採用KPIを経営に報告する方法|説明でなく判断をもらう報告
採用KPIを経営に報告したい。ところが、数の説明で時間が過ぎ、悪い数を資料の後ろに置き、毎月の形が変わって前月と比べられず、率を中心に報告して分母の話ができず、媒体ごとの細かい数を並べ、判断を求めずに「引き続き頑張ります」で終わる。翌月も同じ報告になります。結論から言うと、報告の目的は説明ではなく、経営に判断してもらうことです。毎月載せるのは四つ。採用した数と承諾した数、逆算と時間の上限の差、今月変えた一つ、翌月の見込みです。数が悪い月ほど、隠さず先に出して、「人数を減らすか、時間を増やすか」を選んでもらいます。この二つは人事が決めることではなく、経営が決めることです。率と媒体ごとの細かい数は、常に載せず、聞かれたときに出します。報告の型を決めて、毎月同じ形で出すと、経営が前月と比べられて、判断が速くなります。形が毎月変わる報告は、比べられず、判断が遅れます。 この記事では、報告で起きる失敗、報告の目的、毎月載せる四つ、悪い数の出し方、経営に返す二つ、聞かれたときに出す数、報告の型と時間、四半期と年度、一枚の型、分担を整理します。KPIの基本は採用KPIの基本、目標は採用KPIの目標の決め方、月次は採用KPIの月次レビュー、ダッシュボードは採用KPIのダッシュボードの作り方で書きました。数値と料金は書きません。
この作業の目的|判断を、その場でもらう
報告の目的は、採用の状況を共有することではなく、経営にその場で判断してもらうことです。判断してもらうことは、たいてい二つしかありません。人数を減らすか、時間を増やすか。この二つを選んでもらうために、必要な数だけを出します。判断が要らない月は、報告は短くて構いません。
報告で、起きる失敗
- 数の説明で、終わる:資料の数を順に説明して時間が過ぎ、判断まで届かない
- 悪い数を、後ろに置く:先に良い数を並べて、悪い数が最後になる。時間が無くなって、判断が翌月に延びる
- 毎月、形が変わる:載せる数と並びが変わり、経営が前月と比べられない
- 率を、中心に報告する:分母が動くので、率だけでは判断できない。分母を減らして率が上がった月を「改善」と読まれる
- 媒体ごとの細かい数を、並べる:経営が決めることではない。人事が見る数
- 判断を、求めずに終わる:「引き続き頑張ります」で終わり、人数も時間も変わらないまま翌月になる
毎月、載せる四つ
| 載せるもの | 中身 | 何のために |
|---|---|---|
| 採用した数と承諾した数 | 職種ごと、卒年ごと(または募集ごと) | 採る人数に届くかを見てもらう |
| 逆算と時間の上限の差 | 採る人数からの逆算と、担当と現場の時間から出した上限の差 | 人数か時間かを選んでもらう。採用KPIの目標の決め方 |
| 今月変えた一つ | 何を、なぜ変えたか | 運用が止まっていないことを示す |
| 翌月の見込み | 先に動く数から見た、翌月の数の見通し | 早めに判断してもらう |
- 四つ以外は、常に載せない:聞かれたときに出す
- 卒年ごと、募集ごとに分ける:足した数で報告しない。新卒採用のKPI、中途採用のKPI
- 翌月の見込みは、先に動く数から:面談の枠の埋まり方、返信の日数
- 一年後に残った数は、出た時期に一度:毎月は載せない
エージェントベストの見解
これは順番の話です。経営への報告の相談で、「数が悪いので、報告の前に対策を考えてから出したい」と言われることがあります。当社がお願いする順番は、「悪い数を先に出す」、「その原因として分かっていることを一行」、「人事で直せる範囲(一つ)を示す」、「直せない範囲を、人数か時間かの選択肢として返す」、です。対策を全部そろえてから報告すると、報告が遅れ、経営が判断できる時期を過ぎます。人事で直せるのは運用で、人数と時間は経営の判断です。対策を考えてから出すのは、判断を人事が先に引き受けている形で、引き受けた分だけ、運用を無理に回すことになります。悪い数は、早く、隠さず、判断の選択肢と一緒に出してください。早く出した月ほど、選べる手が多く残ります。
悪い数の、出し方
- 先に出す:資料の最初に、悪い数と、その段
- 原因として分かっていることを、一行:分かっていないなら「分かっていない。来月までに〇〇を集める」と書く
- 人事で直す一つを、示す:今月変える一つ。採用KPIから改善点を見つける方法
- 直せない範囲を、選択肢にする:人数を減らすか、時間を増やすか
- 隠さない:隠すと、判断が遅れ、後で大きく動かすことになる
- 良い数も、同じ形で出す:良い月に理由を書いておくと、翌年の材料になる
経営に返す、二つの選択肢
- 人数を減らす:職種を絞る、採る時期を分ける、中途に回す、翌年に回す
- 時間を増やす:面接官の日を増やす、現場が面談に出る時間を増やす、担当を増やす、外に出せる作業を出す
- 二つを、数で示す:「逆算では面談が〇必要、時間で回せるのは△。差は□」
- どちらも選ばれないなら、届かない前提で進むことを合意する:合意があれば、期の途中で無理をしない
- 選ばれたことを、記録する:いつ、何が決まったか。翌年の計画の材料に
- この判断を、人事が代わりにしない:代わりにすると、運用が無理を吸収する
聞かれたときに、出す数
- 率:分母と一緒に。率だけでは判断できない
- 媒体ごとの数:入口ごとの内訳。媒体別のKPI設計
- 段ごとの日数:遅い段を聞かれたとき。採用リードタイムの見方
- 採用単価:聞かれたときに、人件費を含めた形で。採用単価の計算と見方
