長期インターン初日の受け入れ|最初の1週間の組み方
長期インターン生が入ってきた初日を、「とりあえず資料を読んでもらう」で過ごしてもらっている会社は少なくありません。担当社員も忙しく、何を任せればよいか決まっていないと、どうしてもそうなります。ところが、学生にとっての初日は、この会社で続けられそうかを判断する最初の材料です。結論から言うと、初日には「担当社員と話す時間」と「小さくても一つ終わらせる業務」の2つを入れ、そのための準備を前日までに済ませておくことが要です。 そして最初の1週間で、任せる業務を一日ずつ少しだけ広げていきます。この記事では、初日までの準備、初日の時間割、1週間の組み方、振り返りを整理します。
初日までに済ませておくこと
初日の質は、前日までの準備でほぼ決まります。次の項目を、学生が来る前に済ませておきます。
- 道具:パソコン、アカウント(メール、チャット、業務で使うツール)、入館証
- 席:座る場所、隣に誰がいるか(リモートなら、通話のリンク)
- 書類:雇用契約、勤怠の記録方法、守秘の約束などの書類
- 担当社員の予定:初日は担当社員がまとまった時間を空けておく
- 最初の業務:初日に終わらせられる小さな業務を一つ用意する
- 事前の連絡:初日の集合時刻、場所、持ち物、最初に誰を訪ねるかを前日までに伝える
アカウントの発行が初日に間に合わず、午前中が待ち時間になる、ということはよく起きます。準備に何日かかるかを確かめ、合格を伝えた時点で手配を始めておくと間に合います。選考から初日までを短くする話は長期インターンの選考は速さが大事な理由と進め方で書きました。
初日の時間割の例
初日の時間割は、たとえば次のように組みます(4〜5時間の勤務の場合)。
| 時間の目安 | 内容 | 一緒にいる人 |
|---|---|---|
| 最初の30分 | あいさつ、席と道具の確認、チームの紹介 | 担当社員 |
| 次の1時間 | 会社と事業の説明、インターン生が関わる仕事の全体像 | 担当社員 |
| 次の30分 | 社内のルール(勤怠、連絡の仕方、情報の扱い) | 人事または担当社員 |
| 次の1時間 | 担当社員の業務を隣で見る | 担当社員 |
| 次の1時間 | 小さな業務を一つやってみる | 一人で、近くに担当社員 |
| 最後の30分 | 初日の振り返り、翌日の予定 | 担当社員 |
大事なのは、説明だけで初日を終えないことです。最後の時間に「一つ終わらせた」という感覚を持って帰ってもらうと、翌日の来る足取りが変わります。最初の業務は、短い時間で終わり、結果が目に見えるものを選びます。たとえば、決まった形式でのリストの作成、既存の記事の誤字の確認、競合のSNSアカウントの調査など、手順が明確で失敗の影響が小さいものです。
2日目から5日目の組み方
最初の1週間は、毎日少しずつ任せる範囲を広げます。勤務日が週に数日の場合は、「最初の5回の勤務」と読み替えてください。
- 2日目:見る量を減らし、やる量を増やす。前日の業務の続きを一人で進め、分からないところをまとめて質問してもらう
- 3日目:本来の業務の一部に触れる。インサイドセールスなら、架電の台本を読み、担当社員の前で一度練習する。ライターなら、構成案を一つ作る
- 4日目:本来の業務を小さく一回やる。担当社員が近くにいる状態で、実際の電話をかける、実際の構成案を提出する
- 5日目:1週間の振り返り。できるようになったこと、まだ不安なこと、翌週の目標を話す
毎日の終わりに、担当社員と5分でも話す時間を取ります。その日に何をして、何が分からなかったかを聞くだけで、学生は見てもらえていると感じます。
エージェントベストの見解
