内定承諾率のKPI|率ではなく見るべき四つの数
内定承諾率をKPIに置きたい。ところが、承諾率を目標にした途端、内定を出す数を減らし、期限を短くし、迷っている学生には出さず、率は上がったのに採る人数に届かず、上司には「承諾率〇割」の一つの数だけが報告される。結論から言うと、承諾率そのものをKPIにすると、内定を出す数を減らす・期限を短くする・迷っている学生に出さないで率を上げる運用に寄ります。KPIは「承諾した数(入口ごと)」「内定から承諾までの日数」「期限切れの数」「入口の時点のずれによる辞退の数」の四つで、率は参考の数として横に置きます。目標値は「採る人数」から逆算した承諾した数だけに置き、日数と期限切れと入口のずれは「前年より減っているか」で見ます。承諾率のKPIは、内定後だけでなく入口と選考の直す場所を示す数にします。 率の見方は内定承諾率の見方、母集団形成のKPIは母集団形成のKPIで書きました。この記事は、承諾に関わるKPIを何にするかを書きます。
この作業の目的|KPIを、「率を上げる」から「採る人数に届く」に向ける
KPIは、運用の向きを決めます。承諾率をKPIにすると、運用は「率を上げる」に向き、率を上げる最も早い方法は「出す数を減らす」「迷う学生に出さない」なので、採る人数から遠ざかります。
目的は、承諾率を測ることではなく、「採る人数に届く承諾した数」と、それを妨げているもの(日数・期限切れ・入口のずれ)を、毎月見える形にすることです。
承諾率をKPIにして、起きる失敗
| 失敗 | 何が起きるか |
|---|---|
| 内定を出す数を減らす | 率は上がるが、採る人数に届かない |
| 期限を短くする | 率は上がって見えるが、承諾後の辞退が増える。内定承諾の期限の考え方 |
| 迷っている学生に出さない | 分母が減って率は上がるが、迷った末に承諾する学生を落とす |
| 率だけを報告する | 上司は率の上下しか見ず、直す場所が伝わらない |
| 目標値を先に置く | 「承諾率〇割」を先に置くと、毎年「未達」の表になり、率を操作する運用に寄る |
| 内定後だけの数にする | 承諾率は入口と選考で決まる部分が大きいのに、内定後のフォローだけを直す |
共通するのは、承諾率を「上げるべき数」として置いていて、「採る人数に届いているかを示す数」として置いていないことです。
KPIは、四つ
| KPI | 何が分かるか | 見方 |
|---|---|---|
| 承諾した数(入口ごと) | 採る人数に届くか。どの入口の承諾が多いか | 採る人数から逆算した目標と比べる。入口ごとに |
| 内定から承諾までの日数 | 迷いの長さ。材料が渡っているか | 前年と比べる。延びていれば、内定後の接点を見る |
| 期限切れの数 | 期限と内定後の接点の設計 | 前年と比べる。増えていれば、期限の置き方を見る |
| 入口の時点のずれによる辞退の数 | 入口の文面と選考の一致 | 前年と比べる。減っていれば、入口を直した効果 |
四つで、「数」「速さ」「期限の設計」「入口の一致」が分かります。承諾率は、四つの横に参考の数として置き、前年比だけを見ます。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「承諾率は分かりやすい数だから、KPIにして目標を置けば、内定後の運用が良くなる」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、承諾率をKPIにした会社の運用を見ていますが、KPIにした翌年に起きるのは、内定後の運用の改善ではなく、「出す数を減らす」「迷う学生に出さない」「期限を短くする」の三つで、率は上がって採る人数に届かなくなります。率は、分母を減らせば上がる数で、上げる最も早い方法が採用を狭めることだからです。当社が最初にお願いするのは、承諾率をKPIから外し、「承諾した数(入口ごと)」をKPIの一番に置くことです。承諾した数は、分母を減らしても増えず、増やすには入口を広げ、選考で確かめてもらい、内定後に材料を渡すしかありません。KPIが「率」から「数」に変わると、運用の向きが「狭める」から「届かせる」に変わります。率は横に置いて、前年と比べるだけで足ります。
率は、参考として横に置く
- 承諾率は、四つのKPIの横に一行:「承諾率 今年〇割・前年△割」。目標値は置かない
- 率の分母と分子は、固定する:分母は内定を出した数、分子は承諾した数。辞退と期限切れは分ける。内定承諾率の見方
- 率が下がっても、承諾した数が目標に届いていれば、直す場所は「率」ではない:出す数を増やした年は、率が下がって数が増えるのが普通
- 率が上がって、承諾した数が減っていれば、狭めている:出す数を減らしていないか、迷う学生に出していないかを見る
- 業界平均と比べない:分母の取り方が違い、直す場所を示さない
率は、四つのKPIの読み方を確かめるための参考の数で、それ自体を動かす対象ではありません。
目標値の、置き方
- 目標値を置くのは、「承諾した数」だけ:採る人数から逆算する。「〇人採る → 承諾△人が要る」
- 入口ごとに配る:前年の入口ごとの承諾した数と、翌年の入口の配分から。母集団形成の媒体の組み合わせ方
- 日数・期限切れ・入口のずれには、目標値を置かない:「前年より減っているか」だけで見る。目標値を置くと、操作する運用に寄る
- 承諾した数の目標から、内定を出す数を逆算する:前年の承諾の割合から。「承諾△人 → 内定□人を出す」。ここで初めて率を使う
- 内定を出す数を、途中で減らさない:承諾が早く出ても、出す数を減らすと、辞退が出たときに届かない
目標値は一つだけ。多いと、操作する数が増えます。
