内定者に課題を出すときの注意|出すかの判断と、守る四つ
内定者に入社前の課題を出したい。ところが、資格の勉強と分厚い教材を渡し、グループで発表させ、締切と評価を付け、卒業研究の山に重ねて、内定者から「入社前から仕事をさせられる」と読まれ、課題の出来で序列ができ、静かな内定者が離れる。結論から言うと、課題は「入社前に学ばせる」ためではなく、内定者が「入社したら何をするか」を自分の手で確かめるためのもので、出すなら「配属先の仕事の一場面を、短く、一人で、評価せずに」の四つを守ります。資格の取得・分厚い教材・グループでの発表・提出の締切と評価は、内定者の時間を奪い、序列を作り、離れます。出さないという選択が、多くの会社では正しいです。出すなら、課題より先に「答えてくれる窓口」と「取り組んだ後に話す相手」を置きます。 四つの中身の基本は内定者フォローの基本で書きました。この記事は、課題を出すか出さないかと、出すなら守ることを書きます。
この作業の目的|課題を、「学ばせる」から「確かめてもらう」に変える
内定者は学生で、入社前の時間は会社のものではありません。課題を「入社前に戦力にする」ために出すと、内定者の時間を奪い、「入社前から仕事をさせられる」と読まれます。
目的は、内定者に知識を入れることではなく、内定者が「入社したらこれをする」を自分の手で少し触って、「何をするか」を持ち続けられるようにすることです。それは、課題を出さなくても、読むものと話す相手で足りることが多いです。
内定者の課題で、起きる失敗
| 失敗 | 何が起きるか |
|---|---|
| 「学ばせる」目的で出す | 内定者の時間を奪い、「入社前から仕事」と読まれる |
| 資格の取得と分厚い教材を課す | 卒業研究と重なり、できなかった内定者が引け目を持って離れる |
| グループで発表させる | 出来で序列ができ、発表が苦手な内定者が離れる |
| 締切と評価を付ける | 「評価されている」と構え、質問ができなくなる |
| 卒業研究の山に重ねる | 内定者の節目を無視し、「会社は自分の生活を見ていない」と読まれる |
| 出しっぱなしにする | 取り組んでも誰も見ず、話す相手もいない。「何のためだったのか」で終わる |
共通するのは、課題を「会社が入社前に済ませたいこと」で組んでいて、「内定者が確かめたいこと」で組んでいないことです。
出すか、出さないか
| 状態 | 判断 |
|---|---|
| 配属先の仕事の一場面を、短く切り出せる | 出してよい。四つを守る |
| 答えてくれる窓口と、取り組んだ後に話す相手がいる | 出してよい |
| 資格や教材を「入社までに」と言いたい | 出さない。入社後の研修で |
| 内定者の数が多く、一人ずつ話す相手がいない | 出さない。出しっぱなしになる |
| 卒業研究の山と重なる時期しか置けない | 出さない。時期を変えるか、出さない |
| 「他社が出しているから」が理由 | 出さない。理由になっていない |
多くの会社では、出さないほうが辞退は減ります。読むものと話す相手で「何をするか」は持ち続けられます。出すのは、配属先の仕事の一場面を短く切り出せて、取り組んだ後に話す相手がいる会社だけです。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「内定者に課題を出して入社前に力を付けさせれば、会社への意識も上がって辞退が減る」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、内定後の運用まで見ていますが、課題を厚くした会社ほど、内定者の返事が遅くなり、課題ができなかった内定者が引け目を持って離れ、辞退は減りません。内定者は、入社前に力を付けたい人もいますが、それは本人が選ぶことで、会社が課すことではありません。会社が課すと、「入社前から仕事をさせられる」「できない自分は入社後も付いていけない」と読まれます。当社が最初にお願いするのは、課題を出す前に「出さないで済むか」を先に考えることです。「何をするか」を持ち続けてもらうには、読むもの(配属先の仕事と最初の年)と、話す相手(現場の社員)で足ります。それでも出すなら、資格と教材と発表と評価を消し、「配属先の仕事の一場面を、短く、一人で、評価せずに」の四つを守り、取り組んだ後に話す相手を置きます。課題の厚さは、辞退の減り方と反対に動きます。
出すなら、守る四つ
| 守ること | 中身 |
|---|---|
| 配属先の仕事の一場面 | 一般の教材ではなく、入社後に実際にする仕事の、小さな一場面。「この画面を見て、使いにくいところを一つ」「この店に客として行って、気付いたことを一つ」 |
| 短く | 数時間で終わる量。日をまたがない。「時間がかかったら、そこでやめてよい」と添える |
| 一人で | グループにしない。発表させない。内定者どうしを比べない |
| 評価しない | 締切を付けない。出来を人事に報告しない。取り組んだ後に、話す相手と「どうだったか」を話すだけ |
四つのどれかが守れないなら、出しません。
課題の、型
- 見て考える:配属先の仕事で実際に使うもの(画面、資料、商品、店)を見て、気付いたことを一つ。答えは無い
- 触ってみる:入社後に使う道具の一部を、少しだけ触る。「動かなくてよい。触った感想を一つ」
- 聞いてくる:家族や友人に、自社の商品やサービスについて一つ聞いてくる。「知らなかった、が答えでよい」
