Greenの求人タイトルの付け方|一覧で開かれる一行を作る
求人票の中身を丁寧に書いても、一覧で開かれなければ読まれません。Greenのような求人サイトでは、候補者は検索結果や一覧に並んだ求人のタイトルを流し読みし、気になったものだけを開きます。タイトルの役割は、会社を説明することではなく「自分に関係がありそうだ」と思わせて開いてもらうことです。 この記事では、Green(株式会社アトラエが運営する、IT・Web業界を中心とした中途採用の求人サイト)で、一覧の中から開かれる一行を作る考え方と手順を整理します。表示される文字数や並び方は媒体の仕様で変わることがあるため、ここでは数字ではなく組み立て方に絞ります。
タイトルで決まるのは「開くかどうか」だけ
最初に役割を絞っておくと、タイトルに何を入れるかで迷わなくなります。タイトルで応募を決める人はいません。候補者はタイトルを見て「開く」か「飛ばす」かだけを決めます。
そのため、タイトルに求められるのは次の2つです。
- 自分の職種の求人だと一目で分かること:バックエンドなのか、インフラなのか、PMなのか
- ほかの求人と違う点が一つだけ見えること:何を作るのか、どんな立場なのか、どんな状況なのか
会社の理念や福利厚生を詰め込むと、この2つが埋もれます。言いたいことが多い会社ほど、タイトルは削る作業になります。
一行を組み立てる3つの要素
開かれるタイトルは、おおむね次の3つの要素でできています。
- 職種名:候補者が自分を呼ぶときの言葉で書く。社内の呼び方(「開発二課メンバー」など)は使わない
- 仕事の中身:何を作る・直すのか。「決済基盤の」「自社SaaSの」「社内向け管理画面の」のように対象を入れる
- 特徴:その求人ならではの一点。「テックリード候補」「立ち上げ期」「リプレイス担当」など
並べ方の例を挙げます。
- 弱い例:「エンジニア募集!成長企業で一緒に働きませんか」
- 直した例:「バックエンドエンジニア|自社SaaSの決済基盤をリプレイスする担当」
直した例は、職種、作るもの、立場がそろっていて、該当する人が自分のことだと気づけます。「成長企業」「一緒に働きませんか」は、どの求人にも書けるため一覧の中で差になりません。
避けたい言葉と、その置き換え
タイトルに入れがちだが、一覧では効きにくい言葉があります。
- 「急募」「大募集」:急いでいることは候補者にとっての判断材料になりにくい。代わりに「なぜいま必要か」を一語で入れる(例:「新規事業の一人目」)
- 「未経験歓迎」をIT経験者向けの求人に付ける:経験者が「自分向けではない」と判断して飛ばすことがある
- 「アットホーム」「風通しのよい」:どの会社も書けるため差にならない。本文で具体的に書く
- 技術名の羅列:「Go/Kubernetes/AWS/React/TypeScript」と並べると、何をする仕事か分からなくなる。代表的な一つか二つに絞る
- 社名の繰り返し:一覧には社名が別に表示されることが多い。タイトルの中で社名を繰り返す必要は通常ない
置き換えのコツは、「その言葉は他社の求人にも書けるか」と自問することです。書けるなら、自社だけが書ける言葉に置き換えます。
エージェントベストの見解
相談でよくある思い込みは、「タイトルに年収やリモート可を入れれば開かれる」というものです。条件を入れると、確かに開かれる回数は増えることがあります。ただ、条件だけで開いた人は、本文を読んで仕事の中身が合わないと分かると、そのまま閉じます。結果として、開かれる回数は増えたのに応募は増えない、という状態になります。当社が運用代行の中でタイトルを直すときは、条件よりも「何を作るか」を先に入れることを基本にしています。条件は本文の後半で十分に伝わるからです。例外は、同じ職種の求人が一覧に多数並び、仕事の中身では差がつきにくいときです。その場合に限って、自社が本当に強い条件を一つだけ添えます。強くない条件を並べると、かえって比較される材料を増やすだけになります。
複数案を作って試す手順
タイトルは一度で正解を当てるものではありません。次の手順で、複数案を順に試すのが現実的です。
- 3案を作る:「作るもの重視」「立場重視」「状況重視」の3方向で一案ずつ
- 社内の現場エンジニアに見せる:「自分が転職するとしたら、どれを開くか」と聞く。理由も一言もらう
- 一案で公開し、一定期間の動きを記録する:開かれた数や応募の数を、媒体の管理画面で確認できる範囲で控える
- 入れ替えて比べる:同じ期間の長さで別案に替え、動きを比べる
- よかった方向を残し、言葉を磨く:方向が決まったら、言い回しを細かく直す
比べるときは、季節や他の求人の更新など、タイトル以外の条件もメモしておきます。タイトルの差なのか、時期の差なのかを後で切り分けやすくなります。
社内での決め方
タイトルは短いぶん、社内で意見が割れやすい場所です。役員は会社らしさを入れたがり、現場は技術名を入れたがり、人事は条件を入れたがる。全員の希望を入れると、何の求人か分からない一行になります。
決め方の目安は次のとおりです。
- 決める人を一人にする:採用の責任者か、その職種の採用を担当する人事
- 判断の基準を先に共有する:「その職種の候補者が、一覧で自分のことだと気づけるか」を唯一の基準にする
- 入らなかった要素の行き先を決める:会社らしさは本文の冒頭近く、技術名は技術欄、条件は条件欄へ
エージェントベストの見解
タイトルの相談を受けたとき、当社は先に「この求人で、いちばん来てほしい人は誰か」を一人に絞ってもらいます。たとえば「SIerで決済系の開発を5年ほどやってきて、自社サービスに移りたい人」のように、経歴まで具体的に描きます。そのうえで、その人が転職サイトで自分の職種を検索したとき、どんな言葉に目が止まるかを考えます。対象が一人に絞れていないタイトルは、誰にでも当てはまるように書かれ、結果として誰の目にも止まりません。中途採用の紹介でも同じで、紹介会社に「どんな人を」と伝えるときに一人の像を描ける会社ほど、話が早く進みます。タイトルを考える前に、その一人を描く作業を挟んでください。
タイトルと合わせて、本文の並べ方はWantedlyとGreenの違いでも触れた「条件で応募を集める型」の考え方が下敷きになります。スカウトの件名の考え方はスカウトの件名の付け方が近いです。
まとめ
- タイトルで決まるのは「開くかどうか」だけ。応募の判断は本文で行われる
- 職種名・仕事の中身・特徴の3要素で一行を組み立てる
- 「急募」「アットホーム」など、他社にも書ける言葉は差にならない
- 3方向の案を作り、期間を区切って入れ替えながら比べる
- 社内で決める人を一人にし、入らなかった要素は本文の各欄に回す
よくある質問
タイトルに年収を入れたほうがよいですか
開かれる回数が増えることはありますが、仕事の中身が伝わらないと応募にはつながりにくいです。まずは作るものと立場を入れ、同じ職種の求人の中で差がつきにくい場合に、自社が本当に強い条件を一つだけ添える形をおすすめします。
タイトルはどのくらいの頻度で変えるべきですか
変えること自体が目的ではありません。一定期間公開して動きを記録し、別案と比べられるだけの期間を置いてから入れ替えてください。短い間隔で頻繁に変えると、何が効いたのか分からなくなります。
同じ職種で複数の求人を出すとき、タイトルはどう分けますか
職種名は同じでも、作るものや立場が違えば、その違いをタイトルの「仕事の中身」と「特徴」に入れて分けます。候補者が一覧で並べて見たときに、どちらが自分向けか判断できる状態を目指してください。
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