OfferBoxで研究開発職を採るオファー文面の書き方|研究の進め方に触れる
OfferBoxで研究開発職を採るとき、文面で最も多い失敗は「学生の研究テーマと同じ分野の会社であることを強調し、研究を活かせると書く」ことです。結論から言うと、研究開発職志望の学生に届く文面は、テーマの一致を強調する文面ではなく、学生の研究の「進め方」を読んだことに触れ、自社のテーマを一つ、研究寄りか開発寄りかと、テーマの決まり方を正直に書き、名義が研究員になっている文面です。 研究テーマが自社と一致する学生はごく少なく、その学生には他社も同じ文面を送っています。学生の側も、テーマの一致より「この会社は自分の研究の進め方を読んだか」「入ったら研究なのか開発なのか」を見ています。この記事では、研究開発職志望の学生がOfferBoxで何を見ているか、文面に書くこと、学部生への送り方、面談への接続を整理します。文面全体の基本はOfferBoxのオファー文面の基本で書いたので、ここでは研究開発職に固有の部分だけを扱います。OfferBoxの仕様や数値には触れず、運用の考え方だけを書きます。
研究開発職志望の学生がOfferBoxで見ているもの
研究開発職を志望する学生は、オファーを開いたときに、次のことを見ています。
| 学生が見分けたいこと | 文面で見ている箇所 |
|---|---|
| 自分の研究を読んだか | 書き出しに、テーマの名前ではなく、進め方への言及があるか |
| 何を研究開発する会社か | 自社のテーマが、公開できる範囲で一つ書いてあるか |
| 研究寄りか開発寄りか | 基礎に近いのか、製品化に近いのか。論文や学会はあるのか |
| テーマは誰が決めるのか | 自分で提案できるのか、会社が決めるのか。いつから自分のテーマを持つのか |
| 配属はどこか | 研究所か、工場の技術部門か。入社後に変わるのか |
| 言葉が正直か | 「研究を活かせる」「最先端」の言葉が、実態の説明の代わりになっていないか |
最初の一つが、研究開発職の文面で特に重要です。学生は、研究テーマの名前を読まれることには慣れていますが、進め方を読まれることは少ないです。「〇〇の研究をされているのを拝見しました」は、テーマの名前を写しただけで、学生には「読んでいない」と分かります。「条件を変えて測るときに、先に測定のばらつきを潰していたのを読みました」のように、進め方に触れると、学生は「この会社は自分の研究を読んだ」と受け取ります。
もう一つ、学生が見ているのは「研究寄りか開発寄りか」です。学生の多くは、修士まで研究をしてきて、会社で同じように研究ができるかどうかを気にしています。製品化に近い開発が中心なら、そう書きます。「研究職」と書いて開発が中心だと、面談で分かった学生が離れます。
文面に書くこと|進め方に触れ、自社のテーマを一つ、研究か開発かを正直に
研究開発職向けの文面は、次の順で組みます。
- 書き出し:学生の研究の進め方に触れる。「読んだ」「こう思った」「だから送った」の三つ
- 自社のテーマを一つ、公開できる範囲で:何を、何のために研究開発しているか
- 研究寄りか開発寄りかを正直に:基礎か、応用か、製品化か。論文や学会の扱い
- テーマの決まり方を一言:自分で提案できるのか、会社が決めるのか、いつから
- 次の行動を一つ:研究員との面談の案内だけ
書き出しで研究に触れるとき、評価はしません。「素晴らしい研究ですね」「レベルの高い研究」とは書きません。書くのは、進め方のどこを読んだかと、それが自社の研究開発のどこに近いかです。「測定のばらつきを先に潰す進め方は、うちの評価の工程でも同じことをしていて、その考え方が近いと思い、お送りしました」のような形です。研究テーマが自社と一致していなくても、進め方が近ければ、このように書けます。
自社のテーマは、一つに絞り、公開できる範囲で書きます。公開できないテーマは書かず、「公開できる範囲で言うと」と断って、分野と目的を書きます。テーマを並べると会社紹介になります。制作物や研究に触れて評価しない考え方は、エンジニアの文面と同じです。OfferBoxでエンジニアを採るオファー文面の書き方で書きました。
エージェントベストの見解
