採用KPIの目標の決め方|逆算と時間の上限の小さいほうに置く
採用KPIに目標を置きたい。ところが、「前年より多く」「他社並み」で決め、採る人数からの逆算だけで置いて時間が足りずに崩れ、率に目標を置いて分母を減らす運用に寄り、毎月「未達」の表になり、期の途中で目標を動かして前年と比べられなくなる。結論から言うと、目標は二つの道で出し、小さいほうに置きます。一つは、採る人数から逆算した数(承諾→内定→面談→接点と割り戻す)。もう一つは、担当と現場の時間から出した上限(返信の枠、面談の枠、面接官の日から、会える数を出す)。逆算だけで置くと、時間が足りずに途中で崩れます。時間だけで置くと、採る人数に届きません。二つが合わないとき、目標を下げて帳尻を合わせるのではなく、「人数を減らすか、時間を増やすか」を経営に返します。これは人事が決めることではありません。率には目標を置きません(分母が動き、分母を減らす運用に寄る)。日数の目標は、速さを競うためではなく、遅い段を見つけて直すためだけに置きます。 この記事では、目標の置き方で起きる失敗、二つの道、小さいほうに置く理由、経営に返すこと、率と日数の扱い、見直す時期、一枚の型、分担を整理します。KPIの基本は採用KPIの基本、新卒は新卒採用のKPI、中途は中途採用のKPI、逆算は新卒採用計画の立て方で書きました。数値と料金は書きません。
この作業の目的|届かないことを、期の前に見つける
目標の目的は、達成を約束することではなく、「いまの時間で採る人数に届くか」を期の前に見つけることです。届かないなら、期の前に人数か時間を動かせます。期が始まってから届かないことが分かると、動かせるのは運用だけになり、返信と面談を削る形になります。
目標の置き方で、起きる失敗
- 「前年より多く」で決める:前年の数に根拠が無いまま、上に積む。時間は増えていない
- 「他社並み」で決める:他社の人数、時間、職種が違う。比べても、直す場所が分からない
- 採る人数からの逆算だけで、置く:必要な接点の数が出るが、それを回す時間があるかを見ていない
- 時間を見ずに、置く:面談の枠と面接官の日が足りず、承認が増えても会えない
- 率に、目標を置く:分母を減らせば上がる。応募を絞る、内定を出す数を減らす運用に寄る
- 毎月「未達」の表になる:目標が高すぎて、直す場所が見えないまま未達が並ぶ
- 期の途中で、目標を動かす:前年と比べられなくなり、振り返りの材料が消える
目標を置く、二つの道
| 道 | 出し方 | 出てくるもの |
|---|---|---|
| 採る人数からの逆算 | 採る人数→承諾→内定→面接→面談→接点と、前年の割合で割り戻す | 必要な接点と面談の数 |
| 担当と現場の時間からの上限 | 返信の枠、面談の枠、面接官の日から、会える数を出す | 回せる面談と面接の数 |
- 逆算の割合は、前年の実績か、無ければ仮置き:仮置きなら、月に一度置き直す。母集団の目標数の決め方
- 時間の上限は、人事の時間だけでなく、現場と面接官の時間:ここが上限になることが多い
- 二つを、別々に出す:先に片方を出して、もう片方を合わせない
- 職種ごと、卒年ごと、募集ごとに出す:まとめて出さない
エージェントベストの見解
これは順番の話です。目標の相談で、「まず目標の数字を決めて、そこから媒体と送る数を決めたい」と言われることがあります。当社がお願いする順番は、「採る人数から逆算して、必要な面談の数を出す」、「担当と現場の時間から、回せる面談の数を出す」、「二つを並べる」、「小さいほうを目標に置く」、「二つの差を経営に見せる」、です。逆算だけで目標を置くと、その数を追って送る数が増え、返信と面談が回らなくなり、承認が積み上がって放置が起きます。放置された学生は次の年の後輩に伝えます。目標は、達成すべき数ではなく、「この時間で届くか」を確かめるための数です。二つを並べて差が出たときが、経営と話す時期で、そこで人数を減らすか時間を増やすかが決まれば、期の中で無理をせずに済みます。
小さいほうに、置く理由
- 時間の上限を超えた目標は、運用を壊す:返信を削り、面談を短くし、放置が増える
- 逆算の数に届かない目標でも、置く意味がある:「この時間では届かない」が、期の前に見える
- 小さいほうに置いて、差を残す:差が、経営に返す材料
- 差を埋めるのは、運用ではなく、人数か時間:運用の改善で埋まる差は小さい
- 小さいほうが時間の上限なら、入口の数も上限に合わせる:入口を増やしても会えない。新卒採用計画の立て方
二つが合わないときに、経営に返すこと
- 返すのは、「目標を下げてよいか」ではなく、「人数を減らすか、時間を増やすか」:選択肢を二つ出す
- 時間を増やす形を、具体で示す:面接官の日を増やす、現場が面談に出る時間を増やす、採用の担当を増やす、外に出せる作業を出す
- 人数を減らす形も、具体で示す:職種を絞る、採る時期を分ける、中途に回す
- どちらも無理なら、届かない前提で期を始めることを合意する:合意があれば、期の途中で無理をしない
- 差を数で見せる:「逆算では面談が〇必要、時間で回せるのは△」。言葉ではなく数で
- この判断は、人事が決めることではない:決めるのは経営
率と、日数の扱い
- 率に、目標を置かない:分母が動く。分母を減らせば上がる。率は、理由を探すときに見る
- 率が悪いときに見るのは、分母か分子のどちらが動いたか:率の数字だけを追わない
- 日数の目標は、遅い段を直すためだけに置く:速さを競う目標にすると、面談を短くして判断を雑にする
- 日数は、段ごとに持つ:全体の日数だけでは、どこが遅いか分からない
