内定承諾の期限の考え方|出す前に聞くことと置き方
内定承諾の期限をどう置くか。ところが、他社の締切より前に短く切って承諾を取ろうとし、電話の一言で「〇日までに」と先に告げ、延長を求められても認めず、期限の直前に「決めましたか」と連絡し、期限を過ぎた学生を辞退として記録して、学生から「急がされた」と読まれ、承諾は取れても入社前に辞退される。結論から言うと、期限は「学生を急がせる道具」ではなく「会社が採用の計画を立てるための目安」で、一方的に短く切らず、出す前に他社の結果が出る時期を聞いて、その先に置きます。期限は書面に書き、電話の一言では言わず、「事情があれば相談を」を添え、延長の申し出には理由を聞いて応じます。期限の直前に「決めましたか」と迫るのではなく、前半に材料を渡します。期限を過ぎた学生は「辞退」ではなく「期限切れ」として分けて記録し、一度だけ「まだ決めかねていますか」と聞きます。期限を短くして承諾率を上げようとすると、承諾後の辞退と体験談で返ってきます。 内定の出し方は内定の出し方と伝え方、承諾率の見方は内定承諾率の見方で書きました。この記事は、期限の置き方と、期限の前後の接点を書きます。
この作業の目的|期限を、「急がせる道具」から「計画の目安」に戻す
会社が期限を置くのは、採用の計画(何人採るか、承諾が出なければ次に誰に出すか)を立てるためです。それ自体は当然ですが、期限が「学生を急がせる道具」に変わると、承諾はその場で取れても、「押されて決めた」と後で気付いて辞退し、次の年の学生に「急がされる会社」と読まれます。
目的は、期限を無くすことではなく、期限を学生の状況に合わせて置き、期限の前後の接点を「迫る」から「材料を渡す」に変えることです。
期限で、起きる失敗
| 失敗 | 何が起きるか |
|---|---|
| 一方的に短く切る | 「急がされた」と読まれ、承諾しても入社前に辞退。体験談に書かれる |
| 電話の一言で、先に期限を告げる | 内定の喜びより先に「早く決めろ」が届く |
| 延長を認めない | 学生は「事情を聞かない会社」と読み、期限までに辞退する |
| 期限の直前に「決めましたか」と迫る | 材料を渡さず答えだけを求める。最も辞退が出る連絡 |
| 期限切れを辞退に混ぜる | 期限の設計の問題と、選考の問題が混ざり、直す場所が分からない |
| 他社の締切より前に置いて勝とうとする | 他社と比べる前に承諾させようとする形。学生は比べられない会社を「比べたら負ける会社」と読む |
共通するのは、期限で承諾率を上げようとしていることです。期限は承諾率を上げる道具ではなく、上げようとすると承諾後の辞退で返ってきます。
出す前に、聞く
- 「他社の結果はいつ頃出ますか」:期限を置く材料。一度だけ、押さずに。内定後の他社応募をどう考えるか
- 「決めるまでに、何が分かれば決められますか」:期限の前半に渡す材料が決まる。内定の出し方と伝え方
- 「卒業研究や生活で、決めにくい時期はありますか」:期限がその時期に重ならないように
- 聞いた内容を、期限に反映する:聞いておいて反映しないと、「聞いただけ」と読まれる
聞く前に期限を決めると、学生の状況と合わず、延長の申し出が増えます。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「期限を短くすれば、他社と比べる前に承諾が取れて、承諾率が上がる」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、承諾率の台帳を見ていますが、期限を短くした会社は、その年の承諾率は上がっても、承諾後の辞退が増え、翌年にワンキャリアの体験談やSNSで「急がされた」と書かれ、次の年の母集団が減ります。学生は、期限で急がされた会社を、「比べられたら負けると思っている会社」と読みます。承諾率の分母と分子を分けて見ると、短い期限で上がるのは「承諾」の数で、「入社」の数は上がりません。当社が最初にお願いするのは、期限で承諾率を上げるのをやめ、期限を「他社の結果が出る時期の先」に置き、その分の期間を「材料を渡す期間」として使うことです。長い期限に材料が渡された学生は、比べた上で承諾し、承諾後に辞退しません。期限の長さで承諾率を動かすのではなく、期限の中で何を渡すかで、入社の数を動かします。