研究開発職の文面で、発注側が最も誤解しているのは「自社と同じテーマの学生を探して、研究を活かせると書けば届く」という考え方です。同じテーマの学生は、どの会社にとってもごく少なく、その学生には同じ分野の会社が同じように「研究を活かせる」と送っています。当社は3媒体すべての販売パートナーとしてOfferBoxの契約後の運用を見ていますが、研究開発職で承認と面談が続いている会社は、テーマの一致ではなく、進め方の近さで送っています。「条件を一つずつ変えて確かめる」「ばらつきを先に潰す」「うまくいかないときに測り方を疑う」のような進め方は、分野が違っても共通していて、その進め方を読んで触れた文面は、他社から読まれていない学生に届きます。テーマが一致する学生に「活かせる」と書く文面は、一致する学生の少なさと、他社との重なりの両方で、送る相手がすぐに尽きます。研究開発職の文面は、テーマの一致で探すのではなく、進め方の近さで書きます。多くのオファーを受ける理系学生に届く一文の考え方は理系学生の取り合いに負けるときのOfferBox運用で書きました。
「研究を活かせる」で釣らない
研究開発職の文面で、「あなたの研究を活かせます」は、使わないことを勧めます。理由は三つあります。
- 多くの場合、そのままは活かせない:会社のテーマは学生の研究テーマとは違う。活かせるのは進め方であって、テーマの中身ではない
- 学生は「活かせる」を信じていない:修士まで研究した学生ほど、会社の研究が大学の研究と違うことを知っている
- 面談でずれる:文面で「活かせる」と書き、面談で「テーマは会社が決める」と話すと、学生はそこで離れる
書くなら、「テーマは違いますが、進め方は近いです」と正直に書きます。テーマの一致で釣るより、進め方の近さで書くほうが、面談後の離脱が減ります。理系学生に送る文面の基本はOfferBoxで理系学生を採るで書きました。
学部生に送るとき
研究開発職を修士だけで探すと、送る相手が足りなくなります。学部生は、卒業研究が始まったばかりで、進め方が書けていないことが多いですが、送る方法があります。
- 実験科目や演習の記述に触れる:卒業研究がなくても、実験で「何を測って、どこで詰まったか」が書かれていれば、そこに触れる
- 研究室を選んだ理由に触れる:何を知りたくて、その研究室を選んだか。動機に進め方の芽がある
- 入社後にどう学ぶかを書く:修士と同じ扱いか、育て方が違うのか。誰が見るのか
学部生に届く文面は、修士との扱いの違いを隠す文面ではなく、その学生の実験や動機を読んだと伝わり、入社後の育て方が書かれている文面です。修士以上を必須にする会社は、学部生には送らず、検索で絞ります。
検索・ターゲットの考え方との関係
研究開発職の文面は、進め方が書かれている学生と、テーマの名前だけの学生で、書き出しが変わります。前者には進め方のどこを読んだかを、後者にはテーマから読み取れる目的と、自社のテーマの目的の近さを書きます。検索の段階で「この検索の相手には、書き出しに何を置くか」を決めておきます。検索の考え方は、次の記事で書きます。
選考への接続|研究員が面談に出る
研究開発職向けの文面は、面談で研究員が研究の話をすることを前提に書きます。
- 面談の担当は、名義になった研究員か、同じテーマの研究員:人事だけで面談をしない
- 文面で触れた進め方を、面談で聞く:何を測り、どこで詰まり、どう解いたか。結果より過程
- 自社のテーマを、面談で公開できる範囲で一段細かく話す:文面で書いた一つを、実際の工程で
- 研究寄りか開発寄りかは、面談でも同じことを言う:文面と面談で違うと、学生はそこで離れる
文面と面談で話すことが揃っていると、承認から面談、面談から選考への流れが読めます。面談の組み方はOfferBoxの面談設計、現場の社員を面談に出す整え方はOfferBoxの面談に現場の面接官を出すで書きました。
エージェントベストの見解
