長期インターン生との1on1|頻度と話すこと
長期インターン生との1on1を始めたものの、毎回「最近どう?」「特にないです」で終わってしまう、という悩みをよく聞きます。業務の進み具合は普段の連絡で分かっているので、何を話せばよいか分からなくなるのです。結論から言うと、1on1は業務の確認の場ではなく、「学生が続けられているか」と「次に何に挑戦したいか」を話す場として位置づけ、聞くことを先に決めておくと、短い時間でも意味のある対話になります。 この記事では、1on1と業務の振り返りの違い、頻度の目安、話すこと、聞き方、記録の残し方を整理します。
1on1と業務の振り返りを分ける
長期インターンの受け入れでは、担当社員と学生が話す場がいくつかあります。それぞれの目的を分けておくと、1on1で話すことがはっきりします。
| 場 | 目的 | 主な話題 |
|---|---|---|
| 毎日の確認 | その日の業務を進める | やること、詰まっていること |
| 週の振り返り | 業務の質を上げる | 成果物の出来、次の週の業務 |
| 1on1 | 学生が続けられるように支える | 両立の状況、気持ち、挑戦したいこと |
| 評価面談 | 評価と待遇を決める | できるようになったこと、時給の見直し |
1on1で業務の話ばかりすると、週の振り返りと同じになり、学生は本音を話す機会を失います。逆に、評価の話を1on1に持ち込むと、学生は評価を気にして本音を言いにくくなります。1on1は、業務と評価から少し離れた場として設けます。評価面談については長期インターン生の評価とフィードバックの返し方で書いています。
頻度の目安
1on1の頻度は、時期によって変えます。
- 入ってから最初の1か月:週1回程度。慣れない時期で不安が多いので、こまめに話す
- 2か月目から半年:隔週程度。業務に慣れてきたら、間隔を空けてもよい
- 半年以降:月1回程度。ただし、試験期間や就職活動の前は臨時で設ける
1回の時間は、15分から30分程度で十分です。長く取るより、決まった頻度で続けることのほうが大切です。担当社員が忙しい時期でも、1on1だけは予定から外さないようにすると、学生は自分が大事にされていると感じます。
毎回聞くこと
1on1で毎回聞くのは、次の3つです。
- 時間の状況:授業や試験、ほかの予定と両立できているか。来月の予定で変わることはあるか
- 体と気持ちの状況:疲れていないか、気になっていることはないか
- 業務で困っていること:週の振り返りでは言いにくかったこと
1は、長期インターンが続かなくなる理由として最も多い、時間の問題を早めに見つけるためです。「来月の予定で変わることはあるか」と先を聞いておくと、試験や就職活動の前に勤務の調整ができます。
ときどき聞くこと
毎回でなくてよいが、時期を見て聞くことです。
- 挑戦したいこと:今の業務の先で、やってみたいこと。別の業務への関心
- インターンを始めた目的との距離:始めたときに考えていた目的に、今の業務が近づいているか
- 将来の話:就職活動のこと、興味のある業界や職種
- 職場の人間関係:担当社員以外の社員、ほかのインターン生との関係
「挑戦したいこと」を聞いたら、すぐには応えられなくても、担当社員がそれを覚えておき、機会があれば任せます。言ったことが実際に業務に反映されると、学生は1on1で話す意味を感じます。
エージェントベストの見解
1on1が形だけになる会社に共通するのは、担当社員が「何か困っていることはある?」と聞いて、学生の「特にないです」で終わっていることです。学生は社員に気を遣い、困っていることを自分から言い出すのをためらいます。だから当社は、聞き方を具体的にすることを勧めています。「困っていることはある?」ではなく、「今週の業務で、一番時間がかかったのはどれ?」「来月の授業の予定で、変わりそうなことはある?」と、答えが一つに決まる問いから入る。具体的な問いに答えているうちに、学生の方から本当に気になっていることが出てきます。当社は人材紹介の面談でも同じやり方をしていて、抽象的な問いより、具体的な問いのほうが、相手の本音に早くたどり着く傾向を感じています。
話を引き出す聞き方
- 答えやすい問いから始める:今週の出来事、具体的な業務の話から入る
- 話の途中で評価しない:「それは違う」「こうすべき」をすぐに言わず、まず最後まで聞く
- 沈黙を急いで埋めない:学生が考えているときは待つ
- 自分の経験を少し話す:担当社員が学生のころや新人のころに困った話をすると、学生も話しやすくなる
- 最後に次の一歩を決める:話して終わりにせず、次の1on1までにやることを一つ決める
1on1の場所も大事です。オフィスの真ん中の席ではなく、会議室や、リモートなら個別の通話で行います。周りに人がいると、学生は本音を話しにくくなります。リモートでの受け入れについてはリモートの長期インターンの設計で書いています。
記録の残し方と共有の線引き
1on1の内容は、短く記録しておきます。
- 日付と話したこと:時間の状況、気持ちの状況、困りごと、挑戦したいこと
- 次の一歩:次回までにやること(学生・担当社員それぞれ)
- 気になる点:両立が難しくなりそう、気持ちが落ちている、などの兆し
記録をどこまで人事と共有するかは、あらかじめ学生に伝えておきます。たとえば「勤務の調整が必要な話は人事にも共有する。個人的な悩みは、本人の同意なしには共有しない」のように線を引いておくと、学生は安心して話せます。
エージェントベストの見解
1on1を誰が担うかは、社内に残すべき部分です。当社は求人原稿の作成や応募対応といった運用を外から支援していますが、受け入れた後の1on1は、外部の人が代わりに行っても意味が薄いと考えています。学生が本音を話すのは、日々一緒に働き、自分の業務を見ている人に対してだからです。ただし、担当社員と学生の関係そのものに問題がある場合は、担当社員との1on1では話が出てきません。そのために、人事が数か月に一度、短い面談を設けておく形を勧めています。担当社員との1on1が日常の支え、人事との面談が逃げ道、という二重の構えにしておくと、問題が大きくなる前に気づけます。どちらも社内の人が担う前提で、時間の確保を受け入れの準備に含めておくことです。
まとめ
- 1on1は業務の確認ではなく、続けられているかと挑戦したいことを話す場
- 頻度は最初の1か月は週1回程度、慣れたら隔週、半年以降は月1回が目安
- 毎回聞くのは時間の状況・体と気持ち・業務の困りごと。挑戦や将来はときどき聞く
- 「困っていることは?」ではなく、答えが一つに決まる具体的な問いから入る
- 記録の共有範囲を学生に伝え、人事との面談も逃げ道として用意する
よくある質問
1on1で話すことがないと言われたら、どうすればよいですか
話すことがないこと自体は、悪いことではありません。順調な時期は短く終えて構いません。ただ、具体的な問いを一つ二つ投げてみて、それでも話がなければ、次の予定だけ確認して終える、という形で続けることに意味があります。
インターン生が複数いる場合、全員と1on1をする時間が取れません
全員と同じ頻度で行う必要はありません。入って間もない学生や、両立が難しそうな学生を優先し、慣れた学生は間隔を空けます。それでも時間が足りない場合は、担当社員を分けることも検討します。
1on1で辞めたいと言われたら、どうすればよいですか
まず理由を最後まで聞きます。理由が時間の問題なら、勤務日数の調整や一時的な休止で続けられる場合があります。業務や人間関係が理由なら、改善できるかを考えます。そのうえで本人の意思が固ければ、引き継ぎの段取りを一緒に決めます。辞める理由から逆算する考え方は長期インターンを続けてもらうためにで書いています。
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