新卒採用のKPI|二つの卒年を分けて持つ四つの数
新卒採用のKPIを置きたい。ところが、一つの表に二つの卒年を混ぜ、応募数と承認数を毎月眺め、KPIが出そろうのは一年後なので途中で判断できず、どの期間でも同じ数を見て、学生の層(文系・理系・院生)で分けず、入社の数で切って一年後を見ない。結論から言うと、新卒のKPIは、一年の流れと二つの卒年が重なる前提で、卒年ごとに持ちます。置くのは四つ。「こんな人」に近い学生の面談数、各段の日数、承諾した数、一年後に残った数です。応募数と承認数は測ってもよいですが、見る数にしません。この四つは、出そろうのが一年後なので、途中の判断には使えません。途中で見るのは「先に動く数」に置き換えます。面談の枠の埋まり方、返信の日数、早期の接点が次の接点につながった割合です。この三つは、四つのKPIより先に動き、直す場所を示します。期間(準備・早期・選考期・後期・内定フォロー)ごとに、見る数を変えます。全期間で同じ数を見ると、早期に選考期の物差しを当てることになります。 この記事では、新卒のKPIで起きる失敗、卒年ごとに持つ、置く四つ、先に動く数、期間ごとに変える、学生の層、経営への報告、一枚の型、分担を整理します。KPIの基本は採用KPIの基本、中途は中途採用のKPI、母集団のKPIは母集団形成のKPI、年間の期間は新卒採用の年間スケジュールの基本で書きました。数値と料金は書きません。
この作業の目的|一年後に出る数を、途中で先取りする
新卒のKPIは、承諾と一年後に残った数が出るまで一年かかります。目的は、その一年後の数を、途中の「先に動く数」で先取りすることです。先に動く数が悪いまま一年を過ごすと、一年後の数も悪くなります。先に動く数を毎月見て直せば、一年後の数が変わります。
新卒のKPIで、起きる失敗
- 一つの表に、二つの卒年を混ぜる:上の卒年の内定と、下の卒年の早期の接点が同じ数に入る。どちらが動いていないか見えない
- 応募数と承認数を、見る:測りやすいが、「こんな人」に近いかが分からず、採る人数と結び付かない。採用KPIの基本
- KPIが出そろう一年後まで、判断できない:承諾と一年後の数を待っていると、直す機会が年に一度しかない
- 期間ごとに、見る数を変えない:早期の接点を選考期の物差し(面談、内定)で数えて「早期は効かない」と読む。早期の母集団形成
- 学生の層で、分けない:文系と理系と院生で動ける時期が違うのに、一つの数で見る
- 入社の数で、切る:一年後に残った数を見ないと、入口を良く見せる方向に寄る
卒年ごとに、持つ
- 卒年ごとに、表を分ける:上の卒年と下の卒年を足さない。2卒年を同時に動かすときの整理
- 卒年ごとに、いまどの期間かが違う:上の卒年は内定フォロー、下の卒年は早期。見る数が違う
- 重なる月は、両方の表を見る:担当の時間の配分の判断に使う
- 終わった卒年の表は、閉じて残す:翌年の同じ期間の数と比べる材料に
- 比べるのは、他社や業界の平均ではなく、前年の同じ卒年の同じ期間:採用KPIの基本
エージェントベストの見解
これは数字の読み方の話です。新卒の相談で、「今月は承認が多かったので、順調です」と言われることがあります。承認の数は、学生が「話を聞いてもよい」と押した数で、「こんな人」に近い学生の数でも、面談に来る数でもありません。当社は3媒体すべての販売パートナーとして運用を見ていますが、承認が多い月の翌月に面談が増えていない会社は珍しくありません。当社がお願いしているのは、見る数を「こんな人に近い学生の面談数」に置くことです。承認は、面談の前の段で、測ってもよいが見ない。見る数を面談に置くと、文面と検索の絞り方が変わり、承認は減って面談が増えます。承認の数を成果として報告し続けると、承認を増やす運用(広く送る、条件を緩く書く)に寄って、面談が減ります。数を置く場所が、運用を決めます。
置く、四つ
| KPI | 中身 | 見る時期 |
|---|---|---|