- 個別の学生の話:一人の話は、報告の場では出さない
- 出せる形を、手元に持っておく:その場で開ける状態に。採用KPIのダッシュボードの作り方
報告の、型と時間
- 毎月、同じ形で出す:載せる四つの並びを変えない
- 一枚に収める:資料を厚くしない
- 時間は短く、判断の時間を残す:説明に時間を使わない
- 前月に決まったことの結果を、最初に一行:「前月に決めた〇〇の結果は△△」
- 報告の場を、月次レビューと分ける:人事の月次レビューで直す場所を決めてから、経営に報告する。採用KPIの月次レビュー
- 判断が要らない月は、短く終える:毎月同じ長さにしない
四半期と、年度の報告
- 四半期:採用した数と承諾した数の累計、逆算に対する進み、この三か月で変えたことと結果
- 年度:採用した数、承諾した数、一年後に残った数、入口ごとの残った数、翌年に変える三つ。新卒採用の年間振り返り
- 年度の報告に、一年後に残った数を入れる:入社の数だけで報告すると、入口を良く見せる方向に寄る
- 翌年の計画の材料として、差と時間の記録を出す:新卒採用計画の立て方
- 他社や業界の平均と、比べない:比べるのは前年の自社
一枚の型
- 上に、前月に決まったことの結果(一行)
- 中に、毎月の四つ(採用した数と承諾した数/逆算と時間の上限の差/今月変えた一つ/翌月の見込み)
- 悪い数は、上のほうに:原因の一行と、人事で直す一つを添えて
- 下に、経営に判断してもらうこと(人数を減らす・時間を増やす・届かない前提で進む)
- 欄外に、聞かれたときに出せる数の一覧
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 月次レビューで、直す場所を一つ決める | 人事責任者 |
| 報告の四つを、卒年ごと・募集ごとに用意する | 人事 |
| 逆算と時間の上限の差を出す | 人事責任者 |
| 悪い数を先に出し、選択肢を二つ示す | 人事責任者 |
| 人数か時間かを判断する | 経営 |
| 決まったことを記録する | 人事 |
| 年度に、一年後に残った数を報告する | 人事責任者 |
運用代行や代理店が支えられるのは、報告の型、四つの数の集計、差の出し方、聞かれたときに出す数の準備までで、悪い数を出す判断、選択肢の提示、経営の判断、決まったことの実行は企業が行います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
これは数字の読み方の話です。経営への報告の相談で、「率が上がったので、改善として報告したい」と言われることがあります。率が上がった月の分母を見ると、送る数を減らしていて、面談の数も減っていることがあります。率は上がり、採用に近づく数は減っている。この月を「改善」として報告すると、経営は「良くなっている」と読み、人数も時間も動きません。当社がお願いしているのは、報告に率を単独で載せず、採用した数と承諾した数と、逆算に対する差で報告することです。率は、聞かれたときに分母と一緒に出す。数で報告すると、悪い月は悪いと分かり、判断の機会になります。率で報告すると、悪い月が良く見えることがあり、判断の機会が失われます。報告の目的が判断なら、判断が要ることが分かる数を載せてください。
まとめ
- 報告の目的は説明ではなく、経営に判断してもらうこと。判断してもらうのは「人数を減らすか、時間を増やすか」の二つ
- 毎月載せるのは四つ。採用した数と承諾した数、逆算と時間の上限の差、今月変えた一つ、翌月の見込み。四つ以外は聞かれたときに出す
- 数が悪い月ほど、先に出す。原因として分かっていることを一行、人事で直す一つ、直せない範囲を選択肢として。対策をそろえてから出すと、判断の時期を過ぎる
- 率を単独で報告しない。分母を減らして率が上がった月が「改善」と読まれる。媒体ごとの細かい数と個別の学生の話も、常には載せない
- 毎月同じ形で一枚に収め、説明ではなく判断に時間を残す。年度の報告には一年後に残った数を入れ、比べるのは前年の自社
よくある質問
悪い数を先に出すと、詰められませんか
原因の一行と、人事で直す一つと、選択肢を一緒に出してください。「悪い」だけを出すと詰められますが、「悪い・分かっている原因・直す一つ・経営に選んでほしい二つ」をそろえて出すと、議題が判断になります。分かっていない月は「分かっていない。来月までに〇〇を集める」と書けば、その集める作業が今月の仕事になります。
経営が判断を返してくれません
選択肢が具体でないか、数で示されていない可能性があります。「時間を増やしてほしい」ではなく、「面接官の日を月に〇回増やすと、面談が△増える」と数で。それでも返らないなら、「届かない前提で進むことを合意する」を三つ目の選択肢として出してください。合意があれば、期の途中で運用が無理を吸収せずに済みます。
採用KPIの経営への報告は、御社に相談できますか
できます。当社は、報告の型、四つの数の集計、差の出し方、聞かれたときに出す数の準備を支えられます。悪い数を出す判断、選択肢の提示、経営の判断、決まったことの実行は、企業が行ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、3媒体の運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
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