中途採用のKPI|新卒と分けて募集ごとに見る数
中途採用のKPIを置きたい。ところが、新卒のKPIをそのまま持ち込み、母集団の数と率を並べ、複数の募集をまとめて数え、現場から依頼を受けた日からの日数を測らず、見送りの理由を残さず、入社した後を見ない。数は毎月出るのに、「この募集が長引いている理由」に答えられません。結論から言うと、中途採用のKPIは、新卒のKPIをそのまま使いません。中途は、いつ発生するか分からない欠員や増員から始まり、募集ごとに採る人数が一人か二人で、一年の流れではなく募集ごとの短い流れで動きます。置くのは三つ。募集ごとの「現場から依頼を受けた日から入社までの日数」、「現場が実際に会った人数」、「見送りの理由の内訳」です。母集団の数(応募・スカウトの返信)と率は、一人の募集では分母が小さく、動きが読めないので、KPIにしません。募集をまとめて数えると、長引いている募集が平均に隠れます。募集ごとに見てください。入社した後は、試用の期間を越えた人数と、一年後に残った人数を見ます。 この記事では、中途のKPIで起きる失敗、新卒との違い、置く三つ、募集ごとに見る理由、率をKPIにしない理由、入社後、週次と月次、一枚の型、分担を整理します。KPIの基本は採用KPIの基本、新卒は新卒採用のKPI、ファネルの見方は採用ファネルに置くKPIで書きました。数値と料金は書きません。
この作業の目的|「この募集が長引いている理由」に答える
中途のKPIの目的は、採用全体の状態を眺めることではなく、動いている募集ごとに「進んでいるか、止まっているか、止まっているならどこか」に答えることです。募集は同時に複数動き、それぞれ事情が違います。まとめた数では、止まっている募集が見えません。
中途のKPIで、起きる失敗
- 新卒のKPIを、そのまま使う:母集団の数、各段の通過、承諾率。一年の流れを前提にした数を、募集ごとの短い流れに当てる
- 母集団の数と率を、KPIにする:一人か二人の募集では分母が小さく、一人の増減で率が大きく動く。動きが読めない
- 募集を、まとめて数える:五つの募集の平均を見て、長引いている一つが隠れる
- 現場の依頼からの日数を、測らない:募集を公開した日から数えて、依頼から公開までの時間(要件の決定、社内の承認)が見えない
- 見送りの理由を、残さない:現場が見送った理由が残らず、要件が合っていないのか、母集団が合っていないのかが分からない
- 入社した後を、見ない:試用の期間と一年後を見ないと、急いで採って早く辞める形が見えない
中途と、新卒の違い
| 観点 | 新卒 | 中途 |
|---|---|---|
| 始まり | 年間の計画 | 現場からの依頼(欠員・増員)。いつ来るか分からない |
| 採る人数 | 職種ごとに複数 | 募集ごとに一人か二人 |
| 流れ | 一年の七つの期間 | 募集ごとの短い流れ |
| 母集団 | 数で見られる | 分母が小さく、数と率で読めない |
| 見るもの | 近い人の面談数、各段の日数、一年後 | 依頼から入社までの日数、現場が会った人数、見送りの理由 |
| 要件 | 「こんな人」を年間で持つ | 募集ごとに現場と決める。途中で変わることもある |
- 同じ会社で、新卒と中途のKPIを分けて置く:一つの表にまとめない
- 中途のKPIは、募集ごとに作って、終わったら閉じる:一年続く表ではない
- 新卒と中途の辞退の違いは、新卒と中途の内定辞退の違い
エージェントベストの見解
これは数字の読み方の話です。中途採用の相談で、「応募の数が少ないので、媒体を増やしたい」と言われることがあります。募集ごとに分けて見ると、応募の数が少ない募集と、応募はあるが現場が会っていない募集と、会っているが見送りが続いている募集が混ざっていることがあります。三つは、直す場所が違います。一つ目は入口、二つ目は現場の時間、三つ目は要件か、母集団の合い方です。まとめた「応募の数」では、この三つが一つに見えます。当社がお願いしているのは、中途のKPIを募集ごとに置き、「現場が会った人数」と「見送りの理由の内訳」を残すことです。この二つがあれば、入口を増やす前に、現場の時間か要件かを先に直せます。中途で媒体を増やしても解決しないことが多いのは、止まっている場所が入口ではないからです。