期限の、置き方
| 決めること | 中身 |
|---|---|
| いつに置くか | 出す前に聞いた「他社の結果が出る時期」の先。会社の計画(次に誰に出すか)と合わせて。時期に関わることは、年度の公表内容と自社の方針で確認する |
| どこに書くか | 書面に。電話の一言では言わない。内定連絡の文面 |
| どう書くか | 「〇月〇日までにお返事をいただけると助かります。ご事情があれば相談してください」。「までに厳守」と書かない |
| 誰が持つか | 人事。面接官や現場の都合で変えない。延長の判断も人事 |
| 内定者ごとに変えるか | 聞いた状況に合わせて変えてよい。ただし、「うちに決めるなら」で変えない |
| 期限切れの扱い | 辞退と分けて記録し、一度だけ聞く |
期限は、学生に「いつまでに決めればよいか」を示すもので、「いつまでに決めないと取り消す」を示すものではありません。
延長の申し出への、対応
- 理由を聞いて、応じる:「他社の結果が延びた」「家族と相談したい」「もう一度話を聞きたい」。応じない理由は、会社の計画の側にしか無い
- 応じるときは、延ばした期限をもう一度書面で:口頭で「いいですよ」で終えると、新しい期限が曖昧になる
- 延長の間に、材料を渡す:延ばすだけで接点が無いと、延ばした意味が無い。「もう一度話を聞きたい」なら、話す相手との場を置く
- 応じられないときは、理由を伝える:「次の内定者への連絡の都合で、〇日までに」と、会社の側の事情として伝える。学生の側を責めない
- 延長の回数を、制限しない:二度目の申し出も、理由を聞いて応じる。回数で切ると、「事情を聞かない会社」に戻る
延長の申し出は、学生が「この会社には相談できる」と感じている証拠で、辞退の兆しではありません。
期限の前半と、直前の接点
- 前半に、材料を渡す:「〇〇(現場の社員)と話す場を置きます」「勤務地の情報を送ります」。出す前に聞いた「何が分かれば決められるか」に対応するものを
- 中盤に、話す相手からの一通:会社の説明ではなく、「先日はありがとう。最近こんなことがあった」
- 直前に、一度だけ聞く:「決めるために、足りないものはありますか。期限のご相談も受けます」。「決めましたか」とは聞かない
- 直前に、連絡を増やさない:直前の連絡が増えるほど、「迫られている」と読まれる
- 期限の当日に、催促しない:当日に返事が無ければ、翌日に一度だけ「まだ決めかねていますか」
期限の前半に材料、直前に一度だけ。この配分が、「迫る」を「渡す」に変えます。
期限を過ぎた学生への、対応
- 「辞退」ではなく「期限切れ」として記録する:分母と分子を分けて数える。内定承諾率の見方
- 翌日に、一度だけ聞く:「まだ決めかねていますか。ご事情があれば期限を相談します」。責めない
- 返事が無ければ、もう一度だけ:数日後に、別の人(話す相手の現場の社員)から「最近どう」の一通。それでも無ければ、待つ
- 取り消しを、一方的に通知しない:会社の計画で次の内定者に出す必要があるなら、その旨を伝えてから
- 期限切れが多い年は、期限の設計を見直す:期限切れは、選考の問題ではなく、期限と内定後の接点の問題
期限切れの学生は、迷っている学生で、辞退を決めた学生ではありません。
媒体ごとに、変わる点
- OfferBox:学生は複数の会社からオファーを受けていて、内定の時期がばらつく。他社の結果の時期を聞いて置くことが、他の媒体より要る。OfferBoxで内定を出したあとのフォロー
- Wantedly:共感で来た学生ほど、期限で急がされると「共感していたのに」と離れる。期限より材料を。Wantedly経由の内定辞退が続くとき
- ワンキャリア:期限の置き方と延長への対応が、翌年の体験談に最も書かれる。「延長を相談したら応じてくれた」は、次の年の学生に読まれる。ワンキャリア経由の内定辞退が続くとき
