長期インターンの受け入れ体制|担当社員を決める
長期インターンの募集を始める前に、多くの会社は原稿や媒体のことを考えます。けれども、入った学生が続くかどうかを大きく左右するのは、募集の前に整える受け入れ体制です。中でも、誰が学生の担当になるかを決めることが、体制の中心になります。結論から言うと、担当社員は「教える時間を週の予定に確保できる人」を一人決め、人事は採用と事務、担当社員は業務と日々の関わり、と役割を分けておくと受け入れが回ります。 この記事では、担当社員の役割、選び方、時間の確保、人事との分担、引き継ぎまでを整理します。
担当社員がいないと何が起きるか
担当社員を決めずに受け入れると、次のようなことが起きがちです。
- 初日に何をすればよいか分からない:誰に声をかければよいか、学生も社員も分からない
- 質問の行き先がない:誰に聞けばよいか分からず、学生が一人で悩む
- 任される業務がばらばら:手の空いた社員が思いつきで頼むため、何を身につけているのか見えなくなる
- 評価されない:誰が見ているのか分からず、続ける動機が薄れる
担当社員は、学生にとって「この会社での窓口」です。窓口が一人に決まっているだけで、学生が感じる不安の多くは減ります。
担当社員の役割
担当社員に任せる役割は、主に次の5つです。
- 業務を決めて渡す:その週に何をしてもらうか、どこまでの質で、いつまでに
- 教える:業務のやり方、社内のルール、道具の使い方
- 質問に答える:困ったときの最初の相談先になる
- 振り返る:週ごと、月ごとに、できたことと次の課題を話す
- 評価の材料を出す:時給の見直しや、任せる範囲を広げる判断の材料を人事に渡す
すべてを担当社員一人で抱える必要はありません。教える部分は、チームの別の社員や先輩のインターン生に分けても構いません。ただ、全体を見て、学生の様子を把握している人は一人に決めておきます。
担当社員を選ぶ条件
担当社員を選ぶときは、次の条件で考えます。
- 週の予定に、教える時間を確保できる:これが最も大切な条件です
- 任せる業務を自分でもやっている:業務の中身を説明できる
- 学生と話すことを負担に感じない:得意でなくてもよいが、苦手意識が強い人は避ける
- 当面、異動や退職の予定がない:途中で担当が変わると、学生の不安が大きくなる
役職の高さや、仕事ができるかどうかは、必ずしも担当社員の条件ではありません。忙しすぎるエースより、時間を確保できる中堅や若手のほうが、学生にとって頼りやすい担当になることがあります。
エージェントベストの見解
受け入れ体制の相談で、まず確認するのは「担当社員の時間を、上長が業務として認めているか」です。担当社員を決めても、その時間が本人の通常の業務に上乗せされているだけだと、忙しい時期に真っ先に削られます。学生への返事が遅れ、振り返りが飛び、学生は放っておかれていると感じ始めます。当社がInfraの運用を支援する会社で、受け入れが続いているところは、担当社員の目標や評価の中に、インターン生の育成が入っていることが多い印象です。順番としては、担当社員を決める前に、その社員の上長と話し、週にどのくらいの時間を担当の仕事に使うかを合意しておく。この合意がないまま募集を始めると、学生が入った後で体制が崩れます。
担当社員の時間を確保する
担当社員の時間は、次のように予定に組み込みます。
- 最初の2週間は多めに:初日から数日は、教える時間を長めに確保する
- その後は定例を決める:週1回の振り返り、毎日の短い確認の時間
- 質問への対応時間を決める:いつでも対応するのではなく、時間帯を決めると担当社員の負担が減る
時間を確保するときは、担当社員の予定表に、インターン生の勤務日に合わせた枠として入れておくのが確実な方法です。「時間があるときに見る」では、忙しい週に真っ先に消えます。枠が予定表に入っていれば、ほかの会議を入れる人もその時間を避けるようになり、担当社員の上長からも、担当の仕事に時間を使っていることが見えます。
