長期インターン生の評価とフィードバックの返し方
長期インターン生を評価する仕組みを持っている会社は、思いのほか多くありません。社員の評価制度はあっても、インターン生には当てはめにくく、なんとなく時給を据え置いたまま数か月が過ぎることがあります。けれども、学生にとって「自分がどう見られているか分からない」状態は、続ける意欲を下げる大きな理由になります。結論から言うと、長期インターン生の評価は「業務の段階」と「行動」の2つの軸で決め、時期を区切って面談で伝え、時給の見直しと結びつけると、学生にとって続ける理由になります。 この記事では、評価の項目の決め方、時期、日々のフィードバックとの違い、伝え方を整理します。
評価の軸は「業務の段階」と「行動」
社員の評価制度のように、売上や目標の達成率で評価すると、長期インターン生には厳しすぎたり、本人の努力と関係のない要素に左右されたりします。長期インターン生の評価には、次の2つの軸が向いています。
業務の段階
任せている業務を、どの段階までできるようになったかで見ます。たとえば、見る・一緒にやる・見てもらう・任せるの4段階で、今どこにいるかを評価します。段階の考え方は長期インターンのオンボーディングで書きました。
- 段階が上がったことは、学生にも担当社員にも分かりやすい
- 業務の種類が増えた場合は、業務ごとに段階を見る
行動
業務の段階とは別に、働き方の行動を見ます。項目は多くしすぎず、3〜5個にとどめます。
- 報告と相談:詰まったときに自分から聞けているか、終わったことを報告しているか
- 約束を守る:締め切り、シフト、連絡のルールを守っているか
- 振り返りを次に活かす:指摘されたことを、次の業務で変えているか
- 自分から提案する:業務のやり方や改善について、意見を出しているか
行動の項目は、会社が大事にしていることと結びつけて決めます。項目が決まったら、最初の段階で学生に見せておきます。何で評価されるかが分かっていれば、学生はそれを意識して働けます。
評価の時期と時給の見直し
評価は、時期を決めて行います。目安は次のとおりです。
- 入って1か月:最初の評価。業務の段階と行動の確認。時給の見直しはまだ行わない場合が多い
- 3か月ごと、または半年ごと:定期の評価面談。業務の段階が上がっていれば、時給の見直しを検討する
- 業務の段階が上がったとき:時期に関係なく、節目として評価を伝える
時給の見直しは、評価と結びついていることを学生に説明します。「業務の段階が任せるに進んだら、時給を見直す」のように基準を示しておくと、学生にとって目標がはっきりします。見直しの仕組みを求人にどう書くかは長期インターンの給与の書き方で書いています。
エージェントベストの見解
評価の相談でよく出る思い込みは、「インターン生の評価は社員の評価制度を簡単にしたもので足りる」というものです。社員の評価制度を流用すると、目標の達成率や成果の大きさが中心になり、経験の浅い学生はほとんどの項目で低い評価になります。評価されるたびに自信を失い、続ける意欲が下がります。当社が勧めているのは、社員の評価制度から切り離して、業務の段階と行動だけで見る仕組みです。成果の大きさではなく、できるようになったことの増え方を見る。そうすると、入って間もない学生でも、前回より段階が上がった、行動の項目が一つ身についた、と前進を伝えられます。当社は人材紹介で社会人の転職にも関わっていますが、評価の仕組みが自分の段階に合っていないと感じることは、社会人でも離職の理由になります。学生にとってはなおさらです。
日々のフィードバックと評価面談の違い
評価面談とは別に、日々の業務の中でもフィードバックを返します。2つは目的が違います。
| 日々のフィードバック | 評価面談 | |
|---|---|---|
| 目的 | 次の業務をよくする | これまでを振り返り、待遇や任せる範囲を決める |
| タイミング | 業務の直後、週の振り返り | 時期を区切って |
| 内容 | 具体的な成果物や行動について | 業務の段階と行動の項目の全体 |
