Wantedlyのカジュアル面談の設計|話す人・時間・流れを先に決める
Wantedlyでは、スカウトへの返信も、募集記事の「話を聞きに行きたい」も、最初に「面談」につながります。この面談は「カジュアル面談」と呼ばれ、選考ではなく、お互いを知る場です。ところが、設計されていないと、選考の面接になったり、人事の会社説明会になったり、雑談で終わって次が無かったりします。結論から言うと、カジュアル面談は「お互いを知る場」として、話す人・時間・形・流れ・終わったあとの選択肢を先に決めておきます。流れは、短い自己紹介、相手の話を聞く、仕事の場面を一つ話す、質問に答える、次の選択肢を伝える、の順で、話す時間より聞く時間を長くします。終わったあとに翌日までに連絡し、面談で聞いた言葉を記事に戻します。 この記事では、面談の役割、やりがちな失敗、決めること、流れの型、話す人の準備、面談後の連絡、記事への反映、分担を整理します。返信から面談までの進め方はスカウトに返信が来たあとの進め方で書きました。
この作業の目的|「読んだとおりの会社だった」と感じてもらう
面談に来る人は、スカウトの文面か募集記事を読んで来ています。面談の目的は、「読んだとおりの人が出てきて、読んだとおりの話が聞けた」と感じてもらうことです。
読んだものと面談がずれると、「記事は営業用だった」と感じられます。揃っていると、「この会社は本当のことを書いている」と信用されます。面談は、記事の続きです。
同時に、会社側が相手を知る場でもあります。ただし、選考として評価する場ではなく、「一緒に働くとしたら」を双方が想像する場です。
やりがちな失敗
| 失敗 | 相手からどう見えるか |
|---|---|
| 選考の面接にする(志望動機、経歴の深掘り、評価) | 「話す場」と聞いて来たのに、面接だった |
| 人事の会社説明会になる | 会社ページに書いてあることを聞かされる |
| 話す人が人事だけ | 「仕事の中身を、やっている人から聞けなかった」 |
| 会社側が話しすぎる | 自分のことを聞いてもらえなかった |
| 雑談で終わり、次が無い | 「楽しかった」で終わる。進まない |
| 記事と違うことを言う | 「記事は嘘だった」 |
| 時間が長い | 負担。在職中の人は昼休みや夜に来ている |
| 終わったあとの連絡が無い | 「あれは何だったのか」 |
最も多いのは、最初の「選考にしてしまう」です。会社側は「せっかく来たのだから見極めたい」と考えますが、相手は「話を聞きに来た」だけです。見極めは、次の段階でできます。
決めること
| 決めること | 決め方 |
|---|---|
| 話す人 | その職種の人が主。人事は進行と、終わったあとの案内。文面や募集記事に出ている人なら、なお良い |
| 時間 | 短く。在職中の人が昼や夜に来られる長さ |
| 形 | オンラインが基本。来社は、相手が望めば |
| 流れ | 下の型を、自社に合わせて。毎回同じ流れにする |
| 終わったあとの選択肢 | 選考に進む、もう一度別の人と話す、いったん終わる、の3つを、面談の最後に伝える |
| 話す場面 | 話す人が、最近の仕事の場面を一つ用意する |
| 聞くこと・聞かないこと | 事前に決める。詳しくはカジュアル面談で聞くこと・聞かないこと |
「終わったあとの選択肢を3つ用意する」が、雑談で終わらないための仕組みです。「選考に進む」だけだと、迷っている人が離れます。「もう一度別の人と話す」があると、迷っている人が残ります。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「カジュアル面談は選考ではないので、準備は要らない」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとしてWantedlyの契約後の運用を見ていますが、準備が無いカジュアル面談は、その場の流れで雑談になるか、話す人が困って会社説明になるか、のどちらかです。選考ではないからこそ、「何を話し、何を聞き、最後に何を伝えるか」を決めておかないと、場が持ちません。当社が面談の設計を支えるとき、最初にやるのは、話す人に「最近の仕事の場面を一つ、話せるように用意してください」とお願いすることです。場面が一つあれば、面談は仕事の話になり、相手はその場面から質問し、会社の実態が伝わります。準備は、選考のためではなく、雑談で終わらせないためのものです。
流れの型
| 順 | 内容 | 時間の配分 |
|---|---|---|
| 1 | 短い自己紹介。「選考ではなく、お互いを知る場です」と最初に言う。誰が何を話すか | 短く |
| 2 | 相手の話を聞く。いま何をしていて、何を考えて話を聞きに来たか。聞き方は次の記事で | 長く |
| 3 | 話す人が、最近の仕事の場面を一つ話す。募集記事の「なにを」と同じ仕事の場面 | 中くらい |
| 4 | 質問に答える。相手が聞きたいことを聞ける時間。人事が最初の質問を出して口火を切ってもよい | 長く |
| 5 | 次の選択肢を伝える。選考に進む、別の人と話す、いったん終わる。「今日決めなくてよい」と添える | 短く |
「2と4を長く」が要点です。会社側が話す3は、一つの場面に絞ります。会社の説明、事業の説明、制度の説明は、会社ページと募集記事に任せ、面談では話しません。「詳しくは会社ページに書いてあります」で足ります。