三つとも、期限の考え方は同じで、内定の時期のばらつきと、体験談への影響の大きさが違います。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 期限の考え方(急がせる道具にしない)を決める | 採用の責任者 |
| 出す前に「他社の結果の時期」「何が分かれば」を聞く | 選考で会った現場の社員か人事 |
| 期限を置き、書面に書く | 人事 |
| 延長の申し出に応じ、新しい期限を書面で | 人事 |
| 前半の材料と、中盤の一通 | 人事(材料)、現場の社員(一通) |
| 直前の一度の連絡 | 人事 |
| 期限切れの記録と、翌日の一度の連絡 | 人事 |
| 経営に「期限で承諾率を上げない」を共有 | 採用の責任者 |
運用代行や代理店が支えられるのは、期限の置き方の型、文面の型、記録の型までで、聞くこと、延長の判断、材料を渡すことは社内が担います。
エージェントベストの見解
承諾の期限で、当社が先にお伝えしているのは、「期限を長くすると、会社の側の計画が立てにくくなる」ということです。他社の結果の先に置くと、承諾の返事が来るまで、次に誰に内定を出すかが決められません。申し込んだあとに内定後の運用が揺れる会社に共通するのは、この計画の立てにくさに耐えられず、途中で期限を縮めて「やはり〇日までに」と言い、学生に「話が違う」と読まれることです。当社が案内するのは、期限を長く置くなら、内定を出す数を「承諾が全部出なくても足りる数」で先に決め、次に出す候補を期限の前に用意しておくことです。計画の側で吸収すれば、期限を途中で縮めずに済みます。期限を学生に合わせるには、会社の側の計画を先に固める必要があります。期限の長さは、学生への配慮であると同時に、会社の計画の設計の問題です。
まとめ
- 期限は「学生を急がせる道具」ではなく「会社が計画を立てるための目安」。一方的に短く切らず、出す前に他社の結果の時期を聞いて、その先に置く
- 期限は書面に、電話の一言では言わず、「事情があれば相談を」を添える。延長の申し出には理由を聞いて応じ、新しい期限を書面で
- 期限の前半に材料を渡し、中盤に現場から一通、直前に一度だけ「足りないものはありますか」。「決めましたか」と迫らない
- 期限を過ぎた学生は「辞退」ではなく「期限切れ」として分けて記録し、翌日に一度だけ聞く。取り消しを一方的に通知しない
- 期限を短くして承諾率を上げようとすると、承諾後の辞退と体験談で返ってくる。期限を長く置くなら、会社の計画の側を先に固める
よくある質問
期限を延ばし続けると、いつまでも決まらないのではないですか
延長の申し出は、学生が「相談できる」と感じている証拠で、決まらない兆しではありません。延長の間に材料(話す相手との場、勤務地の情報)を渡せば、学生は決められます。延ばすだけで接点が無いのが、決まらない原因です。会社の計画の側で応じられない場合は、会社の側の事情として理由を伝えます。
他社の内定の時期が分からない学生には、どう期限を置けばよいですか
出す前に「他社の結果はいつ頃出ますか」を一度聞き、「分からない」なら、会社の計画に合わせた期限を書面に置き、「ご事情があれば相談してください」を添えます。分からないまま短く置くより、相談できることを添えて置くほうが、延長の申し出という形で学生の状況が分かります。
内定承諾の期限の考え方は、御社に相談できますか
できます。当社は、期限の置き方の型、文面の型、記録の型を支えられます。聞くこと、延長の判断、材料を渡すことは、社内で担ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、内定後の運用まで含めて支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
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