月に一度と、年に一度の見方
| 時期 | 見るもの | 直すもの |
|---|---|---|
| 月に一度(内定を出している期間) | 承諾した数の積み上げ、内定から承諾までの日数、期限切れの数 | 日数が延びていれば内定後の接点。期限切れが出ていれば期限の置き方 |
| 承諾期限の後 | 承諾した数の目標との差、入口ごとの承諾した数 | 届いていなければ、次の候補への内定。入口の配分 |
| 年に一度 | 四つのKPIの前年比、入口のずれによる辞退の数、承諾率の前年比 | 翌年に直す一つ。内定辞退の分析方法 |
月に一度の場で見る数は、三つまで。年に一度の場で、四つ目(入口のずれ)を足します。
上司に見せる形
- 一行目:承諾した数(今年・目標・前年)、内定を出した数、辞退・期限切れの数
- 入口ごとの表:承諾した数を入口ごとに
- 前年比の三つ:内定から承諾までの日数、期限切れの数、入口のずれによる辞退の数
- 参考:承諾率(今年・前年)。目標値の欄は作らない
- 一文:「承諾した数は目標に対して〇〇。直す場所は△△」
「承諾率〇割」を一行目に置かないことが、上司の関心を「率」から「数」に移します。
媒体ごとに、変わる点
- OfferBox:入口ごとの承諾した数を、オファーの文面の型ごと(名義・読んだ一文)にさらに割ると、文面のKPIとつながる。OfferBox運用のKPI設計
- Wantedly:記事ごとの承諾した数を見ると、どの記事が承諾につながるかが分かる。Wantedlyのスカウト運用のKPI
- ワンキャリア:体験談を読んで来た学生の承諾した数と、スカウトの承諾した数を分ける。ワンキャリアのスカウト運用のKPI
三つとも、四つのKPIは同じで、入口ごとの承諾した数のさらに細かい割り方が違います。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 承諾率をKPIから外し、四つに置き直す | 採用の責任者 |
| 承諾した数の目標を、採る人数から逆算する | 採用の責任者と人事 |
| 台帳から四つの数を毎月出す | 人事 |
| 月に一度の場で、日数と期限切れを見て直す | 人事と、内定後の話す相手(現場の社員) |
| 年に一度、入口のずれの数を見て翌年の一つを決める | 採用の責任者 |
| 上司への報告 | 採用の責任者。一行目は承諾した数 |
| 経営に「率をKPIにしない理由」を共有 | 採用の責任者 |
運用代行や代理店が支えられるのは、KPIの型、台帳の型、報告の型までで、目標の逆算、月に一度の直し、経営への共有は社内が担います。
エージェントベストの見解
承諾率のKPIで、当社が先にお伝えしているのは、「承諾した数をKPIにすると、内定を出す数が増え、内定後の運用の手間が増える」ということです。率をKPIにしていた会社は、出す数を絞っていたので、内定後の接点(話す相手・会う場・窓口)を少ない内定者に手厚くできていました。数をKPIにすると、出す数が増え、内定者一人あたりの現場の時間が薄くなります。申し込んだあとに内定後の運用が止まる会社に共通するのは、KPIを数に変えて出す数を増やしたのに、内定後の接点の体制を変えず、話す相手が足りなくなって途切れることです。当社が案内するのは、KPIを数に変えるときに、承諾した数の目標から内定を出す数を逆算し、その数に対して「話す相手が何人要るか」を配属先の責任者と先に決めることです。KPIの置き換えは、数字の話ではなく、現場の時間の話です。数を増やすなら、現場の時間を先に増やします。
まとめ
- 承諾率そのものをKPIにすると、出す数を減らす・期限を短くする・迷う学生に出さない運用に寄り、率は上がって採る人数に届かない
- KPIは「承諾した数(入口ごと)」「内定から承諾までの日数」「期限切れの数」「入口のずれによる辞退の数」の四つ。率は参考として横に置き、前年比だけを見る
- 目標値を置くのは「承諾した数」だけで、採る人数から逆算する。日数・期限切れ・入口のずれは「前年より減っているか」で見る
- 月に一度は数と日数と期限切れ、年に一度は入口のずれと翌年の一つ。上司への一行目は承諾した数
- KPIを数に変えると出す数が増える。内定者の数に対して話す相手が何人要るかを、現場の時間から先に決める
よくある質問
上司が「承諾率を目標にしろ」と言います
「承諾率は、出す数を減らせば上がる数で、目標にすると採る人数に届かなくなる」と伝え、代わりに「承諾した数」を目標に置くことを提案します。上司が見たいのは率ではなく「採れるか」なので、一行目に承諾した数と目標との差を置き、率は参考として横に置くと、関心が移ります。
内定を出す数が少なく、四つのKPIを出しても数が小さすぎます
小さくてよいです。数が小さい会社では、KPIは「率」ではなく「数」と「一人ひとりの理由」で見ます。承諾した数が目標に届いたか、日数が延びた内定者は誰か、期限切れの内定者は誰か、入口のずれで辞退した内定者は誰か。数が小さいほど、一人ひとりの記録が直す場所を正確に示します。
内定承諾率のKPIの置き方は、御社に相談できますか
できます。当社は、KPIの型、台帳の型、報告の型を支えられます。目標の逆算、月に一度の直し、経営への共有は、社内で担ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、内定後の運用まで含めて支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
相談無料 / 求人広告代理店エージェントベスト
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