長期インターンから新卒採用へつなぐ設計
長期インターンを新卒採用につなげたいと考える会社は増えています。ただ、受け入れを始めてから「どうやって本選考につなげるか」を考えると、たいていは後手に回ります。長期インターンから新卒採用へつなぐには、募集・受け入れ・本選考・内定後の4つの段階を、最初から一本の流れとして設計しておくことが要ります。 段階ごとに担当者が違う会社ほど、流れが途中で切れやすくなります。この記事では、学生向けの長期インターン求人サイトInfraなどで募集を始める会社に向けて、新卒採用までの設計図を順に整理します。
最初に決めること|インターンの位置づけ
設計の前に、長期インターンを会社の中でどう位置づけるかを決めます。位置づけによって、各段階でやることが変わります。
| 位置づけ | 主な目的 | 新卒採用との関係 |
|---|---|---|
| 採用の入口 | 新卒で採りたい学生と長く接点を持つ | インターン生の中から本選考に進んでもらうことを前提にする |
| 業務の担い手 | 業務の一部を学生に担ってもらう | 新卒採用とは切り離す。本選考の案内は一般の応募と同じ扱い |
| 両方 | 業務を担ってもらいながら、採用の機会も残す | 本選考の案内はするが、受けることを前提にしない |
多くの会社は3つ目の「両方」を選びますが、その場合でも、どちらの比重が大きいかを決めておくと、各段階での判断がぶれにくくなります。採用の入口としての比重が大きいなら、募集の段階から新卒採用を意識した原稿にします。業務の担い手としての比重が大きいなら、本選考の案内は控えめにします。
段階1|募集
募集の段階で決めることは、次のとおりです。
- 求人原稿で新卒採用との関係をどう書くか:「新卒採用を見据えたインターン」と書くか、「本選考の案内をすることがある」程度にとどめるか
- 対象とする学年:新卒採用につなげたいなら、本選考の時期から逆算して、どの学年の学生と接点を持つかを決める
- 任せる仕事:新卒で入社した場合の仕事と、どう関係するか
対象の学年は、新卒採用のスケジュールとの関係で決まります。本選考の直前の学年だけを狙うと、インターンの期間が短くなります。早い学年から受け入れると、長く接点を持てる代わりに、本選考までの間に関心が離れることもあります。
段階2|受け入れ
受け入れの段階では、業務を担ってもらうことと、会社を知ってもらうことの両方を進めます。
業務の中で見せること
- 任せる仕事が、会社の事業のどこにつながっているか
- 正社員がどんな判断をしているか
- 入社数年目の社員がどんな仕事をしているか
業務の外で見せること
- 他部署の社員と話す機会
- 会社の方針や事業の説明を聞く機会
- 社員の日常や働き方を知る機会
業務の中だけで受け入れを完結させると、学生は自分の担当範囲しか見えません。新卒採用につなげるなら、業務の外で会社の全体を見せる機会を、計画的に設けます。
エージェントベストの見解
長期インターンから新卒採用への流れを設計するとき、当社が最初に確かめるのは「インターン生の受け入れ部署と、新卒採用の担当が、同じ情報を持っているか」です。受け入れ部署はインターン生の働きぶりを知っていますが、新卒採用の計画は知らない。人事は新卒採用の計画を知っていますが、インターン生の様子は知らない。この状態では、どれだけ設計図を描いても、段階と段階の間で情報が落ちます。当社は新卒の媒体も扱い、人材紹介も行っていますが、複数の入口から採用を進める会社ほど、入口ごとに担当が分かれ、候補者の情報が散らばりがちです。長期インターンの場合も、受け入れ部署と人事が月に一度でも情報を合わせる場を持つだけで、本選考への案内のタイミングや内容がずっと的確になります。設計図より先に、情報を合わせる場をつくることを勧めます。
段階3|本選考
本選考の段階で決めることは、次のとおりです。
- 案内のタイミング:インターン生に本選考を案内する時期。学生の学年や就職活動の進み具合に合わせる
- 選考の形:一般の応募者と同じ選考にするか、一部を省くか、インターンでの評価を使うか
- 公平さの扱い:インターン生と一般の応募者の間で、選考の扱いの違いをどう説明するか
選考の形は会社によって違いますが、インターン生にとって大切なのは、「インターンでの経験がどう扱われるか」が分かることです。曖昧なままだと、インターン生は本選考に進むかどうかを判断しにくくなります。
案内の時期と方法は長期インターン生に本選考を案内するタイミングで、選考の組み方は長期インターン経由の早期選考の組み方で詳しく扱っています。
段階4|内定後
内定を出したあとは、入社までの期間をどう過ごしてもらうかを決めます。
- インターンを続けてもらうか:続けてもらう場合は、任せる仕事を少しずつ社員の水準に近づける
- 他の内定者との関係:インターン経由の内定者と、一般の応募から内定した人の間で、扱いに差が出すぎないようにする
- 入社後の配属:インターンで働いた部署に配属されるかどうかを、早めに伝える
インターン経由の内定者は、すでに会社を知っているぶん、内定後のフォローが手薄になりがちです。知っていることと、入社後の働き方を理解していることは別です。
段階をまたぐ記録を残す
4つの段階をつなぐには、学生ごとの記録を段階をまたいで残すことが欠かせません。
- 募集:どの原稿から応募したか、面談での印象
- 受け入れ:担当した仕事、働きぶり、本人が関心を示したこと
- 本選考:案内した日、本人の反応、選考の結果
- 内定後:フォローの内容、入社後の配属
記録があれば、担当者が変わっても流れが切れません。また、翌年以降の設計を見直すときに、「どの段階で学生が離れたか」を確かめる材料になります。
エージェントベストの見解
長期インターンから新卒採用への流れは、1年目はうまくいかなくて当然だと当社は考えています。どの段階で学生が離れるか、どのタイミングの案内が効くかは、会社の業務や学生の層によって違い、やってみないと分からない部分が多いからです。大事なのは、1年目の流れを記録し、2年目に直すことです。当社はInfraの代理店として、求人原稿の作成から運用までを支援していますが、年をまたいで原稿と流れを見直す会社ほど、インターン生が本選考に進む割合が安定していく傾向を感じています。最初から完璧な設計図を描こうとするより、4つの段階の骨組みだけを決めて動き出し、記録を見ながら毎年直していく。そのほうが、自社に合った流れに早くたどり着きます。インターン全般と本選考の関係は、インターンから本選考への流れの設計も参考にしてください。
まとめ
- 最初に、長期インターンを採用の入口・業務の担い手・両方のどれとして位置づけるかを決める
- 募集・受け入れ・本選考・内定後の4つの段階を、一本の流れとして設計する
- 受け入れでは、業務の外でも会社の全体を見せる機会を計画的に設ける
- 受け入れ部署と人事が情報を合わせる場をつくる
- 学生ごとの記録を段階をまたいで残し、毎年流れを直す
よくある質問
長期インターン生を何人受け入れれば、新卒採用につながりますか
会社の規模や採用計画によって異なり、一概には言えません。人数より、受け入れた学生と本選考までの間でどれだけ接点を持てるかのほうが、結果に影響しやすいと考えられます。
長期インターンだけで新卒採用をまかなえますか
まかなえる会社もありますが、多くの会社は新卒の媒体や他の入口と組み合わせています。長期インターンは接点が深いぶん人数が限られるため、他の入口と役割を分けて使うのが一般的です。
設計を始めるのに、まず何から手をつければよいですか
インターンの位置づけを決め、受け入れ部署と人事が情報を合わせる場をつくることからです。その2つが決まれば、各段階の細かい設計は動きながら決めていけます。
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