Wantedlyのスカウトで共感を伝える書き方|「なぜ」を一文ずつ置く
Wantedlyは「共感で人が集まる」媒体と言われるので、スカウト文面にも「私たちの想いに共感してくれる方を」「ビジョンを一緒に実現しませんか」と書きたくなります。ところが、想いや理念を文面に書いても、相手には「どの会社も同じことを書いている」としか映りません。結論から言うと、スカウトで共感を伝えるとは、想いを語ることではなく、「相手がプロフィールに書いた『なぜ』を読んだ一文」と「自社の『なぜ』を判断の場面で書いた一文」を置き、その二つが重なる点を示すことです。共感は文面で起こすものではなく、相手の側で起きるもので、文面にできるのは、起きる材料を一文ずつ置くことだけです。想いの言葉は会社ページとストーリーに任せます。 この記事では、想いを書くと届かない理由、伝わる形、想いの言葉が同じになる理由、会社ページとストーリーに任せる部分、共感で誘った相手との面談、条件で誘う文面との違い、分担を整理します。共感の設計の全体は「共感」を設計する考え方で書きました。この記事は、スカウト文面に絞った話です。
この作業の目的|相手が「自分の考えと重なる」と気づく材料を置く
共感は、相手が「この会社の考え方は、自分の考えと重なる」と気づいたときに起きます。会社が「共感してください」と言っても起きません。
目的は、文面の中に、相手が気づく材料を置くことです。材料は2つで、「相手の考えを読んだ一文」と「自社の考えを場面で書いた一文」です。この2つが並んでいれば、相手は重なるかどうかを自分で判断できます。
想いを書くと、届かない理由
| 文面 | 相手からどう見えるか |
|---|---|
| 「私たちの想いに共感してくれる方を探しています」 | 想いの中身が無い。「共感して」と言われても |
| 「〇〇で世界を変える」「業界を変革する」 | 大きすぎて、日々の仕事と結びつかない |
| 「ミッション・ビジョン・バリューに共感する方」 | 会社ページに書いてあることを読まされる |
| 「熱い想いを持った仲間を」 | どの会社も書く。区別できない |
| 「私たちは〇〇を大切にしています」 | 大切にした結果、何をしたかが無い |
| 想いの段落が長い | 相手の一文が下に埋もれる |
共通するのは、「何をしたか」が無いことです。想いは、言葉で語られるより、判断の場面で伝わります。「〇〇を大切にしています」より、「〇〇のために、△△の依頼を断りました」のほうが、相手には想いが伝わります。
伝わる形|相手の「なぜ」と、自社の「なぜ」を一文ずつ
| 要素 | 書き方 |
|---|---|
| 相手の「なぜ」を読んだ一文 | プロフィールに書かれた、仕事を選ぶ理由、やりたいことの理由、大切にしていること。「『〇〇のために△△をやりたい』と書かれていたのを読んで」。本人の言葉で |
| 自社の「なぜ」を判断の場面で書いた一文 | 「うちは、〇〇のために、先月△△を断りました」「〇〇を優先して、□□の進め方を変えました」。理念ではなく、最近の判断 |
| 重なる点 | 「あなたの『〇〇のために』と、うちの判断は、同じ方向を向いていると思い」。押しつけず、「思い」で止める |
「自社の『なぜ』を判断の場面で」が要点です。会社ページに書いた理念を写すのではなく、その理念で最近何を決めたかを一文で書きます。判断の場面は、ストーリーに書いたものがあれば、そこから取ります。書き方は代表の考えを書く方法とカルチャーを伝える書き方で書きました。
相手の「なぜ」がプロフィールに書かれていない場合は、この形は使えません。無理に共感の形にせず、仕事の場面で重ねる通常の型を使います。通常の型はスカウト文面の書き方で書きました。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「Wantedlyは共感型だから、スカウトでも想いを強く書くべきだ」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとしてWantedlyのスカウトの運用を見ていますが、想いの段落が長い文面ほど、返信が来ません。相手は、想いの言葉を読み比べる材料を持っていないので、どの会社の想いも同じに見えます。返信が来る文面は、想いの言葉がほとんど無く、代わりに「先月、〇〇を断った」「△△を優先して進め方を変えた」という判断の一文があります。当社が共感を伝える文面を整えるとき、最初にやるのは、「想い」「情熱」「ビジョン」「共感」の言葉を全部消し、代表か責任者に「最近、なぜあの判断をしましたか」と聞いて、その一文を入れることです。共感は、語るものではなく、判断で見せるものです。
