Wantedlyで自社らしさを言葉にする方法|判断の場面から拾う
Wantedlyの会社ページを書くとき、「自社らしさを出そう」と考えて、「アットホーム」「自由な社風」「挑戦を歓迎」と書く会社は多くあります。ところが、これらの言葉はどの会社にも書いてあり、候補者には「らしさ」として届きません。結論から言うと、自社らしさは形容詞で探すのではなく、「うちはこういうとき、こうする」という判断の型から拾います。最近の判断を集め、繰り返している型を見つけ、「他社ならこうするところを、うちはこうする」と比べ、場面で書く。この手順で出てきた言葉が、候補者に「この会社は他と違う」と読まれるらしさです。 この記事では、形容詞で探すと同じになる理由、らしさは判断に表れること、拾う手順、社員数人に聞いて揃えること、置く場所、良い面だけにしないこと、分担を整理します。価値観を場面で書く方法は価値観を場面で書く方法で書きました。この記事は、その前段の「何が自社らしさか」を見つける話です。
この作業の目的|候補者が「他と違う」と読める言葉を持つ
候補者は、複数の会社のWantedlyを読み比べます。どの会社にも「アットホーム」「成長できる」と書いてあれば、候補者はどこが違うか分かりません。
自社らしさを言葉にする目的は、「候補者が読み比べたときに、この会社は他と違う、と分かる言葉を持つ」ことです。その言葉は、面談でも使え、社員が会社を説明するときにも使えます。
形容詞で探すと、どの会社も同じになる
| 形容詞 | なぜ届かないか |
|---|---|
| アットホーム、風通しが良い | どの会社も書く。何が起きる会社か分からない |
| 自由、裁量が大きい | 何をどこまで自分で決められるかが分からない |
| 挑戦を歓迎、成長できる | 挑戦して失敗したらどうなるかが分からない |
| フラット、若手が活躍 | 意見が割れたら誰が決めるのかが分からない |
| スピード感がある | 何を、どのくらいの速さで決めるのかが分からない |
形容詞は、会社の側から見た「良いところ」の要約で、候補者の側から見ると「何が起きるか」が無い言葉です。らしさは、形容詞ではなく、「何が起きるか」に表れます。
らしさは「こういうとき、こうする」に表れる
会社のらしさは、判断の型に出ます。同じ状況で、他社と違う判断をする。それが繰り返されている。
| 状況 | 判断の型(例) |
|---|---|
| 意見が割れたとき | 責任者が決める/担当者が決める/期限まで議論して決める |
| 顧客から無理な依頼が来たとき | 受ける/断る/条件を変えて受ける |
| 新しい人が入った最初の週 | すぐ案件に入れる/しばらく見学/教える人を付ける |
| うまくいかなかったとき | 原因を個人に求める/仕組みを変える/やめる判断を早くする |
| 新しいことを始めるとき | 小さく試す/計画を作ってから/代表が決める |
| 忙しい時期 | 人を増やす/仕事を断る/全員で分ける |
どの判断が正しいかではなく、「うちはどれか」が、らしさです。「意見が割れたら、期限まで議論して、期限が来たら責任者が決める」という会社と、「担当者が決めて、責任者は口を出さない」という会社は、どちらも「フラット」と書けますが、中身は違います。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「うちには、特にらしさが無い」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとしてWantedlyの契約後の運用を見ていますが、「らしさが無い」と言う会社に「先月、意見が割れたとき、どう決めましたか」と聞くと、答えが出ます。その答えは、他社に聞くと違います。らしさが無いのではなく、らしさを形容詞で探しているので見つからないだけです。「アットホームですか」と聞かれれば、どの会社も「まあ、そうですね」と答えますが、「意見が割れたらどう決めますか」と聞かれれば、会社ごとに答えが違います。当社が自社らしさの相談を受けるとき、最初にやるのは、形容詞を全部脇に置いて、最近の判断を聞くことです。判断を並べれば、らしさは見えます。
拾う手順
- 最近の判断を集める:直近の数か月で、会社として何かを決めた場面を、代表と社員数人から聞く。「〇〇を断った」「△△を止めた」「□□を先に始めた」「新しい人に最初に任せたのは何か」
- 繰り返している型を見つける:集めた判断を並べ、似た型が無いかを見る。「断るときは、いつも△△を理由にしている」「始めるときは、いつも小さく試している」
- 「他社ならこうするところを」と比べる:型が見つかったら、「普通の会社ならどうするか」と比べる。違いがあれば、それがらしさ。違いが無ければ、らしさではない
- 場面で書く:型を形容詞にせず、「〇〇のとき、うちは△△する。先月も□□の件で、そうした」と場面で書く
- 社員に読んでもらい、「うちはそうだ」と言えるかを確かめる:言えなければ、代表だけのらしさで、会社のらしさではない
「他社ならこうするところを」の比較が、らしさを絞る作業です。他社と同じ判断は、どれだけ良い判断でも、らしさにはなりません。
社員数人に聞いて揃える
らしさは、代表1人の言葉では決まりません。
- 代表と、社員数人(違う部署、違う年次)に、同じ質問をする:「意見が割れたらどう決めますか」「無理な依頼が来たらどうしますか」
- 答えが揃っている型が、会社のらしさ:代表と社員が同じ答えなら、それは会社に根付いている
