Wantedlyのスカウト運用のKPI設計|見る段と止まった段の直し方

Wantedlyスカウト運用 更新日 2026/9/11

スカウト運用のKPIというと、「月に何通送る」「返信率を何割にする」という目標値を先に置く形になりがちです。ところが、送信数を目標にすると読まずに送ることになり、返信率を目標にすると煽りの文面に寄ります。結論から言うと、Wantedlyのスカウト運用のKPIは、送った数ではなく「読んだ数」から始め、返信・面談・選考・決定の各段を並べ、目標値ではなく「先月からの変化」と「面談で聞いた言葉」で見ます。段ごとに、止まっているときに直す場所が違うので、KPIは目標ではなく「どこで止まっているかを見つける表」として使います。 この記事では、目標値を先に置く失敗、見る段とその意味、変化と言葉で見る理由、止まっている段ごとの直す場所、返信率だけを追うと起きること、報告の形、直す頻度、台帳との関係、分担を整理します。この記事では、目標値の具体は書きません。自社の台帳から出る変化が、自社の基準です。OfferBoxでのKPIの考え方はOfferBoxのKPI設計で書きましたが、Wantedlyでも同じ順番です。

この作業の目的|どこで止まっているかを、毎月見つける

KPIの目的は、達成することではなく、「スカウトから決定までの流れの、どこで止まっているか」を毎月見つけることです。

止まっている段が分かれば、直す場所が決まります。文面か、絞り込みか、返信対応か、面談か、選考か。段を分けずに「返信率が低い」とだけ見ると、文面を直すしかなくなり、原因が返信対応や募集記事にあっても気づきません。

目標値を先に置く失敗

目標何が起きるか
「月に〇通送る」読まずに送る。テンプレになり、返信が減る
「返信率〇割」煽りの文面に寄る。返信は増えるが面談で離れる
「面談数〇件」返信した人を無理に面談に呼ぶ。合わない人が増える
「一般に良いとされる返信率に合わせる」自社の相手と条件が違う。当てはまらない
全部の段に目標値を置く数字を作るための運用になる

共通するのは、「数字を作ること」が目的になることです。数字は、運用の結果であって、目的ではありません。

見る段と、それぞれの意味

段何を数えるか意味
読んだ数プロフィールを読んで、送るか送らないかを判断した数運用の起点。これが送る数の上限
送った数読んで、一文を書いて送った数読んだ数との差が「送らない判断」の数
返信返信が来た数と、内容の型(前向き・質問・断り)文面と絞り込みと会社ページの結果
面談面談まで進んだ数返信対応の速さと、日程調整の結果
選考選考に進んだ数面談の質と、選考への移し方の結果
決定決まった数全体の結果

「読んだ数」から始めるのが要点です。送った数から始めると、「もっと送れ」になります。読んだ数から始めると、「読む時間をどう確保するか」の話になり、運用が続きます。

エージェントベストの見解

相談で最も多い思い込みは、「返信率が、スカウト運用の良し悪しを表す」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとしてWantedlyのスカウトの運用を見ていますが、返信率が高い会社が、決定まで進んでいるとは限りません。煽りの文面で返信を集め、面談で「思っていたのと違う」と離れる。返信率だけを見ていると、この会社は「うまくいっている」に見えます。逆に、返信率は目立たなくても、返信した人のほとんどが面談に来て、選考に進む会社があります。当社がKPIを設計するとき、返信率を単独では見ません。返信から面談、面談から選考、の各段を並べて、どこで細くなっているかを見ます。返信率は、その表の一行にすぎません。

数字の目標値ではなく、変化と言葉で見る

各段の数字は、目標値と比べるのではなく、次の2つで見ます。

目標値を置かない理由は、自社の相手と募集と時期で、数字の水準が変わるからです。「返信率が低い」かどうかは、他社と比べても分からず、自社の先月と比べて初めて分かります。

数字が変わった月は、「何を変えたか」を必ずしも一つに絞れないことがあります。だから、月に一度、一か所だけ直します。一か所だけ直していれば、変化の理由が分かります。

