長期インターン経由の早期選考の組み方
長期インターン生に向けて、一般の本選考より早い時期に選考を行う「早期選考」を設ける会社があります。インターンで仕事ぶりを見た学生に、他社より先に声をかけられるのが利点です。ただ、早期選考は「早く内定を出す仕組み」として組むと、内定から入社までの期間が長くなり、その間に学生の気持ちが揺れるという問題を抱えます。 早く始めることより、早く始めた分だけ長くなる期間をどう過ごしてもらうかまで含めて組むことが大切です。この記事では、学生向けの長期インターン求人サイトInfraなどで受け入れた学生向けの早期選考を、どう組み立てるかを整理します。
早期選考の目的を先に決める
早期選考を組む前に、何のために早期選考を設けるのかを決めます。目的によって、選考の形が変わります。
| 目的 | 選考の形の方向 |
|---|---|
| 他社より先に接点を確保したい | 選考の段階を少なくし、早く結論を出す。その代わり内定後のフォローを厚くする |
| インターン生に正社員の仕事を考えてもらいたい | 選考の中に、正社員の仕事を知る機会を組み込む。結論を急がない |
| インターンでの評価を活かして選考の負担を減らしたい | インターンで見えたことは省き、見えていないことだけを確かめる |
目的が曖昧なまま「インターン生向けに早く選考をする」と決めると、選考の中身が一般の本選考の前倒しになりがちです。それでは、インターンで接点を持った意味が活かされません。
選考の段階ごとに「省く」「残す」を決める
早期選考では、一般の本選考の段階のうち、どれを省き、どれを残すかを決めます。判断の基準は、「インターンで見えたかどうか」です。
- 書類選考:インターンの応募時の情報と働きぶりで代えられることが多い。省く会社が多い段階です
- 適性や基礎能力の確認:インターンの仕事で見えている部分があれば省ける。見えていなければ残す
- 現場の社員との面接:受け入れ部署の社員は働きぶりを知っているが、別部署の社員の目は入っていない。別部署の社員との面接は残すことを勧めます
- 役員や代表との面接:会社としての判断と、学生に会社の方針を伝える場として残す
インターンで見えていないことは、主に「受け入れ部署以外での適性」と「正社員として働く意思」です。早期選考では、この2つを確かめることに時間を使います。
選考の中に「知る機会」を組み込む
早期選考は、学生が会社を選ぶ場でもあります。インターン生は会社をよく知っているように見えますが、知っているのは受け入れ部署の仕事だけということが多くあります。
選考の中に、次のような機会を組み込みます。
- 配属の可能性がある部署の社員と話す:面接とは別に、質問を受ける場として設ける
- 入社1〜2年目の社員と話す:正社員としての最初の1年がどんなものかを聞いてもらう
- 会社の方針や事業の今後を聞く:役員や事業の責任者から説明する
面接の回数を減らすぶん、こうした機会に時間を使うと、学生の判断の材料が増えます。判断の材料が多いほど、内定を承諾した後に揺れにくくなります。
エージェントベストの見解
早期選考を組む会社の相談に乗っていると、「選考の段階を減らして、早く内定を出せば、学生は喜ぶ」という考えに出会うことがあります。たしかに負担は減りますが、学生の側から見ると、判断の材料が少ないまま早く結論を迫られる形にもなります。当社は人材紹介も行っていますが、中途採用でも、面接の回数が少なすぎる会社に対して、候補者が「本当にこの会社でいいのか分からないまま内定が出た」と不安を口にすることがあります。早期選考で減らすべきなのは、インターンで見えている項目を確かめ直す手間であって、学生が会社を知る機会ではありません。面接は減らしても、話す機会は減らさない。この考え方で組むと、早期選考は「早く囲い込む仕組み」ではなく「早く判断の材料を渡す仕組み」になります。
内定から入社までの長い期間を設計する
早期選考で内定を出すと、入社までの期間が一般の内定者より長くなります。この期間に、学生は他社の選考や情報に触れ、気持ちが揺れることがあります。
