志望度が低い学生をどう見極めるか
長期インターンの面談で、「なぜうちに応募したのか」と聞いて、はっきりした答えが返ってこない学生は珍しくありません。複数の会社に同時に応募し、話を聞いてから決めようとしている学生も多くいます。長期インターンの段階で、学生の志望度は面談の前には固まっていないのが普通です。見極めるべきなのは「今の志望度」ではなく「続ける力と、自社の仕事への向き合い方」です。 この記事では、学生向けの長期インターン求人サイトInfraなどで応募してきた学生を、志望度という物差しだけで落とさないための見方を整理します。
志望度が低く見える学生はどんな学生か
面談で「志望度が低い」と判断される学生には、いくつかの型があります。
- 比較している学生:複数の会社に応募していて、面談で条件や仕事内容を聞き比べている
- 言葉にできていない学生:興味はあるが、何に惹かれたのかを説明する練習をしていない
- 経験を積みたいだけの学生:業界や会社への関心より、「何か実務をやってみたい」が先に立っている
- 本当に関心が薄い学生:応募の手軽さから送っただけで、続ける気持ちもあまりない
このうち、受け入れを見送るべきなのは4番目だけです。1〜3番目は、面談の進め方しだいで志望度が上がる余地があります。問題は、面接官が4つの型を区別せずに、受け答えの熱量だけで判断してしまうことです。
見極める前に確かめること
面談で学生を判断する前に、会社の側で次の3点を確かめておきます。
- 求人原稿に、志望の理由になる材料を書いているか:仕事の中身、任せる範囲、一緒に働く人が具体的に書かれていなければ、学生は志望理由を組み立てようがありません
- 面談で何を判断するかを決めているか:志望度、続けられる時間、仕事への適性のどれを重く見るのか。面接官によってばらばらになっていないか
- 面談の前半で会社の説明をしているか:学生が知らないまま「なぜうちか」を聞いても、答えは浅くなります
1番目が欠けている会社は少なくありません。原稿が抽象的だと、学生の志望理由も抽象的になります。学生の側の問題に見えて、実は原稿の問題だったということがあります。
質問の組み立て|志望度ではなく行動を聞く
「なぜうちを志望したのか」という質問は、準備してきた学生ほど上手に答え、準備していない学生ほど詰まります。準備の量を測る質問になってしまい、続ける力や向き合い方は分かりません。代わりに、行動を聞く質問を組み立てます。
| 聞きたいこと | 質問の例 |
|---|---|
| 続ける力 | これまで半年以上続けたことは何か。途中でやめたくなったとき、どうしたか |
| 時間の使い方 | 今の1週間の過ごし方を教えてほしい。インターンに使える時間はどこか |
| 仕事への向き合い方 | 頼まれたことで、頼まれた以上にやったことはあるか |
| 自社との接点 | 原稿を読んで、一番やってみたいと思った仕事はどれか |
最後の質問は、志望度を聞く代わりになります。原稿の中から具体的な仕事を挙げられる学生は、少なくとも原稿を読んでいます。挙げられない学生には、その場で仕事の中身を説明し、反応を見ます。
エージェントベストの見解
長期インターンの選考で、面接官が「志望度が低い」と判断して見送った学生が、実は最も続く層だったという話を聞くことがあります。熱量を言葉で表すのが苦手な学生は、面談では淡々として見えますが、入ってからは黙々と仕事を続けることが多いからです。当社は人材紹介も行っており、中途採用の面接でも同じ傾向を見ます。面接での熱量と入社後の働きぶりは、必ずしも一致しません。長期インターンで見るべきは、面談の場での言葉の熱さではなく、これまでの行動の中で「続けたこと」と「頼まれた以上にやったこと」です。この2つを具体的に話せる学生は、志望度が今は低くても、仕事の手応えをつかめば向き合い方が変わります。逆に、志望理由は滑らかでも、行動の具体例が出てこない学生は、慎重に見たほうがよい場合があります。
面談の中で志望度を上げる
志望度は面談の中で動きます。見極めと同時に、上げることも面談の役割です。
仕事の手触りを伝える
「マーケティングの補助」ではなく、「先週はこういう資料を作ってもらい、それが商談でこう使われた」と、実際の仕事の例を話します。先輩インターン生の仕事を紹介すると、学生は自分が入ったときの姿を想像しやすくなります。
学生の関心に結びつける