| 長さ | 短く、その場で | 時間を取って |
日々のフィードバックが十分に返されていれば、評価面談で学生が驚くことはありません。評価面談で初めて「ここができていない」と言われると、学生はなぜ今まで言ってくれなかったのかと感じます。
伝わる返し方
フィードバックを返すときは、次の順番で話すと伝わりやすくなります。
- 事実:何が起きたか。具体的な業務や場面を挙げる
- よかった点:その中でできていたこと
- 次に変えてほしい点:一つか二つに絞る
- 変え方:どうすればよいかの具体的な方法
- 学生の考え:学生がどう感じたか、どうしたいかを聞く
たとえば、記事の初稿について返すなら、「この初稿は、構成案どおりに書けていて、見出しごとの分量もそろっている(よかった点)。次は、冒頭の段落で結論を先に書いてほしい(変えてほしい点)。最初の2文に、この記事で一番言いたいことを書くようにしてみて(変え方)。書いていて迷ったところはある?(学生の考え)」となります。
避けたい返し方
- 人柄を評価する:「やる気がない」「向いていない」は、行動の話ではなく、学生を否定する言葉に聞こえる
- 指摘を並べすぎる:一度に多くを言うと、どれから変えればよいか分からなくなる
- 他の学生と比べる:比べられると、関係がこじれ、意欲が下がる
- ほめるだけで終える:変えてほしい点がない評価は、次に何をすればよいかが分からない
- 時間が経ってから返す:何週間も前の業務について言われても、学生は覚えていない
エージェントベストの見解
評価の仕組みを整えるとき、どこまでを外に頼み、どこからを社内で持つかを聞かれることがあります。当社の考えでは、評価の項目を決める作業と、評価面談の進め方の型を作る作業は、外の知見を借りやすい部分です。業界や職種ごとに、どんな項目が使いやすいか、どの時期に見直すと続きやすいかには、ある程度の型があるからです。一方で、実際の評価をつけること、面談で伝えることは、日々一緒に働いている担当社員にしかできません。学生は、自分を見ていない人から評価されても納得しにくいからです。型は外から持ち込み、中身は社内で埋める。この分け方をしておくと、評価の仕組みを作る負担を減らしながら、学生の納得感を保てます。
まとめ
- 長期インターン生の評価は、成果の大きさではなく「業務の段階」と「行動」で見る
- 行動の項目は3〜5個に絞り、最初に学生に見せておく
- 評価の時期を区切り、業務の段階が上がったら時給の見直しを検討する
- 日々のフィードバックを十分に返し、評価面談で学生が驚かない状態にする
- 返し方は「事実→よかった点→変えてほしい点→変え方→学生の考え」の順
よくある質問
評価が低い学生にはどう伝えればよいですか
人柄ではなく、業務の段階と行動の項目について、事実で伝えます。そのうえで、次の評価までに変えてほしい点を一つか二つに絞り、どうすればよいかを一緒に考えます。原因が時間の不足や業務の量にある場合は、会社側の調整も検討します。
インターン生どうしで時給に差が出ることを、どう説明すればよいですか
時給は業務の段階と行動の評価で決まることを、最初から全員に伝えておきます。基準が公開されていれば、差があっても理由が分かります。個別の時給の額を他の学生に伝える必要はありません。
評価面談は誰が行うべきですか
日々の業務を見ている担当社員が行うのが基本です。時給の見直しを伴う場合は、人事が同席するか、担当社員の評価をもとに人事が手続きを進めます。担当社員と人事で評価の基準をそろえておくことが前提です。
相談無料 / 求人広告代理店エージェントベスト
長期インターンの採用と受け入れ、まとめて相談できます
- 求人原稿の作成から応募対応・面接設定まで、Infraの運用を代理店として支援します
- 継続して採るならサブスクリプション、まず1名ならデポジット(成果報酬)。採用計画から選べます
- 受け入れ体制や、新卒採用へのつなぎ方も一緒に考えます
この記事の内容に合うサービス:長期インターン採用(Infra) ↗月額5万円〜/成果報酬9万円〜