Greenの求人票で年収をどう書くか|幅の持たせ方と注意点
求人票の年収の欄は、候補者がもっともよく見る欄の一つです。ところが、書き方に迷った結果、幅を大きく広げたり、「経験・能力を考慮して決定」とだけ書いたりする会社が少なくありません。年収の幅は、広げれば応募が増えるものではなく、候補者に「自分ならどのあたりか」を想像してもらうための情報です。 この記事では、Green(株式会社アトラエが運営する、IT・Web業界を中心とした中途採用の求人サイト)の求人票で、年収の幅をどう決め、どう書くかを整理します。年収の入力の形式は媒体の仕様によるため、管理画面で確認してください。また、労働条件の明示については法令上の定めがあるため、判断に迷う場合は社会保険労務士などの専門家に確認してください。
幅が広すぎる・狭すぎるときに起きること
年収の幅の書き方で、よく起きる問題は次の2つです。
幅が広すぎる場合
- 候補者は、上限の金額を期待して応募する
- 面接の後の提示が下限に近いと、「求人票と違う」と感じる
- 幅が広い理由が分からず、「給与の基準が決まっていない会社」と受け取られる
幅が狭すぎる場合
- 経験の多い候補者が、上限を見て応募を見送る
- 経験の浅い候補者は、下限を見て「自分には高すぎる」と感じ、応募をためらう
- 面接で評価が高かった人に、幅の外の金額を提示しにくくなる
どちらの場合も、幅そのものより「なぜその幅なのか」が伝わっていないことが問題です。
幅を決める手順
年収の幅は、求人票を書く前に、社内の給与の考え方から決めます。
- 入社後の役割を決める:メンバーとして入るのか、リーダーとして入るのか。役割が複数ありうるなら、それぞれ
- 社内の同じ役割の人の給与を確かめる:既存の社員との釣り合いを崩さない範囲を確かめる
- 下限を決める:求人の必須の経験をちょうど満たす人に、提示する金額
- 上限を決める:歓迎の経験まで満たし、入社後すぐに役割を広げられる人に、提示できる金額
- 幅の中の位置を決める基準を言葉にする:どんな経験があれば、幅の中のどのあたりになるか
5つ目が大事です。幅の中の位置を決める基準が言葉になっていれば、求人票にもその考え方を書けますし、面接の後の提示にも根拠を持たせられます。
幅の中の位置を伝える書き方
幅を書くだけでなく、どんな人がどのあたりになるかを添えると、候補者は自分を当てはめて考えられます。
書き方の例(金額は入れずに構成だけ示します):
- 年収:下限〜上限
- メンバーとして入社される場合は、幅の下側から中ほどを想定しています
- 設計からリリースまでを一人で進めた経験がある方は、幅の中ほどから上側を想定しています
- チームのリードの経験がある方は、上側を想定しています
- 金額は、選考を通じてお聞きしたご経験をもとに決定します
このように書くと、候補者は自分の経験と照らし合わせて、どのあたりの金額になりそうかを考えられます。面接の後の提示も、求人票に書いた考え方に沿って説明できます。
エージェントベストの見解
年収の書き方の相談で、当社がよく耳にする思い込みは「上限を高く書けば、経験の多い人が応募してくる」というものです。実際には、上限だけを高くしても、幅の中の位置を決める基準が書かれていなければ、経験の多い人ほど「自分はどこに当てはまるのか」が分からず、慎重になります。また、上限に届く人がほとんどいない幅を書くと、面接で上限を期待していた人に下側の金額を提示することになり、内定後の辞退につながります。当社は人材紹介も行っていて、紹介の場合は推薦の前に「この方ならこのくらい」という目安を企業と確認します。媒体の求人票では、それを文章で伝える必要があります。上限を上げることより、位置を決める基準を書くことを先に考えてください。
給与以外の条件の書き方
年収と一緒に、候補者が判断に使う条件があります。年収の欄と合わせて、次のことを書いておくと、応募後の誤解が減ります。
- 給与の内訳:固定の給与と、変動する部分(賞与など)の考え方