| 近い学生の面談数 | 「こんな人」に近い学生が、面談まで来た数 | 毎月(選考期は毎週) |
| 各段の日数 | 接点→面談→面接→内定→承諾の、段ごとの日数 | 毎月 |
| 承諾した数 | 内定を承諾した数。職種ごと | 承諾の時期 |
| 一年後に残った数 | 入社の一年後に残っている数 | 一年後 |
- 「近い」の基準を、先に決める:行動で。「〇〇したことがある」。基準が無いと、面談数がただの面談数になる
- 各段の日数は、遅い段を見つけるための数:速くすることが目的ではなく、遅い段を直すため
- 承諾した数は、内定を出した数と分ける:内定を出した数は、承諾の見込みではない
- 一年後に残った数は、入社の一年後に追記する:閉じた卒年の表に書き足す
- 四つ以外を、見る数にしない:応募数、承認数、イベントの参加者数は測ってもよい
途中で見る、「先に動く数」
四つのKPIは出そろうのが遅いので、途中は次の三つで判断します。
| 先に動く数 | 何を示すか | 悪いときに直す場所 |
|---|---|---|
| 面談の枠の埋まり方 | 現場の時間が確保できているか | 現場の時間、面談の枠の出し方 |
| 返信の日数 | 学生が待たされていないか | 返信の枠、担当の時間 |
| 早期の接点が次の接点につながった割合 | 早期の接点が続いているか | 連絡の時期、記録の残し方 |
- この三つは、四つのKPIより先に動く:ここが悪いまま一年を過ごすと、承諾と一年後の数も悪くなる
- 毎月、この三つを見る:四つのKPIは、出た時期に見る
- 三つが良くて四つが悪いなら、「こんな人」の基準か、母集団の入口を見る:運用ではなく、対象の問題
- 早期の接点の割合は、3年生の秋に何をするかの引き継ぎと同じ考え方
期間ごとに、見る数を変える
| 期間 | 見る数 | 見ない数 |
|---|---|---|
| 準備 | 文面・企業ページ・枠の確保が終わったか | 数は出ない |
| 早期 | 接点の数と、記録が残った数、次の接点につながった割合 | 面談数、内定数 |
| 選考期 | 近い学生の面談数、返信の日数、面談の枠の埋まり方 | 早期の接点の数 |
| 後期 | 対象を絞った上での面談数と、内定までの日数 | 母集団の総数 |
| 内定フォロー | 連絡が続いている人数、辞退が出た時期 | 新しい接点の数 |
- 早期に、選考期の物差しを当てない:早期の接点は「知ってもらった数」
- 選考期に、早期の数を眺めない:選考期に見るのは、いま動いている学生の数と日数
- 内定フォローの期間は、数より「連絡が空いた人がいないか」:内定者フォローの年間計画
学生の層で、分ける
- 文系・理系・院生・高専生・留学生で、分けて置く:動ける時期と入口が違う。理系学生の採用スケジュール
- 理系は、推薦経由と媒体経由を分ける:媒体の数が少ないのは仕組みの結果
- 層ごとに、前年の同じ層と比べる:層をまたいで比べない
- 層の数が多いなら、採る層を絞る判断も:表の本数だけ、見る時間が要る
- 層ごとの「こんな人」を、それぞれ持つ:一つの基準で全層を見ない
経営への、報告
- 報告する数と、運用で見る数を分ける:経営には採用した数と承諾した数と一年後に残った数、運用では先に動く数
- 月次の報告に、先に動く数を一行添える:「面談の枠が埋まっていない」「返信が遅れている」を、数が悪くなる前に伝える
- 率は、補足で:分母が動くので、率だけで報告しない
- 卒年ごとに報告する:混ぜた数で報告すると、経営が判断を誤る
- 悪い数を、隠さない:隠すと、直す判断が遅れる
一枚の型
- 卒年ごとに一枚:上に、採る人数と職種、「こんな人」の一文
- 中に、四つのKPI(近い学生の面談数・各段の日数・承諾した数・一年後に残った数)
- 下に、毎月見る先に動く数(面談の枠の埋まり方・返信の日数・早期の接点の割合)