研究開発職の文面を書く前に、当社が先に決めてもらうのは「研究寄りか、開発寄りか」と「テーマは誰が決めるか」の二つです。多くの会社では、この二つが曖昧なまま「研究開発職」と書き、文面では「最先端の研究」と「製品化」の両方を並べます。学生は、修士まで研究してきた自分が、会社で研究を続けられるのか、製品化の工程に入るのかを知りたいので、両方が並んだ文面では判断できず、面談で聞いてから離れます。当社が運用を見ている会社でも、研究所の責任者に「新卒が最初の年に持つのは、研究のテーマか、製品化の工程か」を一つ答えてもらってから文面を書いた会社は、文面が短くなり、面談に来る学生がその前提を知った上で来ます。研究寄りなら、進め方を読んだことと、テーマの決まり方を中心に書きます。開発寄りなら、製品化の工程で新卒が何をするかを中心に書き、研究の進め方は「評価の工程で同じことをする」とつなげます。研究開発職の文面で最初に決めるのは、テーマの魅力ではなく、「研究か開発か」の一つです。
社内の分担
| 作業 | 担当 | 決めておくこと |
|---|---|---|
| 「研究寄りか開発寄りか」「テーマは誰が決めるか」 | 研究所か技術部門の責任者 | どちらか一つ。両方を並べない |
| 自社のテーマ一つ(公開できる範囲) | 責任者と名義になる研究員 | 何を、何のために。公開できないものは書かない |
| 学生の研究の進め方を読み、近さを一言 | 研究員(一通あたり数分) | 評価ではなく、進め方のどこが近いか |
| 文面を型に入れて組み立てる | 人事(または運用代行) | 書き出し・テーマ・研究か開発か・決まり方・次の行動 |
| 名義の確認 | 名義の研究員 | 送る前に一度目を通す。公開できない内容がないかも確認 |
| 面談で進め方を聞き、テーマを話す | 名義の研究員 | 文面に書いたことを同じ言葉で |
研究員に頼むのは、近さの一言と、確認と、面談の三つです。文面の組み立てと送る作業は人事が持ちます。
やりがちな失敗
| 失敗 | 何が起きるか | 直し方 |
|---|---|---|
| テーマの名前を写して「拝見しました」と書く | 「読んでいない」と分かる | 進め方のどこを読んだかを書く |
| 「研究を活かせる」と書く | 面談で「テーマは会社が決める」と分かり離れる | 「テーマは違うが進め方は近い」と正直に |
| 「最先端の研究」と「製品化」を並べる | 研究か開発か判断できず、面談で離れる | どちらか一つに決めて書く |
| 自社のテーマを並べる | 会社紹介になる | 公開できる範囲で一つに絞る |
| 人事名義で送り、人事だけで面談する | 進め方の話ができず、読んだことが伝わらない | 研究員の名義にし、面談に出る |
まとめ
- 研究開発職の学生は、テーマの一致より「進め方を読んだか」「研究か開発か」を見ている
- 書き出しは研究の進め方に触れ、評価はしない。テーマが違っても進め方が近ければ書ける
- 自社のテーマは公開できる範囲で一つ。研究寄りか開発寄りか、テーマの決まり方を正直に
- 「研究を活かせる」で釣らない。「テーマは違うが進め方は近い」と書く
- 名義は研究員。面談で同じ進め方を聞き、同じテーマを話す
よくある質問
自社のテーマが公開できず、文面に書けません
公開できるテーマがない場合は、分野と目的だけを書きます。「〇〇の分野で、△△を目的にした評価と改良をしています」のように、中身に触れずに、何のための研究開発かを書きます。それも難しい場合は、テーマではなく「研究か開発か」「テーマの決まり方」「誰が見るか」に軸を移します。テーマが書けない会社ほど、進め方を読んだことと、入社後の前提を正直に書くことで差が付きます。
修士と学部で文面を変えるべきですか
変えます。修士には研究の進め方に触れ、テーマの決まり方を中心に書きます。学部生には、実験科目や研究室を選んだ動機に触れ、入社後にどう学ぶかを中心に書きます。修士と学部の扱いが違う会社は、その違いを隠さずに書きます。修士以上を必須にする会社は、学部生には送らず、検索で絞ります。
研究開発職の文面は、運用代行に頼めますか
頼めますが、「研究寄りか開発寄りか」「テーマは誰が決めるか」「公開できるテーマ一つ」と、面談に出る研究員は社内で決めておきます。代行に任せられるのは、学生の研究の進め方を読み、決まったテーマとつなげて書き、名義の研究員に確認を回す作業です。近さの一言は研究員からもらいます。テーマと担当が決まっていないと、代行はテーマの名前を写して「活かせる」と書くしかなく、読んでいない文面になります。範囲の決め方は運用代行に任せる範囲で書きました。
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