ワンキャリアのスカウト運用のKPI設計|「読んだ数」から始める段の見方
スカウト運用のKPIというと、「月に何通送る」「受諾率を何割にする」という目標値を先に置く形になりがちです。ところが、送信数を目標にすると読まずに送ることになり、受諾率を目標にすると煽りの文面に寄ります。ワンキャリアでは、その両方が体験談に書かれます。結論から言うと、ワンキャリアのスカウト運用のKPIは、送った数ではなく「読んだ数」から始め、受諾・面談・選考・決定の各段を並べ、目標値ではなく「前年との変化」と「面接で聞いた言葉」と「体験談への言及」で見ます。段ごとに、細いときに直す場所が違うので、KPIは目標ではなく「どこで細くなったかを見つける表」として使います。ワンキャリアには、他の媒体に無い指標があります。体験談にスカウトの印象(「自分のことを読んでいた」「テンプレだった」)が書かれたかどうかです。 この記事では、目標値を置くと起きること、見る段とその意味、変化と言葉で見る理由、細い段ごとの直す場所、受諾率だけを追うと起きること、体験談という指標、報告の形、年単位で比べること、台帳との関係、分担を整理します。他媒体のKPIはOfferBoxのKPI設計とWantedlyのスカウトのKPI設計、掲載のKPIはワンキャリアの掲載のKPI設計で書きました。
この作業の目的|どこで細くなったかを、見つけて翌年に直す
KPIの目的は、達成することではなく、「スカウトから決定までの流れの、どこで細くなっているか」を見つけることです。
新卒の採用は、年に一度の周期です。見つけた細い段を直すのは、多くの場合、翌年です。だからこそ、今年のうちに「どこが細かったか」と「体験談に何が書かれたか」を記録しておくことが要ります。
目標値を置くと、起きること
| 目標 | 何が起きるか |
|---|---|
| 「月に〇通送る」 | 読まずに送る。テンプレになり、体験談に「テンプレだった」 |
| 「受諾率〇割」 | 煽りの文面に寄る。受諾は増えるが面談で離れ、体験談に「煽りだった」 |
| 「面談数〇件」 | 受諾した学生を無理に面談に呼ぶ。合わない学生が増える |
| 「他社と比べて」 | 他社の学生も募集も文面も違う |
| 全部の段に目標値を置く | 数字を作るための運用になる |
ワンキャリアでは、数字を作るために煽った結果が、次の年の体験談に残ります。他の媒体より、目標値の副作用が長く残る媒体です。
見る段と、それぞれの意味
| 段 | 何を数えるか | 意味 |
|---|---|---|
| 読んだ数 | プロフィールを読んで、送るか送らないかを判断した数 | 運用の起点。これが送る数の上限 |
| 送った数 | 読んで、一文を書いて送った数 | 読んだ数との差が「送らない判断」の数 |
| 受諾 | 受諾・返信が来た数と、内容の型 | 文面と絞り込みと企業ページと体験談の結果 |
| 面談 | 面談まで進んだ数 | 受諾への対応の速さと、日程調整の結果 |
| 選考 | 選考に進んだ数 | 面談の質と、選考への移し方の結果 |
| 決定 | 決まった数 | 全体の結果 |
「読んだ数」から始めるのが要点です。送った数から始めると、「もっと送れ」になります。読んだ数から始めると、「読む時間をどう確保するか」の話になり、運用が続きます。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「受諾率が、スカウト運用の良し悪しを表す」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、ワンキャリアのスカウトの運用を見ていますが、受諾率が高い会社が、決定まで進んでいるとは限りません。煽りの文面で受諾を集め、面談で「思っていたのと違う」と離れ、体験談に「スカウトは良く書いてあったが」と書かれる。受諾率だけを見ていると、この会社は「うまくいっている」に見えます。逆に、受諾率は目立たなくても、受諾した学生のほとんどが面談に来て、選考に進み、体験談に「自分のことを読んでくれていた」と書かれる会社があります。当社がKPIを設計するとき、受諾率を単独では見ません。段を並べて、どこで細くなっているかを見て、体験談の言葉を横に置きます。
目標値ではなく、変化と言葉で見る
各段の数字は、目標値と比べるのではなく、次の三つで見ます。