- 返信の日数は、目標というより枠:一日二回の枠で返す、が運用の形。4年生の春に何をするか
- 測ってもよいが目標を置かない数:応募数、承認数、送信数、イベントの参加者数。採用KPIの基本
目標を、見直す時期
- 期の途中で、目標の数を動かさない:前年と比べられなくなる
- 動かすのは、割合の仮置き:逆算に使った割合を、月に一度、実績で置き直す。目標の数は動かさない
- 人数と時間が変わったときは、目標を作り直す:採る人数が変わった、担当が減った。これは「動かす」ではなく「作り直す」で、作り直した日を記録する
- 見直すのは、期の終わりの振り返りで:次の期の目標に、今期のずれを反映する。新卒採用の年間振り返り
- 未達が続くなら、目標ではなく前提(人数か時間)を見る:目標を下げて達成しても、採る人数は変わらない
一枚の型
- 上に、採る人数と職種、卒年(または募集)
- 左に、逆算(承諾→内定→面接→面談→接点)と、使った割合
- 右に、時間の上限(返信の枠、面談の枠、面接官の日、会える数)
- 中央に、小さいほうを目標として置き、差を書く
- 下に、差を経営に返した日と、決まったこと(人数を減らす・時間を増やす・届かない前提で合意)
- 割合の仮置きを置き直した日を、欄外に
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 採る人数と職種を決める | 経営 |
| 逆算に使う割合を出す(前年の実績か仮置き) | 人事 |
| 担当と現場と面接官の時間を出す | 人事責任者と現場の責任者 |
| 二つを並べ、小さいほうを目標に置く | 人事責任者 |
| 差を経営に返し、人数か時間かを決めてもらう | 人事責任者と経営 |
| 割合を月に一度置き直す(目標の数は動かさない) | 人事 |
| 期の終わりに、次の期の目標にずれを反映する | 人事責任者 |
運用代行や代理店が支えられるのは、逆算の型、時間の上限の出し方の型、差の見せ方の型、割合の置き直し、数の集計までで、採る人数の決定、時間の確保、人数か時間かの判断、目標の決定は企業が行います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
これは数字の読み方の話です。目標の相談で、「他社はこのくらいの数字だと聞いた」と言われることがあります。当社は3媒体すべての販売パートナーとして多くの会社の運用を見ていますが、他社の数字を目標にすることはお勧めしていません。採る人数も、職種も、担当の時間も、面接官の数も、会社ごとに違います。同じ数字でも、時間が倍ある会社では余裕があり、半分の会社では崩れます。他社の数字が役に立つのは、「そういう数もあるらしい」と知ることまでで、自社の目標にはなりません。比べるなら、前年の自社の同じ職種、同じ卒年、同じ期間の数です。前年が無いなら、最初の年は仮置きで始めて、月に一度置き直してください。他社の数字に合わせて目標を置くと、届かない理由が「自社の何か」ではなく「他社との違い」になり、直す場所が見つかりません。
まとめ
- 目標は「前年より多く」「他社並み」で決めない。採る人数から逆算した数と、担当と現場の時間から出した上限の、小さいほうに置く
- 逆算だけだと時間が足りずに崩れ、時間だけだと採る人数に届かない。二つを別々に出して並べ、差を残す
- 二つが合わないときは、目標を下げるのではなく「人数を減らすか、時間を増やすか」を数で経営に返す。どちらも無理なら、届かない前提で期を始めることを合意する
- 率に目標を置かない(分母を減らす運用に寄る)。日数の目標は、遅い段を直すためだけに段ごとに置く
- 期の途中で目標の数を動かさない。動かすのは逆算に使った割合の仮置き。人数や時間が変わったときだけ作り直し、その日を記録する
よくある質問
経営から「前年より多い目標を」と言われます
前年の数と、前年に使った時間を並べて見せてください。「前年は面談〇で、担当の時間は△だった。今年その数を増やすには、時間を□増やすか、職種を絞る必要がある」と、数で返します。目標だけを上げて時間が同じなら、返信と面談を削ることになり、翌年も同じ相談になります。判断は経営のものですが、材料は人事が出せます。
前年の実績が無く、逆算の割合が置けません
仮置きで始めてください。承諾から入社、内定から承諾、面談から内定の割合を、自社の感覚で置き、月に一度、実績で置き直します。最初の年は、目標の数より「割合を記録する形を作ること」を優先してください。二年目から、逆算が自社の数で回ります。
採用KPIの目標の決め方は、御社に相談できますか
できます。当社は、逆算の型、時間の上限の出し方の型、差の見せ方の型、割合の置き直し、数の集計を支えられます。採る人数の決定、時間の確保、人数か時間かの判断、目標の決定は、企業が行ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、3媒体の運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
相談無料 / 求人広告代理店エージェントベスト
採用の進め方を、媒体選びから一緒に整理しませんか
- 採用人数・時期・体制から、どの媒体で何をするかを一緒に整理します
- スカウト代行・運用代行と組み合わせて、手が回らない部分を外に出せます
- 料金は各媒体の正規料金のまま。ご相談・お見積りは無料です
この記事の内容に合うサービス:採用ご担当者さま向けサービス一覧 ↗人材紹介・採用代行・求人広告代理店