内定承諾率の見方|分母の固定と三つの割り方
内定承諾率を出したい。ところが、全体の率を一つ出して前年と比べ、「下がった」「上がった」で終わり、業界平均と比べて「うちは低い」と言われ、どこを直せばよいか分からない。結論から言うと、承諾率は一つの数で見ず、「入口ごと」「内定を出した時期ごと」「辞退の理由の分け方ごと」に割って見ます。全体の率は前年と比べる数でしかなく、直す場所を示しません。率の分母は「内定を出した数」で固定し、辞退と保留と期限切れを分けて数えます。率が下がったときに見るのは率ではなく「どの入口の、いつ出した内定が、何の理由で辞退されたか」の三つの割り方で、業界平均と比べません。 辞退の理由の分け方は内定辞退の理由の分け方で書きました。この記事は、率の出し方と割り方と読み方を書きます。
この作業の目的|承諾率を、「直す場所を示す数」にする
承諾率を出す目的は、上司に報告することではなく、翌年に辞退を減らす場所を一つ決めることです。全体の率は、その場所を示しません。三つに割ると、示します。
目的は、「承諾率〇割」の一つの数を、「どの入口の、いつ出した内定が、何の理由で」の三つの表に置き換えることです。
承諾率で、起きる失敗
| 失敗 | 何が起きるか |
|---|---|
| 全体の率を一つだけ出す | 前年比しか分からず、直す場所が見えない |
| 分母が毎年ずれる | 「内定を出した数」か「最終面接に来た数」か「承諾期限を迎えた数」かが年で違い、比べられない |
| 保留と期限切れを辞退に混ぜる | 期限の設計の問題と、選考の問題が混ざる |
| 業界平均と比べる | 出典が不明な数字と比べて「低い」と言われ、直す場所は分からない |
| 率を上げるために内定を出す数を減らす | 率は上がるが、採る人数に届かない |
| 率を上げるために期限を延ばす | 率は上がって見えるが、保留が増えて、他社の内定で最後に辞退される |
共通するのは、率を「報告の数」として扱い、「直す場所を示す数」として扱っていないことです。
分母と分子を、固定する
- 分母:その年に内定を出した数。最終面接の数でも、承諾期限を迎えた数でもなく、「内定を出した数」で固定する
- 分子:承諾した数
- 分けて数える:辞退した数、保留のまま期限を迎えた数(期限切れ)、まだ期限内の数。これらは率に混ぜず、横に並べる
- 期限切れは、辞退と分ける:期限切れが多いなら、期限の設計と内定後の接点の問題。辞退が多いなら、入口と選考の問題
分母を固定すると、前年と比べられます。分けて数えると、率が下がった理由が「辞退」か「期限切れ」かで、最初の切り分けができます。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「承諾率は業界平均と比べて高いか低いかを見る数で、平均より低ければ何かが悪い」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、多くの会社の承諾率を見ていますが、業界平均と呼ばれる数字は、分母の取り方も、内定を出す時期も、業種も、規模も違う会社の数を足したもので、自社の承諾率と比べても、直す場所は一つも分かりません。同じ会社でも、入口によって承諾率は大きく違います。スカウトで一人ひとりに送って会った学生と、掲載で来た学生と、大学の紹介で来た学生では、内定後の残り方が違うのが普通です。全体の率は、その入口の混ざり方で上下します。当社が最初にお願いするのは、業界平均と比べるのをやめ、自社の前年と、自社の入口ごとの率を比べることです。入口ごとに割ると、「この入口は承諾率が高いが数が少ない」「この入口は数が多いが承諾率が低い」が見え、翌年の入口の配分と、直す入口が決まります。平均と比べて「低い」と言われても、翌年の運用は一つも変わりません。
三つの割り方
| 割り方 | 何が分かるか | 直す場所 |
|---|---|---|
| 入口ごと(スカウト・掲載・イベント・大学・リファラル) | どの入口の学生が、内定後に残るか | 入口の配分。承諾率の低い入口の文面と絞り方。母集団形成の媒体の組み合わせ方 |
| 内定を出した時期ごと(早い時期・中盤・遅い時期) | いつ出した内定が辞退されるか。早すぎて他社を待たれるか、遅すぎて他社で決まっているか | 内定を出す時期と、承諾期限の設計 |
| 辞退の理由の分け方ごと(入口のずれ・選考中の印象・内定後の間・条件・他社) | 何の理由で辞退されるか | 分け方に対応する場所。内定辞退の理由の分け方 |
三つの表を並べると、「スカウトの入口で、遅い時期に出した内定が、他社との比較で辞退されている」のように、直す場所が一文で言えます。全体の率では、この一文は出ません。
率が下がったときの、読み方
- 辞退が増えたのか、期限切れが増えたのかを分ける:期限切れなら、期限と内定後の接点。辞退なら、次へ
- 入口ごとに割る:全部の入口で下がったか、一つの入口だけか。一つなら、その入口の文面と絞り方
- 時期ごとに割る:遅い時期の内定だけ下がったなら、他社で決まった後に出している。早い時期だけなら、出した後の間が長い
- 理由の分け方ごとに割る:最も多い分け方を一つ選ぶ
- 直す場所を一つに決める:三つの表から一文にする。全部を直そうとしない
率が上がったときも、同じ順で読みます。「なぜ上がったか」が言えないと、翌年に再現できません。
