Wantedlyで募集記事を複数パターン作る理由|誰に向けた入口かで分ける
「同じ職種の募集記事を、いくつも作る意味があるのか」という質問を受けます。1本を磨けば足りる、と考える会社は多いものです。結論から言うと、募集記事は「誰に向けた入口か」で分けるもので、候補者の状態が違えば、同じ職種でも別の入口が要ります。新卒と中途、経験者と未経験、業界志望と未定、事業に関心がある人と技術や人に関心がある人。1本に全部を詰めると、誰にも刺さらない募集記事になります。 ただし、数だけ増やして同じ内容をコピーするのは逆効果です。共通部分と変える部分を分け、管理できる数に抑えます。この記事では、複数パターンが要る理由、分け方の軸、共通部分と変える部分、数の上限、会社ページとの関係、やりがちな失敗、分担を整理します。募集記事の基本は募集記事の基本構成で書きました。
この作業の目的|候補者ごとに「自分宛の入口」を用意する
Wantedlyの候補者は、募集記事を一覧で見て、タイトルと写真で「自分に関係があるか」を判断して開きます。この判断は、候補者の状態で変わります。
同じ営業職の募集でも、経験者は「自分の経験がどう活きるか」を、未経験者は「未経験でも最初に何をするか」を、業界未定の学生は「何の仕事か」を見ています。1本の募集記事で3つ全部に答えようとすると、タイトルは職種名だけになり、本文は長くなり、どの候補者にも「自分宛」に見えません。
複数パターンを作る目的は、候補者の状態ごとに「自分宛の入口」を用意することです。OfferBoxで「文面の冒頭は学生ごとに変える」と書いたのと同じ考え方を、募集記事では「入口ごとに分ける」形で行います。個別化の考え方はオファーを学生ごとに変える範囲で書きました。
手順1|分ける軸
募集記事を分ける軸は、候補者の状態です。自社の募集に当てはまる軸を選びます。
| 軸 | 分け方 | タイトルと「こんなことやります」がどう変わるか |
|---|---|---|
| 新卒か中途か | 学生向けと経験者向け | 学生向けは研修と教える人、経験者向けは最初の案件と任される範囲。書き分けは「こんなことやります」の書き方 |
| 経験者か未経験か | 同じ職種で、経験の有無 | 経験者向けは「経験がどう活きるか」、未経験向けは「最初に何をするか」 |
| 業界志望か未定か | 業界を知っている人と、仕事内容で選ぶ人 | 業界志望向けは業界の言葉も可、未定向けは仕事の中身から |
| 関心の切り口 | 事業に関心、技術に関心、人に関心 | 事業向けは「なぜ」を厚く、技術向けは「どうやって」を厚く、人向けは「誰と」を厚く |
| 募集の理由 | 立ち上げ、拡大、欠員 | 「なぜやるのか」の理由が違う。書き方は「なぜやるのか」の書き方 |
| 働き方 | 出社中心か、在宅中心か、勤務地 | 「どうやっているのか」の実態が違う |
全部の軸で分ける必要はありません。自社の候補者が、どの軸で最も違うかを1つか2つ選びます。営業職で「経験者と未経験」が最も違うなら、その2本から始めます。
手順2|共通部分と変える部分を3層にする
複数パターンを作るとき、全部を一から書くと時間がかかり、管理もできません。OfferBoxのテンプレートと同じく、3層に分けます。
| 層 | 内容 | パターンごとに変えるか |
|---|---|---|
| 共通部分 | 「なにをやっているのか」の事業の一言、条件、締め | 変えない |
| 軸ごとに変える部分 | 「なぜやるのか」の理由、「どうやっているのか」の厚さ、「求める動き方」 | 軸ごとに変える |
| パターンごとに変える部分 | タイトル、カバー写真、冒頭、「こんなことやります」の最初の数ヶ月 | パターンごとに変える |
「パターンごとに変える部分」が、入口の違いを作る部分です。タイトルと写真と最初の数ヶ月が違えば、候補者には別の募集記事に見えます。共通部分が同じでも、問題ありません。タイトルの付け方は募集タイトルの付け方、写真はカバー写真の選び方で書きました。
