Wantedlyでデータエンジニア・アナリストにスカウトを送る文面の考え方
Wantedlyでデータエンジニアやデータアナリストにスカウトを送るとき、最初にぶつかるのは「自社と同じ道具の名前で検索して送っているのに、返信が来ない。来ても、面談で『データはどんな状態ですか』『分析の結果は誰が使うのですか』と聞かれて止まる」という問題です。結論から言うと、データの仕事の人へのスカウトは、道具の名前の一致で相手を選ぶのではなく、先に「整える側を採るのか、読む側を採るのか」とデータの状態と最初に答えたい問いを決め、「同じ種類のデータを、同じくらいの状態の段階で扱っていて、出した数字で誰かの何かが決まった人」を選び、その人が決めたことを読んだ一文から、自社の問いの場面で誘います。 この記事では、データの仕事の人がスカウトで見ているもの、送る前に決めること、誰に送るか、文面に書くこと、返信後の面談、社内の分担、やりがちな失敗を整理します。エンジニア全般のスカウトの考え方はエンジニアにスカウトを送る文面の考え方、文面の3段の型はエンジニア向けスカウト文面の型、募集記事はデータエンジニア・アナリストを採る募集記事の書き方で書きました。
データの仕事の人がスカウトで見ているもの
| 見ているもの | 何を確かめているか |
|---|---|
| 誰から来たか | 送り主がデータの仕事の人か、事業側の人か、人事か。送り主が数字で何を決めている人か |
| 自分の何を読んだか | 道具の名前で検索しただけか、扱ったデータや、出した数字で決まったことを読んだか |
| データの状態 | まとまっているか、ばらばらか。整える人がいるか。文面で分かるか |
| 使う人がいるか | 出した数字を、誰が何の判断に使うか。文面で分かるか |
| 整える側か、読む側か | この募集は基盤を作る仕事か、読んで判断に使う仕事か、両方か |
| 話す場か、応募の依頼か | データと問いの話をする場に呼ばれているのか、応募を求められているのか |
「データの状態」と「使う人がいるか」は、書かれていなければ面談で最初に聞かれます。
送る前に決めること|整える側か読む側か、データの状態、最初の問い
送る前に、社内で三つを決めます。
- 整える側か、読む側か:データを整える側(エンジニア)を採るのか、読んで判断に使う側(アナリスト)を採るのか、両方を一人に任せるのか。決め方はデータエンジニア・アナリストを採る募集記事の書き方で書きました
- データのいまの状態:まとまっているか、ばらばらか、定義がそろっているか。隠さずに文面に書く前提で
- 最初に答えたい問い:「最初の月は〇〇のデータをまとめて、△△(使う人)が□□を決められるようにする」を一つ。これが文面の2段目になり、送る相手を「それができる人」に絞れる
誰に送るか|道具の一致ではなく、データの種類と状態の段階、決まったことの重なり
道具の名前が同じでも、扱っているデータの種類と状態の段階が違えば、面談で「うちのデータとは違う」になります。選ぶ基準は、「同じ種類のデータを、同じくらいの状態の段階で扱っていて、出した数字で誰かの何かが決まったか」です。
| 読む箇所 | 重なりの見方 |
|---|---|
| 何のデータを扱ったか | 注文・行動の記録・機器の記録など、データの種類。自社のデータと同じ種類か |
| 状態の段階 | ばらばらのものをまとめた段階か、まとまったものを読んだ段階か、定義をそろえた段階か。自社のいまの段階と重なるか |
| 出した数字で、何が決まったか | 「〇〇を分析して、△△が変わった」が書かれているか。自社の「最初に答えたい問い」と重なるか |
| 整える側か、読む側か | 基盤を作ってきた人か、読んで提案してきた人か、両方か。自社が採る側と合うか |
| 誰と組んで動いたか | 事業側の人と直接組んだか、依頼を受けて出しただけか。自社の「使う人」との距離と近いか |
