長期インターン生に本選考を案内するタイミング
長期インターン生に本選考を案内するとき、多くの担当者が迷うのは「いつ言い出すか」です。早く言えば学生が身構え、遅く言えば他社に決まっている。案内のタイミングは、カレンダーの時期ではなく、学生一人ひとりの就職活動の進み具合で決めるものです。 そのためには、案内の前に、学生の状況を知る機会をつくっておく必要があります。この記事では、学生向けの長期インターン求人サイトInfraなどで受け入れたインターン生に、本選考をいつ、誰から、どう案内するかを整理します。
早すぎる案内と遅すぎる案内で起きること
まず、タイミングを外したときに何が起きるかを確かめておきます。
早すぎる場合
- 学生がまだ就職活動を意識していない段階で案内すると、「囲い込まれている」と受け取られることがある
- インターンの仕事が、内定のための評価の場に見えてしまい、学生の振る舞いが硬くなる
- 案内の後、本選考までの期間が長くなり、その間に関心が薄れる
遅すぎる場合
- 学生がすでに他社の選考を進めていて、自社の本選考に時間を割けない
- 他社の内定を承諾した後に案内することになり、比べてもらう機会を逃す
- 学生から「なぜもっと早く言ってくれなかったのか」と言われる
どちらの場合も、原因は学生の状況を知らないまま、会社の都合で時期を決めていることにあります。
学生の状況を知る機会をつくる
案内のタイミングを見極めるには、学生の就職活動の進み具合を知る必要があります。ただし、いきなり「就職活動はどうなっているか」と聞くと、学生は警戒します。
次のような機会を、日々の受け入れの中に組み込んでおきます。
- 定期の振り返りの中で、学業や予定を聞く:「来月は忙しくなる予定はあるか」と聞く流れで、就職活動の予定も自然に出てくる
- 学生の関心を聞く:「インターンでやってみて、どんな仕事に関心が出てきたか」と聞くと、学生の進路の考え方が見えてくる
- 先輩社員の就職活動の話をする:若手社員に自分の就職活動の話をしてもらうと、学生も自分の状況を話しやすくなる
こうした会話を重ねておくと、学生が就職活動を意識し始めた時期が分かり、案内のタイミングが自然に見えてきます。
タイミングの目安
学生の状況は一人ひとり違いますが、目安として次のような兆しが見えたときが、案内を考える時期です。
| 兆し | 意味 |
|---|---|
| シフトの相談で、説明会や選考の予定が出てくる | 就職活動が始まっている。案内を急いだほうがよい |
| 業界や職種について質問が増える | 進路を考え始めている。案内の前に、会社の全体を見せる機会をつくる |
| 先輩社員の就職活動の話に関心を示す | 就職活動を意識している。案内の準備を始めてよい |
| 学業や研究の話が中心で、進路の話が出ない | まだ意識していない。案内は待つ |
一般的には、新卒採用の早期化が進んでいると言われ、学生が就職活動を意識する時期も早まる傾向があります。ただ、大学や専攻、本人の考え方によって大きく違うため、一律の時期で決めるより、兆しで判断するほうが外れにくくなります。
エージェントベストの見解
本選考の案内の時期について相談を受けると、多くの会社は「インターン生全員に、同じ時期に一斉に案内する」形を考えています。管理はしやすいのですが、学生の状況がばらばらなので、ある学生には早すぎ、別の学生には遅すぎる、ということになりがちです。当社が勧めるのは、案内を二段に分けることです。一段目は全員に向けて、「当社では新卒採用を行っていて、インターン生にも案内する予定がある」と知らせるだけの軽い案内。二段目は、一人ひとりの兆しを見て、個別に本選考の詳細を伝える案内です。一段目を早めにしておけば、学生は「この会社も選択肢になる」と頭に置いたうえで就職活動を始められます。二段目は、本人の準備ができた時期に合わせて行えます。当社は新卒の媒体も扱い、人材紹介も行っていますが、候補者に合わせて連絡の時期を変えることの効果は、どの入口でも変わりません。