3層にしておくと、条件や事業の一言が変わったときに、共通部分を1か所直せば全パターンに反映できます。パターンごとに全文を持つと、直し漏れが出ます。テンプレートの3層の考え方はオファー文面テンプレートを作るときの注意で書きました。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「募集記事は1本を磨き込めば、それで足りる」というものです。実際には、1本に経験者向けと未経験向けの両方を書くと、タイトルは「営業」になり、本文には「経験を活かせます」と「未経験でも大丈夫です」が並び、どちらの候補者も「自分宛ではない」と感じます。当社は3媒体すべての販売パートナーとしてWantedlyの契約後の運用を見ていますが、話を聞きに来る候補者が増えた会社の多くは、1本を磨くのをやめて、「誰に向けた入口か」で2本か3本に分けた会社です。分けると、それぞれのタイトルが具体的になり、「こんなことやります」の最初の数ヶ月が候補者の状態に合い、一覧で「自分の募集」が目に入ります。1本を磨く時間があるなら、その時間で2本に分ける。それが、募集記事で最初に検討することです。
手順3|数の上限
パターンは、多ければよいわけではありません。上限を決めます。
- 管理できる数:更新のたびに全パターンを見直せる数。3層にしても、パターンごとに変える部分は手で直す
- 古くならない数:出したまま放置されるパターンが出るなら、多すぎる。募集の状況で「なぜ」や「最初の数ヶ月」を直せる数に
- 候補者が迷わない数:同じ職種で似た募集記事が多いと、候補者はどれを開けばよいか迷う。軸が明確に違うものだけ
- 目安:同じ職種で2本か3本から。軸を1つか2つに絞れば、自然にこの数になる
- 効いていないパターンは閉じる:話を聞きに来た数を月で見て、来ないパターンは閉じるか、軸を変える
「増やす」より「分ける」です。数を増やすことが目的になると、同じ内容のコピーが並びます。
手順4|会社ページとの関係
複数パターンを作っても、会社ページは1つです。パターンごとに会社ページを変えることはできません。
- 会社の「なぜ」とメンバーの紹介は、会社ページに集約する:全パターンから会社ページに誘導する。会社ページの書き方は会社ページで最初に書くこと
- パターンごとに「誰と」で挙げる人を変える:経験者向けは責任者、未経験向けは年の近い若手。会社ページのメンバー紹介に両方を載せておく
- ストーリーを、パターンごとに参照する:経験者向けは経験者の入社の話、未経験向けは未経験で入った人の話。書いてあれば参照する
- 会社ページのバリューの実例を、パターンごとに「求める動き方」につなげる:同じバリューでも、経験者と未経験者で要る場面が違う
会社ページが「誰にでも読める入口」で、募集記事が「特定の候補者向けの入口」です。会社ページに軸ごとの材料(メンバー、ストーリー)が揃っていると、募集記事のパターンを増やしやすくなります。
手順5|パターンを作る順番
複数パターンを、次の順で作ります。
- まず1本、最も多い候補者向けに書く:これが基本形。3層に分けておく
- 候補者の状態が最も違う軸を1つ選ぶ:経験者と未経験、新卒と中途、など
- 2本目を、その軸の反対側に向けて書く:パターンごとに変える部分(タイトル、写真、冒頭、最初の数ヶ月)と、軸ごとに変える部分を書き換える。共通部分はそのまま
- 2本を出して、月の「話を聞きに来た数」を見る:どちらの入口から来るかで、候補者の状態が分かる
- 効いた軸で3本目を検討する。効かなければ軸を変える
- 数ヶ月に一度、全パターンの「なぜ」と「最初の数ヶ月」を見直す
「まず1本」を飛ばして最初から複数を作ると、基本形が無いまま分かれ、共通部分がばらつきます。1本を3層で作り、そこから分ける順番にします。
やりがちな失敗
| 失敗 | 何が起きるか | 直し方 |
|---|---|---|
| 1本に全部を詰める | 誰にも自分宛に見えない | 誰に向けた入口かで分ける |
| 同じ内容をコピーして数だけ増やす | 候補者が迷い、管理できない | 軸が違うものだけ。3層で管理 |
| 全パターンを一から書く | 時間がかかり、共通部分がばらつく | 1本を3層で作り、そこから分ける |
| 軸を多く取りすぎる | パターンが増えすぎて古くなる | 軸は1つか2つ |
| タイトルと写真が全パターン同じ | 入口が分かれていない | パターンごとに変える |
| 会社ページを1パターン向けに書く | 他のパターンの候補者が会社ページで離れる | 会社ページは誰にでも読める形に |