置く、三つ
| KPI | 中身 | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 依頼から入社までの日数 | 現場から依頼を受けた日から、入社の日まで | 長引いている募集と、どの段で止まっているか |
| 現場が会った人数 | 現場(採用する部署)が実際に面接で会った人数 | 現場の時間が確保できているか、母集団が現場まで届いているか |
| 見送りの理由の内訳 | 現場が見送った理由を、決めた区分で残す | 要件が合っていないのか、母集団が合っていないのか |
- 依頼から入社までの日数を、段で分けて持つ:依頼→要件の決定→募集の公開→現場が会う→内定→承諾→入社。どの段で止まっているかを見る。採用リードタイムの見方
- 現場が会った人数は、書類で通した数ではなく、会った数:書類で通しても、現場の時間が無くて会えていない募集がある
- 見送りの理由の区分は、先に決める:「経験が要件と違う」「働き方の条件が合わない」「現場との相性」「本人が辞退」など。自由記述にすると集計できない
- 三つ以外を、KPIにしない:応募数、スカウトの送信数、承認率は測ってもよいが、見る数にしない。採用KPIの基本
募集ごとに見る、理由
- 募集ごとに、事情が違う:要件の希少さ、現場の時間、条件、急ぎ方
- まとめると、長引いている募集が平均に隠れる:五つのうち一つが止まっていても、平均は動かない
- 募集ごとの表を、一枚ずつ持つ:始まった日、依頼した現場、要件、段ごとの日数、会った人数、見送りの理由
- 終わった募集の表は、閉じて残す:翌年に同じ職種の募集が来たときの材料に
- 同時に動いている募集の数を、見る:担当の時間の上限。募集が増えたら、どれかを止めるか遅らせる判断を
- 急ぎの募集と、そうでない募集を分ける:全部を同じ速さで回さない
率を、KPIにしない理由
- 分母が小さい:一人か二人の募集で、応募が数人なら、一人の増減で率が大きく動く
- 率を上げる運用に、寄る:書類で絞れば通過率は上がるが、現場が会う人数は減る
- 募集をまたいで比べられない:職種と要件が違う募集の率を比べても、直す場所が分からない
- 率は、参考として横に置く:見るのは三つで、率は理由を探すときに見る
- 経営への報告に率が要るなら、募集ごとの日数と人数を先に、率は補足で:採用KPIを経営に報告する方法
入社した後に、見る数
- 試用の期間を越えた人数:急いで採って早く辞める形が、ここで見える
- 一年後に残った人数:入口の質を、入社の数ではなく残った数で見る。採用KPIの基本
- 入社の後に、現場に聞く:「依頼した要件と、入社した人が合っていたか」。次の募集の要件に反映する
- 早く辞めた場合の理由を、見送りの理由と同じ区分で残す:要件の決め方か、伝え方か。早期離職を減らす内定期間の使い方
- 入社後の数は、募集ごとの表に追記する:閉じた表に、後から書き足す
週次と月次の、見方
- 週次で見るのは、動いている募集の「止まっている段」:依頼から日数が経っていて、次の段に進んでいない募集を一つずつ。採用KPIの週次レビュー
- 月次で見るのは、募集ごとの日数と、見送りの理由の内訳:入口を直すか、要件を直すか、現場の時間を直すかを決める。採用KPIの月次レビュー
- 週次に、数の表を出さない:止まっている募集の名前と、止まっている段だけ
- 月次に、全部の募集を並べない:終わった募集と、長引いている募集だけ
一枚の型
- 募集ごとに一枚:上に、依頼した現場、依頼の日、要件、急ぎか
- 横に、段(依頼→要件の決定→公開→現場が会う→内定→承諾→入社):各段の日付と、そこまでの日数
- 中に、現場が会った人数と、見送りの理由の内訳
- 下に、入社後(試用の期間、一年後):閉じた後に追記
- 別に一枚、同時に動いている募集の一覧と、担当の時間
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 依頼の日と要件を記録する | 人事と依頼した現場 |
