Wantedlyでカスタマーサクセスを採る募集記事の書き方|成功の定義を書く
Wantedlyでカスタマーサクセスの募集記事を出したとき、最初にぶつかるのは「『顧客の成功を支援』『解約を防ぐ』と書いたのに、話を聞きに来る人が少ない。来ても、面談で『成功とは何ですか』『サポートとの違いは何ですか』『製品側に声は戻せますか』を聞かれて答えられない」という問題です。結論から言うと、カスタマーサクセスの募集記事は、「顧客の成功を支援」ではなく「何の顧客の、何が続いたら成功で、それを誰の数字で見て、サポートや営業とどこで分かれ、製品側に何を戻せるか」を書き、募集記事を書く前に社内で成功の定義と境界を決めておきます。 この記事では、カスタマーサクセスが募集記事で見ているもの、書く前に決めること、「なにを・なぜ・どうやって」の書き方、「こんな人」の書き方、スカウトと面談への接続、社内の分担、やりがちな失敗を整理します。募集記事の基本構成はWantedlyの募集記事の基本構成、スカウト文面の型はビジネス職向けスカウト文面の型で書きました。
カスタマーサクセスが募集記事で見ているもの
| 見ているもの | 何を確かめているか |
|---|---|
| 何の顧客を、何社持つか | 企業か個人か。単価と、契約の長さ。一人で何社を見るか。少数を深くか、多数を広くか |
| 「成功」の定義と、数字 | 顧客の何が続いたら成功か。それを何の数字で見るか。決まっているか、決まっていないか |
| サポートとの境界 | 問い合わせ対応もするのか。サポートは別にいるのか。「困ったら全部」なのか |
| 営業との境界と、売上の責任 | 更新や追加の売上に責任があるか。営業に渡すのか。数字が給与に連動するか |
| 製品側に声を戻せるか | 顧客の困りごとを、製品を作る側に戻す仕組みがあるか。戻しても変わらないのか |
| 顧客に会う形 | 直接会うのか、画面越しか、連絡だけか。定期か、困ったときだけか |
「成功の定義」と「製品側に声を戻せるか」が、カスタマーサクセスに特有の点です。「顧客の成功を支援」の一語では、ここが分かりません。
書く前に決めること|成功の定義、顧客の数と種類、境界、製品への戻し方
| 決めること | 選択肢 |
|---|---|
| 成功の定義 | 顧客の何が続いたら成功か。「使い続ける」「〇〇の機能を使う」「顧客の△△が良くなる」。一つに |
| 見る数字 | 継続か、利用の深さか、顧客の成果か。決まっていないなら、決まっていないと |
| 持つ顧客の数と種類 | 一人で何社か(目安)。単価の高い少数か、低い多数か。最初に持つ顧客の種類 |
| サポートとの境界 | 問い合わせ対応を含む/別の担当がいる。含むなら、そう書く |
| 営業との境界 | 更新と追加の売上に責任がある/営業に渡す。給与に連動するか |
| 製品への戻し方 | 声を戻す場があるか。戻して変わった例があるか。無いなら、無いと |
| 顧客に会う形 | 直接/画面越し/連絡だけ。定期か、困ったときだけか |
| 最初の月に任せること | 既存顧客の引き継ぎか、新しく契約した顧客の立ち上げか。誰と組むか |
「サポートも兼ねる」「売上の責任がある」「製品側に戻しても、すぐには変わらない」でも構いません。隠さずに書けば、それを前提に読む人が来ます。
「なにを」|何の顧客の、何が続いたら成功か
「なにをやっているのか」は、会社の事業の説明ではなく、このカスタマーサクセスが持つ顧客と、成功の定義に絞ります。
- 顧客を、具体に書く:「〇〇の業種の、△△の担当者が使っている」「契約は□□の単位で、一人で見るのは〇〇社前後」。数値は確認できる範囲で
- 成功の定義を、一文で書く:「顧客が〇〇を毎週使い続けていたら成功」「顧客の△△が減っていたら成功」
- いまの状態を書く:「契約後に使われなくなる顧客が一定数いて、なぜかが分かっていない」「使われているが、深い機能まで届いていない」
- 製品への戻し方を書く:「顧客の声を〇〇の場で製品側に戻す。前に△△が変わった」。戻す場が無いなら、無いと
「なにを」の書き方の基本は「なにをやっているのか」の書き方で書きました。
エージェントベストの見解