流れは、毎回同じにします。話す人が変わっても、流れが同じなら、場が安定します。
話す人の準備
面談に出る人が、事前にやることは3つだけです。
- 相手のプロフィールと、送ったスカウトの文面を読んでおく:文面で挙げた「重なる点」から話を始められる
- 募集記事と会社ページを読んでおく:書いたことと違うことを言わないため。記事と面談を揃える考え方は文章のトーンの決め方で書いたのと同じ
- 最近の仕事の場面を一つ用意する:うまくいった話でなくてよい。詰まった話、迷った話のほうが、相手は質問しやすい
「うまくいった話でなくてよい」は、話す人に伝えておきます。良い話をしなければ、と構えると、会社説明に寄ります。
面談後の連絡
- 翌日までに、一言送る:「昨日はありがとうございました。〇〇の質問、△△が喜んでいました」
- 面談で伝えた選択肢を、もう一度書く:選考に進む、別の人と話す、いったん終わる
- 相手の返事を待つ:急かさない。数日で返事が無ければ、一度だけ短く確認
- 「いったん終わる」を選んだ人にも、お礼を送る:会社の印象が残る。時間を空けて、別の募集で再度連絡することもできる
「翌日までに」は、返信対応と同じ原則です。面談の直後が、相手の気持ちが最も動いている時間です。
面談で聞いた言葉を、記事に戻す
カジュアル面談は、記事の材料が集まる場でもあります。
- 「どこを読んで来ましたか」の答え:効いている記事と、効いていない記事が分かる
- 「読んで分からなかったこと」:記事に足りない部分
- 「記事と違ったと感じたこと」:記事か面談のどちらかを直す
- 相手からの質問:候補者が知りたいことは、記事に足りないこと
面談に出る人が、この一行を人事に送る形を作ります。募集記事の見直しに使う手順は募集記事の反応を見て直す手順で書きました。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 流れの型を決める | 人事 |
| 話す人を募集ごとに決める | 人事と責任者 |
| 相手のプロフィール・文面・記事を読んでおく | 話す人 |
| 場面を一つ用意する | 話す人 |
| 進行と、最後の選択肢の案内 | 人事 |
| 翌日までの連絡 | 人事 |
| 面談で聞いた一行を人事に送る | 話す人 |
運用代行や代理店が支えられるのは、流れの型、話す人の準備の項目、面談後の連絡の型、聞いた言葉を記事に戻す型までで、面談に出ること、話すこと、選択肢を伝えることは企業が行います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
自社で持つべきなのは、どこまでか。当社がWantedlyのカジュアル面談の設計を支えるとき、流れの型、準備の項目、連絡の型は当社が出せます。ただし、面談に出て話すことは、当社にはできません。カジュアル面談に来る人は、「この会社の人と話したい」と思って来ています。当社が同席したり、代わりに話したりすると、その時点で「会社の人ではない」と分かり、面談の意味が薄れます。当社が最初にお伝えするのは、「面談に出る人は社内から出してください。当社は、その人が困らないように型と準備を渡します」ということです。話す人がその職種の人であることが、カジュアル面談の価値です。その人の時間を確保することが、設計の最初の一歩です。
まとめ
- カジュアル面談は選考ではなく「お互いを知る場」。「読んだとおりの人が出てきて、読んだとおりの話が聞けた」を目指す
- 選考にする、会社説明会になる、人事だけが出る、雑談で終わる、記事と違うことを言う、が失敗
- 話す人・時間・形・流れ・終わったあとの3つの選択肢を先に決める
- 流れは、自己紹介→相手の話(長く)→仕事の場面を一つ→質問(長く)→次の選択肢。会社の説明はしない
- 話す人は、プロフィールと文面と記事を読み、場面を一つ用意する。翌日までに連絡し、聞いた一行を記事に戻す
よくある質問
カジュアル面談で、合わない人だと分かったらどうしますか
その場では「お互いを知る場」として最後まで進め、選択肢を伝えます。相手も同じように判断しているので、「いったん終わる」を選ぶことが多くあります。会社側から断る必要がある場合は、翌日の連絡で丁寧に伝えます。面談の途中で態度を変えると、会社の印象が下がります。
話す人が「何を話せばいいか分からない」と言います
「最近の仕事の場面を一つ」だけ用意してもらいます。うまくいった話でなくてよく、詰まった話でよい、と伝えます。流れの型があれば、あとは相手の話を聞き、質問に答えるだけです。人事が進行と最初の質問を担えば、話す人の負担は小さくなります。
カジュアル面談の設計は、御社に相談できますか
できます。当社は、流れの型、話す人の準備の項目、面談後の連絡の型、聞いた言葉を記事に戻す型を支えられます。面談に出ること、話すこと、選択肢を伝えることは、企業が行ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、Wantedlyのスカウト運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
本記事は 2026/9/11 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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