この期間の過ごし方を、内定を出す前に決めておきます。
インターンを続けてもらう場合
- 任せる仕事を、少しずつ社員の水準に近づける
- 他の内定者と顔を合わせる機会をつくる
- 定期的に、入社後の配属や仕事について話す場を設ける
インターンを終える場合
- 月に一度程度、会社から近況を伝える
- 内定者同士の交流の場に招く
- 入社前に配属予定の部署の社員と話す機会を設ける
いずれの場合も、連絡が途切れないようにすることが大切です。内定を出した後に連絡が減ると、学生は「内定を出したら終わりの会社」と受け取ります。内定期間のフォローの考え方は内定者フォローの基本でも整理しています。
承諾の期限の扱い
早期選考で内定を出すとき、承諾の期限をどう設定するかも決めておきます。
期限を短くすると、学生は他社と比べる時間がないまま判断することになり、承諾しても後で揺れることがあります。期限を長くすると、学生は比べる時間を持てますが、会社は採用の計画が立てにくくなります。
一つの方法は、承諾の期限を設けつつ、「迷っているなら期限の前に相談してほしい」と伝えておくことです。迷っている理由が分かれば、追加の説明や面談を設けるなど、会社にできることがあります。期限を過ぎてから黙って辞退されるより、期限の前に相談してもらえる関係をつくるほうが、会社にとっても得るものがあります。
一般の本選考との関係を整理する
早期選考を設けると、一般の本選考との関係も整理する必要があります。
- 早期選考で内定を出す人数と、一般の本選考で採る人数の配分
- 早期選考で見送った学生が、一般の本選考に応募できるかどうか
- 早期選考と一般の本選考で、評価の基準をそろえるかどうか
2つ目はとくに大切です。早期選考で見送った学生にも一般の本選考の道を残しておくと、インターン生は早期選考を「一度きりの機会」と感じずに済み、身構えずに臨めます。
エージェントベストの見解
当社はInfraの代理店として、長期インターンの募集から関わっていますが、早期選考を組むときに見落とされがちなのが「早期選考を受けるインターン生が、まだ受け入れ中である」という点です。選考の結果がどうであれ、学生は翌日も会社に来て、同じ社員と働きます。見送った場合、その学生と受け入れ部署の関係が気まずくならないよう、結果の伝え方を工夫する必要があります。結果は受け入れ部署の社員ではなく人事から伝える、見送った理由を「今回の選考の基準」の話として伝え、インターンの働きぶりの否定ではないことを添える、といった配慮です。早期選考は、一般の本選考とは違い、選考の後も関係が続く選考です。この前提を組み立ての最初から置いておくと、選考の段階や伝え方の判断がぶれにくくなります。
まとめ
- 早期選考の目的を、接点の確保・正社員の仕事を考えてもらう・選考の負担を減らす、のどれに置くかを先に決める
- 選考の段階は「インターンで見えたかどうか」で省くか残すかを決める
- 面接を減らしても、学生が会社を知る機会は減らさない
- 内定から入社までの長い期間の過ごし方を、内定を出す前に決めておく
- 早期選考で見送った学生にも、一般の本選考の道と、インターンを続ける道を残す
よくある質問
早期選考は何月ごろに行うのがよいですか
会社の新卒採用のスケジュールや、インターン生の学年によって異なります。カレンダーで決めるより、インターン生の就職活動の進み具合を見て、本人が選考を受けられる状態になった時期に合わせるほうが無理がありません。
早期選考で内定を出した学生が、他社の選考を続けるのは問題ですか
学生が他社と比べること自体は自然なことです。比べたうえで選んでもらえるよう、判断の材料を渡し、迷ったときに相談できる関係をつくっておくことが大切です。
インターン生全員に早期選考を案内すべきですか
全員に案内する会社もあれば、仕事ぶりを見て案内する学生を選ぶ会社もあります。選ぶ場合は、案内されなかった学生が一般の本選考に進めることを伝え、不公平感が残らないようにします。
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