| 効かないパターンを残す | 一覧に古い募集が並ぶ | 月で見て閉じる |
| 条件や事業の変更を一部のパターンにだけ反映 | パターン間で矛盾 | 共通部分を1か所で直す |
最も多いのは、「同じ内容をコピーして数だけ増やす」です。「複数作るとよい」と聞いて、軸を決めずに増やすと、こうなります。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 分ける軸を決める | 人事(候補者の状態から) |
| 基本形を3層で作る | 人事(配属先に聞いて) |
| パターンごとに変える部分を書く | 人事(配属先に、その候補者向けの「最初の数ヶ月」を聞く) |
| 会社ページに軸ごとの材料を揃える | 人事 |
| 月の「話を聞きに来た数」を見る | 人事 |
| 共通部分の変更を全パターンに反映する | 人事 |
| 配属先が各パターンを確認する | 配属先の責任者 |
配属先の責任者の時間は、「パターンごとの最初の数ヶ月を話す」と「確認する」です。運用代行や代理店が支えられるのは、軸の整理、3層の型、パターンごとの書き換えの整理までで、候補者ごとの「最初の数ヶ月」は配属先にしか出せません。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
自社で持つべきなのは、どこまでか。当社がWantedlyの募集記事の複数パターン化を支えるとき、分ける軸の候補、3層の型、パターンごとに書き換える部分の整理は当社が出せます。ただし、「経験者が入ったら最初の3ヶ月に何をするか」と「未経験者が入ったら最初の3ヶ月に何をするか」は、配属先にしか答えられず、この2つが違うから2本に分ける意味があります。当社が募集記事を分けるとき、最初に配属先に聞くのは「経験者と未経験者で、最初の3ヶ月は変わりますか」です。変わるなら分ける、変わらないなら分けない。軸を決めるのは、候補者の状態の違いではなく、その違いで「最初の数ヶ月」が変わるかどうかです。変わらない軸で分けると、同じ内容のコピーになります。
まとめ
- 募集記事は「誰に向けた入口か」で分ける。1本に全部を詰めると誰にも自分宛に見えない
- 分ける軸は、新卒か中途か、経験者か未経験か、業界志望か未定か、関心の切り口、募集の理由、働き方。自社で最も違う軸を1つか2つ
- 共通部分・軸ごとに変える部分・パターンごとに変える部分の3層で管理する。タイトル・写真・冒頭・最初の数ヶ月がパターンごとに変わる
- 数は同じ職種で2本か3本から。同じ内容のコピーで増やさない。効かないパターンは閉じる
- まず1本を3層で作り、そこから分ける。軸を決める基準は「その違いで最初の数ヶ月が変わるか」
よくある質問
同じ職種で2本出すと、候補者に「同じ会社が2つ出している」と思われませんか
軸が明確に違えば(経験者向けと未経験向け、新卒向けと中途向け)、候補者は「自分に近いほう」を開き、もう1本は自分向けではないと分かります。問題になるのは、軸が曖昧で内容が似ているときです。タイトルと最初の数ヶ月が違えば、別の入口として機能します。
何本まで作ってよいですか
管理できる数、古くならない数、候補者が迷わない数、で決まります。目安は同じ職種で2本か3本からです。軸を1つか2つに絞れば、自然にこの数になります。月の「話を聞きに来た数」で効いていないパターンは閉じます。
募集記事の複数パターン化は、御社に相談できますか
できます。当社は、分ける軸の整理、3層の型、パターンごとに書き換える部分の整理を支えられます。候補者の状態ごとの「最初の数ヶ月」は、配属先に出していただきます。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、Wantedlyの募集記事の整備を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
本記事は 2026/9/11 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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