会社ページとストーリーに、任せる部分
文面に書かない想いは、会社ページとストーリーに任せます。
- 会社の「なぜ」の全体:会社ページの「なぜやるのか」。文面からは「詳しくは会社ページに」で誘導。書き方はミッションの書き方
- 価値観の場面:会社ページの価値観を場面で書いた部分
- 判断の場面の詳しい話:ストーリー。文面で一文だけ触れ、「この話はストーリーに書いています」と誘導
- 社員の「なぜ」:入社エントリーや社員インタビュー。「一緒に働く人」として
文面は、相手を会社ページとストーリーに連れて行くためのものです。共感が起きるのは、そこを読んだあとです。文面で全部を伝えようとすると、長くなり、読まれません。
共感で誘った相手との、面談で守ること
共感の形で誘った相手は、面談で「なぜ」の話を聞きに来ます。
- 文面に書いた判断の場面を、話せる人が出る:判断に関わった人か、その判断を自分の言葉で説明できる人
- 判断の理由を、飾らずに話す:「実は迷った」「反対もあった」まで話すと、本物と分かる
- 相手の「なぜ」を、長く聞く:「〇〇のためにと書かれていましたが、どういう経緯で」。評価ではなく興味として
- 会社の理念を、面談で改めて語らない:文面と会社ページで読んでいる。面談は、その先の話
- 重ならないと分かったら、それも正直に:「その点は、うちは違う考えかもしれません」。無理に合わせない
「重ならないと分かったら正直に」が、共感で誘った相手との面談で特に要ります。共感で来た相手に、面談で無理に合わせると、入社後にずれます。面談の型はカジュアル面談の設計で書きました。
条件で誘う文面との違い
| 条件で誘う文面 | 共感で誘う文面 | |
|---|---|---|
| 相手の何を読むか | 経験、いまの仕事 | 仕事を選ぶ理由、大切にしていること |
| 自社の何を書くか | 仕事の場面、条件(募集記事へ) | 判断の場面 |
| 重なる点 | 経験が活きる仕事 | 考えの方向 |
| 向く相手 | 転職を決めていて、仕事の中身で選ぶ人 | 転職を決めていない人、会社の考え方で選ぶ人 |
| 面談で話すこと | 仕事の中身 | 判断の理由と、相手の「なぜ」 |
どちらが良いかではなく、相手のプロフィールで決めます。「なぜ」が書かれている相手には共感の形、書かれていない相手には仕事の場面の形です。共感型と条件型の媒体の違いは共感型と条件型の媒体の違いで書きました。
避ける言葉
| 避ける言葉 | 代わりに |
|---|---|
| 想い、情熱、熱量 | 最近の判断の場面 |
| ビジョン、ミッションに共感 | 「〇〇のために、△△を決めた」 |
| 世界を変える、業界を変革 | 誰の、どんな困りごとを、どう変えるか |
| 共感してくれる方 | 相手の「なぜ」を読んだ一文 |
| 大切にしています | 大切にした結果、何をしたか |
| 仲間、家族のような | 誰と、どう決めているか |
「共感」という言葉そのものも、文面には書きません。共感は相手の側で起きるもので、会社が「共感して」と書くと、押しつけになります。
自社の「なぜ」の一文を、用意する
文面の型に入れる「自社の『なぜ』の判断の場面」は、募集ごとに一つ用意します。
- 代表か責任者に、「最近、なぜあの判断をしたか」を聞く:断ったこと、止めたこと、変えたこと、先に始めたこと
- その判断が、会社の「なぜ」とどうつながるかを一文にする:「〇〇のために、△△を断った」
- ストーリーに書いてあれば、そこから取る:無ければ、ストーリーとしても書く候補になる