「出した数字で、何が決まったか」が要点です。自社が「読む側」を採るなら、この記述のある人を優先します。「整える側」を採るなら、「ばらばらのものをまとめた」記述のある人を優先します。道具の名前は「あればよい条件」に置きます。絞り方の基本はスカウト対象の絞り方で書きました。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「データの仕事の人には、自社の道具と基盤が整っていることを文面で見せないと返信が来ない」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとしてWantedlyのスカウトを見ていますが、データの仕事の人が返信した文面を並べると、道具の名前が一致していたかどうかは、返信の有無とほとんど関係がありません。関係があるのは、「自分が出した数字で何が決まったかを読んでくれたか」と、「データの状態と、使う人が文面で分かるか」の二つです。道具が整っていても「使う人」が書かれていない文面は、「分析して終わる会社」と読まれて開かれません。逆に、データがばらばらでも「〇〇(使う人)が△△を決めるために、まとめるところから一緒に」と書かれていれば、「やることがあり、使う人がいる」として返信が来ます。当社が対象を組み直すとき、最初にやるのは、検索条件から道具の名前を外し、「何のデータで、誰の何を決めた人か」で並べ直し、使う人を文面の最初のほうに入れることです。
文面に書くこと
文面の型(相手の一文→自社の開発の場面→話す場の案内)はエンジニア向けスカウト文面の型に書いたので、ここではデータの仕事に特有の要点だけを書きます。
- 相手の一文は、決まったことで:「〇〇のデータを分析して、△△が変わったと書かれていたのを読んで」「□□をまとめるところから始められたと書かれていた点を読んで」。道具の名前ではなく、何のデータで、何が決まったか
- データの状態と使う人を、最初のほうで:「データは複数の仕組みに分かれていて、まとめるところから。まとめた数字は〇〇(店舗の責任者など)が△△を決めるのに使います」。隠さない
- 整える側か読む側かを、一文で:「この募集は、まとめる側です」「まとまったデータを読んで、事業側に提案する側です」「両方を一人にお願いしたいと思っています」
- 最初に答えたい問いを、一文で:「最初の月は〇〇のデータをまとめて、△△が□□を決められるようにしたい」。募集記事と同じ言葉
- 反映された例を、一つ:「前に〇〇を分析して、△△が変わりました」。無ければ書かない。盛らない
- 話す場は、データの仕事の人と、使う人と:「いまデータを見ている〇〇と、数字を使って判断する△△が、いまのデータの状態と答えたい問いを話します。転職を決めていなくても構いません」
相手の道具や分析の手法を評価しません。
返信後の面談|データの状態と、問いを見せる
| 話すこと | 中身 |
|---|---|
| データの状態を見せる | どこに何があり、どうばらばらか、定義がどうそろっていないか。隠さない |
| 答えたい問いを一つ話す | 「〇〇が△△を決めるために、□□を知りたい」。相手ならどう答えるかを聞く。ここが長い面談ほど次につながる |
| 使う人が出て、話す | 事業側の数字を使う人が出て、「前にこう決めた」「次はこう決めたい」を話す。「反映される」が言葉でなく実際に伝わる |
| 反映された例と、されなかった例 | 両方話す |
| 最初に任せること | 誰と組むか。組む本人が話す |
| 相手のデータの話 | 相手が何のデータを扱い、何が決まったか。聞く時間を長く |
面談には、データの仕事の人と、事業側の数字を使う人が出ます。一人目の募集なら、いま数字を出している人(経理や事業側で表を作っている人)と、使う人が出ます。面談の設計はカジュアル面談の設計で書きました。
選考に進むとき、分析の課題を出すなら、面談のときに「課題がある」「どのくらいの時間がかかるか」「データはこちらで用意する」を先に伝えます。伝え方はカジュアル面談から選考に進むときの伝え方で書きました。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 整える側か読む側か、データの状態、最初の問いを決める | データの責任者、事業側の責任者、人事 |
| 「データの種類と段階、決まったこと」で対象を並べ直す | 人事(データの仕事の人が基準を伝える) |
| 相手の決めたことを読み、一文を書く | データの仕事の人(または人事が下書きし、本人が確認) |
| 道具の言葉と数値の確認 | データの仕事の人 |
| 反映された例の確認 | 事業側の責任者 |
| 型、送信、返信対応、台帳 | 人事 |
| 面談(データの状態と問いを見せる) | データの仕事の人と、事業側の数字を使う人 |
一人目のデータの仕事の人を採るスカウトでは、「読んで一文を書く人」が社内にいません。その場合は、いま数字を出している人に相手のプロフィールを見てもらい、使う人(経営者や事業の責任者)に「最初に答えたい問い」を一文で言ってもらい、「一人目で、いまは〇〇が手作業で出している」と正直に文面に書きます。