誰から案内するか
案内する人によって、学生の受け取り方は変わります。
- 直属の社員:学生にとって最も身近で、言葉が届きやすい。一方で、評価する立場の人から言われると、断りにくく感じることもある
- 人事:本選考の詳細を正確に伝えられる。一方で、普段接していない場合は、事務的に感じられることもある
- 役員や代表:会社として本気で迎えたいという気持ちが伝わる。一方で、学生によっては重く受け止めすぎることもある
一つの方法は、直属の社員が「人事から本選考の話をさせてほしい」と橋渡しをし、詳細は人事が伝える形です。身近さと正確さの両方を確保でき、断りにくさも和らぎます。
案内の場で伝えること
案内の場では、次のことを伝えます。
- 本選考の時期と流れ
- インターンでの経験が、選考でどう扱われるか
- 本選考を受けなくても、インターンは続けられること
- 他社と比べて決めてよいこと
- 質問や相談をしたいときの窓口
3番目と4番目は、学生の断りにくさを和らげるために欠かせません。伝えないと、学生は案内を「受けなければならないもの」として受け取ることがあります。
案内した後の関わり方
案内した後は、学生の返事を急がせないことが大切です。
- 本選考を受けるかどうかの返事は、学生の都合に合わせて待つ
- 受けると決めた学生には、選考の準備として、会社の全体を知る機会を追加で設ける
- 受けないと決めた学生には、その判断を尊重し、インターンの扱いを変えない
受けないと決めた学生とも、関係は続きます。数年後に中途の候補者として戻ってくることもありますし、後輩を紹介してくれることもあります。
エージェントベストの見解
当社はInfraの代理店として求人原稿の作成から関わりますが、本選考の案内のタイミングは、実は募集の段階で半分決まっていると考えています。原稿で新卒採用との関係をどう書いたかによって、学生が入ってくるときの心構えが違うからです。「新卒採用を見据えたインターン」と書いた原稿で入ってきた学生は、本選考の案内を自然に受け止めます。仕事の中身だけを書いた原稿で入ってきた学生は、案内を唐突に感じることがあります。どちらがよいかではなく、原稿で書いたことと、案内の時期や伝え方をそろえることが大切です。原稿で新卒採用に触れていないなら、一段目の軽い案内を早めにしておく。触れているなら、二段目の個別の案内に時間をかける。募集と案内を別々に考えず、一本の流れとして設計しておくと、案内の場で学生が戸惑うことは少なくなります。
全体の流れは長期インターンから新卒採用へつなぐ設計で整理しています。
まとめ
- 案内のタイミングは、カレンダーの時期ではなく、学生の就職活動の進み具合で決める
- 日々の振り返りの中で、学生の状況を知る機会をつくっておく
- 全員への軽い案内と、兆しを見た個別の案内の二段に分けると、時期を外しにくい
- 直属の社員が橋渡しをし、詳細は人事が伝える形にすると、身近さと正確さを両立できる
- 受けなくてもインターンは続けられること、他社と比べてよいことを伝える
よくある質問
インターンを始めたばかりの学生にも、本選考を案内してよいですか
全員に向けた軽い案内なら、早めにしても差し支えありません。個別の詳細な案内は、仕事に慣れ、本人が進路を意識し始めてからのほうが受け止めてもらいやすくなります。
案内したのに反応がない場合、もう一度声をかけるべきですか
一度は確認してもよいですが、何度も声をかけると負担に感じられます。「関心が出たらいつでも声をかけてほしい」と伝え、窓口を示しておく程度にとどめるのが無難です。
大学院への進学を考えている学生にも案内すべきですか
本人が進学を考えていても、全員への軽い案内は同じようにしておくと、後で進路が変わったときに選択肢として残ります。個別の案内は、本人の意向を聞いてから判断します。
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