- 募集の仕事と関係のある判断を選ぶ:関係の無い判断は、文面で浮く
- 型に入れる:「変えない部分」として。相手の「なぜ」を読んだ一文は、毎回書く
自社らしさを判断の型から拾う方法は自社らしさを言葉にする方法で書きました。そこで拾った判断の型が、そのまま文面の一文になります。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 自社の「なぜ」の判断の場面を一文にする | 代表か責任者(人事が聞いて書く) |
| 型に入れる | 人事 |
| プロフィールの「なぜ」を読み、一文を書く | 読んで書く人 |
| 共感の形か、仕事の場面の形かを選ぶ | 読んで書く人(プロフィールで) |
| 面談で判断の理由を話す | 判断に関わった人か、説明できる人 |
| 重ならないときに正直に伝える | 面談に出る人 |
運用代行や代理店が支えられるのは、伝わる形の型、避ける言葉のチェック、判断の場面を聞く質問、会社ページとストーリーへの誘導の整理までで、判断の場面を話すこと、相手の「なぜ」を読んで書くこと、面談は企業が行います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
自社で持つべきなのは、どこまでか。当社がWantedlyのスカウトで共感を伝える形を支えるとき、型、避ける言葉、聞く質問、誘導の整理は当社が出せます。ただし、「最近、なぜあの判断をしたか」の一文は、当社には作れません。当社が会社の理念から「らしい判断」を想像して書くと、それは当社の言葉で、面談でその判断に関わった人が話す内容とずれます。当社が最初にお願いするのは、代表か責任者に、最近の判断を一つ、理由と一緒に話してもらうことです。その一文があれば、当社は型に組み込み、会社ページやストーリーと揃えられます。無ければ、文面は「想いに共感してくれる方」に戻り、どの会社とも同じになります。共感は、当社が書くものではなく、社内の判断から出てくるものです。
まとめ
- 共感は文面で起こすものではなく、相手の側で起きるもの。文面にできるのは、材料を一文ずつ置くこと
- 材料は、相手がプロフィールに書いた「なぜ」を読んだ一文と、自社の「なぜ」を最近の判断の場面で書いた一文。重なる点は「思い」で止める
- 想い・情熱・ビジョン・共感・大切にしています、はどの会社も同じに見え、届かない。判断で見せる
- 想いの全体は会社ページとストーリーに任せ、文面からはそこへ誘導する
- 共感で誘った相手との面談は、判断に関わった人が出て、飾らず話し、重ならなければ正直に伝える。相手の「なぜ」が無ければ、仕事の場面の型を使う
よくある質問
自社の「なぜ」が、まだ判断の場面で言えるほど固まっていません
固まっていない状態で、想いの言葉を文面に書くと、面談でずれます。その場合は、共感の形を使わず、仕事の場面で重ねる通常の型を使います。「なぜ」を判断の型から拾う作業を、社内で先に行います。拾い方は自社らしさを言葉にする方法で書きました。
相手のプロフィールに、仕事を選ぶ理由が書かれていません
共感の形は使えません。「いま何をしているか」「やりたいこと」から、仕事の場面で重ねる型を使います。無理に「あなたの想いに」と書くと、読んでいないと分かります。共感は、相手が「なぜ」を書いているときにだけ、その形で伝えます。
スカウトで共感を伝える文面は、御社に相談できますか
できます。当社は、伝わる形の型、避ける言葉のチェック、判断の場面を聞く質問、会社ページとストーリーへの誘導の整理を支えられます。判断の場面を話すこと、相手の「なぜ」を読んで書くこと、面談は、企業が行ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、Wantedlyのスカウト運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
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