最初の2週間の過ごし方は、長期インターン初日の受け入れと長期インターンのオンボーディングで詳しく書いています。
人事との役割分担
人事と担当社員の分担は、次のように分けると重なりが少なくなります。
| 役割 | 人事 | 担当社員 |
|---|---|---|
| 募集・原稿 | 原稿の作成と掲載 | 仕事内容の材料を出す |
| 選考 | 日程調整、面接の進行 | 面接で業務を説明し、判断に加わる |
| 契約・事務 | 雇用契約、勤怠、給与 | 勤怠の確認 |
| 日々の業務 | ― | 業務を渡し、教え、振り返る |
| 評価 | 時給の見直しの手続き | 評価の材料を出す |
| 相談 | 業務以外の悩み(両立、人間関係) | 業務の悩み |
最後の「相談」の分担は見落とされがちです。担当社員との関係そのものに悩みがある場合、学生は担当社員には相談しにくくなります。人事にも相談できる道を作っておくと、問題が大きくなる前に気づけます。
担当が変わるときの引き継ぎ
担当社員が異動や退職で変わることは避けられません。そのときに学生が離れないように、次の準備をしておきます。
- 担当の記録を残しておく:学生ごとに、任せている業務、できるようになったこと、次の課題、シフトの事情をまとめておく
- 引き継ぎの面談を設ける:前の担当と新しい担当、学生の三人で話す時間を作る
- 最初の数週間は新しい担当が多めに関わる:関係を作り直す期間として、振り返りの頻度を上げる
記録は、引き継ぎのときだけでなく、日ごろの振り返りにも使えます。1on1の進め方は長期インターン生との1on1で整理しています。
エージェントベストの見解
担当社員を一人に決めると、その人に負担が集中するのでは、という心配もよく聞きます。当社の考えでは、窓口は一人に決めつつ、教える役割はチームで分けるのが現実的です。具体的には、担当社員は「業務を渡す」「振り返る」「評価の材料を出す」の3つを持ち、「教える」「質問に答える」は、その業務に詳しい別の社員や、先に入ったインターン生にも担ってもらいます。先輩のインターン生に教える役割を任せると、教えることで本人の理解も深まり、続ける理由にもなります。ただし、先輩のインターン生に任せるのは業務のやり方までにし、評価や時給の話は担当社員が持つ、という線は守ります。学生どうしで評価の話が出ると、関係がこじれることがあるからです。
まとめ
- 担当社員は学生にとっての窓口。一人に決めるだけで、学生の不安の多くは減る
- 担当社員の役割は、業務を渡す・教える・質問に答える・振り返る・評価の材料を出すの5つ
- 選ぶ条件の第一は「教える時間を週の予定に確保できるか」
- 担当の時間を上長と合意し、人事とは事務・相談、担当社員とは業務で分担する
- 担当が変わる日に備えて記録を残し、引き継ぎの面談を設ける
よくある質問
担当社員一人につき、何人のインターン生を受け持てますか
業務の性質と、担当社員が確保できる時間によって変わります。受け入れを始めたばかりの時期は、少人数から始め、振り返りの時間が無理なく取れるかを確かめてから増やすのが安全です。
社員の少ない会社でも受け入れられますか
社員が少なくても、教える時間を確保できる人が一人いれば受け入れられます。むしろ、少人数の会社では学生が任される範囲が広くなりやすく、それを魅力に感じる学生もいます。最初から多くを受け入れず、一人から始めることを勧めます。
担当社員に向いていない人を選んでしまったと感じたら
まずは担当社員本人と、何が負担になっているかを話します。時間が足りないのか、教え方に迷っているのか、学生との相性なのか。原因によって、時間を調整する、教える役割を分ける、担当を交代するなど、打ち手が変わります。交代する場合は、引き継ぎの面談を設けてから切り替えます。
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