初日の相談で多い思い込みは、「最初は会社のことをよく知ってもらうことが大事」というものです。会社の歴史、理念、組織図、事業の詳細を初日に詰め込む会社は少なくありません。気持ちは分かりますが、学生にとって初日の関心は「自分はここで何をするのか、やっていけそうか」に集中しています。会社の話は、業務に慣れてくるにつれて意味が分かるようになる情報です。初日に聞いても、ほとんど頭に残りません。当社がInfraの運用を支援する会社には、会社の説明は初日に1時間程度にとどめ、残りは最初の1か月の振り返りの時間に少しずつ話すことを勧めています。業務を通じて会社を知る順番のほうが、理念も自分ごととして伝わります。
1週間の終わりの振り返り
1週間目の終わりの振り返りでは、次のことを話します。
- できるようになったこと:具体的な業務の名前で確認する
- まだ不安なこと:業務の不安だけでなく、通勤、時間の使い方、人間関係も聞く
- 思っていたのと違ったこと:求人や面接で聞いた内容とのずれ
- 翌週の目標:一人でできるようにしたい業務を一つ決める
「思っていたのと違ったこと」は聞きにくい項目ですが、省かずに聞いておきたいところです。ここで出てきたずれは、早いうちなら手当てできます。放っておくと、数週間後に辞めたいという話になって出てきます。
よくある失敗
- 担当社員が初日に会議や外出で不在:学生は誰に声をかければよいか分からず、午前中を過ごす
- 資料を渡して「読んでおいて」で終わる:読むだけでは身につかず、退屈な印象が残る
- 最初から本来の業務を一人で任せる:失敗したときの手当てがなく、自信をなくす
- 初日の振り返りを省く:その日の不安が解けないまま帰ることになる
- ほかの社員に紹介しない:誰が誰か分からず、質問の相手がいない
これらの多くは、担当社員を決め、その人の時間を確保していれば防げます。体制の作り方は長期インターンの受け入れ体制で書きました。
エージェントベストの見解
最初の1週間の設計は、外に任せられる部分がほとんどなく、社内で持つべき部分です。当社は求人原稿の作成や応募対応の運用を支援していますが、初日の時間割や、2日目以降に任せる業務の選び方は、現場の担当社員にしか決められません。ただ、決めるための型は共有できます。当社が勧めているのは、受け入れを始める前に、担当社員と人事が30分ほど時間を取り、この記事の時間割と1週間の流れに自社の業務を当てはめてみることです。当てはめてみると、初日に用意する小さな業務が決まっていない、アカウントの発行に何日かかるか分からない、といった穴が見えてきます。穴は学生が来る前に見つけるほうが、来てから見つけるより、ずっと手当てがしやすくなります。
まとめ
- 初日の質は前日までの準備で決まる。道具・席・書類・担当社員の予定・最初の業務を整える
- 初日は説明だけで終わらせず、小さな業務を一つ終わらせて帰ってもらう
- 2日目から5日目は、見る量を減らし、やる量を一日ずつ増やす
- 1週間の終わりに、できたこと・不安・思っていたのと違ったこと・翌週の目標を話す
- 会社の説明は初日に詰め込まず、業務に慣れながら少しずつ伝える
よくある質問
初日はフルタイムで来てもらうべきですか
学生の予定や、通常の勤務時間に合わせて構いません。初日だけ長くすると、学生にとって負担が大きく、翌日以降の印象とずれます。通常の勤務時間の中で、説明・見る・やってみる・振り返るの4つが入るように組むのが目安です。
複数の学生が同じ日に入る場合はどうすればよいですか
会社の説明や社内ルールの説明はまとめて行い、業務を見る時間とやってみる時間は、それぞれの担当社員と個別に過ごしてもらいます。同じ日に入った学生どうしは、相談相手にもなるので、初日に顔を合わせる時間を作っておくと続けやすくなります。
初日にやることを学生に事前に伝えるべきですか
時間割の大まかな流れを事前に伝えておくと、学生は安心して初日を迎えられます。集合時刻、場所、持ち物、最初に誰を訪ねるかは、前日までに連絡しておくことが基本です。
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