- 読んで一つ選ぶ:配属先の社員の記事や便りを読んで、「一番聞いてみたいこと」を一つ選ぶ。それを話す相手との次の接点で聞く
どれも、正解が無く、出来を比べられず、数時間で終わり、「入社したらこれに関わる」が自分の手で分かる形です。
出した後の、話す相手
- 課題より先に、窓口を置く:取り組んで分からないことを、送れば数日で返る先。「分からなくてよい。聞いてよい」と添える
- 取り組んだ後に、話す相手と話す:メンターか、選考で会った現場の社員。「どうだったか」を聞くだけで、出来は見ない。内定者にメンターを付ける方法
- 取り組めなかった内定者に、理由を聞かない:「できなかったら、それでよい」と最初に添え、できなかった内定者に連絡を増やさない
- 課題で分かったことを、翌年の読むものに戻す:内定者が気付いたことは、翌年の「読むもの」の材料になる。内定者の声を採用に戻す方法
出しっぱなしにしないことが、課題を出す条件です。
媒体ごとに、変わる点
- OfferBox:オファーの文面で書いた仕事の一場面を、そのまま課題の「見て考える」に。文面の名義の社員が話す相手に。OfferBoxで内定を出したあとのフォロー
- Wantedly:社員が書いた記事を読んで「一番聞いてみたいこと」を一つ選ぶ型が向く。記事を書いた社員が話す相手に。Wantedly経由の内定辞退が続くとき
- ワンキャリア:体験談で読んだ選考の場面と、課題で見る仕事の場面をつなげる。ワンキャリア経由の内定辞退が続くとき
三つとも、守る四つは同じで、課題の材料の出どころが違います。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 出すか出さないかを決める | 採用の責任者 |
| 配属先の仕事の一場面を切り出す | 配属先の責任者 |
| 課題の文面(短く・一人で・評価しない・できなくてよい) | 人事。配属先の責任者が確認 |
| 時期を、内定者の節目を避けて置く | 人事。話す相手が節目を聞く |
| 答えてくれる窓口 | 人事と現場の一人 |
| 取り組んだ後に話す相手 | メンターか、選考で会った現場の社員 |
| 課題で分かったことを翌年に戻す | 採用の責任者 |
運用代行や代理店が支えられるのは、出すか出さないかの判断の型、課題の文面の型、窓口の返事の型までで、一場面の切り出し、話す相手は社内が担います。
エージェントベストの見解
内定者の課題で、当社が先にお伝えしているのは、「出さない」と決めた会社が、翌年に「他社は出している」と聞いて戻す、ということです。内定者から「他社ではこんな課題が出ている」と聞くと、会社は「うちも出さないと意識が低いと思われる」と考えます。申し込んだあとに内定後の運用が揺れる会社に共通するのは、この理由で課題を足し、内定者の時間を奪い、翌年に辞退が増えて、また外すことです。当社が案内するのは、「他社が出しているか」ではなく、「自社の内定者が『何をするか』を持ち続けているか」で判断することです。話す相手との接点が続き、返事の日数が延びておらず、質問が続いているなら、課題は要りません。他社の課題の話を内定者から聞いたときは、「うちは出さない。その分、〇〇さん(話す相手)と話す時間を置いている」と、出さない理由を内定者に伝えます。出さないことを、内定者に説明できる形にしておくことが、揺れない判断です。
まとめ
- 課題は「学ばせる」ためではなく、内定者が「入社したら何をするか」を自分の手で確かめるためのもの。出さない選択が、多くの会社では正しい
- 出すなら「配属先の仕事の一場面・短く・一人で・評価しない」の四つを守る。どれかが守れないなら出さない
- 資格・分厚い教材・グループでの発表・締切と評価は、内定者の時間を奪い、序列を作り、離れる
- 課題より先に「答えてくれる窓口」と「取り組んだ後に話す相手」を置く。出しっぱなしにしない
- 「他社が出しているか」ではなく「自社の内定者が『何をするか』を持ち続けているか」で判断し、出さない理由を内定者に説明できる形にする
よくある質問
入社後の研修を楽にするために、入社前に基礎を学ばせたいのですが
入社前の時間は内定者のもので、会社の研修を前倒しする場ではありません。基礎は入社後の研修で入れます。前倒しすると、できなかった内定者が引け目を持って離れ、研修は楽になっても、入社する人が減ります。入社前に渡すなら、「読むもの」として配属先の仕事と最初の年を渡し、読む・読まないは内定者に任せます。
内定者から「何か課題をください」と言われます
本人が望むなら、「見て考える」「読んで一つ選ぶ」の型で、短く一人で評価しないものを一つ渡します。全員に出すのではなく、望んだ内定者にだけ渡し、出来を見ないことを添えます。望んでいない内定者に、望んだ内定者と同じものを課さないことです。
内定者の課題の設計は、御社に相談できますか
できます。当社は、出すか出さないかの判断の型、課題の文面の型、窓口の返事の型を支えられます。一場面の切り出し、話す相手は、社内で担ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、内定後の運用まで含めて支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
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