- 答えが割れている型は、まだらしさではない:代表は「担当者が決める」と言い、社員は「結局、代表が決める」と言うなら、書かない。書くと、面談でずれる
- 割れている型は、社内で揃えてから書く:らしさを作る作業は、記事の外
「揃っている型だけを書く」が、面談で信用を失わないための条件です。共感の設計と同じ考え方で、詳しくは「共感」を設計する考え方で書きました。
置く場所
拾ったらしさは、3か所に分けて置きます。
| 場所 | 置き方 |
|---|---|
| 会社ページ | 「どうやっているか」「価値観」の部分に、判断の型を場面で。2つか3つに絞る |
| 募集記事 | 「どうやって働くか」「一緒に働く人」の部分に、その職種に関わる型を1つ。書き方は「どうやって」の書き方 |
| ストーリー | 判断の型が実際に出た場面を、1本に1つ。「先月の〇〇で、こう決めた」。書き方はカルチャーを伝える書き方 |
会社ページに全部を書かず、絞ります。らしさは、数が多いほど薄まります。2つか3つの判断の型が、会社ページに場面で書かれていて、ストーリーでその型が繰り返し出てくる。この状態が、候補者に「この会社はこういう会社だ」と読まれる状態です。
良い面だけにしない
判断の型には、良い面と、合わない人がいる面があります。両方を書きます。
- 「小さく試して、だめなら早く止める」:良い面は、失敗しても次に行ける。合わない人は、じっくり作りたい人
- 「担当者が決める」:良い面は、自分で決められる。合わない人は、決めてほしい人
- 「無理な依頼は断る」:良い面は、無理をしない。合わない人は、何でも受けて伸ばしたい人
「合わない人がいる」と書くことが、らしさを信用させます。良い面だけの型は、形容詞と同じで、どの会社にも書けます。「こういう人には合わない」まで書いた記事は、合う人にだけ届きます。募集記事の「こんな人」の書き方は「こんな人」の書き方で書きました。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 最近の判断を集める | 人事(代表と社員数人に聞く) |
| 型を見つけ、他社と比べる | 人事と代表 |
| 社員に「うちはそうだ」と言えるかを確かめる | 人事 |
| 場面で書く | 人事 |
| 会社ページ・募集記事・ストーリーに置く | 人事 |
| 面談で、らしさの言葉で話す | 面談に出る人 |
| 半年に一度、型が変わっていないかを見る | 人事 |
運用代行や代理店が支えられるのは、聞く質問の型、判断を並べて型を見つける整理、他社との比較の観点、場面で書く作業、置く場所の設計までで、判断を話すこと、社員が「うちはそうだ」と言えるかの確認、面談でその言葉で話すことは企業が行います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
自社で持つべきなのは、どこまでか。当社がWantedlyの自社らしさの言語化を支えるとき、聞く質問、判断を並べる整理、他社との比較、場面で書く作業は当社が出せます。当社は3媒体の販売パートナーとして多くの会社の判断の型を見ているので、「他社ならこうする」の比較は、社内で考えるより当社のほうが早く出せます。ただし、「代表と社員が同じ答えを言えるか」は、当社には作れません。当社が言葉を整えても、面談で社員が違うことを言えば、候補者には別の会社に見えます。当社が最初にお願いするのは、代表と社員数人に同じ質問をして、答えが揃っている型と割れている型を分けることです。揃っている型は当社が書けます。割れている型は、先に社内で揃えるのが順番で、当社はその質問を渡すところまでを支えます。
まとめ
- 自社らしさは形容詞(アットホーム・自由・挑戦)で探すと、どの会社も同じになる
- らしさは「こういうとき、こうする」という判断の型に表れる。何が起きる会社かで書く
- 最近の判断を集め、繰り返している型を見つけ、「他社ならこうするところを」と比べ、場面で書く
- 代表と社員数人に同じ質問をし、答えが揃っている型だけを書く。割れている型は社内で揃えてから
- 会社ページに2つか3つ、募集記事に1つ、ストーリーで場面として繰り返す。合わない人がいる面も書く
よくある質問
代表が「うちのらしさは〇〇だ」と言いますが、社員はそう思っていません
代表の言葉は、代表のらしさで、まだ会社のらしさではありません。書くと、面談で社員が違うことを言い、候補者が混乱します。代表と社員に同じ質問をして、答えが揃っている判断の型から書きます。代表の言葉は、社内で揃ってから書きます。
判断の型を書くと、合わない人が来なくなりませんか
来なくなるのは、合わない人だけです。合わない人が面談まで来て辞退するより、記事の段階で「自分には合わない」と分かるほうが、双方の時間が減ります。合う人には、「この会社はこういう会社だ」と読まれ、話を聞きに来る理由になります。
自社らしさの言語化は、御社に相談できますか
できます。当社は、聞く質問の型、判断を並べて型を見つける整理、他社との比較の観点、場面で書く作業、置く場所の設計を支えられます。判断を話すことと、社員が「うちはそうだ」と言えるかの確認は、企業が行ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、Wantedlyの記事の整備を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
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