リサーチ職の長期インターンを採る|調べ物を成果に変える
市場調査、競合の動向の整理、業界の情報収集。リサーチの仕事は、長期インターンの学生に任せやすい仕事として挙げられることが多い職種です。パソコン一つで進められ、学生の調べる力が生きるからです。ところが、受け入れてみると「たくさん調べてくれたが、何に使えばよいか分からない」という結果になりがちです。結論から言うと、リサーチの長期インターンを成果につなげる鍵は、学生の調べる力ではなく、会社が渡す「問い」の具体さにあります。 何を決めるための調べ物なのかが伝わっていれば、学生は必要な情報を選び、使える形でまとめられます。この記事では、学生向けの長期インターン求人サイトInfraでリサーチ職を募集する会社に向けて、問いの渡し方とまとめの型を整理します。
調べ物が成果にならない理由
リサーチの長期インターンで成果が出にくい会社には、共通する頼み方があります。
- 「〇〇業界について調べておいて」
- 「競合をリストアップしておいて」
- 「最近のトレンドをまとめておいて」
どれも調べる対象は分かりますが、何を決めるために調べるのかが分かりません。学生は真面目に取り組むほど、手に入る情報をすべて集めようとします。その結果、量の多い報告書ができあがり、読む側は必要な部分を探すことになります。
調べ物が成果になるのは、その結果で誰かが何かを決めたときです。決める人と決める事柄がはっきりしていないと、どれだけ丁寧に調べても、報告書は読まれずに残ります。
問いの渡し方|三つの要素
学生に調べ物を頼むときは、次の三つを一緒に渡します。
- 何を決めるための調べ物か:新しい市場に参入するか、価格を見直すか、どの顧客層を狙うか
- 誰が決めるのか:営業部長、経営陣、商品担当など
- いつまでに、どの程度の深さで:一週間で概要を、一か月で詳しく、など
たとえば「競合をリストアップして」ではなく、「来月の会議で、営業部長が価格の見直しをするかを決める。そのために、主な競合の価格の付け方を五社分、一週間で一枚にまとめてほしい」と頼みます。学生はこの依頼から、どの情報が必要で、どの情報は不要かを判断できます。
問いを渡す側の社員にとっても、この三つを言葉にすることは、自分が何を知りたいのかを整理するきっかけになります。
エージェントベストの見解
リサーチの長期インターンを検討している会社でよく聞く誤解は、「調べ物なら、教えなくても学生が自分でできる」というものです。確かに、検索して情報を集めることは多くの学生ができます。しかし、仕事のリサーチで求められるのは、集めた情報の中から「この判断に効くもの」を選び、出典の確かさを見分けることです。この力は、最初は社員と一緒に一本の調べ物を仕上げる中で身につきます。当社が受け入れの準備を手伝うときに勧めるのは、最初の一件だけは社員が隣で進め方を見せることです。どこから調べ始め、どの情報源を信頼し、どこで調べるのをやめるか。その判断を一度見せておくと、二件目からは学生が一人で進められるようになります。最初の一件を手放しで任せると、その後もずっと「量の多い報告書」が続くことになりがちです。
情報源の扱いを決めておく
リサーチの仕事では、情報源の確かさが成果の質を左右します。学生と最初に共有しておく決まりがあります。
- 一次情報を優先する:公式の発表、公的な統計、企業の公開資料
- 出典を毎回記録する:どこから得た情報か、いつ時点の情報か
- 出典の不確かな情報は分けて書く:個人のブログやまとめサイトの情報は、参考として区別する
- 有料の情報源:会社が契約しているデータベースや業界誌を使ってよいか
二つ目の出典の記録は、後から報告書を読む人が確かめられるようにするためです。学生が卒業した後も、出典が残っていれば、社員が同じ情報を追いかけることができます。
また、ヒアリングを伴うリサーチを任せる場合は、誰に、どの名義で話を聞くかを決めておきます。社外の人に話を聞くときは、会社の名前で連絡することになるため、初回の連絡文は社員が確認してから送る形にしておくと安心です。
まとめの型