- 前年の同じ時期との変化:新卒は年周期なので、前月との比較は意味が薄い。初年度は記録が目的
- 面接で聞いた言葉:「スカウトのどこに反応したか」「企業ページのどこを読んだか」。数字の理由は、この言葉にある
- 体験談への言及:「自分のことを読んでいた」「テンプレだった」「返信が遅かった」。翌年の結果を決める
目標値を置かない理由は、自社の学生と募集と時期で、数字の水準が変わるからです。「受諾率が低い」かどうかは、他社と比べても分からず、自社の前年と比べて初めて分かります。
細い段ごとの、直す場所
| 細くなっている段 | 見る場所 | 直す場所 |
|---|---|---|
| 読んだ数が少ない | 読む時間が取れているか | 送る人の枠、絞り込みの条件。ワンキャリアのスカウト対象の絞り方 |
| 読んだのに送っていない | 絞り込みが広い | 条件を絞る |
| 送ったのに受諾が来ない | 文面に学生の一文があるか、企業ページと体験談が整っているか | ワンキャリアのスカウト文面の書き方、企業ページ、体験談 |
| 受諾は来るが面談に進まない | 受諾への対応の速さ、日程調整 | スカウトが受諾されたあとの連絡 |
| 面談はするが選考に進まない | 面談の設計、文面と企業ページとの整合 | スカウト経由の初回面談の設計 |
| 選考に進むが決まらない | 選考の型、条件、他社との比較 | 選考の設計。スカウトの外 |
「細くなっている段の一つ前」を見るのが原則です。面談に進まないなら、面談ではなく受諾への対応を見ます。
受諾率だけを追うと、起きること
- 文面が煽りに寄る:「限定」「早期選考」で受諾は増える。体験談に書かれる
- 絞り込みが「受諾しやすい学生」に寄る:就職活動を急いでいる学生だけに送り、募集に合う学生が外れる
- 面談以降が見えなくなる:受諾で満足し、面談で離れても気づかない
- 送る数が減る:受諾率を下げないために、送らなくなる
受諾率は、「文面と絞り込みと企業ページが学生に届いているか」を見る一つの指標で、それ以上ではありません。
ワンキャリアに独自の指標|体験談にスカウトの印象が書かれたか
| 見るもの | 意味 |
|---|---|
| 「自分のことを読んでくれていた」「プロフィールの〇〇に触れていた」 | 文面の1段目が効いている。最も良い状態 |
| 「テンプレだった」「大学名だけ変えたような」 | 読まずに送っている。翌年の学生に読まれる |
| 「返信したら、すぐ連絡が来た」 | 受諾への対応が速い |
| 「返信したのに、連絡が遅かった」 | 対応の遅れ。翌年の学生に読まれる |
| 「話す場と聞いていたのに、選考だった」 | 文面と面談がずれている |
| 「スカウトに書いてあった選考の流れのとおりだった」 | 文面と企業ページと面談が揃っている |
数字より、この言葉のほうが、翌年の結果を決めます。「テンプレだった」が書かれた年の翌年は、どれだけ文面を整えても、その体験談が先に読まれます。
上司への報告の形
- 段ごとの数:読んだ・送った・受諾・面談・選考・決定。一行ずつ
- 前年との変化:どの段が太くなり、どの段が細くなったか
- その年に直した一か所:何を直したか
- 面接で聞いた言葉と、体験談への言及:数件でよい
- 来年に直す一か所:どの段が細いので、どこを直すか
「受諾率が低い」という報告より、「受諾から面談への段が細く、受諾への対応が遅れていたので、来年は対応する人を決める」という報告のほうが、上司も判断できます。
新卒は、年単位で比べる
- 初年度は、段を並べて記録することが目的:比較は翌年
- 二年目以降は、前年の同じ時期と比べる:前月との比較はしない
- 四半期は、運用の細い段(受諾への対応の速さ)を見る:直せるのは運用
- 年度は、掲載と文面と絞り込みを見直す:大きな直しは年度の切れ目
- 体験談は、選考の山のあとに読む:その年の判断の材料
「四半期は運用、年度は設計」の分け方は、掲載のKPIと同じです。ワンキャリアの掲載のKPI設計で書きました。
台帳からKPIを出す形
| 残すこと | 使い方 |
|---|---|
| 読んだ数、送った数(週ごと) | 段の表の起点 |
| 受諾の有無と内容の型 | 受諾の段 |
| 受諾から対応までの時間、面談の日時 | 面談の段と、対応の速さ |
| 選考と決定 | 段の表の終点 |
| 面接で聞いた「スカウトのどこに反応したか」 | 文面の型の材料 |