- 横に、期間(準備・早期・選考期・後期・内定フォロー):期間ごとに見る数を印で
- 層で分けるなら、層ごとに行を分ける
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 「こんな人」の基準を行動で決める | 経営と人事責任者と現場 |
| 卒年ごと・層ごとに表を分ける | 人事 |
| 四つのKPIを、出た時期に記録する | 人事 |
| 先に動く数を毎月見て、直す場所を決める | 人事責任者 |
| 面談の枠と現場の時間を確保する | 現場の責任者 |
| 経営に、卒年ごとに報告する | 人事責任者 |
| 一年後に残った数を追記する | 人事 |
運用代行や代理店が支えられるのは、四つと先に動く数の型、卒年と層の分け方、数の集計、媒体の運用の代行までで、「こんな人」の基準の決定、面談の枠と現場の時間の確保、直す場所の決定、経営への報告は企業が行います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
これは順番の話です。新卒のKPIの相談で、「まずKPIの表を作りたい」と言われることがあります。当社がお願いする順番は、「採る人数と職種を決める」、「『こんな人』を行動で一文にする」、「卒年ごとに表を分ける」、「四つのKPIを置く」、「毎月見る先に動く数を三つ決める」、です。表を先に作ると、測れる数(応募数、承認数、イベントの参加者数)が並びます。「こんな人」が決まっていないと、面談数を置いても「近い学生の面談数」にならず、ただの面談数になります。「こんな人」は、人事だけで決めず、現場と一緒に行動で決めてください。基準が決まれば、見る数は四つに絞れて、表は一枚に収まります。表の大きさは、基準が決まっているかを映します。
まとめ
- 新卒のKPIは卒年ごとに持つ。二つの卒年を一つの表に混ぜない。比べるのは他社ではなく、前年の同じ卒年の同じ期間
- 置くのは四つ。近い学生の面談数、各段の日数、承諾した数、一年後に残った数。応募数と承認数は測ってもよいが見る数にしない
- 四つは出そろうのが遅いので、途中は「先に動く数」(面談の枠の埋まり方、返信の日数、早期の接点が次につながった割合)で毎月判断する
- 期間ごとに見る数を変える。早期に選考期の物差しを当てず、選考期に早期の数を眺めない。内定フォローの期間は数より連絡の空白を見る
- 学生の層(文系・理系・院生・高専・留学生)で分け、層ごとの「こんな人」を持つ。経営には採用した数と承諾した数と一年後に残った数を、卒年ごとに報告する
よくある質問
「こんな人」を決めずに、KPIだけ先に置けませんか
置けますが、面談数が「ただの面談数」になり、増やす運用(誰でも面談に呼ぶ)に寄ります。「こんな人」は、学歴や志望ではなく行動で、現場と一緒に一文にしてください。「〇〇したことがある人」。一文が決まれば、面談の記録に「近いかどうか」を残せて、KPIとして使えます。
一年後に残った数を見るのは、遅すぎませんか
遅いので、途中は先に動く数で判断します。一年後の数は、翌年の計画で「どの入口から採った人が残ったか」を見るために使ってください。入社の数で切ると、入口を良く見せる方向に寄り、翌年も同じことが起きます。遅くても、残った数を追記する形を持っておいてください。
新卒採用のKPIは、御社に相談できますか
できます。当社は、四つと先に動く数の型、卒年と層の分け方、数の集計、媒体の運用の代行を支えられます。「こんな人」の基準の決定、面談の枠と現場の時間の確保、直す場所の決定、経営への報告は、企業が行ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、3媒体の運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
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