- 評価と昇給の仕組み:どのくらいの周期で、どんな基準で評価されるか
- 残業の扱い:みなしの残業代を含むかどうかなど、給与の計算の考え方
- 働き方:リモートの可否、勤務時間の考え方
- 試用期間:あるかどうか、その間の条件が変わるかどうか
とくに、給与に一定の残業代を含む形にしている場合は、その旨を分かりやすく書く必要があります。書き方に迷ったら、社会保険労務士などの専門家に確認してください。
幅を決めた後は、実際に提示した金額を記録しておきます。どんな経験の人に、幅のどのあたりを提示したか、その人が承諾したか辞退したか。この記録がたまると、求人票に書いた幅や位置を決める基準が、実態と合っているかを確かめられます。提示の多くが幅の上側に偏っているなら、幅そのものを見直す時期かもしれません。
承諾や辞退の理由に年収が関わっていた場合は、その内容も一言残しておきます。他社の提示との差だったのか、今後の昇給の見通しが伝わらなかったのか。理由によって、直すべきなのが金額なのか、説明の仕方なのかが変わります。
注意点
- 提示できない金額を書かない:上限は、実際に提示する可能性のある金額にする
- 既存社員との釣り合いを確かめる:求人票の金額は社内の人も見ることがある。既存社員の給与との釣り合いを崩すと、社内に影響が出る
- 「経験・能力を考慮」だけで済ませない:考慮の仕方が分からないと、候補者は判断できない
- 条件が変わったらすぐ直す:給与の考え方が変わったら、その月のうちに求人票を直す
社内の分担
- 経営・採用の責任者:給与の幅と、位置を決める基準を決める
- 人事:求人票への書き方を整え、既存社員との釣り合いを確かめる
- 面接官:面接で確かめた経験が、幅のどのあたりに当たるかを伝える
エージェントベストの見解
年収の欄をどう書くかは、求人票の中でもっとも外に出しにくい部分です。当社のGreen運用代行では求人票の作成を引き受けていますが、年収の幅と位置を決める基準は、企業に決めていただいています。外の担当者は、決まった基準を候補者に伝わる言葉に整えることはできますが、給与の考え方そのものは社内の評価制度と結びついているからです。進め方の順番としては、まず社内で「下限・上限・位置を決める基準」の3つを決め、それを求人票に書き、面接の後の提示でも同じ基準で説明する。この3か所で同じ説明ができると、候補者は求人票を読んだときと提示を受けたときで印象がずれず、内定後の迷いが小さくなります。
提示の場面での話し方はGreen経由の内定者とのオファー面談で、求人票全体の並べ方はGreenの求人票の書き方で整理しています。
まとめ
- 年収の幅は、候補者に「自分ならどのあたりか」を想像してもらうための情報
- 役割と社内の給与から、下限・上限・幅の中の位置を決める基準を決める
- 求人票には、どんな経験ならどのあたりかを添えて書く
- 給与の内訳、評価、残業の扱い、働き方、試用期間も合わせて書く
- 求人票・面接・提示の3か所で、同じ基準で説明できるようにする
よくある質問
年収の幅はどのくらいが適切ですか
一律の目安はありません。入社後の役割の数と、社内の給与の考え方から決めてください。役割が一つなら幅は狭めに、メンバーからリーダーまで想定するなら広めになります。広くする場合ほど、位置を決める基準を添えてください。
年収を書かずに「面談で相談」としてもよいですか
候補者は年収を判断材料にすることが多いため、書かないと応募をためらう人が増える傾向があります。また、労働条件の明示には法令上の定めがあります。書き方に迷う場合は、社会保険労務士などの専門家に確認してください。
求人票の上限を超える金額を提示してもよいですか
評価が高い場合に、上限を超えて提示することはありえます。ただ、頻繁に起きるなら、幅の設定そのものが実態と合っていない可能性があります。提示の実績を記録し、幅を見直す材料にしてください。
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