| 段ごとの日付を残す | 人事 |
| 現場が会った人数を記録する | 人事 |
| 見送りの理由を、決めた区分で残す | 現場と人事 |
| 週次で止まっている募集を見る | 人事責任者 |
| 月次で日数と理由の内訳を見て、直す場所を決める | 人事責任者と現場の責任者 |
| 入社後(試用の期間、一年後)を追記する | 人事 |
運用代行や代理店が支えられるのは、募集ごとの表の型、段の分け方、見送りの理由の区分の型、数の集計、媒体の運用の代行までで、要件の決定、現場の時間の確保、面接と見送りの判断、直す場所の決定は企業が行います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
これは切り分けの話です。中途の相談で、「採用が進まない」と言われたとき、当社が最初に聞くのは「依頼を受けた日はいつか」と「現場は何人に会ったか」です。この二つで、止まっている場所が大きく分かれます。依頼から公開までが長いなら、要件の決定と社内の承認で止まっていて、入口の問題ではありません。公開から現場が会うまでが長いなら、母集団が届いていないか、現場の時間が無い。会っているのに決まらないなら、要件か伝え方です。当社は3媒体すべての販売パートナーとして媒体の運用を支えていますが、中途で媒体を増やして解決するのは、三つのうち一つだけです。当社がお願いしているのは、媒体を増やす前に、この二つの数で止まっている場所を切り分けることです。切り分けずに入口を足すと、要件で止まっている募集に応募が積み上がり、現場の時間がさらに足りなくなります。
まとめ
- 中途のKPIに、新卒のKPIをそのまま使わない。中途は募集ごとの短い流れで、採る人数が一人か二人。母集団の数と率は分母が小さく、KPIにしない
- 置くのは三つ。募集ごとの「依頼から入社までの日数(段で分ける)」「現場が会った人数」「見送りの理由の内訳(区分を先に決める)」
- 募集をまとめて数えない。募集ごとに一枚持ち、終わったら閉じて残す。同時に動いている募集の数を、担当の時間の上限として見る
- 入社した後は、試用の期間を越えた人数と一年後に残った人数を、閉じた表に追記する。早く辞めた理由を、見送りの理由と同じ区分で
- 週次は止まっている募集の段だけ、月次は日数と見送りの理由の内訳。媒体を増やす前に、依頼からの日数と現場が会った人数で、止まっている場所を切り分ける
よくある質問
募集が同時に十件あり、募集ごとに見るのは大変です
同時に動かせる募集の数が、担当の時間を超えています。まず一覧を作り、急ぎの募集とそうでない募集を分け、急ぎでない募集の開始を遅らせるか、要件の決定を現場に返してください。十件を薄く回すより、回せる数に絞るほうが、依頼から入社までの日数は短くなります。一覧と、動いている募集の表だけを見る形にしてください。
見送りの理由を、現場が書いてくれません
区分を先に決めて、選ぶだけにしてください。自由記述だと書かれません。「経験が要件と違う」「働き方の条件が合わない」「現場との相性」「本人が辞退」から選んでもらい、必要なら一行だけ足してもらう。面接の直後に、その場で選んでもらう形にすると残ります。
中途採用のKPIは、御社に相談できますか
できます。当社は、募集ごとの表の型、段の分け方、見送りの理由の区分の型、数の集計、媒体の運用の代行を支えられます。要件の決定、現場の時間の確保、面接と見送りの判断、直す場所の決定は、企業が行ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、3媒体の運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
相談無料 / 求人広告代理店エージェントベスト
採用の進め方を、媒体選びから一緒に整理しませんか
- 採用人数・時期・体制から、どの媒体で何をするかを一緒に整理します
- スカウト代行・運用代行と組み合わせて、手が回らない部分を外に出せます
- 料金は各媒体の正規料金のまま。ご相談・お見積りは無料です
この記事の内容に合うサービス:採用ご担当者さま向けサービス一覧 ↗人材紹介・採用代行・求人広告代理店