面談で学生が話した経験や関心を拾い、「その経験なら、この仕事で活きる」と具体的に結びつけます。学生は、自分のことを見てくれていると感じると、会社への関心が上がります。
断られる前提で話す
「他にも応募していると思うので、比べて決めてもらってかまわない」と最初に伝えると、学生は構えずに質問できるようになります。比べた結果選ばれたほうが、受け入れ後の定着もよくなる傾向があります。
エージェントベストの見解
新卒向けのスカウト媒体と比べると、長期インターンの面談は「学生が会社を選ぶ場」の色がより濃いと当社は見ています。新卒採用では、学生は本選考を意識して面接に臨むので、ある程度は志望理由を準備してきます。長期インターンでは、学生は「まず働いてみる場所」を探している段階で、会社の側から仕事の魅力を伝えないと比較の土俵にすら乗りません。そのため、面談の時間配分を「会社が話す時間」と「学生に聞く時間」で半々にするくらいがちょうどよいと考えています。聞くことに時間を使いすぎる面談は、学生から見ると「何をする会社なのか分からないまま終わった」場になり、志望度は上がりません。見極めを急ぐ前に、まず選ばれる材料を渡すことが先です。
見送る判断の基準を決めておく
志望度だけで落とさないとはいえ、見送るべき学生もいます。判断がぶれないよう、見送りの基準を事前に決めておきます。
- 受け入れに必要な時間が、学生の予定と明らかに合わない
- 仕事の中身を説明しても、どの部分にも関心を示さない
- 約束の時間や連絡の扱いで、仕事を任せるのが難しいと判断できる出来事があった
基準を言葉にしておくと、面接官が複数いても判断がそろいます。また、見送った理由を記録しておくと、次の募集で原稿や条件をどう変えるべきかが見えてきます。
評価を2つに分けて記録する
見送りの基準と合わせて決めておきたいのが、評価の付け方です。おすすめは、面談の評価を「志望度」と「続ける見込み」の2つに分けて記録することです。1つの点数にまとめると、熱量のある学生が高く出て、淡々とした学生が低く出ます。分けて記録すると、「志望度は低いが続ける見込みは高い」学生が見えるようになり、そうした学生には面談の後に追加の説明の機会を設ける、といった打ち手が取れます。当社はInfraの代理店として求人原稿の作成から運用までを支援していますが、原稿の改善と面談の評価の付け方は、同じ時期に見直すほうが効果が出やすいと考えています。原稿で関心を持ってもらい、面談で手触りを伝え、評価で行動を見る。この3つがそろうと、志望度という曖昧な物差しに頼らずに判断できるようになります。
記録の欄は、次のくらいの粒度で十分です。
- 志望度:原稿の中から具体的な仕事を挙げられたか、面談の後半で質問が増えたか
- 続ける見込み:1週間の予定の中に無理のない時間があるか、続けた経験を具体的に話せたか
- 面談後の対応:追加の説明が必要か、すぐに受け入れの案内を出すか
受け入れた学生がその後どうなったかを同じ表に書き足していくと、どちらの評価が定着と結びついていたかが自社の記録として見えてきます。面談から本選考までのつなぎ方はインターンから本選考への流れの設計でも整理しています。
まとめ
- 長期インターンの段階では、志望度は面談の前に固まっていないのが普通
- 志望度が低く見える学生には型があり、見送るべきは本当に関心が薄い層だけ
- 「なぜうちか」より、続けたことや頼まれた以上にやったことなど行動を聞く
- 面談は見極めの場であると同時に、仕事の手触りを伝えて志望度を上げる場
- 評価は「志望度」と「続ける見込み」に分けて記録する
よくある質問
他社のインターンと迷っていると言われたら、どう対応すればよいですか
比べて決めることを前提にしたうえで、自社の仕事の具体的な中身と、受け入れ後の関わり方を伝えます。他社を下げる話はせず、自社で何が得られるかを具体的に話すほうが、学生の判断材料になります。
志望度が高すぎる学生にも注意は必要ですか
期待が高すぎると、最初の地味な仕事とのずれで失速することがあります。最初の数か月に任せる仕事を正直に伝え、期待と実際をそろえておくと安心です。
面談は何回行うのがよいですか
会社によって異なりますが、長期インターンでは1〜2回で決める会社が多いようです。回数を増やすより、1回の面談で会社の説明と行動の確認の両方を行うほうが、学生の負担も小さくなります。
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