止まっている段ごとの、直す場所

細くなっている段見る場所直す場所
読んだ数が少ない読む時間が取れているか送る人の枠、絞り込みの条件。スカウト対象の絞り方
読んだのに送っていない(送らない判断が多い)絞り込みが広い条件を絞る
送ったのに返信が来ない文面に相手の一文があるか、会社ページと募集記事が整っているかスカウト文面の書き方、会社ページ、募集記事
返信は来るが面談に進まない返信への対応の速さ、日程調整の往復返信が来たあとの進め方
面談はするが選考に進まない面談の設計、選考への移し方カジュアル面談の設計、面談から選考へ移す方法
選考に進むが決まらない選考の型、条件、面談との整合選考の設計。スカウトの外

「細くなっている段の一つ前」を見るのが原則です。面談に進まないなら、面談ではなく返信対応を見ます。

返信率だけを追うと起きること

返信率を唯一のKPIにすると、次のことが起きます。

返信率は、「文面と絞り込みが相手に届いているか」を見る一つの指標で、それ以上ではありません。

上司に報告する形

報告は、送った数と返信率ではなく、次の形にします。

  1. 段ごとの数(読んだ・送った・返信・面談・選考・決定):一行ずつ
  2. 先月からの変化:どの段が増え、どの段が減ったか
  3. その月に直した一か所:何を直したか
  4. 面談で聞いた言葉:数件でよい。「文面の〇〇に反応した」「記事の△△が分からなかった」
  5. 来月に直す一か所:どの段が細いので、どこを直すか

「返信率が低い」という報告より、「返信から面談への段が細く、返信対応が遅れていたので、来月は対応する人を決める」という報告のほうが、上司も判断できます。

KPIを直す頻度と、台帳との関係

台帳が無ければ、KPIは出ません。KPIを設計する前に、台帳を付ける形を作ります。

社内の分担

作業誰が
段の構成を決める人事
台帳から毎月数える人事
面談で聞いた言葉を集める面談に出る人
細い段を見つけ、直す一か所を決める人事と責任者
上司に報告する人事
半年に一度、KPIの表を見直す人事

運用代行や代理店が支えられるのは、段の設計、台帳からKPIを出す形、報告の型、細い段の見つけ方、直す場所の案までで、数えること、面談で聞くこと、直すかどうかの判断は企業が行います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。

エージェントベストの見解

媒体を比べたり運用を見直したりするときに、Wantedlyのスカウトの成果を「返信率が他社と比べてどうか」で判断しようとする会社は多いのですが、他社の返信率は、相手も募集も文面も違う数字で、自社の判断には使えません。当社が3媒体の販売パートナーとして持っている他社の数字は、参考として話すことはあっても、自社の目標にはしないようお願いしています。自社の判断に使えるのは、自社の先月の数字と、面談で聞いた言葉だけです。当社がKPIの設計で最初にやるのは、段を並べた表を作り、台帳から数える形を作ることで、目標値を置くことではありません。表が三か月分溜まれば、その会社の基準が見えます。それが、その会社のKPIです。

まとめ

よくある質問

上司から「返信率の目標を出せ」と言われています

目標値ではなく、「段ごとの数と、先月からの変化と、直した一か所」の形で報告することを提案します。返信率の目標値を置くと、煽りの文面に寄り、面談で離れる人が増えて、結果として決定が減ることを伝えます。どうしても数字が要るなら、「先月より返信から面談への段を太くする」のように、変化で置きます。

台帳を付けていないので、数字が出せません

まず台帳を付け始めます。読んだ数、送った数、返信の有無、面談の有無、選考の有無を、一行ずつ。一か月分あれば、段の表が出ます。三か月分あれば、変化が見えます。KPIの設計は、台帳のあとです。

スカウト運用のKPI設計は、御社に相談できますか

できます。当社は、段の設計、台帳からKPIを出す形、報告の型、細い段の見つけ方、直す場所の案を支えられます。数えること、面談で聞くこと、直すかどうかの判断は、企業が行ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、Wantedlyのスカウト運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。

出典

本記事は 2026/9/11 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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