カスタマーサクセスの募集記事を出す前に、先に決めておかないと効果が出ないのは、「成功の定義を一文にすること」です。当社がWantedlyのカスタマーサクセスの募集を支えるとき、「顧客の成功を支援」「解約率を下げる」と書かれているのに、経営者に聞くと「成功が何かは、まだ言葉になっていない」という会社が多くあります。カスタマーサクセスが面談で最初に聞くのは、顧客の数ではなく、「御社にとって、顧客の何が続いたら成功ですか」です。ここに答えがないと、「解約を止めるだけの仕事」か「問い合わせ対応」を想像して離れます。定義が決まっていなくても構いません。「成功が何かを、まだ一文にできていない。最初の月は、使い続けている顧客と離れた顧客を並べて、何が違うかを一緒に見つけるところから」と書けば、「定義を作る仕事」として読まれます。当社が最初にお願いするのは、顧客の数の確認ではなく、経営者に「顧客の何が続いたら、うちは嬉しいか」を一文で言ってもらうことです。
「どうやって」|顧客との関わり方と、境界の書き方
| 書くこと | 書き方 |
|---|---|
| 顧客との関わりの流れ | 契約後の立ち上げ、定期の確認、困ったときの対応。何を、どの頻度で、どの形で |
| 見る数字 | 何を、どこで見て、誰と振り返るか。決まっていないなら、決まっていないと |
| サポートとの境界 | 問い合わせを受けるか。受けるなら、どこまで。別の担当に渡す基準 |
| 営業との境界 | 更新と追加の売上を誰が持つか。営業に渡す基準。給与への連動の仕組み |
| 製品への戻し方 | 声を戻す場、頻度、誰が受ける。前に変わった例。無ければ書かない |
| 前に成功した例 | 「〇〇の顧客が使われなくなりかけて、△△をして、使い続けた」。顧客が特定されない形で |
「伴走します」と書くより、「契約後の一か月は週に一度、その後は月に一度、〇〇を確認する」と書くほうが、関わり方が伝わります。書き方の基本は「どうやっているのか」の書き方で書きました。
「こんな人」|経歴ではなく、行動で書く
| 経歴で書く(避ける) | 行動で書く |
|---|---|
| カスタマーサクセス経験 | 使われなくなりかけた顧客の、使われない理由を見つけて、戻したことがある |
| ホスピタリティのある方 | 顧客が言っていない困りごとを、使い方の記録から見つけたことがある |
| コミュニケーション能力 | 顧客の困りごとを、製品を作る側に、作る側が動ける形で伝えたことがある |
| 営業経験 | 顧客の困りごとから、追加の提案をして、決まったことがある(売上の責任があるなら) |
| 即戦力 | 最初の月は〇〇の既存顧客の引き継ぎを任せる予定です。△△と組みます |
「使われない理由を見つけて、戻した」が、カスタマーサクセスで最も読まれる行動です。「最初の月に何を任せ、誰と組むか」を書くと、経験年数の条件がいらなくなります。書き方の基本は「こんなことやります」の書き方で書きました。
スカウトと面談への接続
- スカウトの文面は、募集記事の「何が続いたら成功で、製品側に何を戻せるか」と同じ言葉で:相手が「何の顧客の、何を続けさせ、製品側に何を戻したか」を読み、自社の成功の定義と重ねる。ビジネス職向けスカウト文面の型
- 面談には、経営者か事業の責任者と、製品を作る側の人が出る:製品を作る側の人が出ると、「声を戻せる」が言葉でなく実際に伝わる
- 面談で話すのは、成功の定義と、離れた顧客の話:使い続けている顧客と離れた顧客の実態、なぜかが分かっていないなら分かっていないと、相手ならどう見つけるかを聞く
- 境界を隠さない:サポートを兼ねるか、売上の責任があるか、責任者本人が話す
つなげ方はスカウトと募集記事のつなげ方で書きました。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 成功の定義、顧客の数と種類、境界、製品への戻し方を決める | 経営者か事業の責任者 |
| 「なにを」(顧客、成功の定義、いまの状態)の下書き | 人事が、いま顧客を見ている人に聞いて書く |
| 「どうやって」(関わりの流れ、数字、境界) | いま顧客を見ている人が話し、人事が書き、本人が確認 |
| 製品への戻し方と、前に変わった例 | 製品を作る側の責任者 |
| 「こんな人」を行動で書く、最初の月の予定 | 事業の責任者と人事 |
| 面談 | 事業の責任者と、製品を作る側の人 |
一人目のカスタマーサクセスを採る募集では、いま営業かサポートか経営者が兼務で顧客を見ていることが多くあります。その場合は、「いまは営業が契約後も見ていて、〇〇ができていない。最初の月は△△の顧客の引き継ぎから。成功の定義は一緒に作る」と正直に書きます。