| 体験談へのスカウトの言及(要点) | 年度の判断 |
| その年に直した箇所と時期 | 変化との結びつけ |
台帳が無ければ、KPIは出ません。KPIを設計する前に、台帳を付ける形を作ります。台帳の型はワンキャリアのスカウト対象の絞り方で書いたものに、受諾後の欄と体験談の欄を足します。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 段の構成を決める | 人事 |
| 台帳から毎月数える | 人事 |
| 面接で「スカウトのどこに反応したか」を聞く | 面談・面接に出る人 |
| 体験談へのスカウトの言及を要点で記録する | 人事 |
| 細い段を見つけ、直す一か所を決める | 人事と責任者 |
| 上司に報告する | 人事 |
| 年度に、前年との変化と体験談で判断する | 人事と責任者 |
運用代行や代理店が支えられるのは、段の設計、台帳からKPIを出す形、報告の型、細い段の見つけ方、直す場所の案までで、数えること、面接で聞くこと、体験談を読むこと、直す判断は企業が行います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
媒体を比べたり運用を見直したりするときに、ワンキャリアのスカウトの成果を「受諾率が他社と比べてどうか」で判断しようとする会社は多いのですが、他社の受諾率は、学生も募集も文面も体験談も違う数字で、自社の判断には使えません。当社が3媒体の販売パートナーとして持っている他社の数字は、参考として話すことはあっても、自社の目標にはしないようお願いしています。自社の判断に使えるのは、自社の前年の段の数と、面接で聞いた言葉と、自社の体験談に書かれたスカウトの印象だけです。特にワンキャリアでは、「自分のことを読んでくれていた」と体験談に書かれた年の翌年は、数字が動きます。当社がKPIの設計で最初に作るのは、段の表と、体験談の言葉を記録する欄です。二年分溜まれば、その会社の基準が見えます。
まとめ
- KPIは達成するものではなく「どこで細くなったかを見つける表」。送信数や受諾率の目標値を先に置かない
- 段は、読んだ→送った→受諾→面談→選考→決定。読んだ数から始める
- 目標値ではなく、前年との変化と、面接で聞いた言葉と、体験談への言及で判断する。前月との比較はしない
- 細くなっている段の一つ前を見て、直す場所を決める。受諾率だけを追うと、煽りと絞り込みの偏りと面談以降の見落としが起きる
- ワンキャリア独自の指標は「体験談にスカウトの印象が書かれたか」。四半期は運用を、年度は設計を直す。台帳が無ければKPIは出ない
よくある質問
上司から「受諾率の目標を出せ」と言われています
目標値ではなく、「段ごとの数と、前年との変化と、直した一か所」の形で報告することを提案します。受諾率の目標値を置くと、煽りの文面に寄り、面談で離れ、体験談に書かれて翌年のスカウトが効かなくなることを伝えます。どうしても数字が要るなら、「前年より受諾から面談への段を太くする」のように、変化で置きます。
初年度で、前年と比べられません
初年度は、段を並べて記録することが目的です。比較は翌年に行います。初年度に見るのは、段ごとの数の絶対値ではなく、「どの段の間で極端に細くなっているか」と、最初の体験談にスカウトについて何が書かれたかです。
ワンキャリアのスカウト運用のKPI設計は、御社に相談できますか
できます。当社は、段の設計、台帳からKPIを出す形、報告の型、細い段の見つけ方、直す場所の案を支えられます。数えること、面接で聞くこと、体験談を読むこと、直す判断は、企業が行ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、ワンキャリアのスカウト運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
相談無料 / 求人広告代理店エージェントベスト
ワンキャリアの掲載・スカウト・イベント、組み立てから相談できます
- 採用人数と時期から、掲載・スカウト・イベントの組み合わせを一緒に考えます
- ほかの新卒媒体と並べて、どこに予算を置くかを比較します
- これから申し込む場合も、料金は正規料金のままです
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