調べた結果を使える形にするため、まとめ方の型を決めておきます。次の型は、読む人がすぐに判断に使える形です。
- 結論:問いに対する答えを一文で
- 根拠:結論を支える主な事実を三つ程度
- 分からなかったこと:調べても分からなかった点と、その理由
- 次に調べるとよいこと:判断のためにさらに必要な情報
- 出典の一覧
一枚目に結論と根拠だけを置き、詳しい資料は後ろにつける構成にすると、忙しい社員でも一枚目だけ読んで判断できます。
「分からなかったこと」を書く欄があると、学生は調べきれなかったことを隠さずに報告できます。分からないことが分かるのも、リサーチの成果の一つです。
原稿と選考の考え方
Infraの原稿では、リサーチという言葉の中身を具体的にします。
- 何を調べるか:業界、競合、顧客、新しい技術など
- 調べた結果が何に使われるか:経営会議、新商品の企画、営業の戦略など
- 使う情報源と道具:公的な統計、業界誌、表計算など
- 一緒に働く社員:問いを渡す人、結果を受け取る人
選考では、調べる力そのものより、問いを理解して必要な情報を選ぶ力を見ます。面談で、自社に関係のある簡単な問いを一つ出し、「どこから調べ始めるか」を話してもらうと、考え方が見えます。卒業論文やゼミの研究で文献を調べた経験のある学生は、出典の扱いに慣れていることが多いものです。
リサーチは自宅でも進めやすい仕事のため、リモートで受け入れる会社もあります。その場合も、雇用として受け入れるなら働いた時間の記録は欠かせず、最低賃金や労働時間の決まりを守る形で稼働を管理します。判断に迷う点は社会保険労務士などの専門家に相談してください。
エージェントベストの見解
リサーチの長期インターンは、単体で終わらせずに、他の職種への入口として設計すると会社にとっての価値が大きくなります。当社は人材紹介と媒体の運用代行の両方をしていますが、採用支援の現場でも、候補者や業界を調べる仕事は採用の質を左右する基礎の作業です。リサーチで業界や顧客を深く知った学生は、次に営業や企画の仕事を任せたときに立ち上がりが速い傾向があります。調べ物を通じて、会社の事業の全体像を理解しているからです。そこで、リサーチの長期インターンを募集するなら、原稿に「調べ物から始めて、慣れたら企画や営業の仕事にも関われる」と道筋を書いておくことを勧めます。調べ物だけが続くと思うと、応募をためらう学生もいます。調べ物がその先の仕事につながると分かれば、腰を据えて取り組む学生に届きやすくなります。
仕事内容を具体的に書く考え方は長期インターンの仕事内容の書き方でも詳しく扱っています。
まとめ
- リサーチの成果は、学生の調べる力より、会社が渡す問いの具体さで決まる
- 依頼には「何を決めるためか」「誰が決めるか」「いつまでに、どの深さで」を添える
- 最初の一件は社員が隣で進め方を見せ、二件目から学生に任せる
- 一次情報を優先し、出典を記録し、不確かな情報は分けて書く決まりを共有する
- まとめは結論・根拠・分からなかったこと・次に調べること・出典の型に揃える
よくある質問
リサーチの仕事だけで、長期インターンの学生は続けてくれますか
調べた結果が何に使われたかが学生に伝わっていれば、続けやすくなります。報告書を出したあと、それを使って何が決まったかを学生に共有するだけでも、仕事の手応えが変わります。調べ物だけでなく、その先の仕事に関われる道筋を示しておくことも効果があります。
生成AIを使った調べ物を認めてよいですか
会社の方針によりますが、使う場合は出典を自分で確かめること、社内の情報を入力しないことを決めておく必要があります。調べ物の入口として使い、最終的な事実は一次情報で確かめる、という使い方を共有しておくと安心です。
調べた情報の中に、社外に出してはいけないものはありますか
公開情報だけで作った資料でも、それを会社がどう使うかという情報は社外秘になることがあります。調べた結果や会社の判断を、学生が自分の研究や就職活動で使わないよう、秘密保持の範囲を受け入れ時に確認しておくと安心です。
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