率を上げるために、起きる誤り
- 内定を出す数を減らす:率は上がるが、採る人数に届かない。承諾率は、採る人数に届くための数で、率そのものが目的ではない
- 承諾期限を延ばす:率は上がって見えるが、保留が増え、他社の内定が出た後に辞退される。期限は他社の時期を聞いて決める
- 内定を出す前に「承諾してくれるか」を聞く:聞かれた学生は警戒する。承諾を確かめてから内定を出す会社は、体験談に書かれる
- 辞退しそうな学生に内定を出さない:分母が減って率は上がるが、迷っていた学生を落としているだけで、採る人数は減る
率を上げる方法は、三つの表で直す場所を一つ決めて直すことだけで、率そのものを操作する方法は、翌年に効きません。
上司に見せる形
上司に見せるのは、全体の率と前年比の一行と、三つの表と、直す場所の一文です。
- 一行目:今年の承諾率、前年の承諾率、内定を出した数、承諾・辞退・期限切れの数
- 三つの表:入口ごと、時期ごと、理由の分け方ごと
- 一文:「〇〇の入口で、△△の時期に出した内定が、□□の理由で辞退されている。翌年は〇〇を直す」
業界平均の欄は作りません。聞かれたら、「分母の取り方が違うので比べられない」と、自社の前年比を示します。
媒体ごとに、変わる点
- OfferBox:入口ごとの割り方で、オファーの文面の型ごと(誰の名義か、何を読んだ一文か)にさらに割ると、文面の効果が承諾率で見える。内定辞退が続くときの見直し方(OfferBox)
- Wantedly:どの記事を読んで来たかで割ると、記事ごとの承諾率が見える。Wantedly経由の内定辞退が続くとき
- ワンキャリア:体験談を読んで来た学生と、スカウトで来た学生で割る。ワンキャリア経由の内定辞退が続くとき
三つとも、割り方の三つは同じで、入口の中のさらに細かい割り方が違います。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 分母と分子の定義を決めて、固定する | 採用の責任者 |
| 台帳に、入口・時期・理由の分け方を残す | 人事 |
| 三つの表を出す | 人事。年に一度と、承諾期限の後 |
| 直す場所の一文を決める | 採用の責任者 |
| 上司への報告 | 採用の責任者。一行と三つの表と一文で |
| 翌年の入口の配分と期限の設計 | 採用の責任者と人事。母集団形成の振り返り方 |
運用代行や代理店が支えられるのは、台帳の型、三つの表の型、報告の型までで、分母の定義、直す場所の決定、報告は社内が担います。
エージェントベストの見解
承諾率を三つに割って、当社が先にお伝えしているのは、「入口ごとに割ると、承諾率の高い入口ほど数が少ない」ことが多い、ということです。一人ひとりに現場の名義で送ったスカウトの入口は、承諾率が高く、数が少ない。掲載の入口は、数が多く、承諾率が低い。ここで「承諾率の高い入口に全部寄せる」と決めると、数が足りなくなります。当社が案内するのは、承諾率と数を掛けた「承諾した数」で入口を比べ、承諾率の低い入口は、捨てるのではなく、その入口の文面と絞り方を直すことです。掲載の入口の承諾率が低いなら、掲載に仕事の中身と最初の年を先に書き、入口の時点のずれを減らします。直すと、その入口のエントリーは減り、承諾率は上がり、承諾した数は変わらないか増えます。承諾率だけを見ると入口を捨てたくなり、数だけを見ると入口を直したくなくなります。二つを掛けた「承諾した数」で見ると、直す入口と、配分の両方が決まります。
まとめ
- 承諾率は一つの数で見ず、「入口ごと」「内定を出した時期ごと」「辞退の理由の分け方ごと」に割る。全体の率は前年比の数でしかない
- 分母は「内定を出した数」で固定し、辞退と保留と期限切れを分けて数える。期限切れと辞退は、直す場所が違う
- 業界平均と比べない。分母の取り方が違い、直す場所を示さない
- 率を上げるために内定を出す数を減らす・期限を延ばす・承諾を確かめてから出すは、翌年に効かない
- 入口は「承諾率×数=承諾した数」で比べ、低い入口は捨てずに文面と絞り方を直す
よくある質問
上司が「業界平均と比べてどうか」と聞きます
「分母の取り方と内定を出す時期が会社ごとに違うので、比べられない」と答え、自社の前年比と、三つの表と、直す場所の一文を示します。平均と比べて高いか低いかが分かっても、翌年の運用は変わりません。三つの表を見せると、上司の関心は「どこを直すか」に移ります。
内定を出した数が少なく、率にすると一人で大きく動きます
率にせず、数で見ます。「内定〇人、承諾△人、辞退□人、期限切れ〇人」と数で並べ、辞退した一人ひとりについて、入口・時期・理由の分け方を残します。数が少ない会社ほど、率より「辞退した一人の理由」のほうが、直す場所を正確に示します。
承諾率の見方は、御社に相談できますか
できます。当社は、台帳の型、三つの表の型、報告の型を支えられます。分母の定義、直す場所の決定、報告は、社内で担ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、内定後の運用まで含めて支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
相談無料 / 求人広告代理店エージェントベスト
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