本の長さはどのくらいか
- 編集の流れ:構成案→初稿→修正稿→公開のどこで、誰が見るか
- 取材の機会:取材に同行する、インタビューをする機会があるか
- 段階:最初は既存の記事の修正から、慣れたら新しい記事の執筆、さらに取材や編集へ
「ライター募集」とだけ書くと、学生は自由に書ける仕事を想像することがあります。テーマが決まっていること、編集者の直しがあることを書いておくと、入ってからのずれを防げます。
応募時に何を書いてもらうか
書く力を見極めるために、応募の段階で文章を出してもらう方法があります。
- 過去に書いた文章:レポート、ブログ、学内誌の記事など。どんな読み手に向けて書いたかを添えてもらう
- 短い自己紹介文:決まった字数で、決まった読み手に向けて書いてもらう
過去に書いた文章は、学生にとって出しやすい一方で、誰かの手が入っている可能性もあります。短い自己紹介文を、「入社したら一緒に働くチームのメンバーに向けて」など、読み手を指定して書いてもらうと、読み手を意識して書けるかが分かります。
応募の段階で求めるものが多すぎると、応募の数が減ります。文章の提出は短いものにとどめ、詳しい確かめは面接と短い課題で行う形が、学生の負担と見極めの両方に合います。
エージェントベストの見解
ライター・編集の長期インターンで、企業からよく聞く思い込みは、「文章がうまい学生を採れば、すぐに記事を任せられる」というものです。当社がInfraの運用を支援する中で見てきた範囲では、入ってから伸びる学生は、最初から文章がうまい学生より、直しを受けて書き直すたびに文章が変わる学生でした。文章がうまい学生ほど、自分の書き方にこだわりがあり、編集者の直しを受け入れにくいことがあります。会社の記事は、会社の読み手に向けて、会社の言葉で書く必要があるので、直しを受け入れる力が欠かせません。面接や課題では、最初の文章の出来より、直しを伝えた後の書き直しで何が変わったかを見ることを勧めます。そこに、入ってからの伸びしろが表れます。
面接と短い課題での確かめ方
面接では、長期インターンの面接の進め方で書いた3点に加えて、次のことを確かめます。
- 読み手を意識して書いた経験:誰に向けて書いたか、そのために何を変えたか
- 直された経験:先生や先輩に文章を直された経験と、そのときどう感じたか
- 調べる習慣:書く前に、どのくらい調べるか。何で調べるか
短い課題を出す場合は、次の形が使いやすいです。
- 短い文章を書いてもらう:決まったテーマと読み手で、短い文章を書く
- 直しを伝える:面接の場、または後日、改善点を伝える
- 書き直してもらう:伝えた改善点をもとに書き直す
一回目の出来より、二回目で改善点がどう反映されたかを見ます。課題は学生の負担にならない大きさにとどめ、課題に時間がかかりすぎて辞退されることがないようにします。
入った後の任せ方
ライター・編集の長期インターンは、次の順番で任せる範囲を広げます。
- 既存の記事を直す:誤字の確認、情報の更新、見出しの見直し。会社の言葉づかいを覚える
- 構成案を作る:決まったテーマで構成案を作り、編集者と相談する
- 記事を書く:構成案をもとに初稿を書き、直しを受けて修正稿を出す
- 取材に同行する:社員の取材に同行し、記録を取る
- 取材して書く:自分で取材をして記事を書く
- 編集する:ほかのインターン生の記事を一次編集する(最終判断は社員)
1の段階で、会社の言葉づかいや表記のルールを身につけておくと、3の段階で直しの量が減ります。表記のルールは、文書にして渡しておきます。
直しを返すときは、原稿に赤字を入れるだけでなく、なぜそう直したのかを一言添えます。「この段落は読み手が知らない言葉から始まっているので、先に説明を置きました」のように理由が分かると、学生は次の記事で同じ直しを受けずに済みます。理由のない赤字が続くと、学生は編集者の好みに合わせることだけを覚え、自分で判断して書く力が育ちません。直しの理由をためておけば、そのまま表記のルールの文書に足していくこともできます。
エージェントベストの見解
ライター・編集の長期インターンを受け入れる前に、社内で決めておくべきなのは、編集者を誰が担うかです。書く学生を採っても、直しを返す人がいなければ、学生の文章は伸びず、記事の質もそろいません。当社の考えでは、記事のテーマ選びや、学生が書いた原稿の最終的な確認は、社内の社員が持つべき部分です。会社として何を伝えたいかは、社内の人にしか判断できないからです。一方で、表記のルールの整備や、構成案の型づくりは、外の知見を借りて短い時間で作れる部分です。順番としては、編集を担う社員を決め、その社員の時間を週の予定に確保してから、ライターの募集を始めることです。編集の時間がないまま書き手だけを増やすと、直しが追いつかず、学生は放っておかれていると感じます。
まとめ
- 書く仕事を志望する学生は、何を・誰に・編集者がいるか・取材の機会があるかを見ている
- 原稿には、書くものの種類、量の目安、編集の流れ、段階を書く
- 書く力は「読み手を決めて書けるか」と「直しを受けて書き直せるか」で見極める
- 課題は一回目の出来より、直しの後の書き直しで何が変わったかを見る
- 任せる順番は、既存記事の修正→構成案→執筆→取材同行→取材→編集。編集者を先に決める
よくある質問
文章の経験がない学生でも採ってよいですか
採って構いません。読み手を意識できるか、直しを受け入れられるかが見えれば、文章の経験の少なさは入ってから補えます。最初は既存の記事の修正から始め、会社の言葉づかいを覚えてもらう段階を長めに取ります。
学生の記事に署名を入れてもよいですか
署名を入れると、学生にとってのやりがいになります。入れる場合は、本人の同意を取り、卒業後の扱い(署名を残すか、外すか)も決めておきます。
生成AIを使って書いてもよいかと聞かれました
使ってよい範囲を、会社のルールとして決めておくことを勧めます。下調べや構成の整理に使うのはよいが、本文は自分で書く、事実は自分で確かめる、などの線を引いておくと、学生も迷わずに済みます。
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