運用代行や代理店が支えられるのは、対象の並べ直しの基準づくり、型、避ける言葉のチェック、募集記事との整合の確認までで、整える側か読む側かの決定、相手の決めたことを読んだ一文、数値の確認、面談は社内が担います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
データの仕事の人にスカウトを送る前に、先に決めておかないと効果が出ないのは、「最初に答えたい問い」を、使う人の名前と一緒に一文にすることです。当社がWantedlyのデータ向けスカウトを支えるとき、「データを整備して活用したい」までは決まっていても、「誰が、何を決めるために、最初に何を知りたいか」が決まっていない会社が多くあります。決まっていないと、文面は「データ活用を推進」に戻り、相手には「使う人がいない」と読まれ、返信が来ません。逆に、「店舗の責任者が週の仕入れを決めるために、〇〇を知りたい。データはばらばらで、まとめるところから」と一文で書けた会社は、返信の数は減っても、面談で「思っていた仕事と違う」になる人がいなくなります。当社が最初にお願いするのは、対象の絞り込みではなく、使う人に「最初に何を知りたいか」を一文で言ってもらうことです。その一文が無いと、誰に送っても文面は道具の名前の一覧に戻ります。
やりがちな失敗
| 失敗 | 何が起きるか | 直し方 |
|---|---|---|
| 道具の名前の一致で相手を選ぶ | 面談で「データが違う」「段階が違う」 | データの種類と状態の段階、決まったことで選ぶ |
| 整える側か読む側かを決めずに送る | どちらの人も「自分の話が無い」と読む | 決めて、一文で書く。両方なら、そう書く |
| データの状態を文面で隠す | 面談で「まずまとめてほしい」と出て離れる | 最初のほうで分かるように書く |
| 使う人を書かない | 「分析して終わる会社」と読まれ、開かれない | 誰が何を決めるために使うかを書く |
| 反映された例を盛る | 面談で聞かれ、答えられない | された例を一つ。無ければ書かない |
| 面談に使う人が出ない | 「反映される」が伝わらない | 事業側の数字を使う人が出る |
最も多いのは、最初の「道具の名前の一致で選ぶ」です。
まとめ
- データの仕事の人は、誰から来たか・自分の何を読んだか・データの状態・使う人がいるか・整える側か読む側か、を文面の段階で見ている
- 送る前に、整える側か読む側か、データの状態、「誰が何を決めるために最初に何を知りたいか」を決める
- 誰に送るかは、道具の一致ではなく、データの種類と状態の段階、「出した数字で何が決まったか」の重なりで。道具の名前は「あればよい条件」
- 文面には、相手の決めたことを読んだ一文、データの状態と使う人、整える側か読む側か、最初の問い、反映された例を。盛らない
- 面談はデータの状態と問いを見せ、使う人が出て、反映された例とされなかった例を両方話す。課題を出すなら先に伝える
よくある質問
自社と同じ道具を使っている人が、検索でほとんど出ません
道具で絞る必要はありません。「同じ種類のデータを、同じくらいの状態の段階で扱っていて、出した数字で何かが決まった人」で選び、文面に「使っている道具は違いますが、〇〇のデータをまとめて△△が決まったと書かれていた点が、うちのいまの状況と近いと思い」と書きます。
分析の結果を使う人が、社内にまだ決まっていません
決まるまで、送りません。「誰が何を決めるために」が無い文面は、「分析して終わる会社」と読まれて開かれません。経営者か事業の責任者を一人、最初の受け取り手に決め、その人に「最初に何を知りたいか」を一文で言ってもらってから送ります。
データの仕事の人向けのスカウトの対象の絞り込みは、御社に相談できますか
できます。当社は、対象の並べ直しの基準づくり、文面の型、避ける言葉のチェック、募集記事との整合の確認を支えられます。相手の決めたことを読んだ一文、数値の確認、面談は、社内のデータの仕事の人と、使う人が担ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、Wantedlyのスカウト運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
本記事は 2026/9/20 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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