運用代行や代理店が支えられるのは、募集記事の型、成功の定義と境界を文で書く直し方、「こんな人」を行動に直す作業、スカウト文面との整合の確認までで、成功の定義、境界の決定、面談は社内が担います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「カスタマーサクセスには、『売上の責任は無い』と書いたほうが来る」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、Wantedlyのカスタマーサクセスの募集と面談を見ていますが、売上の責任の有無そのものは、話を聞きに来るかどうかとほとんど関係がありません。関係があるのは、「境界が書かれているか」です。売上の責任があっても、「更新と追加の提案はこの仕事が持つ。数字は〇〇で見て、給与には△△の形で連動する」と書かれていれば、それを前提に読む人が来ます。逆に、「売上の責任は無い」と書いて、面談で「更新率は見る」「追加提案はしてほしい」と出ると、その場で信用を失います。サポートとの境界も同じで、「問い合わせも受ける」と書かれていれば、受ける前提の人が来ます。当社が案内するのは、責任の有無を軽く見せず、サポートと営業との境界を両方書き、給与への連動があるなら仕組みを書くことです。責任の軽さで人は来ません。境界が書かれていることで来ます。
やりがちな失敗
| 失敗 | 何が起きるか | 直し方 |
|---|---|---|
| 「顧客の成功を支援」「伴走」で書く | どの募集記事にもあり、読まれない | 何が続いたら成功か、を一文で |
| 成功の定義が無いのに、あるように書く | 面談で聞かれ、答えられない | 無いなら、一緒に作ると書く |
| サポートとの境界を書かない | 「問い合わせ対応が中心」を想像される | 受けるか、受けないか、どこまでかを書く |
| 売上の責任を軽く見せる | 面談か入社後に分かり、信用を失う | 有るなら有ると、仕組みと一緒に |
| 製品への戻し方を盛る | 「戻しても変わらない」と入社後に分かる | 場の有無と、前に変わった例だけ |
| 面談に製品を作る側が出ない | 「声を戻せる」が伝わらない | 作る側の人が出る |
最も多いのは、最初の「顧客の成功を支援」です。
まとめ
- カスタマーサクセスが見ているのは、何の顧客を何社持つか・成功の定義と数字・サポートとの境界・売上の責任・製品側に声を戻せるか・顧客に会う形
- 書く前に、成功の定義を一文にし、顧客の数と種類、サポートと営業との境界、製品への戻し方を、経営者か事業の責任者が決める。定義が無いなら、一緒に作ると書く
- 「なにを」は顧客と成功の定義といまの状態。「どうやって」は関わりの流れと数字と境界を、頻度と形で。前に成功した例を一つ
- 「こんな人」は経歴ではなく、「使われない理由を見つけて戻した」「作る側が動ける形で伝えた」の行動で
- 面談には事業の責任者と製品を作る側の人が出て、成功の定義と離れた顧客の実態、境界を隠さず話す
よくある質問
成功の定義が、まだ言葉になっていません
無いと書きます。「成功が何かを、まだ一文にできていない。使い続けている顧客と離れた顧客を並べて、何が違うかを見つけるところから、一緒にやってほしい」のように、無いことと、最初の月に何をするかを書きます。定義を作る仕事に関心がある人には、「やることがある」として読まれます。
問い合わせ対応も兼ねてほしいのですが、書くと来ませんか
隠すほうが、入社後に分かって離れます。「問い合わせも受ける。〇〇の種類はこの仕事が答え、△△は別の担当に渡す。問い合わせの中から、使われない理由を見つけてほしい」のように、受ける範囲と、渡す基準と、それをどう活かすかを書きます。問い合わせを「使われない理由の情報源」と捉える人には、兼ねることが理由になります。
カスタマーサクセスの募集記事は、御社に相談できますか
できます。当社は、募集記事の型、成功の定義と境界を文で書く直し方、「こんな人」を行動に直す作業、スカウト文面との整合の確認を支えられます。成功の定義、境界の決定、面談は、社内で担ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、Wantedlyの募集記事とスカウトの運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
本記事は 2026/9/20 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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